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27.やっぱり会いに行く!
しおりを挟む魔法の道具のことを店員さんに聞くと、確かに冒険者ギルドには、魔法の道具の整備に詳しい人たちがいるらしい。
通常の魔法の道具をかなり強化できる人もいるみたいで、明日からは、森の中の様子の確認をして、魔物の状況を見て回って、魔法の道具の確保と装備の補充のために動くことにした。
素材の店を出た僕らは、その店のすぐそばにあった食堂で食事をしてから、宿に泊まることにした。
だけどヴァトズフィウズ様は、この近くに来ている一族にこれまでのことを報告するため、朝早くに出かけなくてはならないらしい。
彼は「明日の朝、食事が済んだ頃に迎えに行く」と言って、自分の部屋に戻っていった。
僕の部屋は彼の部屋の隣。それから僕も部屋で休むことにしたけど、こんないい部屋で一晩を過ごすのは初めてだ……
ベッドに横になって天井を見上げると、自分に起こっていることが信じられなくなりそうだ。
楽しい一日だったな……
また明日、一緒に街を歩けるんだ……早く会いたいな…………
ふかふかのベッドの上でゴロンと横になったら、僕はすぐに眠ってしまった。
*
ぐっすり眠った僕は、次の日、朝食を取って待っていてくれって言われたら、朝から食べられるだけパンを食べて、少し早朝の街を魔物がいないか見て回って、部屋でヴァトズフィウズ様を待っていた。
約束した時間まで、まだ少しあるな……
窓を開けたら、気持ちのいい風が吹いてきた。
外を眺めていると、本当に街に来たんだなって、しみじみ思う。
僕がこんなところまで来ることができるなんて……
昨日は、ヴァトズフィウズ様と一緒にいて、いろいろなことができた。部隊に入れって言って、ずっと僕を追って来たけど、僕を部隊に入れるだけなら、他にいくらでも手段はあるはずなのに、ずっと僕についてくるなんて……
僕は、そばの小さなテーブルの上に置いた紙袋に手を伸ばした。この近くの屋台で売っていたドーナツを詰めた紙袋だ。朝食を食べた後、近くに美味しいお菓子を売る店があると聞いて、つい買って来てしまった。
それを開いたら、たくさんの揚げたてドーナツが出てくる。
それを少しだけかじる。
やっぱり美味しいっ…………!!
昨日頑張ってよかった……こんな美味しいものが食べられるなんてっ……
あっという間に平らげて、テーブルに置いたもう一つの紙袋に向き直る。こっちは、ヴァトズフィウズ様に渡そうと思って買ったものだ。熱いうちに渡したい。そろそろ部屋に戻ってるんじゃないかな?
色々してくれたお礼にって渡したくて買ったんだけど……
いざ渡すとなったら、緊張してきた!!
これだけ助けてもらって、まだお礼もろくにできていない。僕も何かヴァトズフィウズ様にお渡ししたくて買ったけど……
そ、そもそもこんなの、ヴァトズフィウズ様にお渡ししていいのかな……相手は侯爵家の御令息なのに、近くで売ってたドーナツなんて。こういうものが好きかどうかも分からないし……渡そうとしたら困ったような顔をされたらどうしよう……
そんな風に勝手に考え込んでしまう。
だけど、これ、美味しかったし……ヴァトズフィウズ様にも食べてほしい!!
そろそろ部屋に戻っているかな……少し部屋に行ってみようか……うん!! 行ってみよう! 隣なんだし!!!!
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