性悪な期待はずれは悪党として死ぬよう言われたたけど、嫌です! 最悪な役回りをやめた僕は好きに行きたい場所を探すんだから抱き寄せないでください

迷路を跳ぶ狐

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26.ぜひ!!

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 ヴァトズフィウズ様に案内されて、僕は、街の中心から少し離れた、落ち着いた静かな通りまで来た。

 街灯が規則正しく並んでいて、綺麗な明かりが大きな建物を照らしている。

 店内に入ると、武器や魔法の道具も扱っているみたいで、珍しいものばかりが並んでいた。
 ゆっくり見ていきたいけれど、まずは素材の買取が先。
 そしたら、美味しいご飯が食べられるのかな……

 ドキドキしながら、僕は、カウンターの向こう側の店員さんが素材を見てくれて返事をくれるのを待っていた。

 ど、どうかな……結構頑張ったつもりだ。

 砦では、ろくに食事ももらえなかった。今日は安心してご飯をゆっくり食べたいっ……!

 ずっと待っていたら、店員さんが顔を上げる。

 その人と目があって、僕はビクッと震えた。

 何を言われるかと思って、ドキドキしながら待つと、店員さんは僕に満面の笑みで言った。

「あ……ありがとうございます! どれも珍しいもので……助かります!! 是非うちで買い取らせてください!!」
「…………ほっ……本当……ですか!?」
「はい。こちらでいかがでしょう?」

 そう言って彼が見せてくれた書類には、信じられない買取金額が書いてある……

「こ、こんなにもらっちゃって……ほ、本当に……い、いいんですか!?」

 僕が身を乗り出してたずねると、店員さんは、少しびっくりしたみたい。

「も、もちろん……妥当な額だと思いますが……」
「これが……妥当……」

 これがっ!? こんなに価値のあるものなの?

 とても信じられない。

 これだけあれば宿にも泊まれて、新しい装備も、魔法の道具だって手に入る。ご飯も食べられる!!

 まだ信じられなくて、僕は、ヴァトズフィウズ様に振り向いた。

 すると、ヴァトズフィウズ様は頷いてくれた。

 本当なんだ……夢じゃない!!

 僕は、カウンターの向こうの店員さんに、頭を下げた。

「あっ……ありがとうございます!!」
「こちらこそ、珍しいものが手に入って、嬉しい限りです。あ、あの……どこか、行きつけの店はあるんですか?」
「へ!? い、いきつけ!? い、いえ……そういうのはなくて……むしろ、こうして売りにくるのは、初めてなんです」
「初めて!? これだけ集められるのに……」
「えっと……魔物退治はずっと続けてきたので……」
「え!? そんなに長い間、魔物退治を続けていたのに、なんで素材を持ち込むのが初めてなんて…………」

 お店の人が言いかけたけど、彼は僕と目が合うと察してくれたのか、それ以上聞かないでいてくれた。代わりに、僕の手をぎゅっと握って言う。

「あ、あのっ……だったら、ぜひ、これからも、僕らの店に持ってきてください!!!!」
「え…………?」
「ダメですか……? 最近、魔物が多くて森に入れないことが増えたんです。冒険者の方に頼んでも、断られることが多くなってきちゃって……街の人も必要な素材が手に入れられないし、困っているんです。ですから、是非、うちで売ってほしいんです!!」
「…………」

 そうなのか?

 砦では、この周辺の魔物は退治しているし、この辺りの魔物の数は抑えられている気でいたけど……もしかして、砦の方で気づくことができなかった魔物が多く集まっているのかな……特に最近魔物が増えているし……明日森で確かめてみるか。増えた魔物を倒せば、街の安全も森の安全も確保できる!

 グレヴロオル様に言い付けられた魔物退治もあるから、もう少し、効率よく魔物を倒したいけど……

 考え込んでいると、隣にいたヴァトズフィウズ様が言った。

「どうした?」
「ヴァトズフィウズ様……あの…………この辺りに魔物がいるなら、それも退治しておきたいなって思って……リストの魔物、倒さないとならないのは分かっています。だけど、この周辺の魔物も倒しておかないと、みんな困っているみたいだし……でも……」
「そうだな……二人で倒すには、あの森は広すぎるし、魔物も多すぎる」
「……無理でしょうか?」
「……それなら、魔法の道具を使うのはどうだ?」
「え?」
「今日一日見ていたが、リュイウェリレクは、森の中のことにだいぶ詳しいようだ。魔物を探すスピードも、ずば抜けている。俺からしたら、驚くほどだ」
「あ、ありがとう……ございます…………」
「問題は移動だ。だから、魔法の道具を使ってみるといい。移動に便利な道具なら、俺も持っているが、あれをさらに強化すれば、魔物退治のスピードも上がるはずだ。それに、一度倒したところには、魔物を遠ざける魔法の道具を設置するといい」
「でも……そんなにたくさんの魔法の道具はありません……」
「魔物を遠ざける魔法の道具は、人が通るところと街のそばだけでいい。それだけで、ずいぶん楽になるはずだ。あの砦には、そういった道具はないのか?」
「あると思いますが、ほとんど、別の部隊が使っていて、今は持ち出せないんです。城に残っているものも、整備されていないものが多くて、あまり役には立たないかもしれません」
「それなら冒険者ギルドを訪ねてみたらどうだ?」
「ギルド…………?」
「そこへ行けば、魔法の道具を扱う魔法使いも、整備を得意とする魔法使いもいるはずだ」
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