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家の敷地内にある駐車場に車を止めると、葉一が先立って家の中へと入っていく。昔ながらの日本家屋。ちょっと建て付けの悪い玄関ドアの音も、茉歩には懐かしく感じられた。
「変わってないね、懐かしい」
「直さなきゃって言いながらな。結局、そのまま」
葉一の祖母、春江の住んでいた家はあの頃とあまり変わってはいない様子だった。だが、所々置いてある物が当時と違うのは、今、住んでいる人間が違うからだろう。
「おばさまたちは?」
「母さんたちは別のとこ。近くはあるんだけどな」
「じゃあ、葉ちゃん一人なの」
「そ。だから遠慮しないで」
玄関を上るとすぐ横に縁側へと続く廊下。そこに面した和室と、続きにあるのが仏間で、右手に通路を挟んで台所などの水回り。その途中に二階へと上る階段がある。
内装は茉歩が知る、春江が暮らしていた頃と変わっていないようだ。
「一階はあんまり使ってないんだ。俺の部屋は二階だけど……どうする?」
階段下で葉一が振り返る。葉一の瞳が不安げに揺れているように見えた。その不安に寄り添うように、茉歩は背の高い彼を抱きしめた。
「今日、ここに泊まって行ったら……お母さんたち何て言うかな」
茉歩が葉一にデートに誘われ出かけたことは、母親たちは知っている。だから、泊まってくると言えばきっと諸手を上げて喜ぶことだろう。
「変わってないね、懐かしい」
「直さなきゃって言いながらな。結局、そのまま」
葉一の祖母、春江の住んでいた家はあの頃とあまり変わってはいない様子だった。だが、所々置いてある物が当時と違うのは、今、住んでいる人間が違うからだろう。
「おばさまたちは?」
「母さんたちは別のとこ。近くはあるんだけどな」
「じゃあ、葉ちゃん一人なの」
「そ。だから遠慮しないで」
玄関を上るとすぐ横に縁側へと続く廊下。そこに面した和室と、続きにあるのが仏間で、右手に通路を挟んで台所などの水回り。その途中に二階へと上る階段がある。
内装は茉歩が知る、春江が暮らしていた頃と変わっていないようだ。
「一階はあんまり使ってないんだ。俺の部屋は二階だけど……どうする?」
階段下で葉一が振り返る。葉一の瞳が不安げに揺れているように見えた。その不安に寄り添うように、茉歩は背の高い彼を抱きしめた。
「今日、ここに泊まって行ったら……お母さんたち何て言うかな」
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