性悪な期待はずれは悪党として死ぬよう言われたたけど、嫌です! 最悪な役回りをやめた僕は好きに行きたい場所を探すんだから抱き寄せないでください

迷路を跳ぶ狐

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33.喧嘩ですか?

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 僕らに声をかけてきた人は、朗らかに笑って言った。

「どうだ? 俺に任せてみないか? 金さえ貰えれば、出来は保証するぞ!」
「えっと…………」
「俺はルイトシオレト。魔法使いで冒険者だが、今はこうして魔法の道具の整備や強化をしている! 腕は確かだぞ!! 俺が保証する!!」

 そう言って胸を張る彼は、ずいぶん自信があるみたいだけど……

 どうしよう……

 確かに、魔法の道具を整備してくれる人を探していたけど……彼に頼んでいいのかな……

 悩んでいたら、ルイトシオレトさんは僕の隣にいたヴァトズフィウズ様のことをじっと見て、だんだん表情を険しくしていく。

「……お前…………まさか…………貴族か?」
「ああ。そうだ」
「……なんで貴族がこんなところをうろついてやがる…………こんなところでフラフラしてるってことは、お前ら……砦の魔法使いか?」
「ああ」

 ヴァトズフィウズ様が答えると、彼は急に僕らに背を向けて歩いて行ってしまう。

 なんなんだ……僕ら、何か変なこと言ったか?

「あ、あのっ……待ってください! あのっ……」
「うるさい……ついてくるな!! 貴族!!」

 …………ついて来るなって……急に冷たいな……

 声をかけてきたのは、そっちなのに。

 ルイトシオレトさんは、僕らに振り向きもせずに離れていく。

 急にそんな態度をとられるいわれはないし、僕は、彼の後を追って走った。

「あのっ……待ってください!!」
「ついてくんな!! 砦の魔法使い!!」
「ついてくるなって……声をかけてきたのはそっちなのに…………」
「ああ!?? 喧嘩売ってんのか!?」
「……喧嘩なんて売ってません……そうじゃなくて、なんで砦の魔法使いを目の敵にするんですか? 僕ら、さっきも警備隊の人たちに魔物が現れた現場から追い出されちゃって……」
「そんなの、当たり前だろ! 砦の魔法使いのくせに、なんでこんなところにいるんだよ!! 森の魔物が増えるのを抑えるのが、お前らの仕事だろ! それなのに、こんなところでフラフラしてて、どういうつもりだ!! 俺は街を守らない砦の魔法使いとなんか話さないからな!」

 怒鳴る彼に、つい僕は言い返してしまう。

「待ってください!! そんなの、僕らは知りません!」
「知らないだと!? ふざけんな! お前らっ……自分達で気づいてないのか!? 全く、どうしようもないな! 砦の魔法使いってのは!!」
「ぼ、僕らだって、ちゃんと魔物退治をしてます!!」
「全くしてねーから言ってんだよ!! お陰で最近街道近くでも魔物が増えてるって聞いたぞ! どうしてくれるんだよ!!」
「そ、そんなはずありませんっ……街道のそばは魔物退治だって頻繁にしているのにっ……!」
「俺が嘘ついてるって言うのか!?」

 怒鳴る彼に、ヴァトズフィウズ様が宥めるように言う。

「やめろ。砦の魔物の管理なら、俺も知っている」
「なんだお前っ!! お前も砦の魔法使いか!!」
「ああ。最近入った新人だ」
「新人? だったら下がってろ!! 俺はそいつと話してるんだ!」

 そう言って彼がヴァトズフィウズ様を突き飛ばそうとしているのに気づいて、僕は、慌てて彼らの間に入った。

「やめてください! 無礼ではありませんか!」
「生意気な口利いてんじゃねーぞっっ!!」
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