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22.お前が相手をするべきなのは
しおりを挟むフォルゲソスたちは、それでもまだ僕に向かって、そんなはずがないって怒鳴り始める。
「そっ……そんなはずがないっ……! 生意気だぞ!! 貴様っ……クズの分際で!!」
そんなことを言われても、困る。僕は本当に、あの砦のことには興味がない。
それなのに……
フォルゲソスたちは僕が自分より手柄を立てるのが嫌で、ここに来たってことか?
僕にあの砦の実権を持っていかれることを防ぐために、僕のあとを追ってきて魔物に襲われたのか……
ちょうどここで会ったのも、僕が今朝見せたあの城を出るための条件を覚えていたんだろう。邪魔をするつもりだったのか、それとも、怪我でもさせて諦めさせるつもりだったのかは分からないけど。
だけど、僕は手柄なんて興味ない。僕はあの砦を出ていきたいんだ。
これまで森の中で襲われても、僕はやり返せずにいた。僕が手を上げれば、またフォルゲソスたちは僕が襲ってきたと喚いて、僕がひどい罰を受ける。
それが恐ろしくて無抵抗でいたけど……もうそうしている必要もないな。だって怪我をしてしまったら回復するまでグレヴロオル様に言いつけられたことを全部こなすなんてできなくなってしまう。
「僕、砦には興味がないので、もうそんな理由で僕を追ってこないでください……グレヴロオル様に言われたことを終えたら、僕は出ていきますから」
「勝手なことをっ……俺に手を上げたら、後で酷い罰を与えてやるからな!」
「もうそんなものを大人しく受ける気もありません」
「な、なんだとっ……!?」
「…………こんなところで座り込んでいると、魔物が襲ってきます。早く砦に帰りましょう。送りますから……」
「黙れっ……! 偉そうに!! 言っておくが、お前は俺たちの部隊だ!! お前の手柄は部隊の手柄!! つまりは俺の手柄だからな!」
「……なんでですか…………僕はもう、あなたの部隊じゃないし、僕が手に入れたものは僕のものです。あなたには一つも渡しません」
はっきりと言うと、フォルゲソスはますます怒り出す。
「き、貴様ああああっ…………! やはり、あの砦の覇権を狙っていたな!!」
……なんでそうなるんだろう……
フォルゲソスが声を上げてキレ始めるから、僕はもう面倒臭くて、そいつから顔を背けてしまう。するとそいつは僕に向かって魔法の弾を飛ばしてきた。
すぐに剣で切り落とそうとしたけど、僕はヴァトズフィウズ様に手を引かれ後ろに下げられた。
そして、ヴァトズフィウズ様の魔法でその弾はすぐに消えてしまう。
彼は、フォルゲソスを睨みつけて言った。
「助けてもらったくせに喚くな。それに、あの砦の覇権を狙っているのは俺で、彼じゃない」
「た、たすけて!!? 俺がっ……その無能に助けられたと、そうおっしゃるのですか!?」
「……ついさっき腰を抜かしたお前を庇って彼が魔物を倒したのを忘れたのか?」
「し、しかしっ………………ヴァトズフィウズ様!! な、なぜそんな男の肩を持つのです!? 我々はずっと協力関係にあったではありませんか!! それなのにっ……」
「勘違いするな。俺はお前と協力なんてしない。俺の領地の隣の領地を守る者と協力したいんだ。お前は領地も守らないし、どう考えても、守れるとは思えない。むしろ、お前があの領地を任されると困るくらいだ」
「そんな……」
「そして、あの砦の覇権が欲しいのも俺だ。分かったか? お前が倒すべきなのは、覇権には興味のないリュイウェリレクではなく、俺だ。さあ、やろう」
「へっ……!?」
驚くフォルゲソスに、ヴァトズフィウズ様は続ける。
「さっきのリュイウェリレクに対する魔法といい、お前が殺す気できているのならありがたい。俺も、殺す気で迎え撃てる。邪魔だったんだ」
「は!!?? じ、邪魔!??」
だんだん顔色が悪くなっていくフォルゲソスに、ヴァトズフィウズ様が迫っていく。
「言っただろう? 俺は俺の領地を守りたい。だからお前のような者があの領地を任されると困る…………そして、お前はどうやら、あの砦の覇権を狙う者が邪魔で、それを倒しにきたらしい。だったら今俺とやればいい。俺は本気で、あの砦がほしいと思っているからな」
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