どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん

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-第三章-サマーオーシャン連合国-エルフの国編-

-第三章八十六節 フィロネウスの怪我と妖狐の秘策と一尺玉-

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__オオオオオォォォォォ!!!!…


「ッ!?…ご主人様来ます!!!……ご主人様!?…」


「………。」


子供は日々成長する!…そんな言葉がフッと頭の中に浮かんで来そうになりつ

つ戸惑って居ると、その間にも怨霊はマサツグに向かい襲い掛かろうとする!…

そして当然シロもそれに気が付き慌ててマサツグに避けるよう言葉を掛ける

のだが、マサツグはシロの成長具合にただひたすらに困惑…いや、感動を覚えて

居り!…ただ無言のままその場に立ち尽くして居ると、怨霊はマサツグの目の

前まで迫って来ていた!…


__オオオオオォォォォォ!!!!…


「ご主人様!!…ごしゅじんさまあぁ~~!!!」


「……ッ!?…うおあっぶな!!!…」


娘の成長の感動に浸っている暇もなく、眼前には突っ込んで来る怨霊の

姿が有り!…シロも必死にマサツグの頭を叩いては声を掛け!…マサツグも

それで漸く自我を取り戻したのか目の前の怨霊を目にすると、慌てて回避

行動に打って出る!…その際ドッジロールをするには既にタイミングは

無くなっており、マサツグとしても回避は困難なのだが!…咄嗟に思い

付いたよう体を仰け反らせると某・アクション映画の様に!…ブリッジを

してシロ共々怨霊の突進を回避して見せると、怨霊はそのまま森の中へと

姿を隠す!…


__バヒュン!!!……ズザアアアアァァァ!!!…


「ッ~~!!……だはぁ!!…ふぅ!…

刹那を発動して居なければ即死だった!…

って、言ってる暇は無いか!…さぁて、どっから飛んで来る!?…

フィロネウスの事も心配だが!…今はとにかく!!…」


__チャキッ!!…ッ!!……クルッ!…クルッ!…


怨霊の突進を回避した事でブリッジをしたままシロと一緒に安堵し…しかし

直ぐにまだ終わった訳では無い事に慌てて自覚を示すと、直ぐに体勢を

立て直して辺りを警戒し始める!…その際相手はまた森の中へと姿を隠した

事で奇襲を仕掛けて来ると、武器を構え直しつつ気配を探る様に神経を

研ぎ澄ませ!…勿論この時フィロネウスの事も心配をするのだが、今は

目の前の化け物と言った様子で身構えて居ると、シロもそんなマサツグの

様子に気が付いてか辺りを見回す様に警戒をし始める!…そして二人揃って

全方位に対して警戒を密に高め合って居ると、ふと物音が聞こえて来る!…


__………ガサガサッ!!…


「ッ!?…そこか!?…」


__ヴオン!!!…


「いつつつ!……真面に食らってしもうた!…

…奴め!!…もう本当に許さん故なぁ!!!…

って、うひぃ!?…」


「ッ!?…あっぶな!?…」


丁度マサツグ達の背後の草むらより物音が!…何かが掻き分ける様にこちらに

向かい進んで来ており、マサツグもその物音に反応して大剣で薙ぎ払う様に

振り被ると、次にはその草むらより負傷したフィロネウスが顔を出す!…

その際フィロネウスは突進が効いたと言った様子で自身の腹部を押さえると、

苦痛に耐えつつ怒りを燃やし!…今度こそ一片の油断もしない!とばかりに

言葉も口にし始め!…マサツグ達と合流出来た所でマサツグが大剣を振り

被っている姿を目撃すると、途端にフィロネウスは驚いた反応を見せる!…

そしてマサツグも物音の正体がフィロネウスである事を確認すると、慌てて

攻撃を中断し!…フィロネウスの目の前で大剣をビタ止め!…これにはフィロ

ネウスも酷く驚いた様子でマサツグに視線を向けると、途端にキレ出す!…


「……ッ~~~~!!!!…こりゃ~マサツグ!!!!

危ないではないか!!!…

このままだとわっちの頭がホームランコースではないか!!!…」


「ス、スマン!……てかフィロネウス怪我は!?…」


「ッ!…ふん!…あれ位の突進!…何て事は!…ッ!?…つつつつ!…」


まるで子供の様に両手を振り上げては飛んで跳ねて地団太を踏み!…自分が

カッ飛ばされそうだった事も含めて文句を言うと、マサツグも慌てた様子で

謝り出す!…その際マサツグに肩車をして貰って居るシロは何処か残念そうに

見て居り!…そんなシロの事など御構い無しにマサツグはフィロネウスに

安否の確認をし始め!…フィロネウスはフィロネウスで強がるよう大丈夫と

マサツグに言って見せるのだが…次にはやはり痛む様子で自身の腹部を

押さえると、マサツグが慌てて具合を見る!…


「ッ!…やっぱ痛いんじゃないか!…とにかく見せろ!!」


「ッ!?…え!?…えぇ…い、いやそんな…

こ、このような所で脱げと言われても♥…

わっちとしても吝かでは無いのだが♥…」


「…何を意味深に受け取ってんだ!!…怪我を見るだけだろうが!!!…」


マサツグとしてはフィロネウスを心配しており、真剣に傷の具合を見たいだけ

なのだが!…突如脱げと言われた事でフィロネウスは過敏に反応!…シロも

何やら嫉妬する寸前の様子で耳と尻尾をピクっと反応させて居ると、マサツグは

急かす様に手招きをする!…ただでさえ怨霊がいつ襲って来るとも分からない

状況!…マサツグとしても急ぐよう視線でもフィロネウスを急かすのだが!…

フィロネウスは照れに照れ倒し!…マサツグの前でモジモジと恥ずかしがる様な

素振りを見せて居ると、マサツグもツッコミを入れては限界とばかりに

服を剥ぐ!…


__ガシッ!!…ガバアァ!!!…ッ!?!?!?…


「……打撲程度で済んでるか…とにかくこれなら……シロ?…

悪いんだが俺のアイテムポーチから湿布を取り出してくれないか?…

……シロ?…」


逃がさないようフィロネウスを捕まえると裾から襦袢を捲り上げ!…当然

服を捲り上げられた事でフィロネウスは途端に赤面をすると、ただ抵抗する事

無くまるで人形の様に固まってしまう!…しかしマサツグはそんな事など全く

気にして居ない様子で淡々と傷の具合を確かめ!…傷の具合を見て打撲で済んで

居ると判断!…現にフィロネウスの腹部にはそこそこ大きめの青痣が出来て居る

モノの呪われたとかそう言う禍々しいモノは無く…これなら簡単な処置で済むと

続けて判断をすると、シロにアイテムポーチから湿布を出す様に呼び掛ける。

だがシロとしてもそれを見て若干ショックを受けた様子で、思わず戸惑った

表情で固まってしまい!…返事が返って来ない事でマサツグも戸惑い…再度

シロの名前を呼び湿布を出すよう手招きをすると、シロもハッと気が付いては

漸く返事をする!…


「ッ!?…は、はいです!!!」


{…む、無理やり!!…無理やり服を!?……

本来ならこれが何処の馬の骨とも知らぬ輩なら蹴飛ばして居る所じゃが…

じゃが何じゃろうこの気持ち!…この何とも言えぬ胸の高鳴りは!?…

好いた男に迫られて居るからか!?…

それともわっちを気遣ってくれて居るからか!?……だとしても!…}


「えぇ~っと……ッ!…あった!…はいです!」


「ッ!…サンキュ!…どれ…」


さてシロが慌ててマサツグに返事をして居る一方でフィロネウスはと言うと、

今自分がされて居る事に驚き戸惑ってはやはり固まっており!…今の状況に

ついて自分でも有り得ない!…と言った様子で思考を駆け巡らせ!…それと

同時に何やら興奮する様な熱い何かを胸の奥の方で感じて居ると、やはり

マサツグに対して熱視線を向けていた!…だがその肝心のマサツグはと言うと、

全くフィロネウスに対して興味を向けて居らず!…ただ一点に傷口を見ては

今だシロに対して手を差し向けて居り!…シロもやっとで湿布を見つけ出し

それをマサツグに手渡すと、マサツグはフィロネウスに何も言わずその湿布を

塗布する!…


__バリッ!…ピトッ…


「ッ!!!…ひょおおおぉぉぉぉ!!!♥」


「ッ!?…な、何だ!?…急に変な声上げて!?…」


{ゆ、夢心地じゃあ♥…}


何の躊躇いも無くフィロネウスの青痣にその湿布を塗布すると如何だろう!…

フィロネウスはマサツグに診て貰って居る事で悦に入っていたのか、そこへ

突如湿布を塗布された事で更に驚き戸惑い!…思わず何とも言えない奇声を

上げると、その奇声にマサツグとシロは驚いて見せる!…今まで誰からも

聞いた事の無い声に若干引き気味で…しかし肝心の本人はそれが良かったのか

更に何処かへトリップしており!…頭の中はお花畑になったようその表情を

ヤバいモノへと変えそうになって居ると、空気を読んだかの様に怨霊が襲って

来る!…


__ガサァ!!…オオオオオォォォォォ!!!!…


「「ッ!?…」」×2


__バババッ!!!……ズザアアアアァァァ!!!…オオオォォォ!!!…


「ッ~~!!!…ぶねぇなあ!!……にしても…

よくアレを回避出来たなフィロネウス?…意識が飛んでた様に見えたが?…」


案の定マサツグ達が油断をして居る所へ奇襲を掛け!…マサツグとフィロ

ネウスも途端にハッと我に返ると、すぐさまバックステップやバク転で

回避をする!…するとそんな避けた二人の間を駆け抜けるよう怨霊が通り

過ぎて行くと、もはや獣が如く四足歩行で地面を滑り!…マサツグ達に

対して威嚇をするよう唸り出すと、マサツグも危なかったとばかりに言葉を

漏らす!…その際フィロネウスが意外と回避出来た事に驚くと、徐に声を

掛けるのだが…フィロネウスからは先程の様子は消えて居り、ただ怨霊に

対してやはり怒りを覚えた表情を浮かべると、睨みを利かして居た!…


{…クッ!!…何処までもわっちの邪魔をする愚か者よ!!…

…ッ!!…ッ~~~!!……こうなれば手段は選んで居れん!…

ちぃっとばかし癪だが!…あの白いのに協力を求めるか!…}


「……おい白いの!!…わっちに手を貸せ!……ッ!?…」


「ご主人様!!…あのお化けさんに近付いて下さい!!!…

もう一発真空撃を叩き込んでやるです!!!」


「ッ!?…急にやる気満々マン!?…」


身構える怨霊に対してフィロネウスも分の悪さを感じ!…更に怒りを覚えた

様子で潰す事を考えると、ただ腹部の痛みに耐えて見せる!…そしてフィロ

ネウスとしても抵抗が有る様子で作戦を考えるのだが、もう悩んでは居られ

ないと!…徐にシロへ協力するよう声を掛け出すのだが、その肝心のシロは

と言うと!…マサツグの頭を叩いては肉薄するよう訴えていた!…これが

先程まで目の前の怨霊に怯えて居た子狼の姿かと考えると、到底信じられる

ものではなく!…とにかく何かに対して怒りを燃やし!…マサツグもフィロ

ネウス同様そのシロの変わり様に驚いて居ると、先に怨霊が動き出す!…


__オオオオオォォォォォ!!!!…バシュン!!!…


「ッ!?…向かって来た!?……えぇい、こうなりゃ!!」


__グオオォォ!!!…ガキイイィィン!!!!…


「グッ!!…一か八かああぁぁ!!!!」


今だ怨霊の手には大剣が握られており!…真っ直ぐマサツグ達に向かい

走って来ると、四足歩行ながらに器用なまでの大剣の振り被り様を見せる!…

当然そんな怨霊の攻撃具合を見てマサツグも驚くのだが、驚いている暇など

勿論なく!…シロに肉薄するよう言われた事も有り、もはや考える事すら

面倒になった様子でシロに攻撃を一任すると、真っ向から鍔迫り合いに

発展させる!…すると辺りにはまた激しい金属音同士がぶつかる音が響き、

シロも若干怯み!…だがマサツグもシロの心配をして居られるほど余裕はなく!…

叫ぶ様にしてその怨霊と対等の押し問答をして居ると、シロは怯みから

復帰するなり動き出す!…


「ッ~~~!!!……うぅ~耳がジンジンするのです!……でも!!」


__スチャッ!!!…コオオオオォォォ!!!…


「負けてはいられないのです!!!」


自身の耳を押さえつつ首を左右に振り!…文句を零すよう耳の不調を訴えるが、

次にはそれを乗り越えた様子でまた自身の手に風を集める!…その際怨霊の

どてっ腹に一撃加えた時同様、真空玉を作り出し!…すかさず最初の時同様

マサツグの腹部まで降りて行き、今度は腹部に届かないのでマサツグを踏み台に

するようその怨霊の顎目掛けて真空玉を押し付けるよう飛び出すと、さすがに

二度目は無いのか怨霊も動く!…


__ッ!?…ガキイィン!!…バッ!!…カッ!!…バシュウウゥゥゥン!!!…


「ッ!?…そんな!?…」


「ッ!?…いやでもナイスだ!!!」


シロが自身の顎に向かい飛んで来るのを見つけたのか、怨霊は慌てて

マサツグを弾き!…そして飛んで来るシロに対して迎撃を繰り出そうと

するのだが、シロは既に間近まで迫っており!…何なら迎撃する事など

最初から無理の距離で競っていた為!…慌てて大剣を滑らせガードの

方向へ無理やり持って行くと、そのシロの真空撃は大剣によって防がれる!…

すると当然シロもそれを見て攻撃が入らなかった事にショックを受ける

のだが、怨霊の方もただでは済まなかった様で!…真空撃を受けた大剣は

怨霊の手からすっぽ抜けると思いっきり宙を舞い!…得物を失った事で

怨霊は戸惑い!…マサツグもそれを見てシロを褒める様に言葉を掛けると、

慌てて大剣を構え直す!…そしてそのタイミングを失わないよう続いて

攻撃を繰り出そうとするのだが、それよりも先にフィロネウスが息を整えた

様子で一度落ち着きを見せると、何を思ったのかマサツグに飛び付く!…


__……ふぅ……ンバッ!!…ガシッ!!…


「ッ!?…フィ、フィロネウスさん?…」


「ッ!…あぁ~~!!!

そこはシロの特等席なのです!!」


「喧しい!!!…わっちもまだこの体に慣れて居らんのじゃ!!!

ッ!!…ッ~~~!!!…お陰であの程度の攻撃でこの様じゃ!…

やい白いの!!!…わっちに手を貸せ!!…

コイツを一撃に葬ってくれようぞ!!…

…正真正銘!…本当に一撃をな!!…」


突如フィロネウスが後頭部に飛び付いて来た事でマサツグは戸惑い!…後頭部に

張り付いたフィロネウスへ視線を向けようとすると、背後からは若干息を切らした

様子で吐息が聞こえて来る!…そしてその様子をシロも体勢を立て直した直後で

目撃すると、すかさずフィロネウスを指差しては文句を言い!…だがフィロネウス

も黙ってはいられないと!…逆にシロに対して文句を口にし始めると、改めて

協力する様に呼び掛ける!…その際フィロネウスも本当に本気なのか、その目は

いつもと違って真剣みを増しており!…シロもその視線を向けられた事でピクっと

反応して見せ!…怨霊も大剣を吹き飛ばされた事で今だ慌てた様子を見せて

居ると、シロはマサツグに向かい飛び付いては返事をする!…


__……ふぅ……ンバッ!!…ガシッ!!…


「…っで、何をすれば良いのですか?」


「ッ!…簡単な事じゃ!!…さっきの風撃をもう一度作り出し!…

あやつの何処でも良い!…喰らわせてやるのじゃ!!…

その際わっちも力を貸す!!……抜かるでないぞ!!…」


シロは一旦落ち着く様に軽く溜息を吐くと、マサツグの腹部に飛び付き!…

そしてフィロネウスに対して顔を上げるとその強力要請の内容を聞き出し!…

フィロネウスもシロが乗り気になった事で若干目を見開き反応すると、次には

いつもの様に不敵に笑ってはその作戦を伝える!…何でもシロにやって欲しい

のは先程の真空撃らしく、狙いは何処でも良いと!…その際フィロネウスも

協力するとシロに言い聞かせ!…最後にシロを信頼した様子で後は任せるよう

言葉を残すと、その話の一部始終を聞いて居たマサツグは肩を落とす!…


「ッ!…っとなると俺はもう一回突貫しないといけない訳ですか…

ハアァ~……」


「ッ!…スマン、マサツグ!…しかしこれで正真正銘最後じゃ!!…

このわっち!…フィロネウスの真の実力を見せてやるとしよう!!…

この成りになってもまだこの程度の怨霊如きに!!…

後れを取る訳には行かんのじゃ!!!」


__グゴゴゴゴゴ!!!……オオオオオォォォォォ!!!!…バシュン!!!…


話の内容を聞く限りまず間違いなくマサツグが足係で…更に二人を抱えて肉薄する

となると、心労が溜まり!…思わず理解した反応で言葉を呟き溜息を吐き…そんな

マサツグの様子にフィロネウスも困惑した調子で謝ると、それも最後と再度言葉を

口にする!…その際自身のプライドを掛ける様な事を続けて口にすると、その手に

炎を宿し!…その一方で怨霊も剣が飛ばされた事で再度生成!…今度は二本生成

すると両手に持ち!…マサツグ達に対し唸って見せると、フィロネウスも驚きを

露わにする!…


「ッ!?…チッ!!…剣を飛ばされた事で新たに作ったと言うのか!!…

しかし!!!…」


__スッ…シュンシュン!!…コオオオオォォォ!!!…


「フィロネウス!!!」


「ッ!!…その玉をわっちに伸ばせ!!!」


まるで獣の様な構え方で大剣を二本!…しかしそれでもフィロネウスは勝てる!と

ばかりに言葉を口にすると、怨霊の事を睨んでおり!…その一方でフィロネウスの

指示を聞いてシロは真空玉を生成!…マサツグの腹部にしがみ付いたままフィロ

ネウスに出来た事を伝えるよう名前を呼ぶと、フィロネウスもそれに反応して更に

指示を飛ばす!…この時その真空玉に向かい手を伸ばすと、シロもフィロネウスに

向かい真空玉を近付け!…するとフィロネウスはその真空玉に炎を纏わせ!…更に

何か呪文の様な物まで唱え出すと、その真空玉を凶悪な兵器に変えてしまう!…


__ババッ!!…スッ…


「《浄破の炎宿りて悪を滅す!…彷徨える魂に道標の炎を!…

転生の輪を潜りで出でる物!!…汝、帰るべき道を見つける事給う!!…

これにて俗世との縁を切らん!!!…》」


__カシュッ!!…ぱあああああぁぁぁぁ!!!…ッ!?………


「…白いの!…後は任せたぞ?…」


恐らくフィロネウスはシロの真空玉に炎をエンチャントしたのだろう…だがその

エンチャントした炎は如何にも普通ではなく!…明らかに眩しい程白光しては

まるで太陽の様に輝いて居り!…しかし熱も何も感じない!…ただ眩しく輝いて

いるだけの真空玉にシロも驚いた具合でその真空玉withフィロネウスファイアー

に目を向けて居ると、フィロネウスはシロに後の事を任せ始める!…その一方で

怨霊も様子が可笑しい事に気が付いたのか、マサツグ達が身構えるよりも先に

動き出し!…マサツグもそれに合わせて途端に反応!…何を思ったのか徐に大剣

から刀の二刀流にスイッチ換装すると、怨霊を迎え撃つ!…


__ッ!?…オオオオオォォォォォ!!!!…ババッ!!…


「ッ!!……よし!…」


__……ザスンッ!!…チャキッ!!…ババッ!!!…


「ッ!?…マ、マサツグ!?…」


この時マサツグは刀にスイッチ換装する際あるモノを目にして自信を持ち!…

先程まで握っていた大剣を徐に自身の隣に突き刺すと、腰に佩いている

刀に手を掛ける!…そして真っ向から勝負をするよう駆け出して行くと、

当然その様子にフィロネウスは戸惑い!…幾らマサツグとは言え大剣を

二本!…刀で如何にか出来る!…ましてや受け止められる筈が無い!と

思うと名前を呼んで止めようとするのだが!…マサツグは構わず突っ込んで

行くと、その怨霊を自身の攻撃間合いに入れた瞬間抜刀する!…


__オオオオオォォォォォ!!!!……ッ!!…チャキッ!!…


「ここだあぁ!!!」


__ヴオン!!!……キイイイィィィン!!!!……


「ッ~~~~!!!!……ッ?…あ、あれ?……ッ!?!?…」


互いに相手を自身の攻撃間合いに入れると剣を振り抜き!…マサツグも

タイミングを掴んだ様に抜刀すると、この時フィロネウスは被弾を覚悟する!…

幾ら何でも蛮勇過ぎる!…そう思い目を閉じマサツグの頭をギュッ!と抱き

締めるのだが!…次に聞こえて来たのは剣が振り下ろされた音と何かが弾かれる

軽い音で!…衝撃等は全くなく!…フィロネウスも何で?…と言った様子で次に

目を開くと、そこでトンデモナイ光景を目にする!…それは先程まで怨霊の手に

握られていた筈の大剣が、刃が無くなった状態で振り下ろされて居るからで

あり!…その肝心の刃は何故か宙を舞って居り!…マサツグも刀を振り抜いた

状態で無傷にそのまま突っ込んで行くと、脚を思いっきり踏み込んでは追撃を

繰り出す準備を整えて居たからである!…そんなマサツグの攻撃にフィロネウス

も何があった!?…と言った様子で戸惑って居ると、マサツグは勢いのままに

斬り掛かる!…


「ウオオオオオオオォォォォォォォ!!!!」


__ズバシュン!!…ドシュン!!…ズババババシュン!!!……ッ!?!?…


「…切り目はこんなもんで良いか!?…シロ!!!

行ってこぉい!!!」


「はいです!!!」


まるで自身を独楽に見立てて回転すると腕を斬り!…更に回転するとその怨霊の

胸に向かいまるでステーキの切り目の様に!…猫に引っ掛かれた様な深い傷を

入れると、怨霊を怯ませる!…その際最初に斬った腕はまるで神経を斬られた様に

ダランとさせると、もはや防御をする事も敵わなくなっており!…マサツグも

それを見てチャンスと受け取り!…シロに止めを刺すよう指示を出すと、シロは

勢いよく飛び出して行ってはその怨霊の胸に向かい真空玉を押し付ける!…


__ババッ!!…ダンッ!!…ッ!?…


「これで終わりです!!!

やあああぁぁぁ!!!!」


__カッ!!…バシュウウゥゥゥン!!!…コオオオオオォォォ!!!…


怨霊に向かい飛び出して行く際もシロは先程のマサツグの事を配慮に居れてか!…

やはりマサツグを踏み台にするも一度地面に着地をし、そこから怨霊の腹部目掛けて

真空玉を押し付け!…怨霊もそんなシロの様子に戸惑い如何する事も出来ないまま

固まって居ると、次の瞬間シロの真空玉が炸裂する!…この時炸裂した真空玉は

怨霊の膨れ上がった体を難無く打ち上げて見せると、それは高く高く打ち上り!…

マサツグもそれを見上げて関心を示し、フィロネウスもこれで終わったとばかりに

微笑み出すと、自身とシロの技に名前を付ける!…


「……技名を付けるとするならそうじゃな?…

さしずめ…〈俗世断ち一尺玉・彼岸花〉…と言った所かえ?…」


__カッ!!!…チュドオオオォォン!!!!…


「ッ!?…おおおぉぉぉ~~~!!!」


「……た~まや~、とでも言えば良いのか?」


フィロネウスが名前を付けては打ち上げられた怨霊に目を向け…すると丁度

タイミングが良かったのかその名前の通りに真空玉が更に炸裂すると、それは

花火の様に爆発する!…それもフィロネウスが名付けた通りに宙に彼岸花が

咲いて広がると、シロは大喜びで跳ねて見せ!…マサツグはマサツグでそんな

花火が上がった事に驚き呆れ…フィロネウスにツッコミを入れるよう思わず

言葉を口にして居ると、フィロネウスはマサツグに笑って見せる!…


「ッ!…くっふふふふ♪…

戦う中にも美しさを!…それがわっちのモットーじゃ♪…」


__……バラバラバラバラ!…


これがフィロネウスの真骨頂とばかりに笑って見せると、自身のモットーを

マサツグに話し!…マサツグはマサツグでそれを聞いて呆れて笑い…昼間だと

言うのにその花火が見えた事で空を見上げて居ると、突如上空より何かが

降って来るのを目撃する!…その際お子様にはまだ早い…いや、それ以上に

ヤバイ映像が落ちて来たのか!?と考えると、慌ててシロを回収しようとする

のだが!…マサツグが気が付いた時には既に間に合わず!…その降って来た

モノが散乱するよう地面に弾み転がって見せると、その正体を露わにする。

そしてその正体と言うのは戦利品のアイテム達で!…アイテムが降って来たと

言う事は無事倒す事が出来たと言う事であり…マサツグも危うく映せない絵に

悩まされるところだった!と安堵すると、一息吐く…


「ッ!?……何だアイテムか……てっきり俺は放送事故かと…」


「……さすがに跡形もなく吹き飛んだようじゃな?…

とにかく!…これで…ッ!!…ッ~~~!!…

な、何とか休めそうじゃな…」


__…フラァ…ッ!?…ガシッ!!…


「フィロネウス!!!…大丈夫か!?…」


降って来たのがアイテムだと言う事に安堵し…マサツグが一息吐いて居ると、

フィロネウスも跡形も無く吹き飛ばせた事に安堵する。そして安心した事で

ドッと緊張が解れたのか、改めて腹部の痛みに表情を歪め!…疲労感も出て

来たのかフィロネウスは若干フラ付き!…それでも何とか耐えようと頑張る

のだが、やはり耐えれなかった様子でマサツグの肩から落ちそうになる!…

この時マサツグもフィロネウスの異変に気が付いた様子で振り返ると、

落ちそうになって居るフィロネウスを慌てて受け止め!…次には心配した

様子でフィロネウスに声を掛け!…シロもそのアイテムを集め終えてマサツグの

所に戻って来ると、同じ様にフィロネウスの顔を覗き込む!…


「ッ!…ご主人様!!…フィロネウス!!」


「ッ~~~!!…なぁに死にはせん!…

ただ少しばかり力を使い過ぎただけじゃ…

…はあぁ~…あの様な怨霊如きにこのような様!…

ほんに泣けて来るのじゃ!…」


「……仕方がない!…フィロネウスは俺がおんぶするとして!…

シロはもう歩けるか?…」


「ッ!…は、はいです!」


「ッ!…よし!…じゃあ急いでアヤの後を追い駆けよう!…

何事も無いとは思うんだが…心配な事には変わりないからな!…」


シロがフィロネウスの顔を覗き込むとそこには眉間にしわを寄せて苦痛の

表情を浮かべる様子が…そんな心配をするマサツグとシロにフィロネウスは

強がるよう大丈夫と言うと、単に張り切り過ぎたと軽口を叩いて見せる…

しかしそれでもショックな事には変わりないのか、怨霊に手こずった事を

不覚に感じて居り!…そしてやはり痛い事には変わりないのか眉を顰め!…

マサツグもその様子を見て歩かせる事は出来ないと判断すると、フィロネウスを

おんぶする事を決める!…その際シロに歩けるかどうかについて尋ねると、

シロは戸惑いながらも返事をし!…マサツグはそれを聞いて安堵して見せ、

シロの頭を撫でつつアヤの心配をすると、森の奥に視線を向けるのであった!…

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貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

『山』から降りてきた男に、現代ダンジョンは温すぎる

暁刀魚
ファンタジー
 社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。  なんと現代ではダンジョンと呼ばれる場所が当たり前に存在し、多くの人々がそのダンジョンに潜っていた。  食い扶持を稼ぐため、山で鍛えた体を鈍らせないため、ダンジョンに潜ることを決意するコウジ。  そんな彼に、受付のお姉さんは言う。「この加護薬を飲めばダンジョンの中で死にかけても、脱出できるんですよ」  コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。  かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。  もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。  なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。  カクヨム様にも投稿しています。

【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?

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【Hotランキング3位】  ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。  見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。  大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!  神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。 「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」

魔力ゼロの英雄の娘と魔族の秘密

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魔法が支配する世界で、魔力を持たない少女アリア・マーウェラ。彼女は、かつて街を守るために命を落とした英雄的冒険者の両親を持ちながら、その体質ゆえに魔法を使えず、魔道具すら扱えない。しかし、彼女は圧倒的な身体能力と戦闘センスを武器に、ギルドでソロ冒険者として活動していた。街の人々やギルド仲間からは「英雄の娘」として大切にされつつも、「魔力を捨てて進化した次世代型脳筋剣士」と妙な評価を受けている。 そんなある日、アリアは山中で倒れていた謎の魔法使いイアンを助ける。彼は並外れた魔法の才能を持ちながら、孤独な影を背負っていた。やがて二人は冒険の中で信頼を深め、街を脅かす魔王復活を阻止するため、「カギ」を探す旅に出る。 しかしイアンには秘密があった。彼は魔族と人間の混血であり、魔王軍四天王の血を引いていたのだ。その事実が明らかになったとき、アリアは「どんな過去があっても、イアンはイアンだよ」と笑顔で受け入れる。 過去に囚われたイアンと、前を向いて進むアリア。二人の絆が、世界を揺るがす冒険の行方を決める――。シリアスとギャグが織り交ざる、剣と魔法の冒険譚!

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2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
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俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

なんとなく歩いてたらダンジョンらしき場所に居た俺の話

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岩崎理(いわさきおさむ)40歳バツ2派遣社員。とっても巻き込まれ体質な主人公のチーレムストーリーです。

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