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第一王子視点18 リアから別れの手紙を受け取りました。
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本日4話目です。
***********
俺はリアの母から飲まされた七転八倒ポーションのおかげで体調は更に悪化した。
いや、ポーション飲んで少し残っていた毒の影響は一切無くなったのだ。そこは流石にアリシア、破壊の魔女様だった。
だが、後遺症が凄いのだ。内臓にメスを入れられて切り裂かれるような痛みが走るのだ。俺は痛さに七転八倒するはめになってしまった。
慌てて王宮の部屋に担ぎ込まれたのは良かったが、これ、ベッドから離れようとすると急激な痛みが襲ってくるのだ。トイレに立つことすらままならぬのだ。
一度トイレまで無理していったらそこで発作が起きて大変だった。
メルヴィンらが慌てて駆けつけてくれて事なきを得たが、それ以来トイレにさえ行けなくなったのだ。
リアを迎えに行くなんて、夢のまた夢だった。
でも、俺はそんな体が許せなかった。
リアは今でも泣いているかもしれないのに。
そんなリアから手紙が来たのだ。
俺は慌てて封を切った。
手紙は至るところが水で滲んでいた。俺は唖然とした。これはリアの涙だ。
「カートへ。
こんな風に第一王子殿下にお書きしたら不敬になるかもしれませんが、お許し下さい。
だって私、あなたが第一王子だなんて知らなかったから。
バカバカバカバカカート。
なんで教えてくれなかったのよ。私全然知らなくて。
母が「王子と結婚したら縁を切る」って言っていたのはカートのことだったんだね。
私何も知らなくて、全然関係ないことだと思っていた。
カートと将来一緒になれると思っていたのに。
なれると・・・・なれると・・・・
なれると思っていたのに。
私は王妃に教えられるまで全く気付かなかったんだから。
皆にはなんで判らなかったのかみたいに言われたけれど、そんなのわかるわけないじゃ無い。
というか、カートが教えてよ。他のやつに教えられる前に、王妃なんかに教えられる前に、カートに教えてほしかったのに・・・・
御免ね。こんな事書いて文句言ってももうどうしようもないのに。
でも、でも、でも、でも
文句くらい言わせてよ。私愚痴とか全部カートに聞いてもらっていたのに・・・・
もう愚痴る人もいないじゃない。
バカバカバカ・・・・
今まで私なんかの相手をしてくれてありがとう。
サマーパーティーも本当は第一王子として皆の相手しないといけないのに、私の相手してくれたんだ。気づかなくってごめんね。食べさせてくれたのもカートだったからなんだよね。
泣いたりして御免。
私のためにダンジョンに薬草採るのに何度も何度も付き合ってくれて本当にありがとう。
クリスマスデートも私はとても楽しかった。あの楽しかった時のことが今頭の中に思い出されています。
カートのカートの温かい胸の中にいた時のことが。
あの時、天のお星様にカートとずうーっと一緒に居させてくださいって天の星に祈ったのに・・・・
祈ったのに・・・・
神様は酷いです。
魔法学でいい加減なこと書いたから神様怒ったのかな。
こんなことになるなら、赤点とっても、最下位でも良かったのに。
カートとずーーーーっと一緒にいたかったよ・・・・・
今はサウス湖のおしゃれなカフェの横通っています。カートの食べさせてくれた果物、とても美味しかったよね・・・・
今まで本当にありがとう。
帝国の皇女との婚約が決まったって聞きました。
おめ、おめ、おめ
ごめん書けない。
でもいつか言えるように頑張る。 いつか・・・・
ごめんねカート、
あなたが他の女と幸せにしている姿を見たくない。
本当に好きな人のことだったら言えるって言うけど、ごめん、私には無理。
あなたの横にずうーーーーっといたいと思っていたの。
本来こんな手紙書きたくなかった。
でも、お別れさえ言えなかったから。
本当は会ってお別れ言いたかった。
でも、それも無理。
会ったら絶対にカートを離したくなくなる。
絶対に二人だけを障壁で囲って誰にも触れさせなくしちゃう。
私の障壁完璧だから、それもできちゃう。
でも、そんな事許されるわけないよね。
だから手紙で書きます。
今まで本当にありがとう。
本当に・・・・・・
そして、さ、さよう・・・・・
嫌だ。言えない。書けない。そんな言葉この世から消し去りたい。
無理だよ。
嫌だ。嫌だ。本当はずうーーーと一緒にいたかったです。
あなたのリアより」
その手紙はところどころ涙でぐちゃぐちゃでやっと判読できるものだった。
「な、なんで俺をほって行くんだよ」
俺は手紙を握り潰した。
こうしてはいられない。リアを迎えに行かなければ。
俺は激痛に耐えて服を着替えた。
凄まじい激痛が体中に走ったが、今はそれどころじゃなかった。
外に出ようとした俺を、部屋に入ってきたメルヴィンらが見つけた。
「おい! どうしたんだ、カーティス」
「リアを迎えに行く」
「いや、おまえ、その体では無理だって」
「ウォーーーー、迎えに行くんだ」
激痛に耐えながら俺は言った。
「いや、だから無理だって」
「何言ってんだ。リアを迎えに行かなければ」
「おい、ザカリー、人を呼べ」
行こうとする俺はメルヴィンや騎士たちにベッドに抑え込まれて、ポーションの激痛でいつの間にか気を失っていた。
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俺はリアの母から飲まされた七転八倒ポーションのおかげで体調は更に悪化した。
いや、ポーション飲んで少し残っていた毒の影響は一切無くなったのだ。そこは流石にアリシア、破壊の魔女様だった。
だが、後遺症が凄いのだ。内臓にメスを入れられて切り裂かれるような痛みが走るのだ。俺は痛さに七転八倒するはめになってしまった。
慌てて王宮の部屋に担ぎ込まれたのは良かったが、これ、ベッドから離れようとすると急激な痛みが襲ってくるのだ。トイレに立つことすらままならぬのだ。
一度トイレまで無理していったらそこで発作が起きて大変だった。
メルヴィンらが慌てて駆けつけてくれて事なきを得たが、それ以来トイレにさえ行けなくなったのだ。
リアを迎えに行くなんて、夢のまた夢だった。
でも、俺はそんな体が許せなかった。
リアは今でも泣いているかもしれないのに。
そんなリアから手紙が来たのだ。
俺は慌てて封を切った。
手紙は至るところが水で滲んでいた。俺は唖然とした。これはリアの涙だ。
「カートへ。
こんな風に第一王子殿下にお書きしたら不敬になるかもしれませんが、お許し下さい。
だって私、あなたが第一王子だなんて知らなかったから。
バカバカバカバカカート。
なんで教えてくれなかったのよ。私全然知らなくて。
母が「王子と結婚したら縁を切る」って言っていたのはカートのことだったんだね。
私何も知らなくて、全然関係ないことだと思っていた。
カートと将来一緒になれると思っていたのに。
なれると・・・・なれると・・・・
なれると思っていたのに。
私は王妃に教えられるまで全く気付かなかったんだから。
皆にはなんで判らなかったのかみたいに言われたけれど、そんなのわかるわけないじゃ無い。
というか、カートが教えてよ。他のやつに教えられる前に、王妃なんかに教えられる前に、カートに教えてほしかったのに・・・・
御免ね。こんな事書いて文句言ってももうどうしようもないのに。
でも、でも、でも、でも
文句くらい言わせてよ。私愚痴とか全部カートに聞いてもらっていたのに・・・・
もう愚痴る人もいないじゃない。
バカバカバカ・・・・
今まで私なんかの相手をしてくれてありがとう。
サマーパーティーも本当は第一王子として皆の相手しないといけないのに、私の相手してくれたんだ。気づかなくってごめんね。食べさせてくれたのもカートだったからなんだよね。
泣いたりして御免。
私のためにダンジョンに薬草採るのに何度も何度も付き合ってくれて本当にありがとう。
クリスマスデートも私はとても楽しかった。あの楽しかった時のことが今頭の中に思い出されています。
カートのカートの温かい胸の中にいた時のことが。
あの時、天のお星様にカートとずうーっと一緒に居させてくださいって天の星に祈ったのに・・・・
祈ったのに・・・・
神様は酷いです。
魔法学でいい加減なこと書いたから神様怒ったのかな。
こんなことになるなら、赤点とっても、最下位でも良かったのに。
カートとずーーーーっと一緒にいたかったよ・・・・・
今はサウス湖のおしゃれなカフェの横通っています。カートの食べさせてくれた果物、とても美味しかったよね・・・・
今まで本当にありがとう。
帝国の皇女との婚約が決まったって聞きました。
おめ、おめ、おめ
ごめん書けない。
でもいつか言えるように頑張る。 いつか・・・・
ごめんねカート、
あなたが他の女と幸せにしている姿を見たくない。
本当に好きな人のことだったら言えるって言うけど、ごめん、私には無理。
あなたの横にずうーーーーっといたいと思っていたの。
本来こんな手紙書きたくなかった。
でも、お別れさえ言えなかったから。
本当は会ってお別れ言いたかった。
でも、それも無理。
会ったら絶対にカートを離したくなくなる。
絶対に二人だけを障壁で囲って誰にも触れさせなくしちゃう。
私の障壁完璧だから、それもできちゃう。
でも、そんな事許されるわけないよね。
だから手紙で書きます。
今まで本当にありがとう。
本当に・・・・・・
そして、さ、さよう・・・・・
嫌だ。言えない。書けない。そんな言葉この世から消し去りたい。
無理だよ。
嫌だ。嫌だ。本当はずうーーーと一緒にいたかったです。
あなたのリアより」
その手紙はところどころ涙でぐちゃぐちゃでやっと判読できるものだった。
「な、なんで俺をほって行くんだよ」
俺は手紙を握り潰した。
こうしてはいられない。リアを迎えに行かなければ。
俺は激痛に耐えて服を着替えた。
凄まじい激痛が体中に走ったが、今はそれどころじゃなかった。
外に出ようとした俺を、部屋に入ってきたメルヴィンらが見つけた。
「おい! どうしたんだ、カーティス」
「リアを迎えに行く」
「いや、おまえ、その体では無理だって」
「ウォーーーー、迎えに行くんだ」
激痛に耐えながら俺は言った。
「いや、だから無理だって」
「何言ってんだ。リアを迎えに行かなければ」
「おい、ザカリー、人を呼べ」
行こうとする俺はメルヴィンや騎士たちにベッドに抑え込まれて、ポーションの激痛でいつの間にか気を失っていた。
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