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第12章
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金曜日の夜、市内の居酒屋で僕は、神谷誠一郎さんと会っていた。
「やあ すまないね 来てもらって 一度、ゆっくり話したくてね」
「いいえ、帰っても、飯無いですし」
「そうか 今日は、本町さんのってこともあるが、それよりも、同じ水産を盛り上げようとしている者同士で、何か意見交換出来ればと思ってね」
「絢から聞いてます 実は、絢とのことだけだったら、お断りしようと思っていたんですが、水産業のことについて、いろいろ話した方がいいよって言われたもんで」
「そうか 彼女とのことは、全部聞いた、興味本位じゃぁ無いんだ。君という人間をもっと知りたかったからなんだ。失礼だったんなら、謝ります」
「そんな風に、聞こえたんなら、僕のほうこそ、申し訳ありません すみません」
「そんなことはない 君の海への目標を聞かせてもらえないか」
「僕は、サンゴが好きなんです。彼等は、小さな魚の住処を提供し、卵を守っている。だけど、今、環境のせいなのか、宿命なのか、絶滅の危機に面しています。だけど、彼等は自分で環境を変えることはできない。ならば、人間が守ってやるしかないんです。そうすれば、魚達も安心するし、大きな魚も同じです。魚が居なくなれば、日本人は困ります。ここの居酒屋も、日本の伝統の和食も成り立たなくなります。だから、僕は、サンゴを守る調査研究をしたいんです」
「君の夢は素晴らしいが、現実、厳しいだろう」
「夢じゃないです。日本の周りには、いっぱいサンゴが生息してます。水産庁、漁業関係者、水産業界、もっと言えば、海鮮のお店なんかが、協力し合えば、研究は進めます。いざという時には、間に合わないんですよ」
「そーだよな それを言われると、少し、耳が痛い 今は、目の前のことしか、考えてないものな」
「僕は、休みの日に、潜っているんですよ サンゴ達に、こんにちは きょうも元気か とか声を掛けているんです 少しでも、長く、生きてもらえるように」
「楽しそうだね 絢ちゃんも、ひがむわけだ」
「絢は、忘れてしまっているかもしれないけど、僕達は小学校入学した時から、席が隣同士になることが多かったんです。給食の時、僕の前の席の子がふざけていて、僕のスプーンを落としたんです。それを見ていた絢は、自分のスプーンを僕の机に置いて、拾い上げたスプーンを、ハンカチを取り出して拭いて、何事もなかったように、それで食べだしたんです。何にも言わないで。僕は、あんな優しい子に会ったことが無かった でも クラスのみんなからはあいつは暗くてブスで頭も悪いんだよって、いじめに近いことも・・・それが、僕には我慢出来なかったんです」
「その話は初めて、聞いたよ 絢ちゃんって そんな子だったんだ 今では考えられないなぁー」
「絢の気遣いって、さりげないんですよね それが、僕には、ここちいいんです 頭も良かった。図形の展開図なんて、見てすぐに書いていた」
「彼女はね 会社に先に来て、男と女のトイレと会議室を毎日、掃除しているんだ。それを 僕は、最近知ってね でも、事務所の中はみんなで掃除するから、触らないんだ。気を使っているんだな」
「そうなんですか あいつ、お嬢さん育ちなんだけど、そういうことは、しっかりと躾られてるんですよね お母さんがしっかりした人だから」
いつの間にか絢の話になっていたけど、神谷さんも絢のことを気に入っている様子なので、僕は悪い気がしなかった。
「もっと、話しますとね 2年になっても、机隣りだったんです。あいつ、髪の毛長かったから、よく、やんちゃな男の子に授業中でも引っ張られていたんです。だけど、先生に訴えるということもしないで、下を向いてるだけなんです。でも、今考えると、泣いていたのかもしれない。次の日から、束ねた髪の毛を前の胸のところに持ってきていた。その頃から、黒板も見ないで、小さな紙に絵ばっかり描いていたんです。閉じこもるようになってしまってー 成績も悪くなって、先生の質問にも答えられなくなっていってね。僕は、いつも、あいつのこと見ていたんだけど、6年間、何故か、隣の席多かったので、でも、6年の時、成績順に後ろから座るってことになって、離れてしまって、たまらず、声掛けたんです。なんで、もっと頑張らないんだって そのことを、あいつは、初めて声掛けたみたいに言っているけど、僕は、入学の時から、ずーと 気になっていた」
「そうか よく、わかったよ 君達の想い 純粋だねえ ところで、君の夢に僕は何かしら、手伝うことが出来ると思う 漁協の人も知り合いがいるし、声掛けてみるよ」
「そう言ってもらえると助かります 今の仕事もおろそかに出来ないですけど あんまり、絢を引きずり込むのもなぁって 彼女は絵を描くことの大切さを子供達に教えるのが夢みたいですから 僕が、それをつぶしているみたいで なんとか、彼女の夢も叶えれればなぁーとも思うんですよー」
― ― ― ☆ ☆ ☆ ― ― ―
お盆の休みに、初めて、僕は、絢を島に連れて行った。仲良くなった民宿に泊るつもりだ。港の近くで2階からは海が見えるところにあって、たまに、ここの漁師さんには、潜るポイントまで連れていってもらっている。
あの後、神谷さんは色んなところに口をきいてくれて、漁師の人たちからも親切に接してくれるようになっていた。島の人たちも、知り合いが増えて、歓迎してくれるようになっていた。ダイバー相手のペンションのオーナーも仲良くなっていて、時々、泊り客にサンゴを見る案内を頼まれることもあるのだ。
僕達は自転車を借りて、島内を周ることにした。絢は、僕に併せて、短パンに着替えていた。港の近くの集落では、知り合いに会うと、僕は、彼女ですと答えていた。絢も自転車から降りて、丁寧に挨拶をしていた。髪の毛を束ねてないので、細くて黒い髪の毛が風になびいて、輝くように美しい。
僕達は、透き通るような美しい海を見ながら、砂浜を周ったり、展望台に行ったりして、夕方には、夕陽が見える浜に来ていた。浜辺には、何人か居たが、僕は、絢を抱きしめ、唇を合わせていた。
「絢 僕は、この島に住みたいと思っている。ここの周りのサンゴを守るための研究をしたい」
「ウチも来ても良いの?」
「ずーと 側に居て欲しい 結婚して欲しい ただ、貧乏だけどね」
「モトシの側だったら、良いの 幸せだもん ウチ、なんだってやるから、あんまり泳げないけど、潜って サザエでもお魚だって採ってくるヤン 働くし、やっていけるよ」と言いながら、涙がこぼれだしていた。
「あや 泣いてんのか」
「だってね ウチに、はっきり、そう言ってくれたの・・・って いっつも生活安定するまでとか・・・でも ずぅーと ちゃんと、言って欲しかったんだもん」
と言いながら、顔を僕の胸にうずめてきた。
「モトシのバカヤロー ウチは モトシのことが好きで 好きで たまらないんだよー」
だけど、僕は、この島でなんとか収入を確保しなきゃならない覚悟していた。県の職員のままだと、一応、安定しているが、夢から遠ざかるような気がして、まだ、少し迷っていた。
「やあ すまないね 来てもらって 一度、ゆっくり話したくてね」
「いいえ、帰っても、飯無いですし」
「そうか 今日は、本町さんのってこともあるが、それよりも、同じ水産を盛り上げようとしている者同士で、何か意見交換出来ればと思ってね」
「絢から聞いてます 実は、絢とのことだけだったら、お断りしようと思っていたんですが、水産業のことについて、いろいろ話した方がいいよって言われたもんで」
「そうか 彼女とのことは、全部聞いた、興味本位じゃぁ無いんだ。君という人間をもっと知りたかったからなんだ。失礼だったんなら、謝ります」
「そんな風に、聞こえたんなら、僕のほうこそ、申し訳ありません すみません」
「そんなことはない 君の海への目標を聞かせてもらえないか」
「僕は、サンゴが好きなんです。彼等は、小さな魚の住処を提供し、卵を守っている。だけど、今、環境のせいなのか、宿命なのか、絶滅の危機に面しています。だけど、彼等は自分で環境を変えることはできない。ならば、人間が守ってやるしかないんです。そうすれば、魚達も安心するし、大きな魚も同じです。魚が居なくなれば、日本人は困ります。ここの居酒屋も、日本の伝統の和食も成り立たなくなります。だから、僕は、サンゴを守る調査研究をしたいんです」
「君の夢は素晴らしいが、現実、厳しいだろう」
「夢じゃないです。日本の周りには、いっぱいサンゴが生息してます。水産庁、漁業関係者、水産業界、もっと言えば、海鮮のお店なんかが、協力し合えば、研究は進めます。いざという時には、間に合わないんですよ」
「そーだよな それを言われると、少し、耳が痛い 今は、目の前のことしか、考えてないものな」
「僕は、休みの日に、潜っているんですよ サンゴ達に、こんにちは きょうも元気か とか声を掛けているんです 少しでも、長く、生きてもらえるように」
「楽しそうだね 絢ちゃんも、ひがむわけだ」
「絢は、忘れてしまっているかもしれないけど、僕達は小学校入学した時から、席が隣同士になることが多かったんです。給食の時、僕の前の席の子がふざけていて、僕のスプーンを落としたんです。それを見ていた絢は、自分のスプーンを僕の机に置いて、拾い上げたスプーンを、ハンカチを取り出して拭いて、何事もなかったように、それで食べだしたんです。何にも言わないで。僕は、あんな優しい子に会ったことが無かった でも クラスのみんなからはあいつは暗くてブスで頭も悪いんだよって、いじめに近いことも・・・それが、僕には我慢出来なかったんです」
「その話は初めて、聞いたよ 絢ちゃんって そんな子だったんだ 今では考えられないなぁー」
「絢の気遣いって、さりげないんですよね それが、僕には、ここちいいんです 頭も良かった。図形の展開図なんて、見てすぐに書いていた」
「彼女はね 会社に先に来て、男と女のトイレと会議室を毎日、掃除しているんだ。それを 僕は、最近知ってね でも、事務所の中はみんなで掃除するから、触らないんだ。気を使っているんだな」
「そうなんですか あいつ、お嬢さん育ちなんだけど、そういうことは、しっかりと躾られてるんですよね お母さんがしっかりした人だから」
いつの間にか絢の話になっていたけど、神谷さんも絢のことを気に入っている様子なので、僕は悪い気がしなかった。
「もっと、話しますとね 2年になっても、机隣りだったんです。あいつ、髪の毛長かったから、よく、やんちゃな男の子に授業中でも引っ張られていたんです。だけど、先生に訴えるということもしないで、下を向いてるだけなんです。でも、今考えると、泣いていたのかもしれない。次の日から、束ねた髪の毛を前の胸のところに持ってきていた。その頃から、黒板も見ないで、小さな紙に絵ばっかり描いていたんです。閉じこもるようになってしまってー 成績も悪くなって、先生の質問にも答えられなくなっていってね。僕は、いつも、あいつのこと見ていたんだけど、6年間、何故か、隣の席多かったので、でも、6年の時、成績順に後ろから座るってことになって、離れてしまって、たまらず、声掛けたんです。なんで、もっと頑張らないんだって そのことを、あいつは、初めて声掛けたみたいに言っているけど、僕は、入学の時から、ずーと 気になっていた」
「そうか よく、わかったよ 君達の想い 純粋だねえ ところで、君の夢に僕は何かしら、手伝うことが出来ると思う 漁協の人も知り合いがいるし、声掛けてみるよ」
「そう言ってもらえると助かります 今の仕事もおろそかに出来ないですけど あんまり、絢を引きずり込むのもなぁって 彼女は絵を描くことの大切さを子供達に教えるのが夢みたいですから 僕が、それをつぶしているみたいで なんとか、彼女の夢も叶えれればなぁーとも思うんですよー」
― ― ― ☆ ☆ ☆ ― ― ―
お盆の休みに、初めて、僕は、絢を島に連れて行った。仲良くなった民宿に泊るつもりだ。港の近くで2階からは海が見えるところにあって、たまに、ここの漁師さんには、潜るポイントまで連れていってもらっている。
あの後、神谷さんは色んなところに口をきいてくれて、漁師の人たちからも親切に接してくれるようになっていた。島の人たちも、知り合いが増えて、歓迎してくれるようになっていた。ダイバー相手のペンションのオーナーも仲良くなっていて、時々、泊り客にサンゴを見る案内を頼まれることもあるのだ。
僕達は自転車を借りて、島内を周ることにした。絢は、僕に併せて、短パンに着替えていた。港の近くの集落では、知り合いに会うと、僕は、彼女ですと答えていた。絢も自転車から降りて、丁寧に挨拶をしていた。髪の毛を束ねてないので、細くて黒い髪の毛が風になびいて、輝くように美しい。
僕達は、透き通るような美しい海を見ながら、砂浜を周ったり、展望台に行ったりして、夕方には、夕陽が見える浜に来ていた。浜辺には、何人か居たが、僕は、絢を抱きしめ、唇を合わせていた。
「絢 僕は、この島に住みたいと思っている。ここの周りのサンゴを守るための研究をしたい」
「ウチも来ても良いの?」
「ずーと 側に居て欲しい 結婚して欲しい ただ、貧乏だけどね」
「モトシの側だったら、良いの 幸せだもん ウチ、なんだってやるから、あんまり泳げないけど、潜って サザエでもお魚だって採ってくるヤン 働くし、やっていけるよ」と言いながら、涙がこぼれだしていた。
「あや 泣いてんのか」
「だってね ウチに、はっきり、そう言ってくれたの・・・って いっつも生活安定するまでとか・・・でも ずぅーと ちゃんと、言って欲しかったんだもん」
と言いながら、顔を僕の胸にうずめてきた。
「モトシのバカヤロー ウチは モトシのことが好きで 好きで たまらないんだよー」
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