性悪な期待はずれは悪党として死ぬよう言われたたけど、嫌です! 最悪な役回りをやめた僕は好きに行きたい場所を探すんだから抱き寄せないでください

迷路を跳ぶ狐

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27.やっぱり会いに行く!

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 魔法の道具のことを店員さんに聞くと、確かに冒険者ギルドには、魔法の道具の整備に詳しい人たちがいるらしい。
 通常の魔法の道具をかなり強化できる人もいるみたいで、明日からは、森の中の様子の確認をして、魔物の状況を見て回って、魔法の道具の確保と装備の補充のために動くことにした。

 素材の店を出た僕らは、その店のすぐそばにあった食堂で食事をしてから、宿に泊まることにした。

 だけどヴァトズフィウズ様は、この近くに来ている一族にこれまでのことを報告するため、朝早くに出かけなくてはならないらしい。
 彼は「明日の朝、食事が済んだ頃に迎えに行く」と言って、自分の部屋に戻っていった。

 僕の部屋は彼の部屋の隣。それから僕も部屋で休むことにしたけど、こんないい部屋で一晩を過ごすのは初めてだ……

 ベッドに横になって天井を見上げると、自分に起こっていることが信じられなくなりそうだ。

 楽しい一日だったな……

 また明日、一緒に街を歩けるんだ……早く会いたいな…………

 ふかふかのベッドの上でゴロンと横になったら、僕はすぐに眠ってしまった。







 ぐっすり眠った僕は、次の日、朝食を取って待っていてくれって言われたら、朝から食べられるだけパンを食べて、少し早朝の街を魔物がいないか見て回って、部屋でヴァトズフィウズ様を待っていた。

 約束した時間まで、まだ少しあるな……

 窓を開けたら、気持ちのいい風が吹いてきた。
 外を眺めていると、本当に街に来たんだなって、しみじみ思う。
 僕がこんなところまで来ることができるなんて……

 昨日は、ヴァトズフィウズ様と一緒にいて、いろいろなことができた。部隊に入れって言って、ずっと僕を追って来たけど、僕を部隊に入れるだけなら、他にいくらでも手段はあるはずなのに、ずっと僕についてくるなんて……

 僕は、そばの小さなテーブルの上に置いた紙袋に手を伸ばした。この近くの屋台で売っていたドーナツを詰めた紙袋だ。朝食を食べた後、近くに美味しいお菓子を売る店があると聞いて、つい買って来てしまった。

 それを開いたら、たくさんの揚げたてドーナツが出てくる。
 それを少しだけかじる。

 やっぱり美味しいっ…………!!

 昨日頑張ってよかった……こんな美味しいものが食べられるなんてっ……

 あっという間に平らげて、テーブルに置いたもう一つの紙袋に向き直る。こっちは、ヴァトズフィウズ様に渡そうと思って買ったものだ。熱いうちに渡したい。そろそろ部屋に戻ってるんじゃないかな?

 色々してくれたお礼にって渡したくて買ったんだけど……

 いざ渡すとなったら、緊張してきた!!

 これだけ助けてもらって、まだお礼もろくにできていない。僕も何かヴァトズフィウズ様にお渡ししたくて買ったけど……

 そ、そもそもこんなの、ヴァトズフィウズ様にお渡ししていいのかな……相手は侯爵家の御令息なのに、近くで売ってたドーナツなんて。こういうものが好きかどうかも分からないし……渡そうとしたら困ったような顔をされたらどうしよう……

 そんな風に勝手に考え込んでしまう。

 だけど、これ、美味しかったし……ヴァトズフィウズ様にも食べてほしい!!

 そろそろ部屋に戻っているかな……少し部屋に行ってみようか……うん!! 行ってみよう! 隣なんだし!!!!
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