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第1章
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テストの2日目を終わった後も、私達は図書館に寄ったのだけど、前の日に告白されたにも関わらず、私達の間にはなんにも変わりがなかったのだ。
帰る時も、普通に並んで歩いているだけだったので
「なぁ 向かいに座ってたの 高校生のカップルなんやね あんなにくっついたりしてさー 肩なんかも寄せ合ってさー 仲 よさそう」
「だね ・・・ あんな風のが良いのか? 羨ましい?」
「そんなんちゃうけどなー ウチ等 付き合ってるんやろー 何も 前と変わらへんからヤン」
「だってよー そんなん 女の子のほうから 甘えてくるんちゃうんかー?」
「そんなことゆうてもなー いきなり ベタベタできひんやんかーぁ 例えば どっかに ふたりでデートするとかー・・・」
「ふーん デートなぁ 山葵 どっか 行きたいとこあるんかぁ?」
「いいやぁー べつにぃー 公園とか お散歩デートとか」
「あっ そう 考えてみる でも 僕達 受験生やから あんまー 遊べないからなぁー」
「でも たまには 息抜きヤン なぁ さっき 山葵 って 呼んだ?」
「あぁ 山城も・・ 固いやろーぅ? 嫌?」
「うぅーん ええでー」
「なぁ 今度の 土曜日 梅野小路公園にいこー 公園デート ウチ お弁当作るネ」
― ― ― * * * ― ― ―
村沢君と約束していた日、私は朝からお父さんに手伝ってもらいながら、お弁当の用意をしていた。そして、出掛ける前に洗面所で、妹の桔梗と出会って・・。マイクロミニともいえる真っ赤なタイトスカートに短いピンクのブラトップ、半袖のシャツを引っかけていた。おへそも見えそうなのだ。そして、安物のネックレスにブレスレット。いかにも、チャラチャラした女の子なのだ。
「桔梗ちゃん 誰かと遊びに行くの?」
「ウン 連れとね」
「みんな そんな恰好? なの?」
「だよ ウチの勝手ヤン お姉ちゃんみたいに スタイルもよーないしな 顔も不細工やしー 恰好だけでもな でないと男の子の気 引けへんやん」
「そんなことないよ 桔梗だって 可愛いしー そんな風にしなくても・・ 男の子の気引くって・・・」
「そんな気休めって ええネン ウチは 男の子等と遊んでても 誰かさんみたいに優等生ぶって 裏で誘惑したりして楽しんでないからなー」
「ちょっとー なにー 今の・・」
「学校中のウワサやんかー ウチかって お前の姉ちゃんは男を誘惑して、やったんやてなって なんぼテニスが上手いからって、やることはやるんやなーぁーって お前もそうなんやろーって 言われてるんやでー」
「・・・ 桔梗 そのこと お母さんに・・」
「ゆうてへんよー 安心して お姉ちゃんは ウチとちごてー 優等生なんやもんなっ そんなことバレたら お母さん可哀そうやもん」と、言い放って、出掛けて行ったのだ。そうなのかー 桔梗にまで・・ 可哀そうなことしてしまった。
私が幼稚園の時、実のお母さんは、しばらく入退院を繰り返していたのだが、結局亡くなってしまっていた。そして、小学校2年生の時、それまでお父さんの仕事を手伝っていた波香さんという女性が女の子と一緒に家に住み込むようになって、私の世話なんかも見てくれるようになった。小学校3年生の時、お父さんから波路さんと再婚することにしたと聞かされたのだ。その時の、女の子が桔梗で私の1つ下の妹になったのだ。
しばらくの間は、私はお母さんと呼べずに「あのー」とか「なみかさん」とかと誤魔化していたのだが、5年生になるとお父さんから、ひどく叱られて・・・それ以来、なんとか、お母さんと呼ぶようになった。桔梗のことは小さいころから知っているので、私も妹が出来て嬉しくって、可愛がって仲良くしていたのだが、あの子が中学生になると、なんとなく反抗するようになっていて、お母さんにも、無理を言うようにもなっているみたいだった。そして、最近では、学校内でも素行の良くない連中と遊んでいて、夏休み前にお母さんが学校に呼び出されていたみたいなのだ。お父さんと私には内緒にしているのだけれども・・。
私は、ジーンの短パンで出ようとしていたのだが、桔梗のことがあったので、うきうきした気持ちが失せてしまって、トレーナーに長いジーンに穿き替えて出てきていた。待ち合わせ場所に行くと村沢君は先に来てくれていた。
「ごめん 待たせてしまって・・」
「いや 別にー なんだぁー 山葵 もっと 短いのんで来るのか思ってた」
「なんやー いつもウチのテニスのん見慣れてるやろー そんなん期待してたんかぁー?」
「いや そのー テニスの時とは・・別」
「うんもぅー 生脚に興味あるんか ウチに興味あるんか どっち!」
「・・・わ さ び」
「よーし 次は 短いの穿いて来るネ 村沢君のために」
私達はしばらく公園内を散歩して・・・ベンチを見つけて、お弁当を食べることにした。
「うまいなぁー 山葵が作ったのか?」
「当り前ヤン 朝からネ」
俵型のおにぎりに、牛肉しぐれ・鯛の薄切りの焼いたもの・なすの漬物の薄切りを海苔で巻いて、それにだし巻き玉子に網焼き牛肉。お父さんも少し手伝ってくれたけど・・。自分でも上出来と思っていた。
そして、水族館に行こうと言われたけど、私は暗い所はチョットーと鉄道博物館の方に行くことにした。公園を歩いている時は手もつないでくれなかったんだけど、中では照れ臭そうに時々手を引っ張ってくれていた。
「なぁ なんか 楽しくないんか? いつもと違うネ 考えごとあるの?」
「うぅん ちゃうよー 初めてのデートで緊張・・・ ・・・あのなー 家 出て来る時 ちょっと 桔梗とネ もめた」
「あぁ 桔梗ちゃんなぁー 明るくていい子なんだけど・・ ちょっと付き合ってる連中が良くないよな なんか 高校生とも遊んでるみたいだなー 評判の良くない連中」
「そうなのよ 最近なんか家でもウチと話もしないし、避けようとしているみたいで・・ あの子 変わってしまったワ」
「そうか 良い子なんだけどなぁー 同じ姉妹でも 山葵とは違う感じだネ 桔梗ちゃんはもともと活発なんだよ 今は 反抗期に入ってるんカナ」
そうなの、私とは違うのよ。本当の姉妹じゃぁ無いんだものー。だから、気持ちが通じ合えないのかも・・。でも、実の姉妹じゃぁ無いってことは、村沢君にも打ち明けてないのだ。だけど、本当は知っているのかも知れない。
帰る時も、普通に並んで歩いているだけだったので
「なぁ 向かいに座ってたの 高校生のカップルなんやね あんなにくっついたりしてさー 肩なんかも寄せ合ってさー 仲 よさそう」
「だね ・・・ あんな風のが良いのか? 羨ましい?」
「そんなんちゃうけどなー ウチ等 付き合ってるんやろー 何も 前と変わらへんからヤン」
「だってよー そんなん 女の子のほうから 甘えてくるんちゃうんかー?」
「そんなことゆうてもなー いきなり ベタベタできひんやんかーぁ 例えば どっかに ふたりでデートするとかー・・・」
「ふーん デートなぁ 山葵 どっか 行きたいとこあるんかぁ?」
「いいやぁー べつにぃー 公園とか お散歩デートとか」
「あっ そう 考えてみる でも 僕達 受験生やから あんまー 遊べないからなぁー」
「でも たまには 息抜きヤン なぁ さっき 山葵 って 呼んだ?」
「あぁ 山城も・・ 固いやろーぅ? 嫌?」
「うぅーん ええでー」
「なぁ 今度の 土曜日 梅野小路公園にいこー 公園デート ウチ お弁当作るネ」
― ― ― * * * ― ― ―
村沢君と約束していた日、私は朝からお父さんに手伝ってもらいながら、お弁当の用意をしていた。そして、出掛ける前に洗面所で、妹の桔梗と出会って・・。マイクロミニともいえる真っ赤なタイトスカートに短いピンクのブラトップ、半袖のシャツを引っかけていた。おへそも見えそうなのだ。そして、安物のネックレスにブレスレット。いかにも、チャラチャラした女の子なのだ。
「桔梗ちゃん 誰かと遊びに行くの?」
「ウン 連れとね」
「みんな そんな恰好? なの?」
「だよ ウチの勝手ヤン お姉ちゃんみたいに スタイルもよーないしな 顔も不細工やしー 恰好だけでもな でないと男の子の気 引けへんやん」
「そんなことないよ 桔梗だって 可愛いしー そんな風にしなくても・・ 男の子の気引くって・・・」
「そんな気休めって ええネン ウチは 男の子等と遊んでても 誰かさんみたいに優等生ぶって 裏で誘惑したりして楽しんでないからなー」
「ちょっとー なにー 今の・・」
「学校中のウワサやんかー ウチかって お前の姉ちゃんは男を誘惑して、やったんやてなって なんぼテニスが上手いからって、やることはやるんやなーぁーって お前もそうなんやろーって 言われてるんやでー」
「・・・ 桔梗 そのこと お母さんに・・」
「ゆうてへんよー 安心して お姉ちゃんは ウチとちごてー 優等生なんやもんなっ そんなことバレたら お母さん可哀そうやもん」と、言い放って、出掛けて行ったのだ。そうなのかー 桔梗にまで・・ 可哀そうなことしてしまった。
私が幼稚園の時、実のお母さんは、しばらく入退院を繰り返していたのだが、結局亡くなってしまっていた。そして、小学校2年生の時、それまでお父さんの仕事を手伝っていた波香さんという女性が女の子と一緒に家に住み込むようになって、私の世話なんかも見てくれるようになった。小学校3年生の時、お父さんから波路さんと再婚することにしたと聞かされたのだ。その時の、女の子が桔梗で私の1つ下の妹になったのだ。
しばらくの間は、私はお母さんと呼べずに「あのー」とか「なみかさん」とかと誤魔化していたのだが、5年生になるとお父さんから、ひどく叱られて・・・それ以来、なんとか、お母さんと呼ぶようになった。桔梗のことは小さいころから知っているので、私も妹が出来て嬉しくって、可愛がって仲良くしていたのだが、あの子が中学生になると、なんとなく反抗するようになっていて、お母さんにも、無理を言うようにもなっているみたいだった。そして、最近では、学校内でも素行の良くない連中と遊んでいて、夏休み前にお母さんが学校に呼び出されていたみたいなのだ。お父さんと私には内緒にしているのだけれども・・。
私は、ジーンの短パンで出ようとしていたのだが、桔梗のことがあったので、うきうきした気持ちが失せてしまって、トレーナーに長いジーンに穿き替えて出てきていた。待ち合わせ場所に行くと村沢君は先に来てくれていた。
「ごめん 待たせてしまって・・」
「いや 別にー なんだぁー 山葵 もっと 短いのんで来るのか思ってた」
「なんやー いつもウチのテニスのん見慣れてるやろー そんなん期待してたんかぁー?」
「いや そのー テニスの時とは・・別」
「うんもぅー 生脚に興味あるんか ウチに興味あるんか どっち!」
「・・・わ さ び」
「よーし 次は 短いの穿いて来るネ 村沢君のために」
私達はしばらく公園内を散歩して・・・ベンチを見つけて、お弁当を食べることにした。
「うまいなぁー 山葵が作ったのか?」
「当り前ヤン 朝からネ」
俵型のおにぎりに、牛肉しぐれ・鯛の薄切りの焼いたもの・なすの漬物の薄切りを海苔で巻いて、それにだし巻き玉子に網焼き牛肉。お父さんも少し手伝ってくれたけど・・。自分でも上出来と思っていた。
そして、水族館に行こうと言われたけど、私は暗い所はチョットーと鉄道博物館の方に行くことにした。公園を歩いている時は手もつないでくれなかったんだけど、中では照れ臭そうに時々手を引っ張ってくれていた。
「なぁ なんか 楽しくないんか? いつもと違うネ 考えごとあるの?」
「うぅん ちゃうよー 初めてのデートで緊張・・・ ・・・あのなー 家 出て来る時 ちょっと 桔梗とネ もめた」
「あぁ 桔梗ちゃんなぁー 明るくていい子なんだけど・・ ちょっと付き合ってる連中が良くないよな なんか 高校生とも遊んでるみたいだなー 評判の良くない連中」
「そうなのよ 最近なんか家でもウチと話もしないし、避けようとしているみたいで・・ あの子 変わってしまったワ」
「そうか 良い子なんだけどなぁー 同じ姉妹でも 山葵とは違う感じだネ 桔梗ちゃんはもともと活発なんだよ 今は 反抗期に入ってるんカナ」
そうなの、私とは違うのよ。本当の姉妹じゃぁ無いんだものー。だから、気持ちが通じ合えないのかも・・。でも、実の姉妹じゃぁ無いってことは、村沢君にも打ち明けてないのだ。だけど、本当は知っているのかも知れない。
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