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15.後をつけていたんですか?
しおりを挟むこんな疲れる朝礼……初めてかもしれない……
くたくたになった僕は、それでもなんとかフォルゲソスに、もうあなたとは魔物退治に行かない! って宣言して、砦を飛び出してきた。
ふらふらしながら森の上空を飛んで、森の真ん中あたり、あまり人が来ないあたりに降り立つ。
そこで、結界を張った。ヴァトズフィウズ様に対抗するためのものだ。
全ての魔力を使うわけにはいかない。これから魔物退治をするんだから。加減はしなくてはならない。
だけど……そろそろ驚きすぎて心臓が潰れる!! ヴァトズフィウズ様は心臓に悪すぎだ!!
張った結界は、他人を排除するためのものではなくて、周りの様子を探るためのもの。
立ち入りを禁止する結界を張りたいところだが、そんなもの張ったところで、勝手に入ってこられそうだ。
昨日も鍵の魔法、あっさり破られたし!! なんなんだよ、あの魔力!! その度に敗北感を感じる僕の身にもなってみろ!!
ヴァトズフィウズ様を締め出すことはできないけど、これで周囲の様子を確認することができる。
やっぱり、ヴァトズフィウズ様……追ってきてる!
僕は空を飛ぶ魔法も魔法の道具で強化していたのに、こんなにすぐに追いつかれてしまうなんて…………やっぱり悔しい!
それに、もう逃げたところで無駄だろう。
僕は、腹を括ってそこで空を見上げてヴァトズフィウズ様が来るのを待った。
すぐに追いついてきた彼は、魔法でゆっくり空から降りてくる。
「リュイウェリレク。逃げることはないだろう?」
「……逃げたわけじゃありません……ただ、少し…………確認したいことがあったんです!!」
ヴァトズフィウズ様の方に向かって、魔法の弾を放つ。もちろん、ヴァトズフィウズ様を狙ったわけじゃない。僕が狙ったのは、ヴァトズフィウズ様の頭上。そこから、僕の魔法にやられた、小さな竜のような形をしたものが落ちてきた。竜や、ともすれば魔物のように見えるかもしれないが、それは使い魔だ。それも、ヴァトズフィウズ様がずっと僕につけていたものだ。
どうりで、僕が逃げた先にヴァトズフィウズ様がいきなり現れるわけだ。彼は、初めて会った時から、こうして僕の周りに使い魔を飛ばしていたんだ。
だけど、なんでそんなことを……
一族から僕が使える魔法を調査しろって言われているらしいけど、それなら、こんな監視のような真似をすることはないはずだ。
「…………僕のことを……つけていたんですか?」
たずねても、ヴァトズフィウズ様は相変わらずだった。フードをかぶって、顔を隠したまま、飄々とした様子。
「…………つけていた?」
「ごまかさないでくださいっっ!! 使い魔を使って、僕を監視していたんですよね!? 今朝の魔物退治の時だって、絶対に誰もいませんでした!! それなのに、俺が見ていたとか、映像とかっ……なんで…………そんなもの、あるはずないのにっ……!」
「…………」
ヴァトズフィウズ様は、僕から離れて、僕を見下ろしていた。
「…………バレたか」
そう言って、微笑む。
その姿は、自分のしていたことがバレて、焦っているようには全く見えない。
むしろ…………どこか、嬉しそう?
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