乙女ゲームの世界に転生したら、モブだったので神様に貰ったチートな力を駆使して前世の最推しをストーキングしますっ!

支倉りおと

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2章 王立学園編

モブストーカー、王太子殿下はやっぱり腹黒でした

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 私の背後からビリビリとした怒気を纏いながら無駄にいい笑顔をした王太子殿下がやってきたいや、やってきてしまった。

 君たち彼の顔に騙されて瞳をハートにしている場合ではないと私は思うのだが……。

「やあ、ご令嬢方どうされたのですか?あぁ派手にやったみたいだね」

 私に掛けられるはずだったぶどうジュースの成れの果てを見て、ニッコリと笑顔だがジュリアン様の目は笑ってない。
 
 彼は知っている私が防御魔法と反射魔法を常時展開している事を、そしてこんなめんどくさい事をしない事を。

「あの、王太子殿下実は……そちらの令嬢に私達ぶどうジュースを掛けられましたの。突然の事で驚いてしまって怖かったですわ」

 そう言うと、侯爵令嬢らしき令嬢が王太子殿下へしな垂れかかろうとする。

「本当に怖かったですわ。振り向きざまにいきなり掛けられましたのよ。どなたか存じませんが人のドレスをわざと汚そうとするなんて淑女の風上にも置けませんわ」

 ウルウルと涙を目に浮かべながら王太子殿下へ訴える伯爵令嬢と思わしき令嬢。

「恐ろしくて恐ろしくて……。鬼のような形相をして私達に酷い事をされたんです。どうかそこの令嬢に厳しい処分をお願い致します」

 顔を赤くしながらもハキハキと伝える子爵令嬢と思わしき令嬢。

 そんな彼女達の行動を見事に避けながら、更にニッコリと微笑むジュリアン様。

 他人はとても素敵と言う笑顔だけど、私には恐ろしいとしか感じられない笑顔に私は凍り付く。

「そうか、君たちはあくまで私のスー・ ・ ・ ・ ・ ・ ・が君たちのドレスを汚したと言うのだね」

「「「はい、もちろんでございます」」」

 そう答えると侯爵令嬢と思わしき令嬢が私の顔を見てさも勝ち誇ったような顔をした。

「でも、爵位の低い男爵令嬢でしたら教養がなくても仕方ないですわよね」

 扇子で顔を隠しながらも馬鹿にしたような笑みを浮かべる侯爵令嬢らしき令嬢。

「そうですわ。きっと辺境の男爵令嬢なのでしょう。王都へ来て舞い上がっていたんですわね」

 こちらも扇子で顔を隠しながら残念な物を見るような目で見てくる伯爵令嬢らしき令嬢。

「ええ、どこの田舎から来た没落寸前の男爵令嬢にはこの王都での日々は勘違いしてしまいますわよね」

 そう言うとクスクスと笑いだした。

 そうか、私はやっぱり男爵令嬢というか平民でもおかしくないモブだもんな。そりゃしょうがない。

 私が苦笑いしていると。

「へぇ。スー君は辺境の男爵令嬢だと思われていたんだね。それはそれは初耳だ。こんなに貴族の事を学んでいない高位貴族がいるとは私は思わなかったよ。ねぇシトルニア侯爵令嬢。キミは侯爵家の令嬢なのに上位貴族の名と顔を頭に入れると言う事すら努力せず、家の力でやりたい放題らしいね。相手を誰だか調べもせずに愚かな事をするような人だから私の婚約者名簿にも載らなかった唯一の侯爵令嬢だったね確か」

 シトルニア侯爵令嬢のリリア様がジュリアン様の言葉に一瞬で顔を真っ青にして固まった。

「あぁ、残りに2人も不出来な令嬢の取り巻きご苦労様だね。キミ達もシトルニア侯爵令嬢と同等の知識しかないのによく自分より高位の貴族へケンカを売る事が出来たよね。ある意味尊敬するよ馬鹿すぎて」

 その言葉に残りの2人も凍り付く。なのにジュリアン様だけが楽しそうに私にこう告げた。

「あぁ、せっかくだからスーこの教養のない者たちに教えてあげてくれないか君が誰なのか」

 私の方を向き頬を撫でながら私に「本当の事を教えてやれ」と目で指示するジュリアン様。クソッこの腹黒めっ。

「えっと……初めまして、ブルームフィールド公爵が娘スカーレット・ブルームフィールドと申します以後お見知りおきをお願い致します」

 そう挨拶すると、目の前の令嬢3人がヒュっと息を詰めた音がした。

「嘘でしょ?ブルームフィールド公爵令嬢?王弟殿下と妖精姫の娘?」

 呆然とする令嬢達。

 その様子を少し不満げな顔をして隣に来たジュリアン様に私は腰を抱かれると。

「コラ、スー駄目だろ。大事な事を忘れているじゃないか」

 まさか……。


 こらぁぁぁやめろぉぉぉぉぉ。


 あーーーーやっぱり腹黒腹黒ぉぉぉ。


 
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