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ゴミ女の深夜バイト
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目的地に着くと、そこは小さなコインパーキングエリア。車が停められる場所が五つしかないそのコインパーキングには、ボディが真っ黒なバン――主に貨物を運搬する際に使用される自動車――が停まっていた。
夜中のコインパーキングに、街灯の光に照らされてポツンと一つ停まっている黒のバンは、なんとも怪しい雰囲気を漂わせる。しかし、そんな怪げな黒いバンを見ても私は何も感じない。なぜなら、この黒いバンを私はもう五回も見ているからだ。
ガチャという音が聞こえると、黒いバンの運転席のドアが開いて誰かが出てきた。
「いや~、お疲れさまぁ。ありがとねぇ、わざわざここまで運んでくれて」
そう言って運転席から出てきた人は、無造作な黒髪に無精髭の男の人。やんわりとした感じがある雰囲気の人だけど、伸びた髪が目元を隠していてちょっと怪しく見えてしまう。
最初に会った時の印象もそんな感じで、今も変わることはない。怪しくても、お仕事だから特に気にかかることもなかった。
「こんばんは」
「うん、こんばんは。それじゃあ、さっそく後ろに積んでもらおうかなぁ……と、君が木乃伊さんが言ってたヘルプくん?」
「……そうっすよ」
「あぁ、別に構えなくていいよぉ。取って食ったりしないから。僕の名前は大神仁朗って言います。以後よろしくねぇ」
「……八切キリヤです」
「うんうん。じゃあ御五智さんの運んでくれたゴミ箱を積んだら二人とも乗ってぇ。家まで送ってってあげるから。御五智さん持ってきてぇ」
「はい」
私は大神さんに言われた通りに、黒いバンの後ろまでゴミ箱を持っていく。大神さんは車のバックドアを開くと、スモークガラスで見えなかった車の中を私は見ることができた。
この中を見るのは六回目であり、何も置かれていない車のカーゴスペースに、私がゴミ箱を積んだのもこれで六回目だ。
今回も変わらない六回目だと思ったけど、どうやら違うらしい。誰もいないと思っていた車の中には、後部座席に誰かが座っていた。後ろから見えるのは包帯が巻かれた少しの首筋と少しの白い髪の毛、長さは肩にかからないぐらいだ。
私は首を傾げて誰だろうと思うが、車のバックドアは大神さんによって閉じられ、それ以上彼女を見ることはできなくなった。
今の人が誰なのか気になったが、どうせ車に乗った時に確かめることができる。そう思ったから、バックドアが閉じられてしまったことを残念だとは思わない。
「御五智さんはいつも通り助手席乗ってぇ。八切くんは後ろね」
言われた通りに私は助手席に乗ると、そこで残念な気持ちになる。なぜなら、後部座席に乗っている人を見たかったのに、前部座席と後部座席の境が車内カーテンによって閉じられていて、後ろを見ることができなくなっているからだ。
前に乗った時は、こんなもの付いていなかったのに。
そう思って閉じているカーテンを見ていると、車の後部座席に八切キリヤという名前のヘルプの人が乗ったであろう揺れと音がした。そして、私の隣の運転座席に大神さんが乗ってくる。
「あっ、これ気になるよねぇ。でも気にしないでぇ。後ろに乗ってる木乃伊さんって人が勝手につけたんだよねぇ。困ったもんだよ」
大神さんはそう言って話を続け、車を動かす。
今日の大神さんはいつもより言葉数が多いと、私は感じた。まるで何かを隠すように、私が何かに意識を持っていかれないように、必死に言葉を探しながら私に話しかけてきた。
私はそれに言葉少なく答えながら、その大神さんが必死に隠そうとしている後ろの二人のことを考える。
あのヘルプの人は、これからもお仕事を手伝いに来るのだろうか。それとも、これっきりで終わりなのだろうか。……あと、あの白い髪の人は誰なんだろうか。
私は流れる窓の外の景色を見ながらただただ思う。
ゴミを拾いたいなぁ、と。
私はこの時、八切キリヤについて、少し興味を持っていた。同じお仕事をする仲間になるかもしれないから。
――その後のある事実に、私は少し驚かされた。
夜中のコインパーキングに、街灯の光に照らされてポツンと一つ停まっている黒のバンは、なんとも怪しい雰囲気を漂わせる。しかし、そんな怪げな黒いバンを見ても私は何も感じない。なぜなら、この黒いバンを私はもう五回も見ているからだ。
ガチャという音が聞こえると、黒いバンの運転席のドアが開いて誰かが出てきた。
「いや~、お疲れさまぁ。ありがとねぇ、わざわざここまで運んでくれて」
そう言って運転席から出てきた人は、無造作な黒髪に無精髭の男の人。やんわりとした感じがある雰囲気の人だけど、伸びた髪が目元を隠していてちょっと怪しく見えてしまう。
最初に会った時の印象もそんな感じで、今も変わることはない。怪しくても、お仕事だから特に気にかかることもなかった。
「こんばんは」
「うん、こんばんは。それじゃあ、さっそく後ろに積んでもらおうかなぁ……と、君が木乃伊さんが言ってたヘルプくん?」
「……そうっすよ」
「あぁ、別に構えなくていいよぉ。取って食ったりしないから。僕の名前は大神仁朗って言います。以後よろしくねぇ」
「……八切キリヤです」
「うんうん。じゃあ御五智さんの運んでくれたゴミ箱を積んだら二人とも乗ってぇ。家まで送ってってあげるから。御五智さん持ってきてぇ」
「はい」
私は大神さんに言われた通りに、黒いバンの後ろまでゴミ箱を持っていく。大神さんは車のバックドアを開くと、スモークガラスで見えなかった車の中を私は見ることができた。
この中を見るのは六回目であり、何も置かれていない車のカーゴスペースに、私がゴミ箱を積んだのもこれで六回目だ。
今回も変わらない六回目だと思ったけど、どうやら違うらしい。誰もいないと思っていた車の中には、後部座席に誰かが座っていた。後ろから見えるのは包帯が巻かれた少しの首筋と少しの白い髪の毛、長さは肩にかからないぐらいだ。
私は首を傾げて誰だろうと思うが、車のバックドアは大神さんによって閉じられ、それ以上彼女を見ることはできなくなった。
今の人が誰なのか気になったが、どうせ車に乗った時に確かめることができる。そう思ったから、バックドアが閉じられてしまったことを残念だとは思わない。
「御五智さんはいつも通り助手席乗ってぇ。八切くんは後ろね」
言われた通りに私は助手席に乗ると、そこで残念な気持ちになる。なぜなら、後部座席に乗っている人を見たかったのに、前部座席と後部座席の境が車内カーテンによって閉じられていて、後ろを見ることができなくなっているからだ。
前に乗った時は、こんなもの付いていなかったのに。
そう思って閉じているカーテンを見ていると、車の後部座席に八切キリヤという名前のヘルプの人が乗ったであろう揺れと音がした。そして、私の隣の運転座席に大神さんが乗ってくる。
「あっ、これ気になるよねぇ。でも気にしないでぇ。後ろに乗ってる木乃伊さんって人が勝手につけたんだよねぇ。困ったもんだよ」
大神さんはそう言って話を続け、車を動かす。
今日の大神さんはいつもより言葉数が多いと、私は感じた。まるで何かを隠すように、私が何かに意識を持っていかれないように、必死に言葉を探しながら私に話しかけてきた。
私はそれに言葉少なく答えながら、その大神さんが必死に隠そうとしている後ろの二人のことを考える。
あのヘルプの人は、これからもお仕事を手伝いに来るのだろうか。それとも、これっきりで終わりなのだろうか。……あと、あの白い髪の人は誰なんだろうか。
私は流れる窓の外の景色を見ながらただただ思う。
ゴミを拾いたいなぁ、と。
私はこの時、八切キリヤについて、少し興味を持っていた。同じお仕事をする仲間になるかもしれないから。
――その後のある事実に、私は少し驚かされた。
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