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1.嫌われ者の俺、子犬を拾う
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馬車が城門を通った時点で、俺はもう帰りたくなった。
……くだらない……なぜ俺は、こんなところに来ているんだ……
今すぐに御者に命じて、馬車を来た方に戻したい。だが、そんなわけにもいかない。
馬車の窓から外を覗くと、晴れた空の下に巨大な王城がそびえていた。こっそり裏から入ってやりたくなるが、城には魔物対策なのか、いつもより強固な結界が張られている。これでは、正面から入るしかない。
うんざりしながらその城を眺めていると、馬車は城の正面玄関の前で止まって、従者が馬車の扉を開けてくれる。
しかし、まっっっったく歓迎されていないことは明らかだ。
「ドレギウォラル・ヴァトドレル様、お待ちしておりました」
そう言って俺を出迎えた王家の側近たちは、誰も俺と目を合わせようとしない。
並んだ兵士たちもまた、同じような様子だ。
ため息が出そうだ。
嫌なら呼ぶな……
俺だって来たくない。
俺の一族は、かつて魔法の力で王国をずっと守ってきたが、今では不気味な魔法を操る乱暴な一族として、酷い悪評が立っている。
恐れられることは嫌いじゃない。そうしていれば、面倒な貴族から喧嘩を売られることもないからだ。
誰とも視線を合わせたくなくて、常に頭から真っ黒な布を被り、誰とも交わろうとせずに周囲を睨みつけている俺は、誰からも恐ろしく見えるらしい。そのことを不快に思ったことはない。
だが、こう言った場に来て、好奇の目を向けられるのは気に入らない。
とは言え、そんなことを言ったところで無駄なので、無視して城に入った。
*
目的の会議室目指して広い廊下を歩いても、誰もがこちらとは目を合わせない。
明らかに避けられている。
少し離れたところからは、ヒソヒソと囁く声まで聞こえてきた。
……鬱陶しい…………
なんなら殴り倒してやろうかと振り向けば、連中はそろって口を閉じてさっと顔を背ける。正面からやり合うほどの度胸はなくても陰口は叩けるらしい。
聞こえてくる声は、堕落した一族が来た、堕ちた貴族が美しい王城に何の用だ、こんなところに来る前に領地をなんとかしたらどうだと、そんな声ばかり。
お前たちに言われたくない。
堕ちた一族であることは、自分でも分かっている。王族にろくに敬意も払わず、領地はあるが、ほんの少しの竜族と魔獣が住む、ひどい不毛の地だ。
普段は魔物の増加を抑えることだけで精一杯だが、一族の屋敷は巨大な魔法の研究所になっていて、貴族たちの依頼を請け負っては暗殺や拷問に関わり、人を蔑ろにしては大金を稼ぐゲスの一族……そう呼ばれているが、それがなんだ?
誰もが俺の一族を鬱陶しく見ていることは明らかだが、俺は全く気にしていない。
だったら、こんなところに呼ばなければいい。
それでも、ここで会議がある時には、王族は必ず俺を呼びつける。
何をしたいかと言うと…………おそらくは見せしめだな……自分達に逆らう馬鹿な一族を、笑いものにしたいらしい。
今日だって、出たくもない会合に呼ばれ、わざわざこんなところに出向く羽目になった。城内にはすでに貴族が集まっているらしく、騒がしい。
貴族たちを集めたのは勇者と呼ばれるいけ好かない貴族の男で、その魔力と剣の腕で、強力な魔物を滅ぼしてきた英雄の家系らしいが、俺は、あいつの偉そうな理論を聞いていると、気味が悪くて仕方がない。
やはりもう帰ろうか……せっかく来たんだから、憂さ晴らしに会議の主催者の王子の顔でも殴り飛ばして。
そう思った途端、背後から駆け寄ってくる足音がした。
…………なんだ?
殺意は感じない。
暗殺者とは思えない。
貴族どもの嫌がらせか?
背後から突然従者をぶつからせたり、悪気のないふりをして魔法を打つなど、よくあることだ。
しかし、それで俺をなんとかできるとでも思っているのか?
どうせ先ほどからヒソヒソ言っている奴らの仕業だろうが……
……これは、ちょうどいい……
俺は、ほくそ笑んだ。
憂さ晴らしだ!
圧倒的な力で捩じ伏せて、嘲笑ってやろう!
魔法の風を体に纏わせ、振り向く。誰が来ても、この風で切り刻んでやる。
けれど振り向いた先にいたのは、何の殺気も感じられない小さな男だった。
「……ドレギウォラル様!!」
なんだ…………!? こいつ…………!
見知らぬ小柄な男だった。ふわっとした金色の髪を短く切り、簡素な服を着て、華奢だった。一応魔物と戦うための装備は身につけているようだが……
俺を知っているのか??
驚いたが、すでにその男は俺の懐まで迫っている。
思っていたよりずっと早い。こんなスピードで、俺に迫る奴がいるなんて。
咄嗟に俺は、相手の胸ぐらを掴んだ。
「なんだ…………? 貴様は…………」
「……ぅっ…………は、離してっ……」
男は問いには答えずに、苦しそうに呻いている。
俺が胸ぐらを掴んだせいで、その男はつま先立ちになって、微かに床から足が離れそうになっていた。
呼吸がしづらいのかもしれない。だが、そんなことはどうでもいい。
……俺の質問に答える気がないのか? 暗殺者の類か?
未だ俺に襟元を掴まれたままの男は、俺の手から逃れようと、必死な様子で足掻いている。だが、相手の正体が分からないのでは、解放するわけにはいかない。
俺はその男の体を、魔法で呼び出した鎖で縛り上げた。
「うっ…………!」
男は呻いて、苦しそうに顔を歪める。
周囲から悲鳴が上がった。侍女たちが悲鳴をあげ、貴族の従者らしい男たちは武器に手をかけている。
城内での戦闘に関する魔法や拘束の魔法、傀儡の魔法などは禁止されている。こっそり嫌がらせをする連中でも、小さな風を起こす魔法を使うくらいだ。
だが、俺はそんなこと、気にしたことがない。
俺に喧嘩を売る奴が悪い。
このまま首を切ってやってもいいが、それより先に、どう言うつもりなのか聞き出したい。
…………しかし……
なんだ? こいつ。
体はひどく軽く、脆いように見えた。とても俺にあれだけの速さで近づいた男には見えない。苦しそうに歪んだ目元から、微かに涙が流れていた。
泣くなよ……
弱そうな奴……
確かに、知らない男だ。暗殺を目的に駆け寄って来たようには、やはり見えない。相手に気づかれないように息の根を止めるような武器も、身を隠す魔法の道具も持たず、魔力もほとんどないようだ。これでは、攻撃の魔法もろくに使えないだろう。暗殺者には見えないが、貴族どもに嫌がらせを命じられた従者にも見えない。
だとしたら、この男……
………………一体、なんの真似だ……?
とりあえず、殺気などは感じないが……
俺に、なんの用だ?
城の中で、今のように突然俺に駆け寄ってくる奴というのは、たまにいる。俺を殺したい奴だ。
もちろん、そんな奴は、すぐに返り討ちにする。この前も、一族の屋敷に飛び込んできた暗殺者を殴り飛ばしたばかりだ。吹っ飛んだ暗殺者の巨体は窓をぶち破って外まで飛んで、「窓が割れた! 寒いじゃないか!」と、しばらく一族に怒られた。
他に、俺に喧嘩を売りたいだけの奴らも、似たようなことをする。
そういう奴らは電撃の魔法でしばらく動けなくなるまで撃って、たっぷり拷問を楽しませてもらってから、屋敷の外に捨てるようにしている。執事には怒られたが、一族の連中も似たようなことをしていた。
そう言った奴らからはどちらからも悪意を感じるものだが、この男のような目で見上げられたのは初めてだ。
「あ、あのっ……離してください…………」
怯えたようでありながら、どこか強い雰囲気で言われると、俺の方が怯みそうになる。
なんなんだ……こいつ。
小さな生まれたばかりの犬か猫みたいな奴だな……首輪でもつけたら似合いそう……
敵意はないようだが、だとすれば、俺はこれをどうすればいい?
……くそ…………喧嘩を売るつもりがないのに、俺の名前を呼んで駆け寄ってくる奴なんて、初めてだ。
対処の仕方がわからない。
俺の名前を呼んだなら、俺を知っているのだろうが……
俺の方は、まるで覚えがない。
そもそも、悪名高い堕落貴族の俺を呼び止める奴など、いないはずなのだが……
驚いている間に、その男は縛られたまま、床に倒れてしまう。
しまった……いつの間にか手から力が抜けていて、床に落としていた。
「いたっ…………!!」
呑気な声をあげて男が倒れる。そしてそいつは、驚いた顔のまま、俺を見上げていた。
「あのっ…………ドレギウォラル様っ……ですよね?」
「…………」
やはり、俺を知っている。
しかも、縛り付けられているのに、あまりに気にしていないようにも見える。
気にしろよ……縛られているんだぞ。どう言うつもりなのか、さっぱり分からないが、敵でないのなら、縛っておく必要もないか……
鎖を消してやると、彼は恐る恐ると言った様子で立ち上がった。
文句でも言ってくるかと思いきや、その男は、なんと俺の目の前で頭を下げた。
「……あ、あのっ……急に近づいて申し訳ございませんでした!!」
「…………」
お前が謝ってどうする…………
……くだらない……なぜ俺は、こんなところに来ているんだ……
今すぐに御者に命じて、馬車を来た方に戻したい。だが、そんなわけにもいかない。
馬車の窓から外を覗くと、晴れた空の下に巨大な王城がそびえていた。こっそり裏から入ってやりたくなるが、城には魔物対策なのか、いつもより強固な結界が張られている。これでは、正面から入るしかない。
うんざりしながらその城を眺めていると、馬車は城の正面玄関の前で止まって、従者が馬車の扉を開けてくれる。
しかし、まっっっったく歓迎されていないことは明らかだ。
「ドレギウォラル・ヴァトドレル様、お待ちしておりました」
そう言って俺を出迎えた王家の側近たちは、誰も俺と目を合わせようとしない。
並んだ兵士たちもまた、同じような様子だ。
ため息が出そうだ。
嫌なら呼ぶな……
俺だって来たくない。
俺の一族は、かつて魔法の力で王国をずっと守ってきたが、今では不気味な魔法を操る乱暴な一族として、酷い悪評が立っている。
恐れられることは嫌いじゃない。そうしていれば、面倒な貴族から喧嘩を売られることもないからだ。
誰とも視線を合わせたくなくて、常に頭から真っ黒な布を被り、誰とも交わろうとせずに周囲を睨みつけている俺は、誰からも恐ろしく見えるらしい。そのことを不快に思ったことはない。
だが、こう言った場に来て、好奇の目を向けられるのは気に入らない。
とは言え、そんなことを言ったところで無駄なので、無視して城に入った。
*
目的の会議室目指して広い廊下を歩いても、誰もがこちらとは目を合わせない。
明らかに避けられている。
少し離れたところからは、ヒソヒソと囁く声まで聞こえてきた。
……鬱陶しい…………
なんなら殴り倒してやろうかと振り向けば、連中はそろって口を閉じてさっと顔を背ける。正面からやり合うほどの度胸はなくても陰口は叩けるらしい。
聞こえてくる声は、堕落した一族が来た、堕ちた貴族が美しい王城に何の用だ、こんなところに来る前に領地をなんとかしたらどうだと、そんな声ばかり。
お前たちに言われたくない。
堕ちた一族であることは、自分でも分かっている。王族にろくに敬意も払わず、領地はあるが、ほんの少しの竜族と魔獣が住む、ひどい不毛の地だ。
普段は魔物の増加を抑えることだけで精一杯だが、一族の屋敷は巨大な魔法の研究所になっていて、貴族たちの依頼を請け負っては暗殺や拷問に関わり、人を蔑ろにしては大金を稼ぐゲスの一族……そう呼ばれているが、それがなんだ?
誰もが俺の一族を鬱陶しく見ていることは明らかだが、俺は全く気にしていない。
だったら、こんなところに呼ばなければいい。
それでも、ここで会議がある時には、王族は必ず俺を呼びつける。
何をしたいかと言うと…………おそらくは見せしめだな……自分達に逆らう馬鹿な一族を、笑いものにしたいらしい。
今日だって、出たくもない会合に呼ばれ、わざわざこんなところに出向く羽目になった。城内にはすでに貴族が集まっているらしく、騒がしい。
貴族たちを集めたのは勇者と呼ばれるいけ好かない貴族の男で、その魔力と剣の腕で、強力な魔物を滅ぼしてきた英雄の家系らしいが、俺は、あいつの偉そうな理論を聞いていると、気味が悪くて仕方がない。
やはりもう帰ろうか……せっかく来たんだから、憂さ晴らしに会議の主催者の王子の顔でも殴り飛ばして。
そう思った途端、背後から駆け寄ってくる足音がした。
…………なんだ?
殺意は感じない。
暗殺者とは思えない。
貴族どもの嫌がらせか?
背後から突然従者をぶつからせたり、悪気のないふりをして魔法を打つなど、よくあることだ。
しかし、それで俺をなんとかできるとでも思っているのか?
どうせ先ほどからヒソヒソ言っている奴らの仕業だろうが……
……これは、ちょうどいい……
俺は、ほくそ笑んだ。
憂さ晴らしだ!
圧倒的な力で捩じ伏せて、嘲笑ってやろう!
魔法の風を体に纏わせ、振り向く。誰が来ても、この風で切り刻んでやる。
けれど振り向いた先にいたのは、何の殺気も感じられない小さな男だった。
「……ドレギウォラル様!!」
なんだ…………!? こいつ…………!
見知らぬ小柄な男だった。ふわっとした金色の髪を短く切り、簡素な服を着て、華奢だった。一応魔物と戦うための装備は身につけているようだが……
俺を知っているのか??
驚いたが、すでにその男は俺の懐まで迫っている。
思っていたよりずっと早い。こんなスピードで、俺に迫る奴がいるなんて。
咄嗟に俺は、相手の胸ぐらを掴んだ。
「なんだ…………? 貴様は…………」
「……ぅっ…………は、離してっ……」
男は問いには答えずに、苦しそうに呻いている。
俺が胸ぐらを掴んだせいで、その男はつま先立ちになって、微かに床から足が離れそうになっていた。
呼吸がしづらいのかもしれない。だが、そんなことはどうでもいい。
……俺の質問に答える気がないのか? 暗殺者の類か?
未だ俺に襟元を掴まれたままの男は、俺の手から逃れようと、必死な様子で足掻いている。だが、相手の正体が分からないのでは、解放するわけにはいかない。
俺はその男の体を、魔法で呼び出した鎖で縛り上げた。
「うっ…………!」
男は呻いて、苦しそうに顔を歪める。
周囲から悲鳴が上がった。侍女たちが悲鳴をあげ、貴族の従者らしい男たちは武器に手をかけている。
城内での戦闘に関する魔法や拘束の魔法、傀儡の魔法などは禁止されている。こっそり嫌がらせをする連中でも、小さな風を起こす魔法を使うくらいだ。
だが、俺はそんなこと、気にしたことがない。
俺に喧嘩を売る奴が悪い。
このまま首を切ってやってもいいが、それより先に、どう言うつもりなのか聞き出したい。
…………しかし……
なんだ? こいつ。
体はひどく軽く、脆いように見えた。とても俺にあれだけの速さで近づいた男には見えない。苦しそうに歪んだ目元から、微かに涙が流れていた。
泣くなよ……
弱そうな奴……
確かに、知らない男だ。暗殺を目的に駆け寄って来たようには、やはり見えない。相手に気づかれないように息の根を止めるような武器も、身を隠す魔法の道具も持たず、魔力もほとんどないようだ。これでは、攻撃の魔法もろくに使えないだろう。暗殺者には見えないが、貴族どもに嫌がらせを命じられた従者にも見えない。
だとしたら、この男……
………………一体、なんの真似だ……?
とりあえず、殺気などは感じないが……
俺に、なんの用だ?
城の中で、今のように突然俺に駆け寄ってくる奴というのは、たまにいる。俺を殺したい奴だ。
もちろん、そんな奴は、すぐに返り討ちにする。この前も、一族の屋敷に飛び込んできた暗殺者を殴り飛ばしたばかりだ。吹っ飛んだ暗殺者の巨体は窓をぶち破って外まで飛んで、「窓が割れた! 寒いじゃないか!」と、しばらく一族に怒られた。
他に、俺に喧嘩を売りたいだけの奴らも、似たようなことをする。
そういう奴らは電撃の魔法でしばらく動けなくなるまで撃って、たっぷり拷問を楽しませてもらってから、屋敷の外に捨てるようにしている。執事には怒られたが、一族の連中も似たようなことをしていた。
そう言った奴らからはどちらからも悪意を感じるものだが、この男のような目で見上げられたのは初めてだ。
「あ、あのっ……離してください…………」
怯えたようでありながら、どこか強い雰囲気で言われると、俺の方が怯みそうになる。
なんなんだ……こいつ。
小さな生まれたばかりの犬か猫みたいな奴だな……首輪でもつけたら似合いそう……
敵意はないようだが、だとすれば、俺はこれをどうすればいい?
……くそ…………喧嘩を売るつもりがないのに、俺の名前を呼んで駆け寄ってくる奴なんて、初めてだ。
対処の仕方がわからない。
俺の名前を呼んだなら、俺を知っているのだろうが……
俺の方は、まるで覚えがない。
そもそも、悪名高い堕落貴族の俺を呼び止める奴など、いないはずなのだが……
驚いている間に、その男は縛られたまま、床に倒れてしまう。
しまった……いつの間にか手から力が抜けていて、床に落としていた。
「いたっ…………!!」
呑気な声をあげて男が倒れる。そしてそいつは、驚いた顔のまま、俺を見上げていた。
「あのっ…………ドレギウォラル様っ……ですよね?」
「…………」
やはり、俺を知っている。
しかも、縛り付けられているのに、あまりに気にしていないようにも見える。
気にしろよ……縛られているんだぞ。どう言うつもりなのか、さっぱり分からないが、敵でないのなら、縛っておく必要もないか……
鎖を消してやると、彼は恐る恐ると言った様子で立ち上がった。
文句でも言ってくるかと思いきや、その男は、なんと俺の目の前で頭を下げた。
「……あ、あのっ……急に近づいて申し訳ございませんでした!!」
「…………」
お前が謝ってどうする…………
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