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(29)フミオSide
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テルとマサからの電話を切ったフミオは、暫くの間、思案に耽っていた。
これから乗り込もうとしていた家は、200mほど先に建ってる。
サワダとは中学は一緒だった。
だから、マサと俺が双子だという事は知ってる。
ユウが言ってた言葉を思い出してみる。
背の高い男に、中学近くの公園。
先にコウキが拉致られ、その後にマサ。
そして、先ほどマサがしつこく言っていた言葉。
「弱みではない」
なるほど、あの連中はコウキがマサの弱点だと思ってたわけか。
そして、マサを潰す。もしくはマサを自分の言いなりにして宮田を乗っ取る。その内のいずれかしか、頭の中に無い奴だ。
テルが言ってた、「マッパになっていた」と。
あの女…。
コウキを自分のオモチャにする気か。
あいつは俺のだ。俺の恋人だ。
絶対に許さない。
あの女は、俺たちの母を殺した。
同じ中学、5地区の小学校を卒業したら行く中学校だ。
1クラスには40人みっちり居て、1学年は9クラスあるマンモス中学校。
サワダは、どこの小学校なのだろう、それさえ分かれば…。
フミオは来た道を戻ろうとして、何かに気付いた。
そうだ、コウキからのメールだ。たしか高校からのと中学からの2つの道順が書かれてあった。
中学からの方には、目印として…。
そう思い、iPhoneを開いてメールを見ていた。
今朝は、このメールを見てニヤついていた。
昼間も、これを見てニヤついていた。
だが、16時前にはユウからのメールと電話で…。
あった、これだ。
中学からの道順。
公園を迂回するように書かれていて、サワダ家を曲がると大通りに出る。大通りに出ると、100mほどでコウキの家だ。
ユウは、コウキとは中学から仲良しだと言っていた。
マサとコウキは、高校では同じクラス。
だから、公園でマサとコウキが遊んでいても不思議ではない。
恐らく、マサとコウキが親密そうに見えたのだろう。
だから、コウキを拉致ったのか。
メールを見ながら、その家を目指す。
ふと立ち止って見ると、さっきまで狙っていた家は、中学への通学路にあることに気が付いた。
そうか、この道は中学への通学路の一つか。
もしかして、サワダはコウキの事を知っていたという事になるのか。
そして、あのヤリチンの事も知ってる?
あと少しという時に、車が停まろうとするのが見えた。
その車から降りてきたのは…、サワダ!
思わず、身を隠した。
サワダはキョロキョロと辺りを見回している。
少し経つと、あの女が降りてきた。
その後、マッパにされた人間が裸のまま降ろされた。
あれは、コウキ。
ふ…、サワダ、お前1人か。
部下も居ない、それなら俺も1人で乗り込んでやる。
一匹狼を舐めんじゃねえ。
ホントはヤリチンを血祭りにあげてやろうと思ったが、サワダ。
お前に変更だ。
あの女も、お袋の敵を取ってやる。
どうせマサも来るだろう。そう思いメールをした。
マサは母が死んでから人嫌いに拍車がかかった。
それが、コウキを友人として見てると言った。
あいつは、そういう奴だよ。
ザウターだって、「母の形見だ」と言ったら、こう返してきた。
「それなら触れないから。お母さんを大事に思っているのですね。
手入れがきちんとされてるみたい。」
とても優しく、ザウターを見ていた。
少し経つと返信が着た。
『無茶するな。俺が行くまで待ってろ』と書かれてる。
誰が待つか。自分の恋人は、自分が助ける。
それに、お前には別の仕事を振り分けてやるよ。
『マッパになってるという事は、コウキの服や持ち物は?iPhoneはどこだ?』
10分ほど待ったが、返信は無かった。
どこかに探しに行ったのだろう。
コウキ、待ってろ。
これから乗り込もうとしていた家は、200mほど先に建ってる。
サワダとは中学は一緒だった。
だから、マサと俺が双子だという事は知ってる。
ユウが言ってた言葉を思い出してみる。
背の高い男に、中学近くの公園。
先にコウキが拉致られ、その後にマサ。
そして、先ほどマサがしつこく言っていた言葉。
「弱みではない」
なるほど、あの連中はコウキがマサの弱点だと思ってたわけか。
そして、マサを潰す。もしくはマサを自分の言いなりにして宮田を乗っ取る。その内のいずれかしか、頭の中に無い奴だ。
テルが言ってた、「マッパになっていた」と。
あの女…。
コウキを自分のオモチャにする気か。
あいつは俺のだ。俺の恋人だ。
絶対に許さない。
あの女は、俺たちの母を殺した。
同じ中学、5地区の小学校を卒業したら行く中学校だ。
1クラスには40人みっちり居て、1学年は9クラスあるマンモス中学校。
サワダは、どこの小学校なのだろう、それさえ分かれば…。
フミオは来た道を戻ろうとして、何かに気付いた。
そうだ、コウキからのメールだ。たしか高校からのと中学からの2つの道順が書かれてあった。
中学からの方には、目印として…。
そう思い、iPhoneを開いてメールを見ていた。
今朝は、このメールを見てニヤついていた。
昼間も、これを見てニヤついていた。
だが、16時前にはユウからのメールと電話で…。
あった、これだ。
中学からの道順。
公園を迂回するように書かれていて、サワダ家を曲がると大通りに出る。大通りに出ると、100mほどでコウキの家だ。
ユウは、コウキとは中学から仲良しだと言っていた。
マサとコウキは、高校では同じクラス。
だから、公園でマサとコウキが遊んでいても不思議ではない。
恐らく、マサとコウキが親密そうに見えたのだろう。
だから、コウキを拉致ったのか。
メールを見ながら、その家を目指す。
ふと立ち止って見ると、さっきまで狙っていた家は、中学への通学路にあることに気が付いた。
そうか、この道は中学への通学路の一つか。
もしかして、サワダはコウキの事を知っていたという事になるのか。
そして、あのヤリチンの事も知ってる?
あと少しという時に、車が停まろうとするのが見えた。
その車から降りてきたのは…、サワダ!
思わず、身を隠した。
サワダはキョロキョロと辺りを見回している。
少し経つと、あの女が降りてきた。
その後、マッパにされた人間が裸のまま降ろされた。
あれは、コウキ。
ふ…、サワダ、お前1人か。
部下も居ない、それなら俺も1人で乗り込んでやる。
一匹狼を舐めんじゃねえ。
ホントはヤリチンを血祭りにあげてやろうと思ったが、サワダ。
お前に変更だ。
あの女も、お袋の敵を取ってやる。
どうせマサも来るだろう。そう思いメールをした。
マサは母が死んでから人嫌いに拍車がかかった。
それが、コウキを友人として見てると言った。
あいつは、そういう奴だよ。
ザウターだって、「母の形見だ」と言ったら、こう返してきた。
「それなら触れないから。お母さんを大事に思っているのですね。
手入れがきちんとされてるみたい。」
とても優しく、ザウターを見ていた。
少し経つと返信が着た。
『無茶するな。俺が行くまで待ってろ』と書かれてる。
誰が待つか。自分の恋人は、自分が助ける。
それに、お前には別の仕事を振り分けてやるよ。
『マッパになってるという事は、コウキの服や持ち物は?iPhoneはどこだ?』
10分ほど待ったが、返信は無かった。
どこかに探しに行ったのだろう。
コウキ、待ってろ。
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