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-第三章-サマーオーシャン連合国-エルフの国編-
-第三章八十八節 ジーナ&シロと親の複雑な気持ちと落ち着いた日常-
しおりを挟む怨霊騒ぎも無事に終わりその後も警備…それから約二週間位期間が空いてギルド
が漸く立てられそうになって居る頃…またシロをジーナに預け今日も元気に仕事に
就いて居ると、いつしかジーナにはあるあだ名が付けられて居た…それはシロと
一緒に居る事が最近多い事から付けられたあだ名で、揶揄られる様に周りから
その名で呼ばれ始め…本人も妙に気恥ずかしそうにしながらシロの面倒をマサツグ
の代わりに見て居り、その名で呼ぶ度にジーナは顔を赤くし揶揄う連中を追い駆け
出すと、ある種集落の名物となり掛けていた。
__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ……グオオラアアアァァァァァァ!!!!…
「ッ!?…また今日もやって居るのか?…
…ったく!…なんか最近やたらと多くね?」
「…そう思うのならシロちゃんを預けなければ良いんじゃない?…
そうすれば彼女に迷惑を掛ける事も無くなるんだから…」
「ッ!?…う、うぅ~ん…」
七割位出来たギルドを護る様に巡回をして居ると、今日も今日とて怒るジーナの
声が集落の方より聞こえて来る!…それは辺り一帯に響く様に聞こえて来ては
マサツグを驚かせ!…アヤもそんなジーナの様子に苦笑いをしつつ呆れて居ると、
マサツグも徐々に呆れ出しては戸惑いの言葉を口にする。その際最近になって
叫び声が増えて来た事も口にすると、アヤはやはり呆れた様子でその解決策を
マサツグに話し!…マサツグはマサツグでその話を聞いて若干戸惑い!…何か
反応に困る様なそんな素振りを見せて居ると、その一方でジーナは揶揄って来た
者達を追い掛け回して居た!…
__ドドドドドドド!!!…
「くおぉらああああぁぁぁぁ!!
待ちなってんだこのクソガキ共おぉぉ!!!…」
「へへ~ん!!…待つ訳無いだろ!!
この子持ちゴリラ!!!」
__ベロベロバァ~!!…カチンッ!!!…
「ッ!?…だぁれがゴリラだ誰がぁ!!!」
同じ集落に住むダークエルフの子供達に揶揄われては大人げなく追い掛け
回し!…そんなジーナを相手に子供達もジーナをゴリラ扱いすると、まるで
鬼ごっこをするかの様に逃げ回っていた。この時ジーナはそんな子供達を
相手にまるでマリーを追い駆ける様な感じで怒って見せると、鬼の剣幕で
追い掛けて居り!…だが子供達も子供達でそんなジーナの様子を面白がり!…
それぞれ煽る様に舌を出して馬鹿にする様な態度を見せると、当然そんな
様子を見せられたジーナは更にカチンと来た様子を見せて居た!…さて
そうなると肝心のシロの面倒は大丈夫なのか?と思う所なのだが…
__バシュンッ!!…バババッ!!…ッ!?…
「こぉらぁ~~~!!!」
「ッ!?…来たぞ!?…白い悪魔だ!!…
今度こそ捕まりは!!…」
__ガッシ!!!…ッ!?…ザザアアアァァァ!!!…
「…人を馬鹿にしちゃ駄目って教わらなかったのですか!!
人を馬鹿にするのなら逆に馬鹿にされる覚悟も要る!!…
そう教えて貰わなかったのですか!!!」
まるで某・モビ○スーツの様に呼ばれてはシロは至って大丈夫な様で!…
寧ろジーナと共闘してその悪ガキダークエルフ達を追い駆けると、片っ端から
とっ捕まえては説教をして居た!…それもそこそこ前からこんなやり取りを
して居る様で、その悪ガキ達からも悪魔が出た!とばかりに恐れられており!…
捕まえては説教!…そして連行!…とにかくこんな感じでジーナの手助けを
すると、ジーナからある種感謝をされて居た!……で、この様子を見て周りの
者達があだ名を付けた訳なのだが、その名前と言うのも…
「…ッ!…今日も今日とて性を出してるなぁ!…
[駆け出し魔獣使い]さん!…」
「…主に相手が子供なのはどうかと思うけど…
それでも良いコンビに見えるわね!…
「ッ!…シロちゃ~ん!!…一緒にあそぼぉ~!!
って、あっ!…[魔獣使いさん]と一緒なんだ…」
「ッ!?…ちょっと聞こえてるよ!?…私は[魔獣使い]じゃないっての!!…
てか、魔獣使いは別にちゃんと居るだろう!!」
そう…シロを魔獣に見立ててはそれを武器に指揮を執り狩りをする!…そんな風に
見られたらしく!…今では[魔物使いさん]と!…まるでベルベッタが忘れ去られた
様に言われてはジーナ自身戸惑いを覚えて居たのである!…そして駆け出しと
付け足し呼ばれる所以についても、シロがジーナよりも素早く動いて悪ガキ達を
捕まえる様子から振り回されて居ると!…何なら捕まえるよう指示を出す前に
シロが動いて居る為であり、主従関係が情けない…と言った様に見える事からも
そう言われているらしい!……因みにシロはその現地の子供達と仲が良く、よく
一緒に遊んでは楽しく過ごして居るらしい!…そして今日も今日とてそう呼ばれた
事にジーナが反応すると、周りの者達に文句を言い!…改めてベルベッタが居る
事を口にすると、周りの者達はこれまた揃ってこう口にする!…
「「「……えぇ~、だってこっちの方が魔獣使いッポイんだもん!…」」」
「ポイんだもん!…じゃないんだよ!!!
私は[剛腕無双]の!!…」
「それにベルベッタって[魔獣使い]って言うより
集落のまとめ役みたいなところあるし~…
…外の言葉で言うと……事務方?…だっけか?…
そっちの方で頼れるって感じだからなぁ?…」
{ッ!?…ベッ!…ベルベッタ!…アンタそんな風に見られているのかい!?…}
ベルベッタより今のジーナの方がよっぽど魔獣使いッポイ!…これが集落に住む
者達からの言葉で有り…当然それを聞いてジーナが更にツッコミを入れると、
自身の二つ名を口にしようとする!…しかしそんなジーナの言葉も空しくスルー
されると、ある一人がベルベッタの事を魔獣使いではなくまとめ役と言い!…
するとその言葉に賛同するよう他の者達も頷き始め!…挙句の果てには事務方
などと言葉にすると、ジーナが戸惑った様子で反応する!…普段集落の者達から
どんな風に見られているのか!…初めて垣間見れた瞬間らしく!…その肝心の
ベルベッタも何処かでクシャミをして居る事であろう…とにかくシロがその
悪ガキの一人を拘束!…連行してジーナの前に引っ張って来ると、ジーナに声を
掛けていた。
「ジーナさん!!…捕まえて来ましたぁ!!」
「クッソ!!…放せよ!!!…女のくせに力が強ぇ!!…」
「…言っておくけどその子はあたしより強いよ?…
まだ手加減して貰えるだけでも有難いと思いな!…
……まぁ、あたしは手加減しないけど?…」
「ッ!?…ヤッバ!!…」
シロは満面の笑みでジーナに声を掛けると尻尾を振り!…捕まった悪ガキも
何とかシロから逃げようと藻掻くのだが、幾ら藻掻こうともシロがガッチリ
拘束しては逃げられずに居た!…その際シロの事を子供の癖に馬鹿力!と
言った風に慌てながら文句を口にするのだが、それを聞いてジーナは呆れ!…
その捕まった悪ガキに近付くなりしゃがんで見せ、改めてシロが自分より
強い事を口にすると、その悪ガキはえ?…と言った様子でシロの方を向き
戸惑い出す。そしてその戸惑っている状態そのままにジーナは徐に拳を振り
上げると、自分は容赦しないと言い!…悪ガキもその言葉でハッと我に
返って前を向き!…その腕を振り上げているジーナの姿を目撃すると、次の
瞬間にはその振り上げた拳が自分に向かい落ちて来るのを続けて目撃する!…
__ブンッ!!…ゴッイィ~~ン!!!…
「…ッ!?……ッ!?!?…」
「…フン!…ちっとは手加減をしてるんだ、メソメソするんじゃないよ!!…
それに元々あたしに喧嘩を売った罰なんだ!!…
文句を言われる筋合いも無いよ!!…」
{{{うわぁ!…えげつな!…}}}
首が手前に折れる様にして悪ガキの頭に拳が命中!…するとその衝撃で泣く所の
騒ぎでは無いのか悪ガキは頭を抱え!…プルプルと痙攣したままその場に蹲ると、
声にならない声を上げて悶絶する!…するとさすがのシロもこれには同情した
のか、スッと拘束を解き…暫くのあいだ悪ガキは動くに動けず!…ジーナも更に
追い打ちを掛ける様に泣くな!と言うと、自業自得とも言い出す!…そしてその
様子を見ていた周りの連中も若干引いた具合に見て居ると、全員が全員同じ事を
考え!…他の悪ガキ達もそれを見てとっとと退散!…蜘蛛の子を散らした様に
逃げ出して行くと、それに気が付いたシロがジーナに問い掛ける!…
「ッ!…他の子も捕まえますか?」
{{{ッ!?…鬼!?…}}}
「いやいいよもう…追い掛けるのも疲れるからねぇ?…
それよりも友達が出来たんだろ?…その子達を遊んでおいで?…
但し!…ちゃんとあたしの目が届く範囲でな?」
「ッ!…はいです!!」
首を傾げつつ不思議そうに尋ね、そんなシロの様子に先程の光景見ていた!?…と
言わんばかりに周りの連中が戸惑うと、心の中で鬼と言う!…そしてそんなシロの
問い掛けに対してジーナも首を左右に振ると、もう良いと返事をし…それよりも
シロの事を尊重した様子で言葉を続け、自身の目の届く範囲で一緒に遊ぶよう声を
掛けると、面倒見の良さを見せて居た。するとシロもそんなジーナの言葉に甘える
よう手を上げて返事をすると、先程遊びに誘ってくれた子供の所へと駆けて行き!…
ジーナもジーナでその様子を見て微笑ましく笑い!…自分は自分で集落の見回りに
戻ろうとすると、改めて装備を手に歩いて行くのであった!…
さてこれが集落サイドで起きて居た話の内容で、場面は戻ってマサツグの方に!…
マサツグは今だアヤからの提案に返事が出来ず!…とにかく腕を組んで悩んだ
様子を見せて居ると、アヤが不穏に感じたのか更に質問を口にする!…
「うぅ~ん!……」
「……もしかしてあの子の事?…」
「ッ!?…ち、違う違う!!…それは断じてない!!…
……ただ…」
「ッ!…ただ?…」
まさかシロを疎ましく思って居るのか?とアヤがそう思い言葉を口にしようと
すると、マサツグは気が付いた様子で言われる前に全力で否定し!…だが別に
理由がある様子でまた悩んだ様子を見せ!…その様子にアヤも首を傾げて訳を
尋ねようとすると、マサツグは少し間を開けてからある事を口にする…それは
マサツグとしても親心がある故の悩みなのか、ある場面を見てしまった事から
入り出す。
「……実はさぁ?…見ちゃったんだよね?…
シロが他の子達と一緒になって遊んでいる所…」
「ッ!…へぇ~!…いいじゃな、何が問題なの?…」
「いや…さっき言ってた通りシロもこっちに加えて
警備を強化するのも良いんだけど…
折角仲良くなった友達と遊べなくするのもどうかと思ってさ?…」
「ッ!…あっ…」
マサツグが話し出したのはシロがその他のダークエルフ達と仲良くなった話で、
その場面を見てしまったと!…当然その話を聞いてアヤはめでたい事と言い出し…
深く何も考えていない様子で更に続けて質問をすると、マサツグはやはり悩んだ
具合にこう続ける…何でも今友達が出来た訳なので、こっちの都合でシロを
動かして良いモノなのかと…シロとしてもまだまだ遊びたい盛り!…出来るだけ
シロに何不自由なく過ごして貰いたいと言う一心から悩んで居ると!…腕を組み
真剣に悩んでいる表情を浮かべると、アヤも漸く理解したのかハッとした反応を
見せる!…その際口に手を当て目を見開くと、次には同じ様に悩み出し!…
二人揃ってしかめっ面で腕を組み!…傍から見て居ると奇妙な光景でしか無いと
言った様子で視線を集めて居ると、その様子に気が付いたロディが声を掛ける。
「……ッ!…あの二人……おぉ~い、そこのお二人さぁ~ん??
そんなとこで腕組んでしかめっ面!…何を考えているのかしらぁ~???」
「ッ!…ギルドマスター!…」
「何か問題でもぉ~???」
「…ッ!…あっ!…すみませぇ~ん!!!…何でも無いでぇ~す!!!…」
何か問題でも起きたのか?と言った具合に二人へ大声を掛け!…その二人の
様子が可笑しい事に!…何なら傍から見て怪しいとダイレクトに伝えるよう
続けて声を掛けると、二人もその呼び掛けに気が付いた様子で反応する!…
その際二人揃ってロディの方へ振り向くと、ロディは二人に手を振っており…
続けて問題が出たのか?とロディが大声で尋ね!…その問い掛けに対して
アヤが何でも無いと返事をすると、ロディはやはり気になった様子で疑問を
持つ!…
「……ッ?…やっぱ何か余所余所しいわね?…ちょっと現場をお願いね?…」
「ッ!…あれ?…ギルドマスターがこっちに向かって来る…
聞こえなかったのかしら?……何でも無いでぇ~す!!!…」
「聞こえてるわよぉ~~!!!」
「え?…じゃあ何で?…」
何でも無いと返事をする一方でやはりマサツグやアヤの様子がたどたどしく…
それに気が付いたロディは変に思うとやはり話をしようと考え!…その際近くに
居た作業員に現場監督を任せると、マサツグ達の居る方へと歩き出す!…すると
マサツグ達もそんなロディの様子に疑問を持つと、先程の話が聞こえて居なかった
のか?と疑問を持ち…再度気にしないようロディに声を掛けるのだが、ロディは
聞こえて居たと返事をし!…するとますますこちらに向かい歩いて来るロディの
心理が分からず!…マサツグ達は揃って何で?と言った様子で戸惑って居ると、
そうこうして居る内にロディと合流をする!…するとロディはマサツグ達と合流
するなり何があったのか?を尋ね出すと、マサツグ達の真似をする様に腕を組んで
見せる!…
__ザッ…ザッ……ガッ、ピシィィ!!……
「…で、さっきから何を悩んで居る訳?」
「え、えぇ~っとぉ?…」
「…まぁ…別に隠して居る訳じゃないから良いけど…」
「ッ!…うふふふ♪…じゃ、最初から順を追ってね?」
腕を組むポージングにまで拘るようロディが仁王立ちをすると、その話に参加
したい様子で尋ね出し!…当然そんなロディの様子にマサツグ達は戸惑い、
ロディの迫って来る様な態度にアヤが慌てて説明にも難色を示して居ると、
マサツグの方へ視線を向ける。それはまるでマサツグに助けを求めて居る様にも
見えると、マサツグは苦笑いしては言葉を掛け…その言葉を聞いてロディは
ニッコリ!…マサツグ達にもう一度話を聞くよう尋ね出すと、それにマサツグが
答える。
「…いや単純な話なんですけどね?…
シロの面倒もこっちで見れる位になったんで…
そのシロをこっちに呼ばないかって話してたんですけど…
…如何やら友達が出来てその友達と遊ぶのが楽しいみたいで…
こっちの都合でシロを呼んで良いモノなのか?って話してたんです。
折角出来た友達とも遊びたいだろうし…」
「ッ!…なるほどねぇ?…それは確かに悩むわね!…
現に私もまだ娘が幼稚園生位の時…そんな事で悩んでいたっけ?…」
「へぇ~~………ッ!?…え?…ちょっと待って!?…」
「ッ!…何?…何か変なところあった?…」
マサツグは今自分が悩んで居る事を簡単にロディへ説明すると、やはり腕を組んで
悩み出し!…その際マサツグはこの時パパさんの顔をしており、ロディもそれを
見て納得したよう頷き始めると、気になる事を口にする。それはロディのリアル
事情だろうか、娘が居ると言う事であり!…ロディも経験あると言った様子で話に
乗っかり、マサツグもその話を聞いて一度はスッと流してしまうのだが!…
少ししてから気が付いた様子で反応する!…この時慌てた様子でマサツグが反応
して居ると、同じくアヤもその話を聞いて戸惑った様子で反応し!…ロディは
ロディでそんな二人の様子にキョトンとして見せ、何があった?と言わんばかりに
戸惑い出すと、マサツグが慌てたまま質問をする!…
「い!…いやいやいやいや!!…アンタ嫁さん居たのかよって!!…
だってオネェだし、クネクネしてるし、ムッキムキだし!!!…」
「……何か関係無いのがチラホラ出て来てるけど…まぁ良いとして…
えぇ!…私には可愛い奥さんと娘が居るわ!!…
今年で小学校6年生…だったかしら?…一児のパパよ!!」
「で、でも!…ギルドではそんな様子は!?…」
「ッ!…まぁ…ギルドには居ないわね?…ちゃんと家に居て…
…ッ!…あっ…因みに私の奥さんも冒険者をやって居るわ!…
もしかしたら何かの拍子に有っているかも!…確か名前は……ッ!…
[プレアデス]って言うんだけど?…」
酷く驚いた様子でマサツグが質問をし始め!…隣で同意をするようアヤが頷き
ロディに詰め寄ると、この条件で!?とばかりにロディを指差し擬音を混ぜる!…
すると当然ロディは若干失礼!…と言った様子でツッコミを入れると、懐が
深いのか不問とし!…とにかく自身の家族について話す様に答え!…先輩パパさん
と言った様子でマサツグに胸を張り出すと、今度はアヤが質問をする!…この時
そのロディの話を聞いてやはり戸惑うと、見た事が無い!と率直に言い!…
そのアヤからの問い掛けに対してロディは戸惑い!…更に暴露するよう奥さんも
このゲームをやって居る事を話し出すと、プレイヤーネームを口にする!…しかし
その名前を聞かされた所で認識は無いので!…
「……プレアデス?…聞いた事は無いかな?…アヤは?…」
「…私も聞いた事は無い……その人って女性ですか?…」
「ッ!?…ちょ!?…」
「ッ!…えぇ!…立派な大人のお姉さんよ!!…それはもう!…
綺麗で可愛い!…何て言えばいいのかしら!……そう例えるなら
その容姿は美の女神アフロディーテの様で!!…etcetc」
当然マサツグは首を傾げて誰だ?と言った様子で…アヤにも尋ねるよう声を
掛け出し、アヤも知らないと言った様子で不思議そうに返事をすると、続けて
とんでもない質問を口にする!…その質問と言うのも奥さんがちゃんと女性で
あるかどうかと言う事で、当然その質問をしたアヤにマサツグは驚き!…
だがロディは気にして居ない様子で返事をし!…何なら惚気る様にモジモジと
しながら答え出すと、そのロディの反応にマサツグとアヤは更に戸惑った
様子で反応する!…感覚的にはまるで地雷を踏み抜いたかの様な感じで、ロディも
止まる気配を見せないまま話しを続け!…その話が終わったのは約五時間後!…
その間ロディはまるで水を得た魚のようイキイキと話し続けると、マサツグ達を
ウンザリさせるのであった!…
__約五時間後…
「…で、その時のプロポーズの言葉は!!…
[貴方の溶いてくれたプロテインが飲みたい!…]ってな感じで!!…」
「…あのぉ~…お忙しい所すいません…」
「ッ!…何、如何したのぉ?…ッ!…貴方も私の話が!!…」
とんでもなく饒舌のロディにマサツグ達もフラフラ…恐ろしい事にTPまで
消費始め!…するとそこへ助け船が来る様に作業員の一人が近付いて来て、
恐る恐るその饒舌のロディに話し掛け出すと、漸くロディの話も終わりを
迎える!…しかしロディとしてはまだ話足りないのか、その呼び掛けて来た
作業員にまで話をしようとし!…だがその作業員も心得ているのか手を突き
出し!…そうじゃないとロディに返事をすると、用件を口にし始める!…
「いえそうではなく…エルフの国より伝令が来てるそうで…
何でも現場監督に話が有るとか!…」
「ッ!…分かったわ!…っで、その使者さんは何処に?」
「こっちに!…ついて来て下さい!…」
何でも今急用な話が出来たそうで、エルフの国より使者が来たと!…すると
さすがのロディもハッとした表情を見せ!…途端に話を切り上げその使者が
何処に居るのか?を尋ねると、作業員はロディを連れてその使者の元へと
案内する。そうして解放されたマサツグ達もその場に崩れるよう座り込むと、
大きく息を吸い出し!…作業員が止めに来なければいつまで続いたのかと!…
先程の作業員に感謝をしつつ!…とにかく息を整えに掛かって居ると、
そこへフィロネウスが戻って来る!…
__……だはあぁ~!!…はぁ!…はぁ!……カラン、コロン♪…
「……よくもまぁあの様な話に態々付き合うもんじゃ!…
わっちだったら幻術喰らわせてトンズラをこいておる所じゃぞ?…」
「ッ!…フィロネウス!……貴方何処に言って居たの?
それにまだ怪我だって!…」
「ッ!…わっちを見縊るでない!…
あの様な傷など一日あれば完治させられるわ!!…ほれ!…」
「ちょ!?…何の躊躇いも無く!!……ッ!…ホントに治ってる!…」
フィロネウスは呆れた様子でマサツグ達に声を掛けると、両手を頭の後ろに
回して小馬鹿にするよう笑い!…そんなフィロネウスの態度にアヤもピクッと
反応をするのだが!…それよりも腹部の傷の方を心配した様子で声を掛けると、
フィロネウスは逆にムッとした具合に返事をする!…その際大した事は無い!
と若干怒気を強めると、襦袢を捲って見せ!…当然そんなフィロネウスの
行動に!…マサツグやアヤが戸惑った様子で反応すると、アヤが慌てて注意を
するのだが!…よく見て見るとフィロネウスの言う通り傷は完治しており、
アヤもそれを見て驚いて居ると、フィロネウスも襦袢を戻す!…
「フン!…これで分かったじゃろうが!!…
わっちとお主達とでは体の造りが違うのじゃ!!
そんな柔な体と一緒に!!…」
「ッ!…じゃあ今度から心配しなくて良いって事か?…」
「ッ!!…い、いや…そう言う訳では……ッ~~~!!…
やっぱりマサツグはイケズなのじゃあ~!…」
「ッ!…プ!…ッ~~!!!…
…はいはい!…治って良かった良かった!…」
襦袢を戻して裾を正し!…マサツグ達に対して踏ん反り返り!…改めて魔王で
ある威厳を見せようとすると、マサツグがそのフィロネウスの言葉にツッコミを
入れる。すると途端にフィロネウスも耳と尻尾をピンと伸ばして反応すると、
次にはモジモジとし出し…その表情も何処か悲しそうにしており、だが徐々に
それも不満気なプルプルと震える表情に変わると、次にはマサツグへ近付いて
行くなり甘え始める!…その時のフィロネウスの様子はまるで甘えたくてぐずる
子供の様で、そんなフィロネウスの態度にマサツグも思わず笑ってしまい!…
近付いて来たフィロネウスの頭に手を伸ばし!…とにかく大事に至らなかった事に
安堵しながら頭を撫で出すと、フィロネウスもマサツグに撫でられてご機嫌の
様子を見せる!…さてそうして一悶着?…が有った後に近くの草むらでゴソゴソ…
何やら不穏な音が聞こえ始めると、マサツグ達も途端に立ち上がっては身構える!…
__ガサゴソ!!…ッ!!…ババッ!!………バサァ!!…ヴァアアァァ……
「ッ!…チッ!!…案の定か!!」
「全く!!…怨霊も何とかしたんだからもう出て来ないで欲しいモノだわ!!
…とにかく迎撃!…」
「ッ~~~!!!…あぁ~もう何でじゃ!!…何でなのじゃ!!!…
毎回毎回毎回毎回!!!…
マサツグとイチャイチャ出来ると思ったタイミングでいつも邪魔が入る!!!…
いっその事辺り一帯を焦土と化してやろうか!?…
マサツグの任務の邪魔にならんよう力を控えて居るが!!!…」
飛び起きる様にマサツグ達は立ち上がり!…そしてその不穏な物音の聞こえた方に
すかさず武器を抜いて構え出すと、案の定そこよりアンデッドが!…まるで助けを
求める様に両腕を伸ばし、一直線にマサツグ達に向かい歩いて来ると、マサツグも
出て来たとばかりに気を入れ直す!…そして幾度となくアンデッド達の相手をして
居る事で、アヤも辟易としており!…怨霊のせいじゃないのか!?と文句を言い
出し、フィロネウスも突如警戒状態に入った事でイラっとすると、鬱憤をぶち撒け
始める!…その際本音もぶち捲けると両手に炎を握り出し、ついでに物騒な事まで
言い!…だが当然マサツグはそれを良しとはせず!…流し目にフィロネウスへ
向かい視線を向けると、フィロネウスも感じ取ってか文句を言う!…
__……チラッ?…ッ!……
「……そんな目で見なくとも分かって居るわ!…全く!!…
有象無象の死体共が!!…まとめて火葬してくれる!!!」
「……やり過ぎないようにな?…」
「ッ!?…まだ言うか!!!」
「…イマイチ信用が無いのよねぇ?…フィロネウスって?…」
「ッ!?…なにょ~~~!!!」
本当に分かって居るのか分かって居ないのか?…とにかくマサツグの視線に
気が付いては返事をし、その出て来たアンデッド達に対して敵意を剥き出し
にして居ると、やはりマサツグが不安を覚えた様子で再度忠告を口にする!…
すると当然フィロネウスはマサツグの方へ振り向くなり文句を言うと、
子供の様に両手を振り回し!…そんな様子にアヤも不安を覚えた様子で!…
マサツグの気持ちを代弁する様に言葉を口にすると、フィロネウスはその
アヤの言葉に怒って見せる!…その時のフィロネウスの様は本当に子供の様に
なっており、魔王としての威厳は何処にも無く!…そうしてマサツグ達が
今日も今日とて警備に精を出して居る頃!…エルフの使者に呼ばれて話を
聞きに行ったロディはと言うと、あり得ない話をその使者より聞かされていた!…
「ッ!?……それ…マジで言ってるの?…
まさかあの女王様がそんな事を!…」
「は、はい!…女王陛下の御意思で!……
わ、私達としても何が何だか!?…
と、とにかく女王様はこの事をロディ様にもと!…
私達はそれを伝えに来た次第に御座います!!……」
「………。」
その話を聞かされたロディはとにかく戸惑った様子で、内容が真実かどうかを
使者に尋ね!…その問い掛けに対して使者も戸惑いながら返事をして見せ!…
自分達も混乱して居ると続けてロディに話すと、その場は沈黙に包まれる…
そして当然その話はマサツグ達の耳にも届く事になるのだが、それは今から
少し後になってから話される内容であり!…この時マサツグ達はこの後に待ち
受ける!…まさかのどんでん返しに全く気付く余地も無いのであった!…
応援ありがとうございます!
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