わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ

すんのはじめ

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第12章

12-7

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 2.3日前から、新入生達もぶつかりの練習を始めていて、ある程度のアタック・ディフェンスのラインを組んでの練習もできるようになっていた。

 その日は、私の交代要員として、朝陽がハーフに入っての練習をして、ディフェンス側に私、美玖、さくらが立って、実戦形式で行うということもやっていた。

「璃々 今度はある程度 フォワードで持って行こうと思うねん この前で自信もついたし、今度は相手も中学生なんやろー? みゅんか泉希が突っ込んでくれたらフォローしていくしー 最初にダメージ与えたる! それに、交代も紗菜さなとかひかるが何とか代わりになるやろから」と、さくらが提案してきていた。

「う~ん そらぁー 強力なんやろけど・・・先生と相談してみてなー」

 当日 メインのレフリーは大阪の私立女子校のコーチとかいう人が紹介されて、私達のドロップキックから始まった。打ち合わせ通りに、泉希は浅めにキックをして。向こうが捕球した時に、美玖の強烈なタックルで栞奈がこぼれたボールを取って、さくらが突進して行って、私、泉希、そして、最後は美玖がラインに飛び込んでいた。開始早々だった。その次も、向こうがラックから出したところを私と泉希がハーフの繭子にタックルに行って、その後をフォワードが集まってボールを取り返して、出たところを朝陽がブラインド側を攻めて、ひとりかわして余裕でポストの下に抑え込んだのだ。

 立て続けに私達はトライを決めて、その後もさくらが言っていたように、私とか泉希が突っ込んでフォワードが押し気味に進んでいて、常に相手の陣地で戦っていた。そして、前半終了間際にも私達の得意のサインプレーの桜で・・・最後は、又、美玖が飛び込んでいた。19-0で前半は終了していたのだ。

「調子良いぞ 気を緩めるなよ いいかー 相手はキックで来るぞ 璃々、朝陽油断するなよ」と、紅林先生はハーフタイムの間、気合を入れてきた。

 だけど、始まって早々に向こうの攻撃の時、スタンドオフの充ちるから・・・フォワードのブラインドサイドを目掛けてキックしてきて、そのまま なだれ込まれてトライされてしまった。泉希が「お返しするよ! 走ってな!」と、璃々と朝陽に伝えていた。その時、みんなは泉希がパントキックをするのだと頷いていた。

 泉希にボールが渡った時、低めのキックで向こうのディフェンスラインの後ろにボールが転がっていって、相手も追いかけていたけど、璃々と朝陽が走り抜けて中央に飛び込んでいた。26-5。その後、直ぐに、栞奈に代わって美鈴が、そして、朝陽には鈴花が交代として入っていた。終了間際に私が突っ込んでいってさくらにパスをするつもりだったけど、掴まってしまって、もみくちゃにされていたけど、何とか泉希が奪いに来てくれて、その後、さくらに・・・フォワードも集まってラックを押していると、璃々も鈴花も加わって、全員で押し込んでいた。そして、ゴールラインに倒れ込んだ時、さくらがタッチダウンしていた。正確に言うとその塊からは私だけ置き去りにされていたのだ。この前と同んなじだ。33-5でホイッスルが鳴って、圧勝だった。

「いやー 完敗ですわ この前よりも格段と強くなっていた 連携プレーもすごいですね」相手のコーチがやってきていて

「はぁ この前 勉強させていただきましたので まだまだですわー ありがとうございます」と、紅林先生も返答していたが、心の中では ヤッターって思っているに違いない。だけど、レフリーを務めていた人が来て

「素晴らしいチームでひとりひとりのレベルも高いですけど、中学生女子の関西大会、全国大会は講習、研修の中で選手を選んで、大阪代表は選抜チームなんですわー  単独チームとしての予選も無いですしー 現状では、この先 チーム単独でというのは難しいかも知れませんねー」と、進言してくれていた。

 私が、何かを言おうとしているのが、わかったのか 詩織先生が、私の腕を掴んで

「実海ちゃん 鼻の頭 血が滲んでいるよ こっち いらっしゃい 消毒しなきゃー」

「あぁー たぶん さっき 引きずられた時やー パンツ引っ張られてな 脱がされるかと思ったわー でも こんなん 平気やでー 昔から慣れっこやー」

「平気じゃぁ無いわよー 砂が入っていたりで、ほぉっておくと跡が残ったりするからネ」と、痛いと騒いでいる私の鼻に水で洗ったり、消毒液をつけて、大きな絆創膏を貼ってから

「あっ 手も血が出てるじゃぁないのー」

「これっ 泉希に引っ掻かれた」

「えぇー みゆんが・・・ふっ・・・突っ込みすぎや あのままやったら、ノットリリース取られとるでー そやから、ウチが無理やり・・・プッ」

「なんやのーぉー 今 わろぉーたやろー? その冷たい言い方ぁー 愛は無いんかい」と、泉希に飛び掛かって行こうとしたら

「これっ ちゃんと 手も手当しないとダメなの!」と、詩織先生に抑えられていた。

「お疲れ様 見せてもらってたよ 君達の活躍」と、大きな袋を持って、校長先生が現れた。

「お腹すいているだろう これ 差し入れだ 食べなさい」と、出してくれたのはサンドイッチにペットボトルの紅茶なのだ。私達がかじりついていると

「いゃー 以前、大きなことを言っていた子が居たけど 口先だけじゃぁ無いんだなって 思ったよ こりゃー 本当に奇跡が起こるんじゃぁないかと、思いながら 見ていたんだ 君達は勇敢だしなー」と、校長先生は私の顔をしみじみとながめながら・・・少し、笑ったような・・・

「詩織せんせぇ~い やっぱり この貼ったの 大きいんちゃう?」

「いいのよー 2.3日は我慢しなさい! 学校に来る頃には大丈夫だから」

「水島さん その鼻のものは 君達の勝利の勲章だよ 胸を張れ!」と、校長先生は勝手なことを言っていたけど

「みゅん ウチも ほらっ」と、さくらはホッペに貼った 傷バンを見せていたけど・・・私のは・・・鼻の上だよー・・・

 そして、家に帰ると ばっちゃんも大騒ぎだった。

「どうしたの! それっ まぁ どうしましょう お医者さんに見せたの?」

 だけど、ヨッさんは

「へへっ なかなか クレオパトラみたいに鼻も高くなって愛嬌もある顔でっせー 記念撮影しとかなー」と、言っているヨッさんに私はお尻目掛けて蹴りを入れていた。
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