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たまには街道を歩くのも悪くないわ
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バカな子……じゃなくて、アルフレッドを引き連れて街道を歩いて行く。
馬車に乗っても良かったんだけど、これで見納めだと思うとゆっくり見たくなったの。別にこの国に愛着があるわけではないけど、景色を楽しみながらゆっくりと進む。
今はまだ遠くに見える魔の森も、人の心に癒やしを与える景色の一部でしかないわ。
日が当たって気持ちが良いわ。少し前までは不自由な生活だったし、自由を感じるってこんなに素晴らしいことなのね。
「このままだと、リーン公国に着くのは三日後になりそうです」
「あら、いいじゃない。ちょうど良いタイミングになると思うわよ」
「……どういうことでしょうか?」
私の執事を続けるのであれば、この程度の情報で察してほしいものね。でもその抜け具合が愛嬌になっているのだから、憎めないのよね。
それに、あなたには知力より武力を期待しているし、そのぐらい答えてあげる。
「三日後であれば、私が聖女の立場を追われたことがリーン公国にも届いて、対応方針が決まっている頃かしらね」
「なるほど……。って、それだとマズイのではないでしょうか!?」
「なんでかしら?」
何を焦っているのかしら?
ほんと、この子は予想が出来ないことばかりするのね。
「何の後ろ盾もないと分かれば、拘束されてしまいます。その後は、都合の良いように使われて――」
「そうならないためにアルフレッドがいるんでしょ? 期待していますよ」
そうは言ったものの、そんなことになるとは思っていないの。
脳筋の国王が治めている国と違って、リーン公国はすごく理性的。真面目すぎるのがたまにキズだけど、だからこそ信頼できる相手ともいえる。
そういった相手は予想がしやすいのよ。だから安心しなさい。
「もちろんです! この命に代えてもお嬢様をお守りいたします!」
と思ってても、盛り上がっている彼には言わないけどね。
「あなたが死んだら、その後は誰が守ってくるのかしら? 命に代えてはダメ。困難は乗り越えて生き残りなさい。命令よ」
「はっ! そのご命令、しかと承りました!」
土がむき出しの地面だというのに、膝をついて忠誠を誓うアルフレッド。ほんと、そんな動作をするなんて思いも寄らなかったわ。
「そう思うなら、着いてきなさい」
手を差し出してあげようかと悩んだけど、調子に乗りそうだからやめておいたわ。
その代わり、今晩は美味しいご飯をごちそうしてあげる。
だからこれからも、ずっと着いてくるのよ。
馬車に乗っても良かったんだけど、これで見納めだと思うとゆっくり見たくなったの。別にこの国に愛着があるわけではないけど、景色を楽しみながらゆっくりと進む。
今はまだ遠くに見える魔の森も、人の心に癒やしを与える景色の一部でしかないわ。
日が当たって気持ちが良いわ。少し前までは不自由な生活だったし、自由を感じるってこんなに素晴らしいことなのね。
「このままだと、リーン公国に着くのは三日後になりそうです」
「あら、いいじゃない。ちょうど良いタイミングになると思うわよ」
「……どういうことでしょうか?」
私の執事を続けるのであれば、この程度の情報で察してほしいものね。でもその抜け具合が愛嬌になっているのだから、憎めないのよね。
それに、あなたには知力より武力を期待しているし、そのぐらい答えてあげる。
「三日後であれば、私が聖女の立場を追われたことがリーン公国にも届いて、対応方針が決まっている頃かしらね」
「なるほど……。って、それだとマズイのではないでしょうか!?」
「なんでかしら?」
何を焦っているのかしら?
ほんと、この子は予想が出来ないことばかりするのね。
「何の後ろ盾もないと分かれば、拘束されてしまいます。その後は、都合の良いように使われて――」
「そうならないためにアルフレッドがいるんでしょ? 期待していますよ」
そうは言ったものの、そんなことになるとは思っていないの。
脳筋の国王が治めている国と違って、リーン公国はすごく理性的。真面目すぎるのがたまにキズだけど、だからこそ信頼できる相手ともいえる。
そういった相手は予想がしやすいのよ。だから安心しなさい。
「もちろんです! この命に代えてもお嬢様をお守りいたします!」
と思ってても、盛り上がっている彼には言わないけどね。
「あなたが死んだら、その後は誰が守ってくるのかしら? 命に代えてはダメ。困難は乗り越えて生き残りなさい。命令よ」
「はっ! そのご命令、しかと承りました!」
土がむき出しの地面だというのに、膝をついて忠誠を誓うアルフレッド。ほんと、そんな動作をするなんて思いも寄らなかったわ。
「そう思うなら、着いてきなさい」
手を差し出してあげようかと悩んだけど、調子に乗りそうだからやめておいたわ。
その代わり、今晩は美味しいご飯をごちそうしてあげる。
だからこれからも、ずっと着いてくるのよ。
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