××男と異常女共

シイタ

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陰女の秘密のご趣味

3-10

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「そういえば先輩、朝のニュースを見ましたか?」

「いんや」

 三影がなんの前ぶりもなくそんなことを聞いてくる。

「前に『神残し』と言われる、七つ目の血の現場が発見されましたよね。それで、その血の持ち主かもしれない行方不明者が朝のニュースで発表されたんですよ」

「……へぇ」

 三影は興味津々といった顔でその行方不明者のことについて説明してきた。
 行方不明者の名前は沢住さわずみ風香ふうか(21)、ご家族が経営するうどん屋で働く大学生、行方不明になる前日は大学生の友人達との飲み会に参加し、解散した後の帰り道に電話で親に連絡を入れ、消息を絶った。電話があった時間は一一時四八分、内容は今から帰るという知らせだったという。

「飲み会をした飲食店から沢住さんの家までおよそ徒歩二〇分の距離で、血の現場があったのはその帰り道から少し外れた場所の路地裏だったそうです」

「ふぅん」

「沢住さんが行方不明になった場所と血の現場が近いところから、十中八九、沢住さんは『神残し』に遭ったと思われます。それもDNA鑑定をされれば、すぐに断定されることでしょうね」

「……怖い世の中だな。そんな通り魔みたいな奴が未だに捕まってないなんて」

「でもすごいですよね。こんなにニュースになって、警察は死に物狂いで探しているのに、未だに捕まっていないどころか手掛かりも見つからないなんて。本当に犯人なんているんでしょうか?」

「犯人がいなかったら人は死なないだろ」

「確かにそうですけど。でも証拠もほとんど残さないで、道行く人をいきなり襲って殺すことなんてできるのでしょうか?」

「だったら、襲う奴をあらかじめ決めて、証拠を残さない殺す算段をつけてから殺してるんじゃねぇの」

「でしたら、犯人は一人じゃなくて複数人いるということでしょうか?」

「……なんでいきなり増える?」

「犯人が複数なら、殺した相手を血の現場から、証拠も残さず持ち運ぶこともできるのではないか、と思っただけで……」

 そこで言葉を区切り、つかのま思案顔になる三影。

「……先輩は行方不明者が死んでると考えているのですか?」

「は? なにいきなり?」

「いえ、行方不明者は確かに大量の血を残して消息を絶っていますが、未だに死体も見つかっていないのに、先輩はその行方不明者がもう死んでいると思っているんだなと思って」

「三影は死んでないと思ってんのか?」

「断定はしてないってだけですが、でも死んでない可能性もあるんじゃないかとは思っています」

「ふぅん。……けど、犯人が何人もいるなんてゾッとしない考えだな」

「そうですね。……そもそも何故犯人はこんなことをしているんでしょう。何故現場に血だけを残すのでしょう。行方不明者が死んでいるのだとしたら、その死体はいったい何処に行ったのでしょう。……分からないことだらけです」

「気になるのか?」

「気になります。観察対象としては、この事件の犯人さんは十分魅力的なものですからね」

「……別にお前がどこの誰を観察しようが勝手だけど、危ない真似はしない方がいいぞ」

「それは私を心配しての言葉ですか? 先輩」

「ただの忠告だよ。じゃあ、帰るな」

「はい。水族館楽しみにしてますね」

「……またな」

 椅子から立ち上がり、俺は学校の図書室から退出した。
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