どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん

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-第一章-スプリングフィールド王国編-

-第一章六十八節 討伐イベントと作戦説明と王からの依頼-

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さて、ハイドリヒを泣かせてから時が進んで今現在…会議室でのワチャワチャが

無くなり元の纏まりを取り戻すと王国軍及びギルドの同盟軍が結成される。

王都に攻め入る人キメラの掃討…及びあのスプリング大森林から立ち昇る黒い

竜巻についての対策が急ピッチで進められ、貴族や役人達はもしあの黒い竜巻が

動き出したとして王都に直撃した時の為の避難場所の確保…マルコは国の一大事と

あって物資の確保と動き出し、兵士や騎士達は隊を編成すると急ぎ大平原に向かい

始める。その際ハイドリヒもいつまでも泣いては居られないと自身の騎士団を

率いては大平原へと向かい始めるのだが、その一方でマサツグとモツはと言うと…


__ガタンッ!!…ギイイィィィィ!!……


「ぜぇ!…ぜぇ!…や…やっと出られた!!…」


「だぁ!!…はぁ!…はぁ!…お、おい!!…マサツグさん!?…

任せろって言うから任せたが一体如何言う事なのかな!?…」


「す…すまん!……道は覚えたつもりだったんだよぉ~?……

…ぜぇ!……にしても!…前にもこんな事が有った様な?…」


あの後マサツグはと言うと泣き出したハイドリヒに戸惑って一人オロオロと

しており、それを見かねたアムネスと王様が助け舟を出してマサツグに

早く現場へ向かうよう指示を出していた。その指示にマサツグは深く感謝して

会議室を後にし、事の次第が終わるのを待って居たモツと無事に合流して

王城を出ようとするのだが、案の定二人揃って迷子になっていた…

何処かで同じ様な事が有った様な…とデジャヴに襲われながらも息を切らし、

モツがマサツグにツッコミを入れて、そのツッコミにマサツグが謝って居ると

二人の元に突如運営からショートメールが届く。


__ピロリン♪…


「ッ!…メール?…」


__ヴウン!…


 ----------------------------------------------------------------------

             「討伐レイドイベント発令!」

    フィールド「スプリングフィールド大平原~大森林」にて

        レイドバトルイベントが発生しました!!


      攻撃対象はカルト教団「ジャッジウィンド」教祖

 
   レイド達成条件はカルト教団「ジャッジウィンド」教祖の撃破


   教祖はこのエリア内に潜伏していますので頑張って探し出し、

   討伐を試みてください!指定フィールド内には「人キメラ」と

   呼ばれるモンスターが多量に現れますので注意しながら遂行を…

   尚、時間経過と共にが発動する場合が御座いますので

   あしからず…

    それでは プレイヤーの皆さんは頑張って教祖を討伐してください!

 ----------------------------------------------------------------------


「……何だこれ?…」


運営から届いたメールに戸惑いつつ二人がメールを開くとそこにはレイド

バトルの発令と案内が表示される。攻撃対象カルト教団・教祖…

達成条件も教祖…今まさに目の前で起きているこの状況こそがレイドバトルと

言う様なメールの内容にマサツグとモツが戸惑って居るとある文章が目に付く。

それは最後の方に掛かれたの文字!…その文章にマサツグが

嫌な予感を感じつつ思わず戸惑いの言葉を漏らして居ると、突如城下町の方からは

慌しい声が聞こえて来る!


__わああぁぁぁぁぁ!!!…


「ッ!?…何か騒がしい?…まさか城下町に!!…」


「…にしては何か喜んでる様に聞こえないか?…」


「え?……と、とにかく行ってみるか!…」


城下町の方からは何やら騒ぐ声があちらこちらから聞こえ、その声にマサツグが

人キメラの侵入を許したのかと慌て始めるが如何にも違う…モツが冷静に

その声を聞いては歓喜している様に聞こえると戸惑った様子で話し、その言葉を

聞いてマサツグが戸惑った表情を見せてはモツの言葉を確認するよう耳を澄ませ、

確かにそう聞こえるてしまうと更に戸惑いを覚える。何が何だか分からない町の

様子に二人は戸惑いつつも、とにかく急ぎ城下町の方へと移動し始めるとそこには

どんちゃん騒ぎの冒険者プレイヤー達の姿を見つける。


「討伐イベントキチャーーーーーーーーー!!」


「これで勝つる!!!…」


「……俺…この戦いに勝ったらあの子に告白するんだ!…」


「キマシタワー!…」


__……えぇ~…


マサツグ達が居る区画は既に避難済みなのか町の人達の姿は無く、そのせいか

余計に騒ぐ冒険者プレイヤー達の姿が目立っておりマサツグ達が呆然とその様子を

見詰めて居ると、冒険者プレイヤー達は余程暇だったのか飛んだり跳ねたりと

落ち着きが全くない。その際冒険者達の姿を確認するとそこにはギルドで

良く見かけるキャラや妖精の森に行けないと嘆いていた時の濃い連中の姿が

有り、各々が思い思いにイベントが来た事を喜んでは色々聞き覚えの有る

言葉を口にするのだが、中には意味が違うとツッコんでしまいたくなる様な

言葉を口にする者も居た。そんな連中の様子にただ困惑した様子を見せるも、

マサツグ達の事に気付かぬまま冒険者プレイヤー達は大平原の方へと歩き出す。

そうしてアレは何だったんだ?…と思わずマサツグとモツが考えては戸惑いの

表情のまま固まってしまう。


「……アレは…何?…」


「何って…アレだろ?…ほら…限界厨…」


「彼らは何故あんな風に?…」


「あんな風にって…恐らく原因は…」


「「……俺達かぁ~……」」


その場に固まってはマサツグが今の光景は夢か?と言った具合に混乱し、

モツに質問をするのだがモツは現実と言った答えを口にしては同じ戸惑いの

表情を見せる。その答えを聞いたマサツグが再度モツに問い掛けるよう

あの冒険者達の奇行の原因について尋ねると、モツは若干戸惑いつつも

悩んだ表情を見せては途切れ途切れに言葉を口にし、その様子にマサツグも

同じ様に悩み始めるとモツと同じタイミングで答えが出て来たのか、

二人揃って原因を口にするとその場で脱力する…そうして本当に面倒な事に

巻き込まれたと二人揃って疲れた表情を見せて居ると突如二通目のショート

メールが二人の元に届く。


__ピロリン♪…


「ッ!…メール?…それも二通目?…」


__ヴウン!…


 -----------------------------------------------------------------------

 全冒険者諸君!

 この国のギルドマスター フリード・バスクードだ。

 今この国は未知の危機に瀕している!諸君らの力を貸して欲しい!

 今回ギルドは王国軍と手を組みこれを打開する事で同意した!

 故にこの作戦を遂行するに当たって詳しい作戦内容を

 ギルドにて説明しようと思う!至急ギルドに集まって欲しい!!…

 -----------------------------------------------------------------------


「……って、書いてあるけど…如何する?…」


「如何する?って…行くしかないだろ?…

当事者フラグを立てた人間達が欠席とか…許される訳無いし…

……本当は逃亡を図りたいけどな?…」


二通目のショートメールを開き内容を確認すると、そこにはフリードからの

全冒険者に対する作戦説明の案内が書かれてあった。内容を見るからに

急いでいるらしく、その全文を読んだマサツグとモツがスッとメール画面を

閉じると、互いに面倒臭そうな表情を見せる。モツがマサツグに尋ねるよう

声を掛けてはマサツグが諦めた様子で返事をし、その際本音を零すとモツが

無言で項垂れるよう頷き同意をする。そうして二人は王都に有るギルドへと

歩き出し始めるのだが、あの瘴気の竜巻の影響か風が凄く中々の抵抗を

受けていた。


__ゴオオオォォォ!!!…


「ッ!!…にしても風が強いな!!…進めねぇって訳じゃ無いけど!!…」


「ッ!?…こうもいろいろ飛んで来ると厄介極まり…」


__フォンフォンフォンフォン!!…ガイイィィン!!……ッ!?…


「……急ごう!!…」


風が強いながらも進めない事は無いとばかりに二人がギルドに向かい歩いて

居ると、何かのチラシは勿論…繁華街から転がって来たのか酒樽がゴロゴロと…

その他にも店の看板やら空き瓶といろいろな物が飛んで来る!…挙句の果てには

兵士か騎士か…はたまた冒険者の物か何処からとも無く剣が飛んで来ては

マサツグとモツの顔ギリギリに横を通り過ぎ、近くの建物の壁に突き刺さる!…

思わず振り返ってその様子を確認し二人揃って青褪め恐怖を覚えて

ギルドへ急ぎ…何とかダメージを負う事無くギルドに辿り着くと、まず目に

入ったのは今までの作戦説明とは違う様子の、二階のバルコニー式の踊り場から

受付カウンターに掛けての巨大な周辺地図ボードが広げられている様子で、

その二階バルコニーにフリードが立ち巨大地図ボードの前に指し棒を持った

クラリスが立って説明準備を整えている様子の姿であった。


__ガタン!!…ギイイィィィ!!…


「やっと着いたぁ!!…って、デッカ!…」


__ザワザワ!…ザワザワ!…


「……時間だね!…

では今からあの黒い竜巻!…及び人キメラの波状撃退の作戦説明を始める!…

まずは私から一言!…諸君!…この様な状況下でも良く集まってくれた!!…

感謝する!…」


ギルド内は既に今回のイベントに対して並みならぬ感情…燃えに燃えて居ると

言ったガチからエンジョイ…お零れまで幅広い冒険者達でごった返しては今か今か

と作戦説明を待って居た。そんな様子にマサツグとモツが戸惑いつつもフリードが

居る方を見ては同じ様に作戦説明が始まるのを待ち、時間が来たとフリードが

呟いて漸く作戦説明を始めると、まず最初にこのイベントへ集まった者達に

対しての感謝の言葉を口にする。その際フリードは冒険者達に対して一礼をして

お礼の言葉を口にし、それを真似するようクラリスも同じ様に一礼して感謝の意を

示すと、冒険者達の表情が一気に真剣みを帯びる。そして遂にその作戦の内容を

フリードが説明し始めると、その補助に入るようクラリスが手にした指し棒を

巨大地図ボードに指し示し出す。


「…諸君らも知っての通り!…

今現在この王都に向けて人キメラなる化物が侵攻し、攻撃を受けている!…

王都前では王国軍の兵士達が防衛の陣を築いているが、それも何処まで持つか

分からない上にこの戦闘は長引けば長引く程疲弊しこちらが不利になる!…

今現在でも人キメラなる化け物達の総数は不明で未知の敵に兵士達も

困惑している状態!…このままだとこの王都に侵入し町の人や王都の機能が

危険に晒される!…そこで君達にお願いしたいのは人キメラの波状を殲滅!…

及びこの騒動の首謀者である教祖の討伐である!!…君達には遊撃に出て貰い

人キメラを各個撃破!…捜索!…討伐と王国軍のアシストをして貰いながらの

活動がメインとなる!!!…」


フリードが二階の踊り場から冒険者達に向けて作戦の説明をすると、

クラリスがそれに合わせて巨大地図ボードの説明個所を指し示す。

まるで手慣れた熟年夫婦のやり取りの様な様子に冒険者達は関心の

視線を送るのだが二人は気にせず、淡々と何事も無く説明が進んで行くと

今回の作戦内容が言い渡される。その際厄介なのは敵の位置と数が

不明な事で、マサツグとモツが如何したものか?と説明を聞きながら

巨大地図ボードを前に教祖を探す方法を考えていると、ふとある異音が

耳に入って来る。


__…スッ……タッ…タッ…タッ…タッ…


「……ッ!…あれ?…」


「……ん?…如何した?…」


「…いや、ただ説明がまだ終わってないのに何処かへ行き始めたから…」


突如近くから足音が聞こえその音に反応してマサツグが振り返ると、そこには

説明を最後まで聞かずにギルドを後にしようとする者が数名…その出て行こうと

する者達を見てマサツグが疑問を感じ、思わず声を漏らすとその声を聞いた

モツが反応してはマサツグに不思議そうな表情で質問をする。そのモツの

問い掛けにマサツグは戸惑いながらもギルドを後にしようとする者達を指差し、

今感じている疑問についてモツに話し始めると、モツはマサツグの言う者達を

振り向いて確認するなり呆れた表情で頷き、その疑問に答える。


「……あぁ…大方説明を最後まで聞くのが面倒だから概要だけ聞いて

さっさとクエストに出たって口じゃないか?…もしくは面倒になって降りたとか…

とにかくあれはあれで放って置けば良い…あぁ言うのは…大抵…

後で話しを聞いていないとか喚き出すパターンの奴だから…」


「お、おう…偉く辛辣…」


「……以上が詳しい説明である!!…諸君!!…

健闘を祈る!!!…」


「ッ!?…え?…あっ…」


モツが途中退席した者達に対して辛辣な言葉を並べ見下した様子でマサツグに

説明すると、その言葉を聞いたマサツグはモツに対して軽いツッコミを入れる。

普段見ないモツの辛辣場面にマサツグがタジタジになり、もはやフリードの

説明も耳に入って来ない位に戸惑って居ると、いつの間にかそのフリードの

作戦説明も終わって最後の解散の挨拶になってしまう。先程の作戦説明で

唯一聞けたのは敵の位置が不明で数も不明…自分達の仕事は遊撃と曖昧で何一つ

有意義な情報は聞いていない!…そんな説明の聞き損ねにマサツグが

しまった!…と言った具合に戸惑い、周りの冒険者達は作戦説明を聞いた後、

次々にギルドを飛び出してはレイドバトルの場所であるスプリング大平原へ

我先にと駆け出して行く!…


__ダダダダダダダ!!……


「……はっや!…」


それはまるで冒険者達による濁流が如く!…暴風をもものともしない

勢いで進み、ものの数分でギルドの中が職員達とマサツグ達だけになると、

モツがその他の冒険者達の行動の速さに戸惑いを覚える。その際出て行く

冒険者達は慣れた様子で事故や渋滞を起こさないよう走るのではなく、

早歩きでスムーズにギルドから飛び出して行くのだが、その様子はまるで

コ〇ケの様だったとモツが後に語り、ある意味の感動を覚えた事を

マサツグに話すのであった。そうして取り残された二人がその場に

立ち尽くして居ると二階から突如声を掛けられる。


「……ッ!…マサツグ君!…モツ君!…」


「うげ!?…見つかったぁ~?…」


フリードがふと二階から一階を見下ろしマサツグとモツの姿を見つけると、

丁度良かったと言った具合に声を掛けてはその声にマサツグはビクッと

反応する。まるで見つかりたくなかったと言った様子で恐る恐るマサツグが

二階の方を振り向き、嫌そうな言葉を漏らすのだが勿論フリードは二人の事を

見下ろしたままで、マサツグの言葉に若干のショックを受けた様子を

見せつつも、笑顔で二人に話を続ける。


「はははッ!…

そんなに警戒しなくても良いじゃないか!…

何…ちょっとした頼み事をしたいんだが…」


「……今度は何ですか?…もう会議はこりごりですよ?…

会議に連れて行かれると嫌味を言われるし!…

ギルドマスターがギルドに戻った後も色々と面倒事があったんですから…」


「はははッ!…確かにそうだったらしいね?…

しかし…今回の頼み事は私の用件ではない!…

…王からの依頼だ!…それも名指しでね?…」


「…ッ!…え?…」


警戒するマサツグ達に苦笑いをしつつも頼み事が有ると言い出すと、

その言葉にマサツグが更に警戒をする。王城での会議の様子を

思い出しては会議は嫌だ!と予め断る気満々の言葉を口にし、

色々有った事をフリードに話す際…愚痴を零す様にマサツグが

話し出すと隣でモツが頷き、その二人の様子を見たフリードが

苦笑いをしながら既に王城での出来事は聞いて居るとばかりに

二人へ返事をする。だがフリードはそれでも二人に頼むと言った具合に

その頼み事の件について話し出すと、まずこの頼み事が自分からでは無く

王様からの頼み事であると二人に話し、その話を聞いたマサツグとモツが

困惑した様子で反応すると、戸惑いの声を漏らす。そうして一体何を

お願いされたのだ?と疑問の表情を浮かべてはフリードの方に視線を

向けて居ると、フリードは王様から受けた依頼の内容を二人に話し始める。


「…今回に依頼する内容はリ…ゴホン!!…

ハイドリヒ殿下…姫様と共に戦場を戦う事!…との事らしい!…」


「え?…」


「それも一切理由も無く離れる事は許さないとの事らしいが…

…君達も立派に大出世したねぇ!…」


疑問の表情を浮かべる二人にフリードが話し始めた依頼の内容は、

ハイドリヒと共に戦場で戦う事!…その際何故か一度噛んでは

咳払いをし、言い直すと言った違和感の見せ様にマサツグとモツは

戸惑いの表情を見せる。そしてその依頼の内容に困惑した様子で

呟いて居るとフリードはその依頼を受ける際の条件を追加で話し出し、

王様から直々の依頼を貰ったマサツグ達の出世ぶりに笑みを浮かべて

見せるのだが、マサツグとモツは聞きたい事はそうじゃない!と

言った戸惑いぶりを見せると、フリードに再度尋ねる。


「ちょ!…ちょっと待ってくださいよ!?…な!?…はぁ!?…

あのハイドリヒと!?…」


「……?…そうだね…ハイドリヒ君とだね?…」


「な!…何で!?…そんな依頼を受ける様な事何も!?…」


「聞いた話では何でも…

{地獄の底まで!…何処まで出来るか分からないが付き合ってやるよ!}

…っと言っていたらしいが?…」


「ッ!?…ちょっと待って!?…明らかに脚色されてる!?」


ハイドリヒの名前を口にしてはマサツグが慌てた表情を見せるのだが、

フリードは平然とした表情でマサツグの顔を見ると、何が可笑しいのか

分からない様子で返事をする。そんなフリードの表情にマサツグが更に

慌てた様子で尋ね返すのだが、フリードは王様から聞いたとばかりに

その時のマサツグの真似をしながらとある台詞を口にすると、マサツグが

慌て出す!…明らかに王様側で脚色されたマサツグの言葉に本人が

慌まま顔を赤くし、その台詞を聞いたモツがマサツグの方を見ては

若干引いた表情を見せるのだが、その言葉を記憶する様に目を閉じる。

恐らくは後でこの言葉を使って弄ろうと考えているのか悪い笑みを

浮かべており、そんな事など如何でも良いマサツグがただ抗議するよう

フリードの事を睨んで居ると、フリードがマサツグに話し掛ける。


「まぁ…そんな些細な事はいいんじゃないかな?…

それに君達ならあの姫様と共に戦えるだけ技量はあると私も判断したし…

何より私の方でも既に了承してしまったからもう拒否は出来ないよ?…」


「ッ!?!?…」


フリードが諦める様に苦笑いをしマサツグとモツなら出来ると励ます様に

声を掛けるのだが、その次にトンデモナイ事を口にし始める!…

それは二人の同意を得ないままその依頼を勝手に了承された事であり、

これを聞いたマサツグはその場で固まるとグルグルと思考を駆け巡らせ

混乱し始める。この依頼により強制的にマサツグとモツはハイドリヒとの

スリーマンセルを組まされる事となり、行動に制限を掛けられる事になる!…

更にここである事が思い出されるとマサツグは頭を抱え始める!…

それはハイドリヒの戦闘スタイルについてである!…確かにハイドリヒと

共闘すれば戦闘はグッと楽になるのだろうが、あの姫様の術技は完全に一人で

戦う事を重視した術技であり、迂闊に彼女の間合いで戦えば

FFフレンドリーファイアー待った無しの危険な戦闘になること間違い無しなのである!…

ただでさえハイドリヒの攻撃は一撃必殺の攻撃が多い事から火力が高く、

一発でも当たればヤバい事請け合いであり、その事は御前試合で嫌と言う

程見て来たマサツグがプレイバックしながら思い出して居ると、フリードが

マサツグの表情から察した様子で声を掛ける。


「大丈夫!…

彼女だって見境が無い訳じゃ無いからそんな危険な事にはならないと…」


「ギルドマスター!!…そろそろ冒険者達に指示を!…

中には既に戦闘を始めて居る者も!!…」


「ッ!?…もうそんな時間か……

とにかく一度彼女の護衛をやってみると良い…

あれでも彼女の腕はこの国で上位に入る腕前だよ?…

きっと良い経験になるだろう!…では、頼んだよ?…」


__コッ…コッ…コッ…コッ…


フリードは他人事だから言えるのか…とにかく大丈夫と言った具合に

マサツグを励ましては王様からの依頼に集中して貰おうと考えるのだが、

その励ます時間も無いと言った様子でクラリスがフリードに声を掛ける。

如何やら冒険者達の指揮を執るべく旧大聖堂戦時の様に現場へ移動するよう

話し掛けるのだが、その際やはり出て来たと言った様子で命令無視の戦闘を

繰り広げる馬鹿が出て来たとクラリスが若干困惑した様子で話し、その話を

聞いてフリードも若干慌てた表情を見せると、固まるマサツグにせめてもの

言葉を掛ける。そして言葉を掛けた後フリードは自室に戻るよう二階の

奥の方へと歩いて行き、完全に姿を隠すとモツが慰めるようマサツグの

肩を叩く。


__……ポンッ…


「…元気出すんだぜ?…

まだこの後に姫様を護衛する依頼が残ってるんだぜ?…

…お前は如何やっても運命から逃げられそうにない星の元に生まれた様だ…」


「ッ!……天丼か?…」


「…なぁに、骨は俺が拾ってやるからな?…」


モツがマサツグの肩を叩くともはや気に入っているのかまたもや何処かの白黒

魔法使いの言葉で話し出し、マサツグがその言葉使いについて若干絶望した

表情を見せては呟く様にツッコむと、その言葉にモツはまるでマサツグが特攻に

出る様な言い方をする。その際モツもこの依頼がある意味でどれ程危険か

知っている様子で話し、自分は関係無いと言った表情を見せるのだがマサツグが

ふと思い出した様子を見せると、モツにある事を話し出す。


「……そんな事言ってるけどさぁ?…これ…

俺達二人で受けた事になってんだぞ?…」


「……え?…」


「だってギルマスが言ってただろ?…って?…」


「……あっ…」


マサツグがこの依頼は二人で受けた事になって居ると改めてモツに説明すると、

案の定モツは戸惑った表情を見せる。何故ならこの依頼を産んだきっかけは

マサツグに有り、自分は一切関与していない!…そう思って居たからである!…

しかし蓋を開けて見ればと複数形…マサツグが改めてその事を

説明するとモツの表情はしまった!…と言った感じで変化しては徐々に

引き攣り始め、その様子に今度はマサツグが項垂れたままでモツの肩を叩く。


__……ポンッ…


「ッ!?…マ…マサツグ?…」


__……ニヤァ!!…


「ウェルカ~~ム!……

一緒に地獄をトゥギャザーしようぜ!……」


モツがマサツグに肩を叩かれた事に戸惑いマサツグの名前を呼ぶと、

マサツグは顔を上げるなり悪い笑みを浮かべる!…その表情は明らかに

友人を巻き込めた事に対しての笑みで有り、モツがそのマサツグの

邪悪な笑みを見て戸惑いと困惑の表情を見せて居ると、マサツグは

もはや巻き込めた事に満足した様子で言葉を口にする。この時…

マサツグは完全に依頼の件を諦めたのか、目のハイライトを失っては

モツも地獄に引き摺り込もうとして居る様な邪悪な笑みを見せ、

その表情にモツが思いっきり嫌そうな表情をして見せてはギルド内に

響く勢いで、珍しい叫び声を上げる。


「ッ!?!?!?……嫌ダアアァァァァァァァァァァ!!!…」


__どよ!?…


「幾ら叫んだ所で無駄さ?…

さぁ!…共に行こうではないか!…

地獄の…戦場へと!…」


「何でそうなる!?…如何してこうなったぁぁぁぁぁぁ!?!?!?…」


モツが叫ぶとギルド職員達が一斉に戸惑いと困惑の眼差しで見詰め、

そんな視線など気にしていない様子でマサツグが連れて行こうとすると、

モツが珍しく抵抗する。余程これ以上の面倒事は嫌なのかモツはパーティを

解消するしないで揉めるのだが、依頼は二人が平等で受けた事になって

いるので解消した所で意味が無く、結局の処二人揃ってハイドリヒの護衛に

付かないといけないのかと考えると、足取り重く…大平原へと向かい出す。

ギルドを後にして大平原の方を見ると既に黒煙が上がっては合戦の声が

聞こえ始め、その声に警戒をしつつも戦闘が行われている大平原に足を

踏み入れると、そこにはトンデモナイ光景が広がっていた。


__ワアアアアアアァァァァァァァァァ!!!!…


「ッ!?…ひでぇ有様だな!…」


「…これが本当の地獄絵図って奴か!……」


二人の目の前に広がるは予想通り…いやそれ以上の激戦の様子で、

既に冒険者や衛兵に騎士…軍隊が人キメラの波に立ち向かい、

果敢に戦う者・敗者になり逃げる者・挙句の果てには人キメラに

やられて倒れている者で溢れていた。それはまるで人類vs人キメラの

戦争であり、凄まじい惨状で見るからに惨いと…とてもじゃないが

全年齢?…と疑問を覚える様な光景であった。そんな惨状にマサツグと

モツは呆然と立ち尽くしてはこれがレイドバトルなのか?…と余りの

リアルさに戸惑いを覚えて居ると、二人の居る前方から勇ましい声が

聞こえて来ては檄を飛ばす者が一人…それはマサツグとモツの二人が

見覚えのある者で居て当たり前の人物なのだが、その者の姿を見て

二人はハッと現実に引き戻されるのであった。

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地蔵
ファンタジー
スキルが全ての世界。 十歳になると、成人の儀を受けて、神から『スキル』を授かる。 スキルによって、今後の人生が決まる。 当然、素晴らしい『当たりスキル』もあれば『外れスキル』と呼ばれるものもある。 聞いた事の無いスキル『クエスト』を授かったリゼは、親からも見捨てられて一人で生きていく事に……。 少し人間不信気味の女の子が、スキルに振り回されながら生きて行く物語。 一話辺りは約三千文字前後にしております。 更新は、毎週日曜日の十六時予定です。 『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載しております。

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