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番外編
103.よかったね
しおりを挟む「ふざけんなっ……!! 離せっ!! フュイアルさんっ……!!
首輪をつけられながら、腹が立って今さら抵抗するけど、やっぱりフュイアルさんには敵わない。
抵抗を繰り返しても、強く壁に押し付けられて、暴れるだけ無駄なことを思い知らされるみたい。
「離せって言ってるだろっ!! 僕のこと、からかって……!!」
「からかってなんかないよ。俺がトラシュのこと……なんでも知ってるってだけ」
「やっ……!!」
僕は嫌がっているのに、その男の手が、僕の体に絡みついてくる。抵抗したいのに、背中に回されたまま縛られた両手はびくともしないし、首輪につけられた鎖を握られてるから、逃げることもできない。
その男の手が、僕の足に触れて、それが内股まで撫で回す。
少し触れられただけで、身体が蕩けて、動けなくなりそう。
ここ、どこだと思ってるんだ! だいたい、魔物退治の途中だろうが!!
逃げたいのに、フュイアルさんに体を寄せられて、暴れることもできない。僕の手を縛る鎖がガチャガチャ鳴って、自分が拘束されていることを思い知らされてしまう。
微かに身を捩っては、抵抗にもならないまま足掻く僕を、その男は楽しそうな顔をして嬲った。内股を撫でていた手は、微かに股間に当たるのに、それだけ。いつもみたいに僕を昂らせてくれない。
わざとやってる……僕が、これじゃ物足りない体にされていることを知ってて、わざと焦らして弄んでいるんだ。
拘束されたまま、意地悪に触れる手に悶える僕を追い詰めて、その男は笑っていた。
「そんな顔して、いやらしい。縛られて、嬲られてるのに……もっとされたい?」
「だっ……誰がっ…………!! ……っ……うぁぁっ……!」
僕は拒否してるのに、フュイアルさんは、わざと僕の体を撫でて、追い詰めていく。足に触れられただけで気持ちいいのに、微かに一番敏感なものにそいつの手が触れるから、もどかしくて仕方ない。だって、こいつの手は、いつも僕をめちゃくちゃに責めて、僕に快楽を教え込んできた手だ。僕の体はもう知ってしまっている。こいつに屈すれば、恐ろしいくらいの快楽を味わえるってことを。
だけど、こいつの言いなりになるなんて嫌だ。
「い、嫌っ……誰がっ…………! お前なんかっ……!!」
「えー……? そんな物足りなさそうな顔しながら言われても……もっとしてって言ってるようにしか聞こえないな」
「ふ、ふざけんなっ……! あっ……!」
そいつの手が、何度も僕の欲望に触れる。その度に、気持ちよくて仕方がない。こんな奴に負けたくないのに、もうすっかり快感を教え込まれているせいで、力が入らない。
せめて顔を背ける僕の耳元で、その男はわざわざくすぐるように言った。
「トラシュはこんなんじゃ、足りないだろ。俺に縛られるのだって、もっと強く、逃げる隙がないくらいにされないと、嫌なくせに」
「な、何だよっ……! それっ……!! 僕は離せって言ってるんだ!! だ、だいたいここ、外だぞ!!」
「大丈夫。誰も来ない。魔法使って人払いしてるから」
「はあっ……!? な、何してっ……何考えてるんだよ!」
「もちろん、トラシュを可愛がること」
くそ……弄ばれているの、分かってるのに……! それなのに、ちょっと触れられただけで我慢できなくなる。いつもみたいにされたい。
そんなのもちろんフュイアルさんには全部バレていて、彼は勝ち誇ったように笑う。
「好きなだけえっちな声出していいよ? 淫乱な顔して善がれよ」
「だ、誰がぁ……っ!」
口調が乱暴になってる……これは、フュイアルさんが我慢できなくなっていってる証拠。フュイアルさんは、いつもその圧倒的な力で、僕を押さえつけるんだ。
こんな奴に負けたくないのに、本気になった彼に、僕が勝てるはずない。
もう、彼の手に縋るように腰を振っている。
こんなところで玩具にされて、言いなりになる僕じゃないのに!!
このままじゃ、本当にこんなところで、いいように犯される。
フュイアルさんは本気みたいで、僕を笑いながら見下ろしていた。
「縛るのだって、束縛されるのだって、この程度じゃ物足りないくせに」
「うっ……」
「早く素直にならないと…………もっと酷いことするよ?」
「は!? な、何をっ……あっ…………あぁーーーーっっ!!」
怖いくらいに、身体が熱くなる。全身に、快楽が巡って行く。股間が焼けて、溶けていきそう。媚薬の魔法を使われているんだ。僕の欲望の先から、気持ちいいものが潜り込んでいくみたいだ。
それでも、こんなんじゃ全然足りない。本当はいつもみたいに、僕の欲望を握って弄んでほしいし、いつも貫かれるところだって、もうフュイアルさんが欲しくて蠢いているのに。
「んっ……! あ、ぁっ……あっ…………!」
「いやらしい……こんなところでそんな声出して腰振って…………呆れる」
「ち、ちがっ……!」
「違わないだろ……全身逃げられないくらいに拘束されたって、まだ足りないくせに。もっと締め付けられて、動けないくらいに俺に捕まっていたいんだろ?」
「うっ……!」
「素直に言わないんなら、酷い方法で縛っていじめてやろうか?」
僕の足元から、魔法の鎖が飛び出して、僕の足に絡みつく。両足に絡みついたそれは、僕の足を開いて、そのまま固定してしまう。上半身に絡みついた鎖が、僕の体を締め上げて、ずきっと痛んだ。
両手まで頭の上に上げられて縛られて、まるでフュイアルさんの前で磔にされた見せ物みたい。さっきいじられて、すでに先走りが漏れているのに、そんなところまで見られて、恥ずかしくて仕方ない。
「い、いやっ……! フューア!!」
「好きなだけもがけよ。絶対に離してやらないから」
「や、やだっ……み、みるなっ……! 見ないでっ……!」
「嫌。トラシュ、俺に意地悪なことしたし……」
「い、意地悪って……なんのことだよ!」
「俺の前で、ほかの男といちゃついたことに決まってるだろ」
なんのことだよ……僕は何もしていない。
そいつの手が、僕の首に絡んで、そこから焼けるように熱いものが僕の体に入り込んでくる。
これ、フュイアルさんの魔力だ。それを押し込まれているんだ。
彼はよく、こうやって僕の体に、自分の魔力を流し込む。
しょっちゅうされていることだけど、今日はいつもよりずっと長くて、大量の魔力が僕の中に流れ込んでくる。
「うっ……ぼ、僕が魔力で注目されるのっ……い、嫌なくせに!! な、なんで……何でこんなことするんだよっ……!」
「だって……トラシュの体に俺の魔力が満ちていくんだよ? そんなの、考えただけで興奮するだろ……」
「な、何言って……あっ!!」
話しながらも、そいつは僕の股間に微かに触れては離れてを繰り返している。気持ちよくて、どうにかなってしまいそうだ。
悶えている間にも、僕の体にはフュイアルさんの魔力が入ってくる。温かいものが、体の中にじわっと広がっていく。気持ちいいのに、すでに身体が昂っていて熱い。こんな時に、僕の体を刺激するような真似はやめてほしい。
「うっ……ぅっ…………や、やだぁっ……あぁぁっ……!」
「……もうトラシュの中は俺の魔力でいっぱいだ。トラシュの中まで全部、永遠に俺のもの……よかったね」
「な、何がっ……」
…………やっぱりこいつ、どうかしてる。もう怖い。
それなのに、体はさっきまでより感じてる。喜んでるんだ。フュイアルさんの魔力が満ちていくから。
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