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2章 王立学園編
モブストーカー、外堀を埋められる
しおりを挟む「スカーレット・ブルームフィールド公爵令嬢は私、ジュリアン・ブルクハルトの正式な婚約者で未来の王太子妃だ。それでなくても彼女は私のいとこで王族籍にある公爵家の姫。その彼女にいわれなき罪を擦り付けその上、相手の事を知らないどころか、勝手に自分達より身分が下だと思い込むと何を言ってもよいとばかりに言いたい放題のことをよくもしてくれたな。まぁ不敬罪で問う事も可能だけど……どうしたいスー」
「う、嘘でしょ?この子が王太子殿下の婚約者???」
言っちゃった。言っちゃったよこの人。
知ってたよ、知ってたけど……ジュリアン様が早く公表したがっていた事は。
私が誰もに気づかれないように小さくため息を吐くと。
先ほどまで令嬢たちに厳しい目を向けていた人と同一人物とは思えない程のどろっどろに蕩けた笑みを私に向けてくるジュリアン様に私は逆に震えあがる。
「え?いや私特に被害を受けたわけではありませんから別にどうもしませんけど。むしろ私に悪意を向けたせいでこんな事になってしまってすみませんって」
本当に私は特に被害らしきものはなかったし、むしろ悪意が強ければ強い程反射の力は強く出るからこちらが申し訳ないのだけれどね。
「な、なんてスーは優しいんだ。自分に悪意を向けられたのに逆に謝るなんて私の婚約者は天使か?いや女神だな」
今にも私にキスでもしてきそうな勢いでハートを飛ばしまくるジュリアン様に私はスンッと真顔になってしまう。
私、ただのモブですから。
そんな私とジュリアン様の話を聞いていた目の前の三人娘以外の貴族達にも私が(不本意ながら)ジュリアン様の婚約者だと言う事がバレてしまった。
「あぁ、君たち良かったね私のスーが寛大で。とりあえず今日の所は罪を問う事はしないでおいてあげるけれど、次このような事をしたらただじゃおかないからね」
ニッコリと笑顔のジュリアン様がとても恐ろしい。
「そうだ、私とスーの婚約の事は正式発表まで極秘にしていてくれるとうれしいな。それくらい……出来るよね」
笑顔で箝口令を発令する辺りさすが腹黒王太子殿下!!
と、言う訳で私とジュリアン殿下の婚約は公然の秘密というもう秘密でもなんでもないような気もするんだけど、これがジュリアン様なりの私への配慮なんだろうな。
とりあえずこの三人娘には王家から直々に実家の方へ抗議が入るという結末があったのだけれどジュリアン様が敷いた箝口令は守られているらしく、私がジュリアン様の婚約者だという話は社交界でも噂にもなっていないらしいのでさすが未来の王の機嫌を損ねるのは得策ではないとその場にいた貴族は理解したのでしょう。
それにしても歓迎パーティーなはずがとんでもない会になってしまったよ。
トホホ。
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