彼は いつから私の彼氏? 好きと感じた時から・・・でも、別の道を進むねん

すんのはじめ

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第1章

1-7 翔琉君んチとのお泊り旅行

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 そして、出発の当日。私は、お母さんが買ってくれた大きな向日葵の絵柄のサマーワンピースにリボンの付いたカンカン帽に革紐の白い厚底サンダル。とりあえず小さめのキャリーケースをお父さんから借りてきていた。昨日は、お母さんが翔琉君ンチに今回のことのお礼に伺ったみたいだった。

「水澄 可愛いよ 孫にも衣装とは よく言ったものだ」

「なによー ワンピースが可愛いのぉー? 美蕾ちゃんとはどっちがー?」

「あほっ やっぱり こだわってるんやないかー いや 水澄のほうが・・・ずっと」と、翔琉君は横を向いて小声で応えていたのだ。

「やっぱり 女の子は可愛いわよねー 水澄ちゃん お花が咲いているみたいよ 似合ってる 男どもは可愛げもない恰好で・・・」と、翔琉君ンチのおばさんがフォローしてくれていた。翔琉君のおばさんと子供達4人組。翔琉君のお父さんはひとりでゆっくりしたいからと来なかったのだ。

 大阪駅まで出て、サンダーバードで福井まで行って、お昼ご飯に名物だというソースカツ丼のお店に。

「う~んん おいしいぃー このサクっとした感じ このタレの微妙な甘さ加減 もしも こんなおいしいものが御昼に控えているかと思うと 君達も練習頑張れるよなー」

「なっ なんだよー その上から目線は・・・」

「だってさー 毎度 バーガーばっかーじゃー メタボになるよ この良質なたんぱく質をとらなきやー」

「水澄 えらいお気に入りだなー」

「うん おいしい お母さんにも食べさせてあげたい お土産に買って帰ろうかなー」

「あぁー あー 帰りにな」

 それから、電車で終点の三国港へ。駅が近くなるにつれて、私は潮の香りを感じていた。

「あー 海が近いよねー いい感じ 海に来たんだ!」と、私は手を広げて はしゃいで走り出していた。

「おぉーい 転ぶぞー」

「あたっ」と、私がしゃがみ込むと

「ほらっ だからぁー どうした?」と、翔琉君が駆け寄ってくれて、背中に手を

「うん 石がサンダルに挟まったみたい でも ダイジョウビ!」

「バーカ はしゃぎすぎ」

「だって 海が近いんだものー この香り うーみよー 私の海よーぉー」

「バカ」

  ビーチを横目に15分程歩いて、おばさんの実家というとこに着いた。おばさんの実家は以前は漁師だったいうが、今はもう廃業したということだった。そのお父さんは今は漁協の関係者らしいが、そんなに仕事もしていないということだった。

「お世話になります」と、私はお母さんから持たされた三笠焼とカステラの菓子折を出して

「はぁーなぁー そんなに気ィ使わんでもなー 可愛らしいお嬢ちゃんだのーぉ 硝磨のガールフレンドかぃ?」

「あっ あっ ちゃうよー 翔琉の・・・」と、硝磨君も慌てていた。

「ほっ 翔琉のー ほぉー・・・ でも 翔琉に顔が似ているとこあるのーかな 兄妹みたいだの!」

 おばさんに連れられて2階の部屋に案内されて

「今日は 水澄ちゃんは おばさんとここで寝るのよ 夜になると風が通って寒いくらいなるからね」

 その部屋で私は水着に着替えて、お母さんがスクール水着じゃぁねーと、上が長袖の赤いラインの入ったスイムスーツを買ってくれたのだ。ウチのお母さんは、いざという時には必ず私の体裁を整えてくれるので、私は申し訳ないと思いながら感謝していた。

 おばさんが私の中途半端に長い髪の毛を後ろで留めてくれて、日焼け止めのクリームも顔とかに塗ってくれた。ピンクのラッシュガードを着て出て行くと

「おぉ スイムスーツか なんか 学校の水着のほうが 色っぽく感じるけどなー」

「翔琉君 そーゆうことって 女の子に嫌われる言い方だよー」

「そーかー いちおう 褒めたつもりだけど・・・」

「もっと 女の子のこと 勉強しなさい!」

「あぁ でも 水澄だけがわかってくれてれば いいんだろー」

「・・・」

 ビーチまでは歩いて10分位のところで、おばさんも陽傘をさしながら付き添いで来てくれていた。でも、ショートパンツ姿なんだから、一応 海に浸かるつもりしてるのだろうか

 お兄ちゃん達は勝手に海に向かって行った。けど・・・

「翔琉 水澄ちゃんの手を引いていってあげてよー 深いとこには 行かないようにネ! 大切な子を預かってるんだから あなたが責任持って 面倒みてあげてよ!」

  私がラッシュガードを脱いでトートーバッグにしまい込んでいても、ぐずぐずしている翔琉君だったので、私のほうから手を出して繋いでいった。渋る翔琉君を引っ張って、並んで海に向かった。

 なによー 海で一緒に遊ぶために私をさそったんじゃぁないの! 男って いざとなると、だらしないんだからー と 思いもしていたのだ。
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