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17.だけど
しおりを挟むオーフィザン様は、灰と柿の木の暴走は止めてくれたけど、どうやらものすごく怒っているらしく、僕は鎖でぐるぐる巻きにされて、木から吊るされてしまった。それでも、射精は止まらない。
「あ、あ、ああう!!」
もうイキすぎて全身クタクタ……イキたくないのに、まだ射精を続けてしまう。着ていた服も、僕が出したものでぐちゃぐちゃ。恥ずかしくて苦しくて、僕はボロボロ涙を流しながら何回もイッた。
オーフィザン様は、じっと厳しい目で僕をにらんでいる。壊すなって言われていたのに、この部屋のものをぐちゃぐちゃにしちゃったから、怒って当然だ。
「なぜここへ入った?」
「そ、それは……う、あ……」
「ランキュに言われているはずだ。地下にある、黒い扉の部屋には入ってはならないと」
「え?」
い、言われたかな? 覚えがない。僕が忘れただけかな?
必死に思い出そうとしていると、オーフィザン様に別の質問をされてしまう。
「なぜ地下へ来た?」
「こ、香炉……香炉を……直しに……」
「香炉?」
「た、大切なもの……です……よね? う、う……な、な直せ……ないかと……思って……」
「ここに入ってはならないことを知らないのか?」
「……」
「ランキュに言われなかったのか?」
「……」
言われたか言われてないかなんて、覚えてない。だけど、地下の黒い扉に入っちゃダメっていうのは知らなかった。でも、そんなこと言ったら、後でランキュ様に何をされるか分からない。どうしよう……
答えられずにいると、オーフィザン様に冷たい声できかれた。
「どうなんだ?」
「え、えっと……あ、あ!」
大事な時に……なんで感じちゃうんだろう。
また僕の膨らんだものの先から白濁が噴き出す。
僕、魔法を解くたびに感じやすくなってるみたいだけど、何もしてないのに、こんなに射精しちゃうなんて、絶対変だ。
オーフィザン様は、僕に詰め寄り、すくみ上がりそうな目で僕をにらんで言った。
「答えろ。言われたのか、言われていないのか?」
「え……えっと……い、言われた……覚えがなくて……ぼ、僕が忘れてるだけかもしれないんですけど……」
「昨日のあざもランキュの仕業か?」
「……え?」
なんで知ってるの!? 僕、言ってないのに!
焦った僕は、つい、叫んでしまった。
「違いますっ!」
「嘘をつくな」
「……」
「どうなんだ?」
「……違います……あ、あの……ち、地下のことも、僕が忘れて……う、う、あ、あああっ!!」
もう嫌だー! なんでこんな時に感じちゃうの!? 意味がわからない。
また股間がじわじわ熱くなってきた。もう体は汗だくで、髪の毛が顔に張り付いていて、気持ち悪い。
早く降ろして欲しいけど、本当のことは言えないよ……
「う、う……ぼ、僕……わ、忘れてたんです……」
「……嘘をついても無駄だ。すぐにわかる」
「ほ、本当……です……う……ああっ!!」
僕を吊るす鎖が、ギリギリと僕の体を締め上げてくる。オーフィザン様の魔法だ。
痛い……体が折れちゃいそう……もう嫌だよ……
泣いている僕に、オーフィザン様は問い詰めるように言った。
「知っていて、この部屋に入った者には、重い罰を与える。どうだ?」
「……う……ぐ……」
このままじゃ、きっと僕なんか壊れちゃう。もう、ランキュ様のことを言ってしまおうか。
だけど……ランキュ様に蹴られた時のことを思い出すと……口が開かなくなっちゃう。
オーフィザン様のことは怖い。だけど、ランキュ様に蹴られる方が怖い。
僕はガタガタ震えながら、オーフィザン様に返事をした。
「ぼ、僕が……悪いんです。僕が……罰は受けます……う、う、うああ!!」
もう嫌だよ。なんで泣きながらイッちゃうの? 苦しい……
泣きながら何度も射精していると、オーフィザン様は、急に僕を降ろしてくれた。
え? え? なんで?
不思議に思いながらオーフィザン様を見上げると、彼はしばらく僕を見下ろして言った。
「……部屋へ戻るぞ」
「え?」
オーフィザン様が、僕の頭に杖をかざす。すると、さっきまであれだけ快楽に縛られていた体が、急に大人しくなった。
「あ……あれ?」
「体はどうだ?」
「……治りました……な、なんで……」
「その木には、登って実を盗めないよう、魔法がかけてある。二度とその木に登るな」
「は、はい!」
そうだったのか……だから急に僕の体、あんな風になっちゃったんだ。
じゃあ、今、僕の体が楽になったのは、オーフィザン様が魔法を解いてくれたからかな? 許してくれたのかなあ……
確かにイキまくりながら木に登るのは無理だけど、なんでわざわざエロい魔法にしたんだろう……やっぱりオーフィザン様って、ちょっと変な魔法使いだ。
僕は、部屋を出て行こうとするオーフィザン様に駆け寄った。
だけど途中で、大事なぬいぐるみがないことに気づいた。
あれがないと嫌だ!! 僕が何より一番大事なものだもん!!
振り返ると、ぬいぐるみは、まだ木の上だった。木になっていたのは確かに柿だったのに、今は黒くて丸い実になってる。もしかして、この木、柿の木じゃなくて、魔法の木なのかもしれない。いや、今はそれよりぬいぐるみだ!
「あ、あの! オーフィザン様!」
オーフィザン様は、ゆっくり僕に振り返る。
う、う……ち、ちょっと怖いけど、あれだけは取り返したい!!
「あの……あの……あの……ぼ、僕の……大切なぬいぐるみが木の上に…………あ、あれです……あ、あの枝に引っ掛かってる、狼のぬいぐるみ……あの……後で……お、お仕置きされるので、と、と、取りに行っても……いいですか?」
震えながら言うと、オーフィザン様は、僕のぬいぐるみに杖を向ける。すると、枝の上のぬいぐるみが僕の方に飛んできた。
「ありがとうございます!」
よかった……どこも破れていない。よかったあ……
ホッとした僕は、それをぎゅっと抱きしめる。しばらくそうしていると、オーフィザン様は低い声で言った。
「……おい」
「は、はい……?」
「まさか、それを取るために木に登ったのか?」
「え? は……はい……そうです」
「そうか……」
オーフィザン様は、僕から顔をそむけ、顎に手を当て俯いてしまう。
何か考えているみたいだけど、どうしたんだろう……
戸惑う僕を置いて、オーフィザン様は部屋を出ていってしまう。僕も慌ててその後を追った。
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