魔王様はレベル1の勇者に恋をする! 〜ヤンデレ系こじらせ魔王は愛する勇者のレベルを上げさせない〜

愛善楽笑

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56話 ザッコス盗賊団をやっつけろ! 前編

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 私は数十人の盗賊たちに一人、飛びかかっていく。

 目の前には、下品な顔つきのモヒカン頭やらスキンヘッドやらのダッサい男たち。

 しかもだ。

 全員仲良くトゲトゲスタッズの肩パッドを装備していて、私はこいつらに対して、『どこの世紀末の方ですか?』と聞きたくなるほどだった。

 私の魔王軍がいくら変態ばかりでも、彼らのヘアスタイルと装備は明らかに異常なコーディネートだ。

 何にしても、相手にいくら人数で上回るアドバンテージがあろうとも私には問題ない。

 真っ向から全てねじ伏せる!

 そんなモヒカン頭やスキンヘッドたちが嘲笑いながら口々にこう言った。

「てめぇ何もんだこらぁ!」

「魔王ですが、それが何か?」

「魔王だぁ? アホか! てめぇおいらたちが泣く子も犯すザッコス盗賊団だって知らねーのか!」

「は? サイテーだな、キサマら。ふん、キサマらゴミのことなど知ったことか!」

「このやろう、生意気な! 野朗どもやっちまえぇえッ」

「「「ヒャアッハアアアアアアッ!」」」

 なんて下品な叫び声なのか。

 あまりに衝撃的で死亡フラグな声を出す男たちに、私はいつの間にかどこかの世紀末に転生したのではないかと疑ってしまう。

 そして同時に、こんな薄汚い輩がユーナに少しでも触れたかと思うと、私の胸に殺意の炎がメラメラと燃え上がる。

 下品でゲスで不細工極まる男たちに痛めつけられ、ユーナからしたらさぞかし怖かったことだろう。

 どこからどう見ても悪者だし、なんなら死神に見えてもおかしくない。

 それにこいつら……!

 嬉々として戦闘を楽しんでいる。

 うん、頭のイカれたクレイジーどもだ。私の魔法でさっさと片付けてやろう……!

 そう思っていた時。

「おいにーちゃんよぉ! 俺らに魔法は通じないぜ? 加えて俺らは元高ランクの冒険者で構成された盗賊団よ! てめぇーが勝てる見込みなんてありゃしねぇッ!」

 余裕の笑みを浮かべながら、親玉モヒカンは私に言う。

「説明ご苦労、だがどうでもいい。ちなみに奇遇だが、私もお前たちの魔法は通じないぞ?」

「けっ! カッコつけてんじゃねえよ!」

 縦横無尽に繰り出される攻撃から、たしかに少しはやるのだと私は戦いのさなかに思う。

 多勢に無勢、貧弱な駆け出し冒険者ならあっという間に切り刻まれてしまうことだろう。

 だがな、知っているか?

 私は魔王軍の頂点にして魔王。この程度の斬撃は止まって見える。

 それに何も、私が得意なのは魔法だけじゃない。武術だって得意分野だ。

 私が盗賊たちの全ての斬撃を躱し、時折り放たれる魔法をかき消したり、弾き返していると、

「な、なんで攻撃があたらねぇんだ……?」

「お、親分……こいつなんかおかしくないですか……? 魔法を撃っても撃っても消されるか返されちまう……」

「し、しかも、この野朗が防御魔法なんて唱えてる様子ちっともねえですよ……? ど、どうなってやがるんだ……」

 すぐに決着をつけられるのかと思っていたのだろうか。

 予想を裏切りまくる私の強さに、盗賊一味の動きが一瞬止まる。

 すると、親玉モヒカンは激を飛ばし。

「怯んでんじゃねぇ野朗ども! 敵はたかが一人だろうが! 前衛は物理攻撃、後方はヤツ目がけて一斉に魔法を打ち込んでやれ!」

「「「がってん承知でさぁッ!」」」

 大声で支持を出す親分モヒカンの指示で、スキンヘッドたちが魔法の詠唱を済ませ、私に向けて一斉に放つ。

 炎魔法、雷撃魔法、さまざまな属性の攻撃魔法が全方位から私の身に降り注ぐ。

 が、しかしだ。

「お前たちの魔法はお遊びか? なんの威力もない」

 私が片手をぶん! と振り払うと全ての魔法がかき消される。

「お前らたしか、魔法が効かないと吐かしていたな? よろしい、キサマらゴミどもに本物の魔法というものを見せてやろう……!」

 私は両手に魔力を込める。

 全力を出したらここら一帯が焼け野原、草木一本も残らないし、私の愛するユーナを傷つけてしまうかもしれない。

 魔力は抑えよう。

 それと、こいつら矮小なゴミどもがどんな奇跡のアイテムを装備しているか知らんが、意味がないということを教えてやる。

 ふん、魔法が効かないだと?

 それはあくまで、私の魔法以外だったらの話だ。
 
 何故なら……!



 ☆★☆★

 次は0時過ぎに更新予定です(*´꒳`*)

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