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63話 売られたケンカは買おうじゃないか 前編
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「そんなバカな! ユーナさんと小さいころからの知り合いで!? しかもついさっきユーナさんを助けようとして盗賊団を撃退したって!? ぜんぜん凶悪で残虐な魔王っぽくないじゃないか!」
魔王の定義なんて私は知らないんだけど。
そう思った私は、イキってくるアイドに胸ぐらを掴まれていた。
それを見たユーナが慌てて止めに入る。
「ちょ、ちょっと!? あんな? ヨーケスはたしかに魔王やけど、案外いいとこあるんよ? それに、ヨーケスの盗賊団を懲らしめよる時の姿はかんっぜんに魔王やったよ?」
そんなユーナの声を聞いて、アイドは不安の眼差しで彼女を見る。
「……ユーナさん、こんな男とどんな関係かは知らないけど、この男はオレたち人間の敵対種の王なんだよ。そして、君は仮にも勇者なんだ、だからこんな男と一緒にいてはいけないッ」
こんな男って私のことだよな? キノコやエツィーのこと言ってないよな?
私は愛するユーナの前でこんな男呼ばわりされて、全力で魔法を撃ち込みたかったが、人間をぬっころしたらユーナが悲しむだろうし、大人しくしとく。
というか、ほんと初対面で失礼なヤツだ。
私とユーナのことをろくに知りもしないくせに。
アイドの言葉に、ユーナが若干押されながらもおずおず答えた。
「え、えっと、でもさ? ヨーケスが悪させんかったら別にいいんちゃう? たしかにユーナとヨーケスが一緒におったら変やけど……さっきも助けてくれたし……」
「はぁ!? ぐぬぬぬぬ……おい魔王! まさかオレのユーナさんに魅了の魔法をかけたのか!? さっさと解けよ!」
私の胸ぐらを掴むアイドの手に力が入る。
てか、オレのユーナだと?
バカが! 私のユーナだ!
こいつ……いい度胸だが私もそろそろ我慢の限界なんだけど! 魅了の魔法? そんなん知らんわ!
その私を掴むアイドの腕をシャンプルが横から掴んだ。
「ねぇ、いい加減にその手を放してくださらないかしら? あなたさっきから失礼よ? たしかにダールンは魔王だけど、礼儀知らずのあなたにも問題がありますわよ?」
私はシャンプルの伴侶ではないが、まるでほんとの妻であるかのように、彼女は静かに怒っていた。
見れば、キノコまでが魔法使いの杖を握りしめて構えており、
「ボクのヨーケスおにいさんの身体に触ったな……? 次はどこを触ろうってんだお前……?」
と、わけのわからないことを言い、今にも魔法を撃とうとしていた。
すると、アイドはふん……! と言って私から手を放すと、興味深そうな目をしてキノコとシャンプルを見やる。
「なぁ、大聖女に大魔法使い。……ついでにゴリラの剣士。なんで君らはこんな男の肩を持つんだい? 君たちはユーナさんのパーティー仲間として、魔王討伐するのが役目じゃないのか?」
たしかに、なぜかキノコもシャンプルも私になんでか知らないけど好意を寄せている。
私を討伐するための勇者パーティーだというのに、ごもっともなセリフだ。
前例とやらにないことが起きているのだから、アイドが疑問に思うのも当然だろう。
私はユーナに耳打ちする様に囁いた。
「なあユーナ。ところでこの男はなんでユーナにつきまとってるんだ?」
「えっ? きっかけは知らんよ? でも行く先々でアイドがよく視界に入りよるし……なんかこの間は『オレの運命の人よ、結婚してくれ!』とか言われよったね」
ユーナの耳打ちを聞いて、私は殺意の炎がユラユラと揺らめいていた。
私以外にユーナに対して恋をする人間の存在があるのは知ってはいたが……まさかここまでグイグイくる輩がいようとは。
このストーカーめ……!
魔王の定義なんて私は知らないんだけど。
そう思った私は、イキってくるアイドに胸ぐらを掴まれていた。
それを見たユーナが慌てて止めに入る。
「ちょ、ちょっと!? あんな? ヨーケスはたしかに魔王やけど、案外いいとこあるんよ? それに、ヨーケスの盗賊団を懲らしめよる時の姿はかんっぜんに魔王やったよ?」
そんなユーナの声を聞いて、アイドは不安の眼差しで彼女を見る。
「……ユーナさん、こんな男とどんな関係かは知らないけど、この男はオレたち人間の敵対種の王なんだよ。そして、君は仮にも勇者なんだ、だからこんな男と一緒にいてはいけないッ」
こんな男って私のことだよな? キノコやエツィーのこと言ってないよな?
私は愛するユーナの前でこんな男呼ばわりされて、全力で魔法を撃ち込みたかったが、人間をぬっころしたらユーナが悲しむだろうし、大人しくしとく。
というか、ほんと初対面で失礼なヤツだ。
私とユーナのことをろくに知りもしないくせに。
アイドの言葉に、ユーナが若干押されながらもおずおず答えた。
「え、えっと、でもさ? ヨーケスが悪させんかったら別にいいんちゃう? たしかにユーナとヨーケスが一緒におったら変やけど……さっきも助けてくれたし……」
「はぁ!? ぐぬぬぬぬ……おい魔王! まさかオレのユーナさんに魅了の魔法をかけたのか!? さっさと解けよ!」
私の胸ぐらを掴むアイドの手に力が入る。
てか、オレのユーナだと?
バカが! 私のユーナだ!
こいつ……いい度胸だが私もそろそろ我慢の限界なんだけど! 魅了の魔法? そんなん知らんわ!
その私を掴むアイドの腕をシャンプルが横から掴んだ。
「ねぇ、いい加減にその手を放してくださらないかしら? あなたさっきから失礼よ? たしかにダールンは魔王だけど、礼儀知らずのあなたにも問題がありますわよ?」
私はシャンプルの伴侶ではないが、まるでほんとの妻であるかのように、彼女は静かに怒っていた。
見れば、キノコまでが魔法使いの杖を握りしめて構えており、
「ボクのヨーケスおにいさんの身体に触ったな……? 次はどこを触ろうってんだお前……?」
と、わけのわからないことを言い、今にも魔法を撃とうとしていた。
すると、アイドはふん……! と言って私から手を放すと、興味深そうな目をしてキノコとシャンプルを見やる。
「なぁ、大聖女に大魔法使い。……ついでにゴリラの剣士。なんで君らはこんな男の肩を持つんだい? 君たちはユーナさんのパーティー仲間として、魔王討伐するのが役目じゃないのか?」
たしかに、なぜかキノコもシャンプルも私になんでか知らないけど好意を寄せている。
私を討伐するための勇者パーティーだというのに、ごもっともなセリフだ。
前例とやらにないことが起きているのだから、アイドが疑問に思うのも当然だろう。
私はユーナに耳打ちする様に囁いた。
「なあユーナ。ところでこの男はなんでユーナにつきまとってるんだ?」
「えっ? きっかけは知らんよ? でも行く先々でアイドがよく視界に入りよるし……なんかこの間は『オレの運命の人よ、結婚してくれ!』とか言われよったね」
ユーナの耳打ちを聞いて、私は殺意の炎がユラユラと揺らめいていた。
私以外にユーナに対して恋をする人間の存在があるのは知ってはいたが……まさかここまでグイグイくる輩がいようとは。
このストーカーめ……!
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