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25.僕に気を遣わなくていいんです!
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レオトウェルラレット様は、いろいろと不満が溜まっているらしく、ソファに座って多少苛立った声で言う。
「みんな、例の道具の横流しがバレてから、保身に必死になってるだろーが。俺たち下っ端は、そいつらが言い逃れしてる間に、放置された仕事全部押し付けられてるのに」
不満そうな彼を、オフィセイール様が腕を組んで咎めた。
「口を慎め、レオトウェルラレット。王城の会議に出ているのは、有力貴族ばかりだぞ」
「有力だからって、やりたい放題やっていい理由になんて、ならないだろ。会議でも、自分だけは関係ないって、そんなことしか言わなくなってるらしいし……だからいつまで経っても話が進まないんだよ!」
苛立った様子で彼が言うと、オフィセイール様もため息をつく。
「お前の言いたいことは分かる。だが、王都では、国を動かす話し合いが行われているんだ。意見がぶつかり合うのは、当然のことだろう」
「……意見がぶつかり合うねー……俺には、責任逃れに夢中になる会にしか見えないけどな。割を食うのは俺たちばっかりだ」
「俺たちは、王家に尽くすためにいるんだ。そのことを忘れるなよ」
「……分かってるよ。本当に頭が硬いな……それで? 王都とは連絡がつかないのか?」
「ああ……一体、どうなっているんだ? 王都から定期的に来る使いも遅れている」
「確か、今王都でこっちへの連絡を担ってる奴って、よく連絡の遅れが指摘されている奴だろ? まだ連絡用の使い魔を作ることにも慣れていないはずだ。お前もそう言ってたじゃないか。そんなに気にする必要はないと思うぞ」
「まあな……確かに、よくあることではあるのだが…………何しろ、この砦はずっと放置されて来たし、大して重要なものだと思われてなかったからな」
「……おい…………オフィセイール……」
指摘したレオトウェルラレット様が、僕の方をチラッとみて、オフィセイール様も、あっ、と言った風に、口を閉じた。
それに気づいた僕は、慌てて二人に言った。
「あっ……あのっ……! ぼ、僕のことなら、どうか、お気になさらないでください!!」
僕がそう言っても、二人とも、申し訳なさそうな顔をする。僕は、ここに来てくれた人たちには、感謝しているのに。
「王都からどう思われているかは知りませんが、僕はそんなこと、どうでもいいんです。こうしてここで自由に生活できていて、ホっとしてるし……お、王都にいた時はできなかったこともできています! 皆さんのおかげで、ご飯も美味しいしっ……!! だ、だから、本当にっ……あのっっ…………ぼ、僕に、気を遣わなくていいんです!!」
勢いで言ってしまった。だけどそれは、ずっと僕が二人に……というより、ここに来て、この砦の管理を手伝ってくれた、みんなに伝えたかったことだ。
そんなことを告げて、ドキドキしていると、レオトウェルラレット様が顔を綻ばせる。
「……なんだよ……お前、幽閉されてるんだぞ。変な奴だな」
言って、レオトウェルラレット様が笑ってくれて、オフィセイール様は「無理をしなくていいぞ」って言ってくれた。
そんな風に笑いかけてもらえるのなんて、僕には初めてのことで、なんだか僕も勝手に笑っていた。
そんなことをしていたら、竜が、「ねーー!!」と声をかけながら、僕らの間に入って来る。
「話が難しいよ! それに僕だけ仲間外れなんて、酷い!」
「……お前なあ……俺たちを襲ったこと、忘れたのか??」
レオトウェルラレット様が凄んでも、竜はふんっ! とそっぽを向いて、周りをパタパタ飛び始める。
「そんなことより! ねえ! ごはんは? お腹空いたよ!!」
僕のきのこ、たくさん食べたのに、まだお腹空いてるのかなー……
竜のお腹が鳴る音がした。
「ご飯にしようよ!!」
「は、はい……」
そう言えば、僕もお腹が空いたなあ……食事の用意をしなきゃ。
僕は、飛び回っている竜を見上げた。
「あの!! 一緒にごはん、作りませんか!? そ、外で肉を焼くんです!! 竜さんがランタンも直してくれたし、これで砦を照らせば、夜も危険じゃありません! 竜さんの炎で料理もできるし、大きな鍋を火にかけて、一度にたくさん作れます! ここで見張りをしてくれている人たちへの差し入れにもなると思うんです!」
すると、レオトウェルラレット様も賛成してくれた。
「だったら俺がスープを作ってやる! 行こうぜ! オフィセイール!!」
「…………そうだな……食事の後でもう一度使い魔を飛ばすか……」
「決まりだな! 行くぞ!! 夕飯だ!!」
「みんな、例の道具の横流しがバレてから、保身に必死になってるだろーが。俺たち下っ端は、そいつらが言い逃れしてる間に、放置された仕事全部押し付けられてるのに」
不満そうな彼を、オフィセイール様が腕を組んで咎めた。
「口を慎め、レオトウェルラレット。王城の会議に出ているのは、有力貴族ばかりだぞ」
「有力だからって、やりたい放題やっていい理由になんて、ならないだろ。会議でも、自分だけは関係ないって、そんなことしか言わなくなってるらしいし……だからいつまで経っても話が進まないんだよ!」
苛立った様子で彼が言うと、オフィセイール様もため息をつく。
「お前の言いたいことは分かる。だが、王都では、国を動かす話し合いが行われているんだ。意見がぶつかり合うのは、当然のことだろう」
「……意見がぶつかり合うねー……俺には、責任逃れに夢中になる会にしか見えないけどな。割を食うのは俺たちばっかりだ」
「俺たちは、王家に尽くすためにいるんだ。そのことを忘れるなよ」
「……分かってるよ。本当に頭が硬いな……それで? 王都とは連絡がつかないのか?」
「ああ……一体、どうなっているんだ? 王都から定期的に来る使いも遅れている」
「確か、今王都でこっちへの連絡を担ってる奴って、よく連絡の遅れが指摘されている奴だろ? まだ連絡用の使い魔を作ることにも慣れていないはずだ。お前もそう言ってたじゃないか。そんなに気にする必要はないと思うぞ」
「まあな……確かに、よくあることではあるのだが…………何しろ、この砦はずっと放置されて来たし、大して重要なものだと思われてなかったからな」
「……おい…………オフィセイール……」
指摘したレオトウェルラレット様が、僕の方をチラッとみて、オフィセイール様も、あっ、と言った風に、口を閉じた。
それに気づいた僕は、慌てて二人に言った。
「あっ……あのっ……! ぼ、僕のことなら、どうか、お気になさらないでください!!」
僕がそう言っても、二人とも、申し訳なさそうな顔をする。僕は、ここに来てくれた人たちには、感謝しているのに。
「王都からどう思われているかは知りませんが、僕はそんなこと、どうでもいいんです。こうしてここで自由に生活できていて、ホっとしてるし……お、王都にいた時はできなかったこともできています! 皆さんのおかげで、ご飯も美味しいしっ……!! だ、だから、本当にっ……あのっっ…………ぼ、僕に、気を遣わなくていいんです!!」
勢いで言ってしまった。だけどそれは、ずっと僕が二人に……というより、ここに来て、この砦の管理を手伝ってくれた、みんなに伝えたかったことだ。
そんなことを告げて、ドキドキしていると、レオトウェルラレット様が顔を綻ばせる。
「……なんだよ……お前、幽閉されてるんだぞ。変な奴だな」
言って、レオトウェルラレット様が笑ってくれて、オフィセイール様は「無理をしなくていいぞ」って言ってくれた。
そんな風に笑いかけてもらえるのなんて、僕には初めてのことで、なんだか僕も勝手に笑っていた。
そんなことをしていたら、竜が、「ねーー!!」と声をかけながら、僕らの間に入って来る。
「話が難しいよ! それに僕だけ仲間外れなんて、酷い!」
「……お前なあ……俺たちを襲ったこと、忘れたのか??」
レオトウェルラレット様が凄んでも、竜はふんっ! とそっぽを向いて、周りをパタパタ飛び始める。
「そんなことより! ねえ! ごはんは? お腹空いたよ!!」
僕のきのこ、たくさん食べたのに、まだお腹空いてるのかなー……
竜のお腹が鳴る音がした。
「ご飯にしようよ!!」
「は、はい……」
そう言えば、僕もお腹が空いたなあ……食事の用意をしなきゃ。
僕は、飛び回っている竜を見上げた。
「あの!! 一緒にごはん、作りませんか!? そ、外で肉を焼くんです!! 竜さんがランタンも直してくれたし、これで砦を照らせば、夜も危険じゃありません! 竜さんの炎で料理もできるし、大きな鍋を火にかけて、一度にたくさん作れます! ここで見張りをしてくれている人たちへの差し入れにもなると思うんです!」
すると、レオトウェルラレット様も賛成してくれた。
「だったら俺がスープを作ってやる! 行こうぜ! オフィセイール!!」
「…………そうだな……食事の後でもう一度使い魔を飛ばすか……」
「決まりだな! 行くぞ!! 夕飯だ!!」
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