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-第三章-サマーオーシャン連合国-エルフの国編-
-第三章八十七節 霊魂彷徨う園と意外な除霊法と怨霊騒ぎの終わり-
しおりを挟む負傷したフィロネウスをマサツグが背負い、シロと手を繋ぎアヤの後を追って
森の奥へと進み出す!…やはりこの森にはあの怨霊以外に他のモンスターは
居ない様で、全く会敵する事無く先を進み!…それでも不気味な事には相も
変わらず!…居る筈の無い気配に警戒をしつつフィロネウスの様子を見ながら
辺りを見回して居ると、徐々に開けた場所へと辿り着く。そこはまるでBOSS戦
マップの様に!…広場の様な場所に一本の樹が生えて居り!…それもこれ見よ
がしに他の樹より大きく育ってはその根元付近にアヤが立って居るのを見つける
のであった。
__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ……ッ!…
「……如何にもって所に出て来たな?…」
「…ッ!…ご主人様、アヤお姉ちゃんが!…」
------------------------------------------------------------------------
「不帰の森奥地・怨念樹の園」
過去の大戦に置いて敗走した兵士達…及び国を追われた者達が最後に
逃げ込んだとされる森の奥地に有る広場。その広場の中央には一本の
樹が高々と聳え立っており、まるで死んで逝った者達の墓標の様に
鎮座して居る。そして周りは黒く変色した木々が生えて居るにも
関わらず、辺り一帯には不気味なほど美しく咲く花で埋め尽くされて
あって…一体何が如何なってこの様な奇妙な光景になったのかは不明
とされており、一説によると人の死骸を糧としてその花は咲いたと
されている。その花は鎮魂を意味するのかはたまた生きたいと願った
者達の具現の結晶か?…絶望の炎に捲かれし者達の末路と噂されて
いる。
------------------------------------------------------------------------
{ッ!………うわぁ…物悲しい案内まで出て来た…
でも確かに妙だな?…何でここだけ花が咲いている?…}
アヤはその広場の樹の根元で傅くよう蹲ると、まるで祈りを捧げる様に
微動だにせず!…そんなアヤの様子を見てシロも指を差して見つけた!
と言い…シロに引っ張られる様にしてマサツグ達がそのアヤの所へ
向かおうと広場に足を踏み入れると、マサツグの目の前にはいつもの
案内が表示される!…そこに書かれて有ったのはあの森の途中に出て来た
案内の答えの様な文章で、結局は救いは無かったと!…その文脈を見る
限り真面な死に方をして居るとは思えず…マサツグもその案内を読んで
花が咲いている事に疑問を覚えて居ると、遂にマサツグ達はアヤとの
合流を果たす。
__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ……ッ!…
「……マサツグ、来たのね!……ふぅ、よかったぁ~」
「…ここは?」
「……過去の大戦で亡くなった人達の最後の安息の地って言った所かしら…
…少なくともここにはまだその霊魂が残っている…
今だ迫り来る炎の恐怖に怯える人…自身が死んだ事にただ悲しむ人…
自分達が迫害されて怒りを覚えた人…それは人様々……
…そんな霊魂達を少しでも成仏させようと祈って居たのだけど…」
アヤの背後から近づいて行くと、アヤもマサツグ達の足音に気が付いた様子で
スッと立ち上がり…そしてマサツグ達に振り返って見せると物悲しそうな表情を
見せ、とにかくマサツグ達が無事だったと言う事に安堵すると、胸に手を当て
落ち着き始める。そんなアヤの様子にマサツグもホッと安堵すると、アヤに
何をして居たのかを尋ねる様に、この場所について質問をし!…するとアヤは
この場所の事を安息の地と語り出し、自分はここでそんな霊魂達を成仏させて
居たと話すと、再度その中央の樹に目を向ける。
「……如何やらこの樹がここの霊魂達の依り代みたい!…
でも私一人だけだととてもじゃないけど浄化し切れなくて!…」
「……なるほどねぇ?」
「……未練を持った霊と言うのは厄介じゃ!……言うなれば…
それは嫉妬に狂った執着質な女と言うべきか?…」
「ッ!…フィロネウス起きたのか!……具合は?…」
樹に手を伸ばして徐に優しく撫で始め…まるで労わる様な素振りを見せると、
話を更に続ける。何でもその霊魂の依り代がその中央の樹であるらしく、
浄化をするにしても規模が大きいと!…一人では出来ない!とまるで自身の
力量が無い事を悔いる様に話し出し!…フィロネウスも話を聞いて居たのか
突如会話に参加をすると、怨霊の事をストーカーの様に言う!…その際祓う
にしても一筋縄では行かないと面倒臭そうに説明をし、何かコツが有る様にも
言い…フィロネウスが目を覚ました事でマサツグも心配した様子で声を掛け!…
フィロネウスにその具合を尋ねると、フィロネウスはやはり強がる様に
返事をする…
「大丈夫じゃと言うとるに!!……マサツグが貼ってくれた湿布のお陰でな!…
とは言え…一度あの様に爆散した事で次に出て来るのは当面先になる事じゃろう…
怨霊が形を成すのは時間が掛かる…
その隙にこの場所の事を何処かの坊主やあのシャーマンとやらに伝えてやれば…
気休め程度には祓いはするじゃろう…」
「……そう言うモノなのか?…」
「そう言うモノじゃ…人の怨念と言うのはある種最悪の敵じゃて…
完全に消滅させる事はほぼ不可能に近い!…
ましてや相手は未練を残した怨霊達!…
一つ二つ程度なら何とか出来るじゃろうが……まぁ、数が多過ぎる…
不可能じゃろうて……こういうのは専門にやって居る奴に任せるに限る…」
マサツグに背負われ腕を振り上げながら文句を言い!…マサツグが貼ってくれた
湿布のおかげ!…と感謝の言葉を口にすると、照れ臭そうに口籠る!…その際
先程戦った怨霊について次に姿を現すのに時間が掛かる事を説明すると、続けて
この場所の対処法について話し!…マサツグはその話を聞いて戸惑い気味に
聞き返し!…そのマサツグの問い掛けに対してフィロネウスもそれしか無い!と
言った様子で返事をすると、更に話を続ける。そして次に話し出したのはその
怨念の在り方についてであり、フィロネウスはそれを払うのは無理と言い!…
程度が低ければ出来るがここは無理!と!…ハッキリ言っては諦める様に呼び掛け、
あとは別の者に仕事を押し付けるよう言葉を口にすると、その話を聞いたアヤは
若干考える…
「……お母様に言って聖歌隊でも呼べないかしら?…」
「ッ!…はぁ?…何を言って居るのじゃ?
歌如きで如何にも!…」
「いや…何と言うか……ここの怨霊?…霊魂達は皆一様に歌を歌ってて…
さっき私もそれを口遊みながら祈ってたんだけど…」
「……ッ???…ますます意味が分からん!!…
…因みにどの様な歌なのじゃ?…」
「ッ!…え?…えぇ~っと、確か…ッ~~♪…」
アヤはふと思いついた様子で女王様に協力を要請する事を考え!…その際
聖歌隊を呼ぶよう何やら仰々しい事を言い出すと、そのアヤの言葉にフィロ
ネウスがツッコミを入れる!…この時更に続けてアヤに何故歌?と質問を
すると、アヤは戸惑った様子で答え出し!…自身が除霊をして居た際も
口遊んで居た事を続けて話し!…それを聞いてフィロネウスも更に困惑した
様子でツッコミを続けると、マサツグの背に隠れながらも両手を上げる…
しかしその歌には興味を持ったのか、続けてアヤにその歌について尋ね!…
するとアヤは戸惑いながらもその歌を口遊み始め!…その歌を聞いてかシロが
徐にピクっと反応すると、次には何故か踊り出す!…
__ッ!……クルリッ♪…タッタッ♪…クルリッ♪…タッタッ♪…
「ッ!?…シ、シロさん!?…」
「……これ!…ご主人様のしゅっしょ?…
…とにかく出て来る時にミスティーお姉ちゃんが踊ろうとして居た
踊りの歌に似てるのです!…」
「ッ!?…しゅ!…出所って!!…まぁ、確かに投獄されていたが…
てかそれよりもそれって?…」
突如シロが踊り出した事でマサツグは戸惑い!…一体何があったのか!に
ついて尋ねると、シロはステップを踏みつつマサツグに答える!…その際
シロは若干言葉の意味に悩んだ様子で言葉を口にすると、このタイミングで
ミスティーの名前を口にし!…そのシロの言葉にマサツグは更に戸惑って
驚き!…しかしそれを置いといて改めてそのミスティーの名前が出て来た事に
疑問を持ち始めて居ると、ふとフィロネウスが思い出した様子でこう呟く!…
「……ッ!…そう言えば?…確かこの地には混成の集落があった筈…」
「ッ!…え?…」
「大戦が起きる前の事じゃが…この地には隠れた集落が幾つも有り…
その中でも確かここにはエルフと獣人達が共に暮らす集落があった筈じゃ…
…まぁ、今となってはもはやただの森となって面影も残っとらんが…
…そう言う事か…」
「……じゃあここに居るその霊魂って…」
フィロネウスが思い出した事と言うのは忘れ去られた集落の事!…マサツグも
フィロネウスの言葉に反応を示し!…その話を聞くよう戸惑い気味に言葉を
漏らして居ると、フィロネウスはその事を思い出す様に話し出す!…何でも
この森にはかつて集落があったらしく、そこにはエルフと獣人達が共存して
居たとか!…しかし大戦によってそれも認められなくなったのだろうか…
燃やされ亡骸となり今の様に亡霊となってこの森を彷徨って居ると…容易に
想像が出来てしまうと、マサツグも理解した様子でその中央の樹に視線を
向ける!…やはり事のきっかけは覇権争いの大戦に有るらしく、これには
如何しようもないと…ただシロがアヤの歌に合わせて踊っている間、その場は
不思議と先程までの嫌な雰囲気が消えては無くなり…何処からかともなく
澄んだ風が流れて来ると、辺りに咲いていた花を散らす!…
__……スウゥゥ!…ビュウウゥゥ!!!……ブワアアァァ!!!…ッ!?…
「ッ!?……か、風?…てかこれは?…」
突如吹いた風は花を散らし!…その散った花びらが宙を踊るよう同じく踊る
シロに優しく降り掛かると、まるで祭事の様な華やかさを演出する!…フィロ
ネウスが話をしている間、シロはずっと踊っており!…それはまるでベリー
ダンスの様でも有りアラビアンダンスの様でも有り…バレーの様でもあり三様を
見せると、とにかくクルクルと楽しそうに踊って居た!…その際アヤもそんな
シロの様子を見て何かを感じ取ったのだろうか、ただその霊魂から聞こえて来る
歌を歌い続け!…そしてこの様な場面に遭遇しては目を見開いて見せ!…思わず
歌う事を止めてしまいそうになるのだが、ハッと気が付いた様子で何故か歌を
歌い続けて居た!…この時マサツグも突然の風に驚いた様子で言葉を零すと、
その目の前のシロの光景を目にしては更に驚き!…フィロネウスもフィロネウスで
マサツグの背中から顔を覗かせ、その光景を見てまるで奇跡が起きたかの様に
言うと、更に続けて気になる事を口にする。
「…花びらが宙を舞っておるな…まるで…
まるで踊り子を彩るかの如く!…称えるかの様に!……ッ!…
その為にここに花が植えられて有った様にも感じるな?…」
「ッ!…え?……ッ!…は、花が!?…」
「萎れて居るな…まるでこの時の為まで咲いて耐えて居たかの様に…
…萎れ具合からして約数十年と言った所かの?…普通ではまずあり得んが…」
フィロネウスの言葉を聞いて当然マサツグも反応し、フィロネウスに視線を向け…
するとフィロネウスはマサツグに対して無言で地面を指差し!…マサツグもそれに
気が付いて地面に視線を向けると、そこで花の様子が可笑しい事に気が付く!…
それは花びらが全部散っては坊主の状態で残っている花の様子で、全てが全て
萎れて居り!…風が吹いただけにしては恐ろしく萎れてはカサカサになって残って
居て!…少しでも触れるとボロボロに崩れ落ちてしまいそうな位に枯れている
事であった!…そしてシロの周りの花はと言うと、先程の風に対してビクとも
して居らず!…その様子に勿論マサツグは慌ててふためき!…フィロネウスも
冷静にその花の萎れ具合を観察すると、有り得ないと零す!…さてその霊魂達の
歌も佳境を迎えて来たのか、アヤも〆に入り!…シロもシロとて踊り狂い!…
まるであの時見せられなかったミスティーの代わり!と言った様子で踊り続ける
と、遂に終わりを迎えようとして居た!…
__ッ~~~♪…ッ~~~♪……クルリッ♪…タッタッ♪…
「……ッ!?…何と!…」
「ッ!…何!?…如何したんだ!?…」
「……入口の方に視線を向けてみぃ?…」
「……入口?…」
いよいよその踊りと歌も終わりを迎えようとし始め!…マサツグ達ももはやただ
その様子を見守って居るだけに固まって居ると、フィロネウスはふとある気配に
気が付いた様子で反応する!…そして思わず驚いた様子で言葉を漏らすと、
マサツグも機敏に反応し!…一体何があったか?について慌てた反応で尋ねると、
フィロネウスはその自分達が広場に入って来た出入り口を見る様に返事をする!…
その際顎で指し示すよう顔をクイっとやると、マサツグも素直にその方向へ視線を
向け!…するとそこには先程倒した筈の怨霊がまた姿を現しており!…当然それを
見てマサツグも驚き武器を構え出そうとすると、フィロネウスが慌てて止めに
入る!…
__オオオオオォォォ……ッ!?…チャキッ!!…
「ッ!?…ま、待つのじゃマサツグ!!…まだ手を出すでない!!!…」
「ッ!?…何で止めるフィロネウス!!…また襲われでもしたら!!…」
「よく見てみぃ!!…奴の様子を!!…」
背中に背負われて居ながらもフィロネウスはマサツグの腕を掴んで止めに入り!…
マサツグも止められた事で更に慌てると、襲われる事を懸念して文句を言う!…
しかしそれでもフィロネウスは首を左右に振ってやはり止めに入り…改めてその
怨霊の様子をよく見る様に言うと、落ち着かせる様に腕を引っ張る!…そんな
フィロネウスの様子にマサツグも戸惑った反応のままフィロネウスに視線を向け
続けると、言われた通り一度落ち着いては刀から手を離し…その際警戒しつつも
怨霊に視線を向け、一体如何言う事なのかとそのフィロネウスの言って居る言葉を
意味を確かめ始めると、驚くべき光景を目にする!…
__……オオオオオォォォ……ポロッ…ポロッ…
「ッ!?……え?…な、泣いてる?…」
「…襲って来た怨霊もこれが最後に見たかった光景なのかもしれん!…
もはや奴の気配からは敵意も感じぬ…
そっとして置けば直に霧散するじゃろうて…」
「………。」
マサツグがその怨霊の様子を確認すると怨霊の目から涙が…特に声を上げて
泣いて居ると言った訳では無いのだが、ただポロポロと頬を涙が伝い!…
ジッと踊るシロの事を見詰めては襲う事無く立ち尽くして居た!…当然そんな
泣いて立ち尽くして居る怨霊の姿を見てマサツグが戸惑った様子で言葉を
口にして居ると、フィロネウスは相手にする必要は無いと…放っておいても
時機に消えるとマサツグに言い、ただ構わない事を勧めるよう言葉を口に
すると、マサツグも無言で納得したようジッと怨霊を見詰める…この時怨霊の
姿はマサツグの形をして居らず、元の人影の状態に戻っており…ただ静かに
泣いては徐々にその体を崩壊させ、フィロネウスの言う通りまるで灰になって
消えるようその姿を消して行こうとして居ると、ふと何処からともなく
何者かの声が聞こえて来る…
__……ありがとう……
「ッ!?…え?…」
__サアアアァァ………
「…今なんて?……」
その声は怨霊の方から聞こえて来た様な気がした…突如お礼を言われた事で
マサツグは戸惑い!…目をパチパチとさせながらその怨霊の事を更に凝視して
居ると、怨霊はフィロネウスの言う通りに姿を消す。その際煙になって消える
よう黒い靄は天に昇り…それはまるで成仏した様にも見えるのだが、今は
それよりお礼を言われた事に対して戸惑った反応を見せて居ると、フィロ
ネウスは終わったとばかりに語り始める。
「…如何やら礼を言われた様じゃな?…
自身が怨霊となりてこの地を荒らして居たのを解放し…
また憎しみに駆られていた自分から解放してくれた事で礼を言ったのじゃろうが……
誠に面倒極まりないのぅ?……まぁそれも今終わった事じゃが…」
__ッ~~~♪……タン♪………
「……ふぅ!…ご主人様!!
見ててくれましたか!?」
「ッ!?…うぇ!?……あ、あぁ!…
そうだな!…上手だったぞぉ?…」
「……ふぅ…何と無くシロちゃんから神聖な気を感じて歌い続けて居たけど…
まさかアレを除霊するなんて!……これも何かの偶然かしら?…」
怨霊が消えた事で終わったと語り…そしてシロとアヤの歌と踊りも終わりを
迎える。最後にシロがポーズを取って踊りを〆ると、不思議と辺りの空気が
軽くなった様に感じられ!…シロはシロで踊り切った事でマサツグに感想を
求め出し!…その問い掛けにマサツグも戸惑った反応を見せると、誤魔化す様に
言葉を口にしては、シロの頭に手を伸ばす…そしてシロの頭を撫でながら
これ以上質問が飛んで来ない様に可愛がって居ると、アヤも歌い終えては
一息吐き…アヤ自身もシロに可能性を感じて歌い続け!…まさか除霊が出来る
とは思っても居なかった様子で静かに驚きを露わにして居ると、マサツグの
目の前にはある言葉が表示される。
__ピロォ~ン♪
----------------------------------------------------------------------------------
隠し要素「悲しき過去の残痕・怨霊達の待ちに待った宴」
を達成しました!!
達成条件:不帰の怨霊撃破 及び 特定条件による除霊
達成報酬:挑戦成功者のHP+150
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{ッ!?…これがまさかの隠し要素だってのかよ!?…趣味悪過ぎんぜぇ!!…
…それにこれをノーヒントでやらないといけない上に周りに影響を及ぼすとか!…
まるでファ○コンみたいなイベント作ってんじゃねぇよ!!!…}
「……ッ?…如何したのですかご主人様?…」
マサツグの目の前に表示されたのはあのホルンズヒル以来となる隠し要素達成の
通知!…そこには達成条件と報酬が書かれて有ってはそれで終わりとばかりに
纏められ…その他一切の情報が記載されて無ければ事の顛末などは不明のままと
なって居た。そしてマサツグもそれを目にしてまた驚きと戸惑いを露わにすると、
単純に趣味が悪いと心の中で文句を言い!…更に道中除霊の方法についての
ヒントが無かった事にも呆れを示し!…宛らファ○コン時代の手探り感を思い
出してしまうと、更に文句の言葉しか出て来ないのであった!…そしてそんな
顔芸をして居る様にしか見えないマサツグの様子に、シロは不思議そうに反応し…
マサツグに何があったのか?を首を傾げながら尋ね始め!…マサツグもシロから
問い掛けがあった事で更に戸惑うと、何でも無いと言ってはとにかく誤魔化す様に
シロを褒める!…
「ッ!?…あぁいや何でも無い!…よく頑張ったなぁ~!…」
「ッ!…えへへ♪…」
「……わっちも色々と頑張ったのにぃ~!…」
「お前の場合は自業自得だろうが!…
まぁそれに乗せられてたシロもシロだが…」
__ッ!…ッ~~~!!…ギュムッ!…
誤魔化す様にマサツグがシロの頭を撫でるとシロは甘え!…いつもの様に尻尾を
振って喜びを露わにして居ると、その様子にフィロネウスが嫉妬する!…その際
マサツグの背中にしがみ付くと、文句の言葉を漏らし!…だがマサツグは
マサツグで自業自得とフィロネウスをあしらい!…そのマサツグの言葉にフィロ
ネウスは更に抗議をするよう膨れてマサツグにしがみ付くと、マサツグも更に
呆れた様子で溜息を吐く…
「…はあぁ~…とにかく無事でよかったよ!…お疲れさん!…
シロの事も守っててくれてたみたいだし!…ありがとな!…」
__ポン…なでなで…なでなで…
「ッ!……のじゃ~♪…」
抗議をして来るフィロネウスに対してマサツグも呆れるしか無いのだが、シロが
動けなくなった時守ってくれて居たのは事実であり!…ただその事に関しては
マサツグもフィロネウスに感謝を示し!…フィロネウスにお礼の言葉を言って
手を後ろに回すと、器用にフィロネウスの頭を撫で始める!…するとフィロ
ネウスも漸く褒めて貰えた?…事で満足したのか、耳をピコピコと動かしては
機嫌を直し!…そうしてフィロネウスが感じていた怨霊騒ぎもこれにて終わり…
アヤも辺りが大分落ち着いて来た事に安堵すると、マサツグ達に向かい声を掛け
出す!…
「……もう大丈夫そう…かな?……まだ霊魂は残っているみたいだけど…
とにかく戻りましょう?…まだ色々と仕事が残って居る訳だし…」
「ッ!?…あっそうか…俺達これを解決しに来たんじゃなくて警備を…」
「えぇ!…だから急いで戻りましょう?…
…私達が居ない間に襲われでもして居たら!…」
まだ多少なりとも成仏して居ない魂が有るようだが問題無いと!…アヤが元の
仕事に戻るようマサツグ達に呼び掛けると、マサツグもハッと気が付いた様子で
返事をする…あまりに怨霊を相手にする事だけを考えて居ただけに元々の目的も
忘れてしまって居た様で!…改めて目的を思い出す様に仕事内容を口にし!…
アヤもそのマサツグの言葉に返事をして見せ、予想外に時間が掛かった事を
悔いる様に不穏な言葉を口にすると、マサツグは慌てるなりシロに声を掛ける!…
「ッ!?…ヤッバ!!…シロ、走るぞ!!」
「ッ!!…はいです!!」
「…フフフ!……」
__……ッ~~……ッ!…クルッ?…
そしてシロもそのマサツグの言葉に返事をすると、マサツグと共に急いで建設
現場に戻り始め!…アヤもアヤでそんな様子に苦笑いをして見せ…マサツグ達の
後を追う様に駆け出して行こうとすると、ふと自身の背後より声を掛けられた
様な感覚を覚える。しかし振り向いた所でそこには当然誰も居らず、在るのは
あの中央に生えている樹だけで…そんな良く分からない感覚に戸惑いを覚えつつ、
改めて前に向き直しマサツグ達の後を追い出すと、その悲しみに満ち溢れた森を
後にするのであった…
さてその後は何事も無く建設現場へ戻ると、以外とマサツグ達が居ない間何事も
無かったのか…ギルドの建設は既に基礎工事まで終わっており!…ロディも順調!
と言った様子で満足げに頷いて居ると、マサツグ達の帰還に気が付く!…
「……ウンウン!…いい感じじゃない!!…
この調子だと予定より早く建てられそう!…」
__ガサガサッ!!…ッ!……ブワサアァ!!!…
「だあぁっはぁ!!…つ、着いた!!…
で、現場は!?……あれ?…」
「あらお帰りなさい!…
ちょっとの間姿を見掛けなかったけど…何処まで行ってたのかしら?…」
「ッ!…え?…えぇ~っと?…」
藪の中から飛び出して来る様にマサツグとシロが!…そして当然ながらマサツグの
背中にはフィロネウスがくっ付いて居り、マサツグ達が慌てた具合に現場の様子を
見回し確認すると、平和な事に戸惑いを覚える!…あまりに急いで居た為、
何か余計な妄想をして居たのか!…ロディはマサツグ達が藪の中から出て来た事に
キョトンとし…帰って来た事で何処へ行っていたのか?を尋ね始め、マサツグも
その事を問われて戸惑った反応を見せると、マサツグ達の後続よりアヤが続いて
姿を現す。
__ガサガサッ!!…バサァ!!…
「…ふぅ!…ちょっとそこまで!…
フィロネウスの言って居た怨霊の正体を確かめに!…
…でも結局戦闘になっちゃって…
それでも何とか全員で除霊は出来たわ!…」
藪の中からアヤが姿を現すなり一息吐き!…そして先程の話を聞いて居たのか
代わりに答え始めると、正直に怨霊の件を話す!…正直と言っても事の切欠で
あるシロとフィロネウスの事は伏せて居るのだが…とにかくその怨霊の件は
解決出来たとロディに報告!…その際戦闘になった事等も説明するのだが全員
帰還した事を続けて話し!…ロディもその話を聞いて納得したのか頷いて
マサツグ達を労ると、最後に若干間を開けて質問をする!…
「ッ!…あらそれはご苦労様!……因みにその正体は分かったり?…」
「簡単に言うと地縛霊ね!…ある程度除霊は出来たから害は無いと思う…
けど何か瘴気の強い!…異変が起きたらまた面倒な事にはなるかも…」
「……なるほどねぇ?…心に留めておくわ、ご苦労様!!」
ロディの質問とはその怨霊の正体!…何か引っ掛かりが有るのか恐る恐る
尋ねる様に声を掛け!…アヤは何の疑問も持つ事無く答え始め、簡単に
霊の正体を地縛霊!…そしてもしもの事が有るかも知れない!とだけ
ロディに話すと、気を付ける様に説明をする!…するとロディもその話を
聞いてスッと悩む様な表情を見せると、先程の引っ掛かりを誤魔化す様に
腕を組み!…とにかく納得した様子で返事をし、再度マサツグ達を労わる様に
声を掛けると、現場の方へと向かい歩いて行く!…当然その様子に気が付いた
フィロネウスはジッとロディの事を見詰めるのだが、肝心のマサツグ達は
と言うと…
「……ふぃ~!…た、助かったぁ!…
危うく説教をされるかと思ったわ!…
…サンキューアヤ!!」
「…はあぁ~…ホント貴方と一緒に居ると退屈しないわね?…」
「ははは!…すんません…」
ロディからツッコミを受ける事に警戒!…事の発端がバレなかった事で安堵し!…
額の汗を拭う様な動きをしつつアヤにお礼を言うと、全くロディの様子に
気が付いて居なかった!…いや気が付く付かないではなくただ単純に興味を持って
居らず…アヤも気が付いて居ない様子で安堵すると、次には呆れた感じで言葉を
口にする。まるでもう慣れたと言った具合に苦笑いをしつつその言葉を口にすると、
マサツグもそんなアヤの様子に笑って見せ!…しかし次には反省した様子でスッと
真顔に戻り!…アヤに対して頭を下げつつ謝ると、アヤはやはりその様子に
苦笑いをするのであった。
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ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
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