私の辛かった思い あんたにぶつかっていくわ!

すんのはじめ

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第10章

10-6

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 直ぐに、全国高校選抜の予選の団体戦があったけど、学力考査もあったし、麗香が体調不良で、私達はメンバーが少なく1年も動員したけど、準決勝で層の厚い京都国際に負けていた。
 
 そして、京都府の高校選手権が始まって、準々決勝に私とみく美、麗香、美湖、香菜花が残っていたけど、私と麗香、みく美と香菜花が当たったりして、準決勝では私と学館の小野寺鏡、みく美は京都国際の多々良カンナとの対戦になった。近畿大会の予選の時と同じなのだ。

 あの時と同じような戦い方で私は6-4で勝って、みく美ももつれた末に7-5で振り切っていた。又、私とみく美の決勝で・・・今回は私も最初から得意のサーブとスマッシュを駆使して、みく美も持ち前の強烈なスピードのあるショットを連発していたが、ラリー戦が続いた後、最後は私が8-6で勝っていた。

 ダブルスの方も私とみく美のペァは、麗香と美湖のペァに勝ってきた京都国際のペァ。これも、近畿大会予選と同じ。だけど、すんなりと6-3で勝って優勝したのだ。

 スタンドで見ていた璃々香先輩と衣笠響が来てくれて

「山城さん おめでとう 杉田さんも あなた達は素晴らしいわ 見ててもワクワクしちゃうワ 山城さん あなたは、もう、京都では 女王にふさわしいわね」

「えぇー そんなー 私 まだまだ・・ この前も神宮美弥に負けてしまって」

「まぁ あの人達は別格よ でも、二人とも接戦だったじゃぁない 次は期待してるね だけど、近畿大会もダブルスを優勝したのは立派なもんよ 二人とも」

 次の日、登校すると見慣れた看板が・・・そして、コーチに連れられて私とみく美が校長室へ。今回は二人だけだった。

「やぁ いつもの二人だね 個人戦の決勝を応援に行ったんじゃが 音女の二人だろー いゃーぁ 興奮したね 身震いしたよ お疲れ様 部室とシャワールームも もう一回り大きくするように理事会にも注進しておいたよ」と、校長が、また、手を握ってきた。

 その後、私達は急いで手を洗いに行って、そして、全校集会の体育館の壇上に居た。やっぱり、今回は私達二人だけだった。正面の壁には [京都府高校選手権 祝 シングル優勝 山城山葵さん][祝 ダブルス優勝 山城山葵、杉田みく美さん]の垂れ幕が・・なんでぇー 今回は・・。理事長が来ていたのだ。理事長と校長の賛辞の後、学生課課長が私達のもとに「ひとこと 挨拶をー」と、言ってきたのだ。みく美が私の肩を押し出すようにして・・私は、仕方なく

「ありがとうございます 今 私がここに立って居られるのも、素晴らしいコーチと先輩達が指導してくださったお陰なんです そして、このテニス部がある音羽女学院をとっても誇りに思います 皆様 応援ありがとうございました」と、お辞儀をしていたら、小声でみく美が「挨拶が優等生すぎるぅー」と・・。

 その時、理事長が私達のほうに寄って来て、握手を求めてきた。私は、仕方なく手を出して、握手をしたら、あいている左手で私をハグしようとしてきた。さすがに、私が避ける素振りをしたからなのか、「音羽女学院の名前を知れわたしてくれてありがとう」と、私の肩をポンポンとして済んでいたのだ。

「なによー あのオッサン セクハラ講習受けて無いん?」と、私がプンプンして、手を洗いに行くと

「山葵が優等生過ぎる挨拶したからー 嬉しくなっちゃったんじゃあない? 音羽女学院をとっても誇りに思いますってネ! 泣いている先生なんかもおったでー」

「なっ なによー みく美がウチを押し出すからー 咄嗟に・・ ずるい ぞ」

「まぁ ええヤン 山葵 来年の総体 全国の頂点 目指さへん?」

「えっ いっつも そのつもりヤン?」

「ちゃうネン もっと 真剣に・・・ このままで勝てると思う?」

「・・・きびしい・・・なー」

「そうやろー? この冬の間に 武者修行が必要やー ウチ等 もっと 厳しく追い詰めやなぁー」

「うーん? どうすんのん?」

「まぁ ウチ 考えてることあるから まかせてーなー」

「ウン わかった 一連托生やー みく美と 全国の頂点かぁー 夢やなぁー でも 夢に終わらせんよーにせんならんねんなー」
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