嫌われた王と愛された側室が逃げ出してから

迷路を跳ぶ狐

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chap11.深く暗く賑やかな森

215.ついに届いた手

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 使者は、洞窟を塞ぐ柵の前に立っていた。もう柵の向こうから聞こえていた悲鳴は止んでいる。隠れていた者が死んだと、そう確信したのだろう。使者は何度もうなずいていた。

 じきに日が昇るらしい。空が明るくなってきた。

 木の陰に隠れたシグダードは、預かった短剣を握り、柵の前に立つ使者を睨みつけていた。

 使者は一人で立っている。周りには、取り巻きの村人はいないようだ。

 それを見て、シグダードは、隣にいるフィズに目で合図を送る。フィズも頷いた。

 日が昇る。木立の間から、太陽の光が差し込んできて、シグダードは、憎い男に向かって走った。

 使者は、シグダードに気づいたようだった。しかし、シグダードがその背後から使者を捕まえる方が早い。即座にその喉元に短剣を突きつけた。

「捕まえたぞっ……! ヴィザルーマの使者!」
「貴様っ……シグ! 悪人が、私に触れるな!!」
「黙れ!! 中に人がいることを知りながら、あんなものを放った貴様の方が、どうかしているだろう!」
「……あれは、ヴィザルーマ様から賜ったものだ。ヴィザルーマ様に忠誠を誓えば、誰もが助かるはずだ!」
「忠誠だなんだのを水が聞くか!! あんなもの、ただの人喰いの化け物だ!! それより、あれはヴィザルーマから押し付けられたものなのか?」
「押し付けられたんじゃない! 賜ったんだ!」
「どっちでもいいわ!! そんなことより、あんなものを撒いたり飲ませたりして、どういうつもりだ!? それも、ヴィザルーマから言われているのか!?」
「汚らわしい罪人と話すことなど……何もないわ! 離せっっ!!」
「貴様が大人しく話せば、私だって離す。誰が好き好んで貴様なんぞ押さえ込むか!!」

 暴れる使者を、シグダードがおさえていると、木立の間から、リーイックが出てくる。

「シグ、向こうの避難は終わった……キャラバンの奴らが治療をしている」
「そうかっ……! だったらお前も行け! こっちは今、取り込み中だ!」
「だから来た。そうしておさえていろ」

 リーイックは、片手に小刀を握っている。そして、ゆっくりシグダードに捕まった使者に近づくと、その服を切り裂き、その中に手を突っ込んだ。

 突然そんなことをされて、使者はリーイックを怒鳴りつける。

「貴様っ……! 何をする!」
「黙っていろ。すぐに終わる」

 そう言って、リーイックは暴れる使者の服の中から、小さな瓶を取り出した。中には、不気味な色の液体が入っている。あの水の玉をまくためのものかと思ったが、それとはあまり似ていない。瓶も、なんの変哲もない、どこにでもありそうな瓶だ。おそらく、水の玉を生み出すものとは別のものだろう。

 しかし、リーイックには、それこそが探していたものだったらしい。瓶の蓋を開けて、中身の液体に指を突っ込んだ。

「おいっ……!! そんなものに触って、大丈夫なのか!?」

 シグダードは慌てて聞くが、リーイックはニヤリと笑った。

「ああ……多分な。これの中身も、だいたい想像がつく……」
「知っているものなのか?」
「一度、俺が似たようなものを作っている」
「なんだと!? どういうことだ?」

 たずねるシグダードに、リーイックは瓶を見つめたまま話し始めた。

「あの水の玉に襲われた者が眠る様は、キラフィリュイザの城で起こったことに似ているだろう? 俺も一度、シュラが作った毒を再現している。あの毒は、魔力を持ち、その上、歩くんだ」
「……歩く? 毒がか? なんだそれは……だいたい、だからなんだというのだ?」
「使者がヴィザルーマから賜ったと喚くあの水はおそらく……誰かがシュラの毒を再現したものだろう」
「馬鹿なっ……!!」

 シグダードは驚いて声を上げるが、それが打ち消されるほどの勢いで、使者が怒鳴る。彼にしてみれば、ヴィザルーマから授かったものが毒だなんて、信じたくはなかったのだろう。

「ふざけるなっ!! ヴィザルーマ様が、あの悪名高いシュラの毒を渡しただと!? あの方が、そんな汚れたものに手を出すものか!!!!」
「だが実際に、あの水の玉は魔力を持っている上に、襲われたものは眠るように動かない」
「それは、貴様らがヴィザルーマ様に忠誠を誓っていないからだ!! ヴィザルーマ様のために生きたいと願えば、ヴィザルーマ様が助けてくださる!」

 使者は激昂して怒鳴るが、リーイックはまるで聞いていない。彼はじっと、瓶の方を見つめていた。

 その様子が、さすがにじれったく思えてきたシグダードは、いつまでも使者をおさえている疲れもあって、八つ当たり気味にリーイックに叫んだ。

「では、ヴィザルーマの目的は、シュラの毒か!?」
「それもあるかもしれないが、一番の目的はこの瓶の中身だ。チュスラスは、シュラに作らせた強力な毒を持っている。いずれチュスラスと争うのなら、それへの対策は必須だろう」
「その瓶はなんだ!? それも毒か!?」
「いいや。これは、おそらく、解毒薬だ。あの水で、目を覚まさない者がいれば使えと、そう言われていたのだろう」
「なんだと!? では、それを使えば……」
「いいや。よくできてはいるが、おそらくこれは失敗している。いや、まだ途中と言った方がいいか。その男は、ここで水の玉に襲われた者が目を覚ますような薬を作り出せと、そう言われていたのだろう」

 すると、使者は森中に響き渡りそうな声で、リーイックを怒鳴りつける。

「黙れっっ!!! ヴィザルーマ様は、自らに背を向ける者でも助けてやれるものを作り出せと、そうおっしゃったのだ!! 貴様らのようなゲスに、あの方の優しい心が理解できるものか!!」
「哀れだな。知らないうちに、解毒薬を作ることに力を貸していたのか」

 平然と言うリーイックは、それを懐にしまった。
 フィズが悲しそうに彼にたずねる。

「では……森に溢れている水の玉も、全部……ヴィザルーマ様が?」
「……さあな。解毒薬は極秘で作りたいはずだ。やっている本人にすら、その本当の理由を話さないほどに。森の奥の隔離されたここを使ったのも、それが理由だろう。外に情報が漏れることを恐れる彼らが、水を森に撒くとは思えない……ヴィザルーマの撒くあれと言い、森の中のあれといい、作りはシュラの生み出したものよりよほど単純だ。森の水の玉については、俺がもうしばらく調べてみる。これももらっておくぞ、使者」

 そう言いながら、瓶を振るリーイックの姿は、使者にはひどく腹立たしいものだったらしい。

「黙れっっ……! 黙れ黙れ黙れっっ!!!! 余所者がっ!! 貴様らに、ヴィザルーマ様のなさることが理解できるものかっ!!」







 叫んだ使者は、シグダードを振り払おうと暴れている。しかし、力だけなら、シグダードの方に軍配が上がるようで、振り払われることはなかった。

「リーイック! 人を呼んでこい!! いつまで瓶一つでニヤニヤしているつもりだ!」
「お前にはこれの価値が分からないのか? そうだろうな……お前のその頭では」
「おいっ……! どういう意味だ!! 今はそんなことを言ってる場合ではないだろう!」
「分かった。人を呼んで来よう。その男には、まだ聞きたいことがある」

 そう言って、リーイックは洞窟の方に歩いていく。やけに楽しそうに見えて、気味が悪い。しかし、早くしてくれないと、これ以上、おさえきれそうにない。

 シグダードは、手のひらから、小さな雷撃を放った。それに撃たれた使者は、すぐに気絶して、動かなくなる。

 使者が大人しくなり、ホッとして力の抜けたシグダードは、その場に座り込んだ。

 何度も水の玉の魔力を取り込み、戦闘を繰り返して、もう立てそうにないシグダードに、フィズが駆け寄ってくる。

「シグっ……! 大丈夫ですか!?」
「ああ……怪我はないか? フィズ」
「はい……それより、使者が持っていたものは……本当に、ヴィザルーマ様が……作らせたのでしょうか?」
「さあな……問い詰めたくても、ヴィザルーマは今ごろ城下町だ」
「そう言えば、私は城下町でヴィザルーマ様に会いました」
「なんだと!?」
「助けて……くれたんです。顔を隠していたし、チラッと見えただけですが……」
「あの男……何を企んでいるんだ……」

 こんな真似をしておいて、自分は遠くから観察しているような男を許せないと思った。何より、このまま放っておけば、何を仕出かすか分からない。

 シグダードは、フィズに振り向いた。

「フィズ……その…………頼みがある」
「私に……ですか?」
「ああ……リーイックと同じことを言うわけではないが…………」

 一呼吸置いて決意を固め、シグダードはゆっくりと続けた。

「私は、ここで奴らがしようとしていることを知りたい。ここで会った連中を放っておきたくないし、ヴィザルーマやチュスラスを野放しにもできない。あいつらから、一生逃げ続けるのも癪だ。本当は……お前を連れて逃げるべきなのは、分かっているが…………しばらく、私に付き合ってくれるか?」

 たずねた声が、だんだん小さくなっていく。自信がなかった。フィズはもう、巻き込まれるのにはうんざりしているはずだから。

 けれどフィズは、シグダードの前で微笑んだ。

「当然です! 私だって、もう追われるのは嫌です!! ラッジさんたちとも別れたままだし……それに、本当にヴィザルーマ様が、チュスラスと同じものを作っているなら、どこに逃げても、同じことを繰り返す気がします……だ、だからっ……! 今度はちゃんと、そばにいて、私を一人にしないでくださいっ!!」
「フィズ……」

 フィズは、少し赤い顔をしてシグダードを見下ろしている。
 たまらず抱きしめそうになるが、一度そうすれば、止まらなくなるのは分かっている。シグダードは、なんとか自分を抑えると、彼から顔を背けた。

「……その…………さっき言っていたことは本当か?」
「え?」
「その……嫌いになるのは諦めたというのは……」
「……え? ほ、本当です……もう、とっくに諦めています……」
「フィズっ……!」

 今度は、我慢などできなかった。立ち上がって彼の手を握って引き寄せ、力一杯彼を抱きしめる。やっと、彼と一緒にいられる。そう思うと、嬉しくて仕方なかった。







 フィズとひとしきり抱き合ったシグダードは、気絶したままの使者を担いで、洞窟の入り口まで戻った。

 するとそこには、ヘッジェフーグが待っていた。

「使者っ……!? な、何でそんな奴連れてくるんだ!!」
「落ち着け。気絶している。縄はあるか?」
「洞窟の中に戻ればあるが……そんな奴、どうする気だ? まさか、連れていく気じゃないだろうな!?」
「拘束して連れていく。この男には、まだ聞きたいことがある」
「正気か!? 目を覚ましてまた雷の魔法を撃ったらどうする!? 置いて行け!!」
「すでにこの男が持っていた杖は破壊している。他に武器らしきものも持っていない。この男なら、目を覚まさない奴らを起こすことができるかもしれない」
「だからって……」
「お前も、寝たままの領主を救いたいのだろう? この使者は、あの水の玉の正体を知っている。私が見張る」
「……たとえ知っていたところで、そいつが何か話すとは思えないぞ」
「村へ返せば、また村の連中を使って、私たちを襲うかもしれないだろう」
「そうか……まあ、そうかもな……分かった……だが、俺だけでは判断できない。隊長に話せ」
「分かっている」
「それと、そいつから目を離すなよ」
「ああ」
「……洞窟から縄を持ってきてやる。全員、この近くに逃げたから、そこまで案内する。絶対に使者から目を離すなよ! 待ってろ」

 そう言って、ヘッジェフーグは踵を返し、洞窟の中に入っていく。

 シグダードは、ため息をついた。これで、水の玉を落ち着かせることができればいい。それに、あの水の玉の秘密が分かれば、ヴィザルーマたちに対抗する手段になるかもしれない。

 トゥルライナーを退治することなく城下町にも帰らなくなってから、だいぶ経つ。いずれ痺れを切らしたチュスラスが追っ手を送ってくるかもしれない。それまでに、せめて相手の手の内を知っておきたい。

 シグダードは、使者を下ろして、倒れた木の上に腰を下ろした。

 フィズがシグダードを案じて近づいてくる。

「シグ……大丈夫ですか?」
「ああ……」

 シグダードが頷くと、フィズは、ホッとした顔で頷いた。

 しかし、安心したのも束の間、泣き喚くような声がした。

「使者様あっ……!!」

 使者を案じる村の者たちに見つかったのかと思った。けれど、こちらに向かって血相を変えて走ってくるのは、オイニオンだ。キャヴィッジェたちと逃げたかと思っていたのに。

 彼は、シグダードの隣で動かなくなった使者を見て、死にそうな声で叫んだ。

「し、死者様っ! な、なんで……何でこんなことに……! し、し……」
「落ち着け。死んではいない。少し気絶させただけだ」

 シグダードが説明しても、オイニオンの様子は変わらない。

「き、気絶!? 気絶……!? 本当に……気絶、だけ……ですか!? だ、だって、う、動かないっ……し、使者様っ……!!」
「落ち着けと言っただろう……面倒な奴だ。こいつも連れていく。そうだ、お前が見張れ」
「で、でもっ……! な、な、な、何で……何で使者様をっ……!」
「お前、あの水の玉を見てもまだ信じないのか? ここの洞窟にあの水の玉を撒いたのは、この男だ」
「そんな……そんなっ!! でもっ……だ、だって……だって、う、嘘です……そんなの、嘘ですっ!! 使者様は……使者様は…………だって……」
「お前も手伝え。これを連れて、私たちも逃げる」
「……」

 オイニオンは、返事をしなかった。

 そこに、ヘッジェフーグが縄を持って、洞窟から出てくる。

「シグっ……急げ。置いて行かれるぞ」
「逃げる場所はここから離れているのか?」
「そうじゃないが、あまり離れない方がいい。まだ森には何がいるかわからないからな……急ぐぞ」
「ああ。オイニオン、手伝え」

 オイニオンは何も言わなかったが、シグダードの背中に使者を乗せる手伝いをしてくれた。

「使者様…………こんなの……嘘です。使者様は……ヴィザルーマ様の使者様なのに……」
「やかましいぞ。使者使者と。私がいるんだ。それでいいだろう」
「……シグと使者様はぜんぜん違います……横暴だし、強引だし、僕たちのこと、助けてくれないし……シグなんかについて行こうと思えません」
「貴様……私はこいつ以下か?」
「だって……」

 オイニオンは、ずっと俯いて、それ以上何も言わずに使者を運んでいた。
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