性悪な期待はずれは悪党として死ぬよう言われたたけど、嫌です! 最悪な役回りをやめた僕は好きに行きたい場所を探すんだから抱き寄せないでください

迷路を跳ぶ狐

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32.何か用か?

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 警備隊には何も聞けそうにないので、僕とヴァトズフィウズ様は冒険者ギルドまできた。情報収集と、魔法の道具の整備をしてくれる人を探すためだ。

 ヴァトズフィウズ様に案内されてたどり着いたギルドは、僕が思っていたよりずっと大きな建物だった。
 中に入ると、多くの冒険者で賑わっている。その様子に、僕はすぐに圧倒されてしまった。

「これが……冒険者ギルド…………」

 見渡したらたくさん人がいて、さまざまな装備を身につけている。種族もバラバラで、持っている魔法の道具もいろんなものがあるようだ。

「すごい…………」

 ついそう呟いてしまう僕の頭をヴァトズフィウズ様が撫でて、見上げたら彼は僕に微笑んだ。

「そんなに驚いたか?」
「だ、だって……僕、こんなところに来たの、初めてです……すごい…………すごいですっっ!!」

 珍しいものばかりで、僕はあちこちキョロキョロしてばかりだ。

 ヴァトズフィウズ様は微笑んで、僕の手を引いてくれる。

「あっ……! あのっ……!」
「魔法の道具の整備をしてくれる者を探そう。ついでに、魔物の話も聞けるかもしれない」
「は、はいっ……!」

 手を引かれながら、魔法の道具の強化や整備をしてくれそうな人を探す。

 だけど、これだけ人がいたら、探すのも大変なんじゃないか?

「ずいぶん人が多いんですね……」
「いいや。これなら少ない方だ」
「少ない!? これで!?」
「ああ。何か理由がない限り、冒険者は魔獣が動き回る時間を避けるため、朝は早くから出て行って、日が暮れる前に仕事をこなして帰ってくることが多いからな」
「そうなんですね……」

 素材を買ってくれた店員さんの話では、このギルドには魔法の道具に詳しい冒険者が多いらしい。だけど、それなら今探すのは難しいのかな……

 けれど、そんなふうにして歩いていたら、横から声をかけられた。

「おい、お前ら」
「え……僕?」

 声をかけられて振り向けば、そこにいたのは冒険者らしき黒くて短い髪の男の人。背は高くて魔物と戦うための装備を身につけている。だけど、握った杖以外にも背中に杖を担ぎ、腰にもいくつか杖を指して、いくつも小さな鞄を下げている。頭につけた髪飾りはいくつも宝石をつけていた。ただの髪飾りじゃない。かなり力の強い魔法の道具だ。

 その人は、僕が腰に下げた道具を指差して言った。

「その腰の魔法の道具、どうした?」
「どうしたって……えっと……」
「気づいてないのか? 魔力の込めすぎだ。少し使い方が乱暴なんじゃないか?」
「え……そ、そうですか?」
「普段、魔物と戦うことは多いのか?」
「えっと……はい……」

 答えると、僕の持っていたその道具に、彼が手を伸ばしてくる。
 するとすぐに、ヴァトズフィウズ様が、僕らの間に入ってきた。そして彼は、冒険者の人から僕を隠すようにして言う。

「よく気付いたな。魔法の道具には詳しいのか?」
「ああ、お前ら、パーティか。その魔法の道具は、そろそろ整備した方がいい。俺に任せてもらえれば、強化もしてやれるぞ!」
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