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第7章
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島に行く日、巧はジーンだろうから、合わせるつもりで、私は、思い切って、ジーンの短パンにした。お姉ちゃんに「又 そんな恰好で・・陽焼けしても知らないよ ちゃんと陽焼け止め塗っときなさいよ それに、他の男の眼も釘付けだよ 脚出してー」と、言われながらも、私達は、朝早く京都駅で待ち合わせをして、巧も一瞬、釘付けだった。新大阪で新幹線に乗り換えて倉敷へ、それから又、在来線に乗り換えて船乗り場に向かった。途中の駅でお弁当を買っていたので、船に乗る前に食べてしまっていた。
「やっぱり 香波のんほうがおいしいな」
「うれしいな そういう風に言ってくれるのんって」
「あの時 香波と約束しようと 決心して ここから、島に渡ったんだ 人の運命って どう変わるか、わからないものだな 希望が消えてしまって だけど 又 こうして希望が戻って来るなんてな」
「私も そう 不安と期待だけで ここから 旅立って こんな幸せが戻ってくるなんて・・ 巧を追いかけて 良かった」
島に降り立った後、元のお店に・・板が打ち付けられていて、去年見た時のまま。そして、坂道を登って、お墓に行った。
「お父さん、お母さん、おばぁちゃん 帰って来たよ。私の好きな人と一緒だよ」と、お花とお線香をお供えした。巧さんも、何かを報告してくれているのだろうか、長いこと手を合わせてくれていた。「私 今 幸せだよ 心配しないで、元気一杯、生きているからね」
そして、巌さんの民宿を目指した。近づいていっても、前みたいにバクの声は聞こえてこなかったのだ。私は、もう、涙に滲みながら、砂浜と海を見ながら歩いていた。
「香波ちゃん 相変わらず 元気そうだなー」と、巌さんの声だ。「もう そろそろ来る頃ばいっとなー」そして、バクのお墓に案内された。砂浜と海、そして少し離れたところの岩場が見える場所。木の墓標で バク と。側の竹筒にお花が供えてあった。私は、持ってきていた昨日作ったハンバーグを供えて・・。思わず、その墓標を泣きながら抱きしめていた。
「バク ごめんね 今まで、来れなくて ずーと仲良くしてくれて、ありがとうね」と、泣いていると、巌さんが
「香波ちゃん バクは、香波ちゃんの側に行ったんじゃけー 見守っとるよー」
「うん お父さんにも、そう、言われた いつも 見守っていてくれるけんネ」と、私は、涙を拭いていた。巧がハンカチを渡していてくれたのだ。
「香波ちゃん 穴倉みたいな部屋ですまんがのー 連絡もらった時には、もう、満室での まぁ 寝る時以外は、うちの座敷に居てくれて構わんがの」と、巌さんはすまなそうに言ってくれていたが
「ううん 私達 構わんよー 気にせんでー」と、泳ごーよと巧を誘って、部屋に行った。
「巧 こっち 向かないでよ」と、お互いに背を向けたまま、水着に着替えて、海で遊んだ。そして、あの岩場とか、私の秘密基地の小さな砂場にも・・。
そして、民宿に帰ってくると、おばさんが
「香波ちやん 急いで、二人でお風呂に入れーな 他のお客さんはまだじゃきー」
「おばさん 私達 まだ・・そんな・・」
「えー まだなんけー ウチなんざー 16で嫁にきたけんね もう強引だったよ」
私達はお互いに顔を見合わせていた。躊躇していたに決まっている。私から
「私 いいよ 一緒でも・・ 巧となら」と、思い切って言っていた。
私達は、結局一緒に入ったんだけど、何にもしゃべらないで、巧は私の身体を見ないようにしていたみたい。私は、眼に入ってしまった。巧の身体の全部。
お風呂から出て、私達は揃いのTシャツに短パン。私は、夕食のものをお膳に並べて居たり、お手伝いをしていた。若い男の人のグループなんかからは「ここの娘さんかい 可愛いね」とか声を掛けられていたが「駐在所の娘です お手伝い」と、ふざけて返していた。
巧は、外のベンチで巌さんと、お酒を飲んで楽しそうにしている。私は、心の中で、あんまり、飲み過ぎないでよと、今夜は私達、しないって言ってたんだけど、一応、二人で過ごす、初めての夜なんだよー。
その夜、私達は、砂浜に歩いていた。私は、彼にすがるように腕を組んで・・。何組かが、浜に出て花火なんかもやっていたから、私の秘密基地へ。暗かったけど、私はつもりしていたので、ペンライトを用意していた。それに少しはと、覚悟していたのだ。そして、砂場に座って、私は彼の肩に頭を預けていた。
「遠くの島の灯りしか見えないね こうしてたのって、この前は朝だったね」
「そうだなー あの時は、香波は 海藻の香りしかしなかったよー ふっふっ」
「だっさー 海藻採ってきたとこだったんだもの だけど、私 あの時と違って 巧のこと知っているよ もう」と、巧の顔を見て、眼を閉じていった。
そして、肩を抱き寄せられて、巧の唇を感じていた。私も、手を巧の背中にまわしていた。しばらく、そのままだった思う。その後、二人共、無言のまま民宿に戻って、なにも無かったかのように寝てしまった。私は、長めのTシャツに、特別に買ってきたピンクの花の飾りのついたショーツだけだったんだけど・・。私は、夜中に目が覚めて、寝ている巧の布団の中に移ったのだ。巧の背中にひっつくように・・。
朝、巧が眼を覚ます前に起きて、おばさんの朝食の準備を手伝いにいった。私達も朝食を済ませた後、バクのお墓にお別れをして、民宿を後にする時、巌さんとおばさんが
「香波ちゃん 又 来てね こん男の人は香波ちゃんを追っかけてきたんじゃけー 離れたらいけんよー」
「ええ 離しません」と、巧が言ってくれた。私は、巧に腕を組んでいって笑って応えていた。そして、お父さんとお母さんとおばぁちゃんに、もう一度お別れを言って、私達は島を離れた。
帰りの船で「私 巧みに ずーと ついていっていいんだよね」と、巧は私の肩を抱き寄せてくれて、だから、私は頭を預けていた。
「やっぱり 香波のんほうがおいしいな」
「うれしいな そういう風に言ってくれるのんって」
「あの時 香波と約束しようと 決心して ここから、島に渡ったんだ 人の運命って どう変わるか、わからないものだな 希望が消えてしまって だけど 又 こうして希望が戻って来るなんてな」
「私も そう 不安と期待だけで ここから 旅立って こんな幸せが戻ってくるなんて・・ 巧を追いかけて 良かった」
島に降り立った後、元のお店に・・板が打ち付けられていて、去年見た時のまま。そして、坂道を登って、お墓に行った。
「お父さん、お母さん、おばぁちゃん 帰って来たよ。私の好きな人と一緒だよ」と、お花とお線香をお供えした。巧さんも、何かを報告してくれているのだろうか、長いこと手を合わせてくれていた。「私 今 幸せだよ 心配しないで、元気一杯、生きているからね」
そして、巌さんの民宿を目指した。近づいていっても、前みたいにバクの声は聞こえてこなかったのだ。私は、もう、涙に滲みながら、砂浜と海を見ながら歩いていた。
「香波ちゃん 相変わらず 元気そうだなー」と、巌さんの声だ。「もう そろそろ来る頃ばいっとなー」そして、バクのお墓に案内された。砂浜と海、そして少し離れたところの岩場が見える場所。木の墓標で バク と。側の竹筒にお花が供えてあった。私は、持ってきていた昨日作ったハンバーグを供えて・・。思わず、その墓標を泣きながら抱きしめていた。
「バク ごめんね 今まで、来れなくて ずーと仲良くしてくれて、ありがとうね」と、泣いていると、巌さんが
「香波ちゃん バクは、香波ちゃんの側に行ったんじゃけー 見守っとるよー」
「うん お父さんにも、そう、言われた いつも 見守っていてくれるけんネ」と、私は、涙を拭いていた。巧がハンカチを渡していてくれたのだ。
「香波ちゃん 穴倉みたいな部屋ですまんがのー 連絡もらった時には、もう、満室での まぁ 寝る時以外は、うちの座敷に居てくれて構わんがの」と、巌さんはすまなそうに言ってくれていたが
「ううん 私達 構わんよー 気にせんでー」と、泳ごーよと巧を誘って、部屋に行った。
「巧 こっち 向かないでよ」と、お互いに背を向けたまま、水着に着替えて、海で遊んだ。そして、あの岩場とか、私の秘密基地の小さな砂場にも・・。
そして、民宿に帰ってくると、おばさんが
「香波ちやん 急いで、二人でお風呂に入れーな 他のお客さんはまだじゃきー」
「おばさん 私達 まだ・・そんな・・」
「えー まだなんけー ウチなんざー 16で嫁にきたけんね もう強引だったよ」
私達はお互いに顔を見合わせていた。躊躇していたに決まっている。私から
「私 いいよ 一緒でも・・ 巧となら」と、思い切って言っていた。
私達は、結局一緒に入ったんだけど、何にもしゃべらないで、巧は私の身体を見ないようにしていたみたい。私は、眼に入ってしまった。巧の身体の全部。
お風呂から出て、私達は揃いのTシャツに短パン。私は、夕食のものをお膳に並べて居たり、お手伝いをしていた。若い男の人のグループなんかからは「ここの娘さんかい 可愛いね」とか声を掛けられていたが「駐在所の娘です お手伝い」と、ふざけて返していた。
巧は、外のベンチで巌さんと、お酒を飲んで楽しそうにしている。私は、心の中で、あんまり、飲み過ぎないでよと、今夜は私達、しないって言ってたんだけど、一応、二人で過ごす、初めての夜なんだよー。
その夜、私達は、砂浜に歩いていた。私は、彼にすがるように腕を組んで・・。何組かが、浜に出て花火なんかもやっていたから、私の秘密基地へ。暗かったけど、私はつもりしていたので、ペンライトを用意していた。それに少しはと、覚悟していたのだ。そして、砂場に座って、私は彼の肩に頭を預けていた。
「遠くの島の灯りしか見えないね こうしてたのって、この前は朝だったね」
「そうだなー あの時は、香波は 海藻の香りしかしなかったよー ふっふっ」
「だっさー 海藻採ってきたとこだったんだもの だけど、私 あの時と違って 巧のこと知っているよ もう」と、巧の顔を見て、眼を閉じていった。
そして、肩を抱き寄せられて、巧の唇を感じていた。私も、手を巧の背中にまわしていた。しばらく、そのままだった思う。その後、二人共、無言のまま民宿に戻って、なにも無かったかのように寝てしまった。私は、長めのTシャツに、特別に買ってきたピンクの花の飾りのついたショーツだけだったんだけど・・。私は、夜中に目が覚めて、寝ている巧の布団の中に移ったのだ。巧の背中にひっつくように・・。
朝、巧が眼を覚ます前に起きて、おばさんの朝食の準備を手伝いにいった。私達も朝食を済ませた後、バクのお墓にお別れをして、民宿を後にする時、巌さんとおばさんが
「香波ちゃん 又 来てね こん男の人は香波ちゃんを追っかけてきたんじゃけー 離れたらいけんよー」
「ええ 離しません」と、巧が言ってくれた。私は、巧に腕を組んでいって笑って応えていた。そして、お父さんとお母さんとおばぁちゃんに、もう一度お別れを言って、私達は島を離れた。
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