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ノーディン王国その4

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「どるぅぁぁぁぁ!!!!」

楽しい!たのしいぞ!!!!!

全身の筋肉が悲鳴を上げるほど酷使したのはいつぶりだろうか?体を動かしてこれほどのエネルギーを消費する感覚は、10年ぶりかもしれん。

うるさいほどの悲鳴も、今は俺を賞賛する声に聞こえる。なんとも心地が良い世界は俺を祝福しているッ!!

魔物どもを切り刻んでいたら、共に戦っていた兵士どもは誰もいない。どうやら、いつのまにか群れの中心にまできていたようだ。

牛の顔をした背の高い魔物がいる。俺でも持てないであろう、どでかいバトルアックスを振り回してこちらに向かってくる。他の魔物が犠牲になっているが、奴にとってはどうでも良いことなのだろう。

「あれは、ミノタウロスといったか?なかなか良い筋肉をしている」

魔物だろうが、平民だろうが、筋肉だけは平等に評価するのが俺の方針だ。

だが、それもただ鍛えているだけでは宝の持ち腐れだ。使いこなし、勝利することに意味がある。

「お前は、俺に勝てるか?」

ニヤリと笑って挑発をすると、ミノタウロスは怒り狂ったような雄叫びを上げて俺に突っ込んできた。

そこからは、何も覚えていない。

気がつけば全身に傷を負いながらも、ミノタウロスの心臓を貫いてた。眠ったままでも戦えるとは……一つ上の高みに登ったということか。今ですら最強なのに、さらに強くなるとは。自分の才能が怖いぜッ!!

「よい、戦いだった」

大剣を地面に突き刺して周囲を見る。

魔物と人間の死体ばかりだ。立派だったケルンの街も破壊され尽くしている。皆、死んだのだろう。だが、安心しろ。バスは倒し、俺が生きている。即ち、勝利したのは俺らだ!!!!

よし、これから凱旋だと思ったところで汚い塊を見つける。

足元を見れば、ボロ雑巾のようになったロミルダが転がっていた。

「痛い、痛いよぉ……」

体を鍛えないからそうなるのだ。明日から俺が考えたトレーニングでもさせるか。

あのクソ聖女が作ったポーションを取り出す。
ムカつくことだが、効果はあるからな。将来の嫁を死なせるわけにはいかん。

手刀でビンを開けるとドバドバとふりかける。
痛みが引いていったようで、呻き声は無くなった。

「よし、帰るか」

ロミルダを肩に担いで歩き出す。
今日は沢山運動したからな。今日の晩飯は死ぬほど食えそうだ。そうだ、今日の夜はロミルダを使ってやろう。良い運動ができそうじゃないかッ!!

……。

ケルンの攻防から一夜明けると被害が明らかになる。街は壊滅。派遣した兵は3000のうち、生きて帰ったのはブノア・ノーディンとロミルダだけだった。
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