私が転生したのは腐女子に優しい世界でした

支倉りおと

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対面式はイベントのはず?

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 ランチを食べた後、午後からは中等部の全生徒が講堂に集まり新入生と在校生の対面式だ。
 東城学園は中等部と高等部があり、中等部から通う生徒はエリート組と呼ばれるらしい。なので私達も一応エリート組に属する事になるのかな?

 まぁそれは置いておいて、学年ごとに分かれて座るので私はふーちゃんと、最後まで私と一緒に座ると我儘を言うなっちゃんを引きずるように連行したお兄ちゃん……。ご苦労様です。
 どっちにしろ、お兄ちゃんもなっちゃんも生徒会役員だから役員席に座らないといけないんだから無理なものは無理だろう。

 さ、これで落ち着いて対面式に望めると思ったら……。

 敵はまだ隣にいたんだった。

 可動式の肘置きを上にあげると、隙間なく私にくっつき左手は私の腰を抱きながら手の指は私の脇腹を撫でる。
 私の肩付近に頭を擦り付けたり耳の裏をスンスン嗅いでいる。
 
「ふーちゃんそのくらいにして、もう始まるよ」

 暇さえあれば私とくっついて離れないふーちゃん。お兄ちゃんやなっちゃんがいるとここまでベタベタしないんだけど、私と2人だとすぐに恋人同士のような事をしてくる。
 物心つく前からの事だから、私も特に気にしてなかったんだけど、さすがにそろそろ変に思われるよね?

「やーだぁ。陽菜ともっとイチャイチャしたい。もっと触りたい」

 絶対にそばを離れないマンになってるふーちゃん。はぁ、今日も私が諦めるしかないか。

 とりあえず、まだ脱がされたりしてないから触られるだけなら問題なくはないけど、まぁいいや。

 
 そして対面式という学校行事という名のイベント?が始まった。



 対面式はお兄ちゃんが言っていた通りまず校長先生の話から始まった。

 内容は簡単に言うと、みんな仲良くしてね。って内容。まぁそんな感じしか言う事もないよね。わかる。
 その後は、今日も理事長の挨拶があった。理事長暇なの?
 昨日の入学式、東城至の出現によってこの世界が僕嫁の世界だと思い出してしまった私はぶっ倒れるわ、その私を理事長みずから運ぶとかあり得ない展開に頭を悩ませたよ、私は。
 現在、舞台上に上がり挨拶をしている東城至を少しだけ恨みがましい顔をしながら見ていると、なぜか東城至と目があった。
 
 と、言うか東城至が私をガン見してませんか?しかもなんだか熱く見つめられてる気が……。

 あ、間違いないみたい。隣のふーちゃんがめっちゃ機嫌悪くなって私に巻き付いてる。
 ふーちゃんは昔から私に向けられる常人の向ける視線以外の物に敏感だ。だからその相手から私を守る為に相手を威嚇する。
 そうすると……。


 あーはい。
 生徒会役員席に居るお兄ちゃんやなっちゃんにも伝わったみたい。

 2人とも視線で人殺せますって鋭さで舞台上の東城至を睨んでる。
 
 いつの間にかセコムが起動したみたい。
 
 ほんっとーに私の周りは過保護すぎるんだ。
 
 確かに東城至の視線は私的にもちょっとアレだけど、何かされたわけじゃないんだからほっておけばいいのに。
 理事長なんかそうそう接触しないんだからさ。

 なんて思っていると。

「それでは楽しい学園生活を送ってください。あーそれと1年特進クラスの佐々倉陽菜さんは後で理事長室まで来てください。それでは私からは以上です」

 







 は?




 何故わたしが理事長から呼び出しされるの?意味が分からないんですけど。

 それを聞いた周りはざわつくし、隣のふーちゃんはめそめそ泣きだして遂には私を抱っこして離さないし、怒りに震えてるお兄ちゃんとなっちゃん。
 正直、カオスなんだけど……。
 理事長なんてこと言ってくれるんだよ、この後の収集どうつけてくれるんだ?
 あーもう厄介者が増えた~。

 私がうんざりしてる間にも対面式は続き、次は生徒会長の挨拶だ。

 舞台上に上がったのは、はい私のお兄ちゃんです。
 今季の東城学園中等部の生徒会長様は佐々倉唯斗、副会長は進藤夏月。
 このゲームの人気カップリングナンバーワン。
 夏月ルートは本当に人気があった。

 幼馴染と言う関係を拗らせた夏月は唯斗の事が好きだけど、気持ちを伝える事で嫌われるのがイヤで気持を隠す。
 大好きな唯斗と付き合えないから身代わりに女の子ととっかえひっかえ付き合ってはヤリ捨てるようなキャラだった。
 そんな夏月を心配する唯斗、心配してくれる事に喜びを感じる夏月だけど、どう考えてもノーマルな唯斗が自分の事を好きになんてならないと思っている夏月は思い悩む。
 そんな自分を大事にしない夏月を心配する唯斗、なぜ夏月があんな行動を取るのかわからない唯斗は夏月に自分を大切にしろ、本当に好きな人が出来た時に後悔するぞと、苦言を呈してしまう。
 そんな夏月は唯斗への言えない気持ちで苦しんでいるのに、唯斗は俺の事なんて友達としか思ってない事に悔しくて悲しくてやりきれない気持ちになる。

 それからも夏月は唯斗への気持ちを持て余しながら好きでもない女の子を抱いてごまかして生きていた。
 これは夏月サイドの話で、唯斗目線ではちょっと違う。

 実は唯斗もずっと夏月の事が好きだった。唯斗自身も夏月はノーマルだと思い込んでいて自分の気持ちを諦めていた。
 中学生になるまで何をするにも一緒だった夏月が、中学生になってから唯斗より女の子と遊ぶようになり焦燥感を覚えていた。
 その女遊びの理由を知らない唯斗はって、夏月ルートを説明してる場合じゃなかった。

 

 見た目にはわからないけれど、不機嫌MAXなお兄ちゃん。挨拶もどこかとげとげしい。
 でもさすが、この世界のヒロイン。
 生徒の視線を独り占めしてる。女子だけじゃなく男子すらもお兄ちゃんを見る視線が熱い。
 
 はーコレがヒロイン力なんだね。

 我が兄ながら凄すぎる。
 それにしてもあんなにイケメンの妹がモブ中のモブ顔なの可哀そくない?もう少しでいいからマシな顔にしてほしかったなぁ。
 

 その後も予定通り、学内の先生の紹介や特別棟の説明。部活の紹介なんかも続きなんやかんや色々あった。
 

 それにしても


 対面式のイベントは?このイベントって東城至のイベントじゃないよね?あれ?

 イベント起きなかった?

 え?

 どういう事?


 彼は部活紹介で……。


 あ、そうかこれ2年前なら可能だけど2年後の今、起きる訳ないじゃん。
 イベントを起こすはずの人物、いま高等部の生徒だったわ。


 
 くぅっ佐々倉陽菜一生の不覚。


 そりゃイベントもクソもねぇ。



 ねぇ、いつになったらBLスチル見れるの?
 
 
 
 
 
 
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