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-第五章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~ドワーフファミリア編-
-第五章十節 魔法の小瓶と元気全開!と化け物二人-
しおりを挟むさてマサツグとマヨルによる激戦が始まろうとしている一方で、それを不安そうに
シロが見詰めて居ると…たまたまアイテムポーチの口が開いて居たのか、グシャ
グシャになりそうな所でポロッと一つのアイテムが転がり落ちると、シロもそれに
気が付いた様子で視線を落とす!…するとそこには運命のいたずらか、とある
最強のアイテムが!…それはシロも知って居るマサツグが重要視しているトンデモ
アイテムであって、シロもそれを最初見た時普通に回収をしようとするのだが…
__……ギュウウウゥゥゥ!!!……コンッ!…コロコロ…ッ!…
この時シロが回収しようとした物はマサツグのへそくり、エリクサーであって!…
何故へそくりなのかと言うと、それはその効果と取引価格が異常である事から
マサツグが換金アイテム兼回復薬として扱い始めたのがきっかけである!…因みに
そのエリクサーの効果と言うのも言わずもがな完全回復!…HP・TPを全快すると
同時に異常状態の回復も当然!…そしてその取引価格と言うのも一本数百!…勿論
万単位でお金が飛ぶのでマサツグはこれをへそくりとして扱い!…お金が溜まれば
買うと言ったエリクサーの貯蓄を行って居た!…因みにこのゲームに置いて銀行と
言ったモノは無い!…完全に自己管理が問われる物で!…マサツグはそのお金の
管理をそのエリクサーで行い!…増えて行くエリクサーを見てはアイテムポーチの
中に仕舞って見詰め、いつもほくほくと笑みを零すと言った奇行を見せて居るので
あった!…そしてその奇行と言うのは当然シロにも見られて居る訳で!…
「ッ!……これは?…ご主人様の……んしょ……ッ!…」
__チャプンッ!…シュワシュワ~!!……
{……これを使えばシロも!!……ッ~~~!!…}
シロもその目の前に落ちた小瓶がエリクサーと分かると直ぐに回収!…をする
のだが…手に取った瞬間ふとある事を思い付いた様子でピクッと反応をすると、
次にはそのエリクサーを自身の目の前に持って来る!…その際その小瓶の中では
炭酸が弾けて見えると、中身が揺れ動く度に小さな泡がシュワシュワ!と…
それはまるで使ってくれ!と催促して居る様にも見えてしまい!…シロとしても
その性能を知って居る為これを使えば直ぐに戦線に復帰する事が出来る!と
理解をするのだが!…如何してもその一歩手前でマサツグの顔がチラついて
しまうと、封を切れずに戸惑って居た!…と言うのもこれはマサツグが必死に
稼いで集めたエリクサー!…その苦労を身近で見ていた訳で!…
{……これを飲めばシロも!!…
…でもご主人様が悲しんじゃう!!…
…うぅ~!!…でも!!…}
__ガギギギギギギイィン!!!……チィ!!…ゴギャアアアアァァァス!!!…
「ッ!!……ッ~~~!!!……ご主人様!!…ごめんなさいです!!…」
やはりマサツグが必死に稼いでいた事を知って居る為、迂闊に手が出せない!と…
何ならマサツグを悲しませる様な事をシロ自身しなくはない!と考え!…何か別の
策を考える様な素振りを見せるのだが、その間にも現場は更に苛烈さを極めよう
として居た!…マサツグは強化甲殻を無視する様にマヨルへ斬撃を連打!…しかし
元々刃の通りが悪いせいか、出血は微量に留まり!…マヨルもマヨルでマサツグに
反撃を開始し出し!…尻尾を振り回しマサツグに襲い掛かって行くのだが、
マサツグは被弾をする事無く凌ぎ切る!…しかしいつ被弾しても可笑しくない
状況ではある訳で、シロとしても不安を感じ!…何ならその現場を目の前で見せ
られて居る訳であって!…もはやその不安がピークに達した所でシロがある決意を
すると、その手に持っているエリクサーの封を切ってしまう!…この時マサツグに
対して謝罪の言葉を口にすると、思いっきりキャップを捻り!…
__グッ!!…パキュッ!!…
「………ッ~~~!!!…」
__コキュッ!…コキュッ!…コキュッ!…コキュッ!…
{ッ!……ご主人様はこのお薬を大事そうに集めてたけど…
このお薬はまるでソーダみたいにシュワシュワして美味しいです!…
でも…怒られるかも…悲しんじゃうかもしれません……}
封を切った所で中身を確認、中では今だに炭酸がシュワシュワとしており!…
そして小瓶の中身を確認した所でシロは徐に目を閉じ始め!…小瓶を口に当て
徐々にその角度を傾けて行って見せると、その中身のエリクサーを口の中に
流し込んで行く!…この時…シロ初めてのエリクサー!…特段味わって飲む
つもりは無かったのだが、薬にしては美味しい!と言った感想を覚え!…だが
同時に何か後悔をする様な事を考えてしまい、それでもエリクサーを飲み切った
所で体に大きく変化を感じる様な衝撃を覚えると、次には!…
__ドクンッ!!…ぱあああああぁぁぁ!!…
「……けぷぅ~~!………ッ!!…おぉ!?…おぉ~!!!…
凄いのです!!…もう痛くないのです!!……これなら!!…」
__スッ……ギュッ!!……クイ、クイ!…クイ、クイ!…クイ、クイ!…
「…よし!!…ご主人様!…ごめんなさい!!…
やっぱりシロはジッと出来ません!!」
__コオオオォォォ!!!…パキィン!!!…
シロの中で何かが脈打ち!…次にはその体が跳ねる様な衝撃を感じると、同時に
少し長めの可愛らしい月賦を口にする!…その際後味が鼻から抜けると炭酸特有の
痛みを少し感じるのだが、それ以上にシロはある実感を!…それはあのマヨルから
貰った筈の痛みが感じられなくなった事で、何なら体が軽くなった様な!…とにかく
悪い者全てが無くなった様な清々しい気分になって行くと、次には闘志を燃やし
始める!…その際徐に立ち上がるとマサツグから預かったアイテムポーチを体に
巻き付け、続いて軽く準備体操!…改めて自身の体に異常が無い事を確認して行き、
両手にあの氷のダガーを生成すると、着々と戦闘準備を整えて行く!…さてシロが
再度動ける様になった事で突貫開始!…だがそれを邪魔する様に!…
__テテテテテテ!!…ッ!!…ヒュウウゥゥン!!…ガウアアアアアアア!!!…
「ッ!!…邪魔なのです!!!」
__ダンッ!!!…ギュン!!!…ッ!?…ズバババババアアァァン!!!…
{ッ!?…か、体が凄く軽いのです!!…す、凄い!!…
…これがあの[えりくさー]?…の効果ですか!?…
それに最初の時より斬り易くなった様な!!……これなら!…
これならあの大きい奴も斬れちゃいそうです!!!…}
さもシロの進行を邪魔する様に突如頭上からワイバーンが!…しかしシロも
直ぐに感付いた様子で迎撃を!…大きく踏み込み足に力を入れると一気に
ダッシュ!…その際いつもと違う感覚に若干驚いた反応を見せるのだが、
シロはそれでもワイバーン達を一掃する!…それはまるで時代劇の辻斬りの
様に!…通り過ぎ様に首や翼を斬り落とし!…するとシロ自身もこの自身の
動きに驚きを覚えてしまった様子で戸惑ってしまい、改めてエリクサーが
凄い物である!と理解をすると、今度の標的をマヨルに絞る!…となると
この時のシロは勿論イケイケ状態になって行き、同時に自信を取り戻し!…
その一方でマサツグは今だマヨルに苦戦を強いられ!…あぁ~でも無い!
こぉ~でも無い!と言いながら戦って居た!…
__ゴギャアアアアァァァス!!!…ダアァン!!!…キュイイィィ!!!…
{……チッ!!…本当に硬ぇなコイツ!!…
幾ら斬り刻んでも刃が中途半端に入ってそれで終わり!…
このままだとジリー・プアー待った無しだな!…
…さぁて、如何したものか……}
一度の被弾も許さずマヨルを斬り!…その都度甲殻に切り目を入れる!…
繰り返す事数百!…徐々にボロボロになって来た所で甲殻が意味を
成さなくなって来ては居るのだが、それでも決定打に欠ける様子で
マサツグが如何するか?と考えて居ると、徐々に自身のTPの消耗具合に
ついても悩んで居た!…この時TPを回復したくともアイテムポーチは
シロに渡してしまったばっかりに、回復が出来ず!…かと言って戦線を
離れる訳には当然行かず!…徐々にジリ貧と言った感じで何故か忍殺語を
考えて居ると、その様子を見ている冒険者達は感心する!…
__ガキイィン!!…ガキイィン!!…ダアァン!!!…
「……スッゲェ!!…本当にあの化け物相手にタイマン張ってる!!…
もうこっちも化け物なんじゃ!?…」
「ッ!!…そんな事を言ってる場合か!!…次来るぞ!!!」
「ッ!?…クソ!!…こいつ等も何処まで湧いてくんだ!!!」
まるでアニメでも見ているかの様な光景に思わず足を止めてしまい!…
一体どんな集中力をして居るのか!?と…だがそんな事を言って居る場合では
当然無く!…今だ飛来して来るその小型ワイバーンに襲われそうになると、
他の冒険者が注意をするよう文句を言う!…となるとその言葉に注意された
者もハッとすると、また小型ワイバーンの相手をするのだが!…もはやその
討伐数はとうに千を越えようとしており、その無限湧きに近いワイバーン達に
当然辟易とした様子を見せ始めて居ると、更にマサツグも悩んだ様子で
息を切らして見せて居た!…
__……キュイイィィ!!!……はぁ!…はぁ!…
{……チッ!!…画竜点睛に斬裂想刃!…
そこから蒼閃連斬と走破連刃!!…
ってな感じで連撃技ばかりで攻めてみたが…
甲殻がボロボロになるばかりで一向に壊れる気配が無い!!…
…面倒極まりないな!!…本当に!!!…}
__…フシュ~!…フシュ~!……ッ!!…チッ!!…
一気に甲殻の破壊を目論み!…連撃系の技で猛攻を加えるのだが!…結果としては
前と同じでボロボロになるだけで終わってしまい!…一向に破壊される様子が
見られないで居ると、マサツグは大剣が欲しくなってくる!…しかし大剣は言わず
もがな破損状態にあって、今は到底使える状態ではなく!…しかしそのマサツグの
連撃も完全に無駄と言う訳では無い様で、確実に効いて居るとばかりにマヨル自身も
若干だが弱る様な素振りを見せると、一応は希望の兆しを見せて居た!…だがやはり
ジリ貧である事には変わらない訳で、マサツグもそろそろ限界!と…だが次には
何やら慌ただしい声が辺りから聞こえ始め!…マサツグも一体何事!?と言った
様子で辺りに聞き耳を立てて行くと、そこで何やら可笑しな台詞を耳にする!…
__…どよ!?…ッ!…スンッ…
「……ッ!?…な、何だ!?……し、白い閃光?…」
「ッ!!…ハ○ウェイか!?…」
「ンな訳ある!!…ッ!?…
コッチに向かって!?…ッ!?!?…あの数を一瞬で!?…」
{……一体何が向かって来てるって言うんだ?…白い?…閃光?…
何か連邦の白い悪魔でも居る様な口振りだったが?…}
周りから聞こえて来るのは何やら異変が有った様な?…それは光りの様に見える
らしく、見た者はそれを白い閃光!?と…となるとそれを続けて聞いた者が不思議
に思い!…さも某・機動戦士的な物でも出たのか?と口にすると、その冒険者に
対してツッコミが飛ぶ!…だがその閃光は此方に向かい飛んで来て居る様子で、
冒険者達は慌てに慌て!…しかしその閃光は辺り一帯に居るワイバーン達を一掃
しているらしく、何か助かった様にも言い!…しかし驚きも隠せない様子で
戸惑ったよう会話を!…マサツグもその話を聞いて何が何だか訳が分からない!
と言った風に感じて居ると、次には聞き覚えの有る声が聞こえて来る!…
__バシュン!!…バシュン!!…バシュン!!…
「……ごぉ~しゅ~じぃ~んん~さぁ~まぁ~!!!!」
「ッ!!…この声は!!…ッ!?…シ!!…」
__ドゴス!!!…ッ!?!?!?…
「ッ~~~!!!!……ロォ!?…」
その冒険者達の言う白い閃光はマサツグに!…何ならマサツグの事をご主人様!と…
となるともはや答えは当然分かって居り!…マサツグもハッと気が付いた様子で
何か慌てた様な反応をすると、次の瞬間にはその白い閃光がマサツグを撃ち抜く!…
この時マサツグの腹部にその白い閃光が深々と刺さると、マサツグの体はくの字に
折れ!…と言うのもマヨルの攻撃は一度も受けなかった人間が、アッサリその白い
閃光に撃ち抜かれた事で周りの冒険者達も唖然とすると、その場はまるで時が
止まったかの様に硬直する!…そして肝心のマサツグも何かを抱えた様子で吹き
飛ぶと、次には転がりながら手摺りに頭を打ち!…
__ギュウゥン!!!…ダアァン!!!…ゴロゴロゴロゴロ!!…ガアァン!!!…
「ッ!?…ッ~~~~!!!!…」
「……うっわぁ……死んでは無さそうだがアレは痛いぞ?…」
「てかあの白い光は一体?……ッ!?…
お、女の子!?…しかもケモミミ!?…」
手摺りに頭を打ち付けた所で漸く止まり!…マサツグは頭を抱えて悶絶する
様な反応を見せると、シロをくっ付けたままゴロゴロと転がる!…それは
まるで階段から落ちて頭を打った様な生々しさを感じさせ!…それを見た
冒険者達も思わず頭を抱え!…アレは痛い!と言うと
生きて居る事に驚きを示し!…その際飛んで来たその白い閃光の正体についても
目視で確認をして行くと、その正体がケモミミ幼女である事に更に驚く!…
となるともはや現場では混乱が起き出し!…マサツグやシロを見ては何者!?と…
その一方ではマサツグがシロを抱えて涙目になって居り!…とにかく色々と
混乱した様子でのた打ち回って居ると、シロは復帰したとばかりに甘え始める!…
「ご主人様ぁ~!…ただいまです!!」
「……ツッ~~~!!!……ッ!?…
シ、シロ!?…おま、何でここに!?……ッ!?…
てかよくよく見たら色々とフルオープンじゃあねぇか!!…
あぁ~!…今着替えさせてる暇は無いしぃ~!!…」
シロはマサツグにしがみ付いては頭を擦り付け出し!…マサツグもマサツグで
徐々に痛みが引いて来たのか色々と何が起きたのかについて確認をすると、
自身の胸元にシロが居る事で驚いて見せる!…その際負傷して置いて来た筈!
と言葉を口にしようとするのだが、次にはシロの格好が目に入り!…と言うのも
この時シロの服はあのマヨルの一撃せいでか破れており、胸元が大胆に開けて
は小ぶりながらもシロの桜が舞いそうに!…一応アイテムポーチで隠れては居る
もののとにかくそれがヤバい!と言った具合に伺えると、マサツグはそれを見て
更に慌てる!…となると今度はシロの着替えを!と考えるのだが、当然そんな事を
言って居る暇など無い訳で!…そこでマサツグが一人ワタワタと慌てた様子で、
何やら藻掻く様にして腕を動かし続けて居ると、その一方でマヨルが徐々に
近づいて来る!…
__ズシャァン!!…ズシャァン!!…
「ッ!?……今はとにかく!!…シロ!!…
今度こそ[待て]だ!!俺はコイツを!!…」
「今度は大丈夫なのです!!…もう絶対にあの尻尾には当たらないのです!!!」
「ッ!?…いやだから!…」
ゆっくりと足を鳴らしながら近付いて来るのが聞こえて来る!…するとマサツグ
としてハッと気が付いた様子で直ぐに警戒を!…シロに今度こそ待つよう言葉を
掛けると再度マヨルに挑もうとし始め、次にシロを抱えて退かそうとして見せる
のだが!…シロは笑顔で大丈夫!と言っては言う事を聞こうとして見せない!…
寧ろ共に戦う姿勢でマサツグの顔を覗き込むと、目をキラキラと輝かせ!…だが
マサツグとしてはシロにはジッとして居て欲しい訳で!…反抗するシロに戸惑い
つつ…もう一度待つ様に声を掛けようとして行くと、その間にもマヨルが更に
間近へと迫って来る!…
__ズシャァン!!…ズシャァン!!……ズオオオォォ!!!…
「ッ!?…マッズ!!…」
「……シロを怒らせた事!…後悔させてやるのです!!…」
「ッ!?…え?…」
マヨルは倒れている二人を自身の攻撃間合いに入れると、尻尾を振り上げては
狙いを定め!…となるとマサツグもそれを目視しては途端に慌て!…手段を
選んでは居られない!と言った具合にシロを退けようと身構えて見せると、
次にはシロが言葉を零す!…この時シロが口にした言葉と言うのも、何かシロを
怒らせた様な!…とにかく何か怪しい含みを感じられる言葉をシロは口に!…
となるとそんなシロの様子にマサツグも戸惑った様子で思わず固まってしまうと、
次にはマサツグの手元からシロが姿を消して見せる!…
__バシュン!!!…ッ!?…シュウゥン!!!……
「ッ!?…シ、シロ?…」
__シュタッ!!……
そこからの出来事は実に一瞬の出来事であった!…突如シロが姿を消したか?と
思えばマヨルの尻尾の前に!…それもチラッとだけ見えたかと思うと、何かを
斬る様な!…それはいつものスパッと切れる音ではなく、何かが駆け抜ける様な
音で聞こえると、マヨルは固まったまま動かなくなる!…これにはマサツグも
更に戸惑った様子で固まると、ただシロの名前を呼び!…すると次にはシロは
呼ばれて姿を現す様にマヨルの前に!…既に着地をして居たよう宛ら忍者の様な
姿勢で固まって居ると、次には一言漏らして見せる!…
「シロはもう!!…負けないのです!!!」
__グゴゴゴゴ!!!…バラ…ッ!?…バラバラバラバラ…
「ッ!?…し!…尻尾が!?…」
「あの尻尾が!!…バラバラに!?…」
まるでそれが合図とばかりに次には崩壊!…マヨルの尻尾は先端から徐々に
輪切りに転がり!…それは根元の方までバラバラと続けて崩れて行き、そんな
光景を目の前にした他の冒険者達も驚きの言葉を口にすると、ただただ棒立ち
するよう固まって居た!…それこそ今が戦闘中である事すら忘れた様に!…
ただその場に空間が驚きと戸惑いに満ち溢れ!…そしてその感情と言うのは
当然マサツグも例外ではなく、一体何が起きたのか!?と戸惑った表情で
固まって居ると、更に容赦の無いシロの猛攻は続きを見せる!…
__……スッ…バシュン!!!…シュウゥン!!!…シュウゥン!!!……
「ッ!?…また消えて!?…」
__ッ!?…ゴアアアアアアアア!!!!……バラバラバラバラ!!…
それこそその場で固まって居たかと思えば次にはシロが姿を消す!…すると
これには他の冒険者達もまた戸惑った様子で辺りを見回し、その姿を消した
幼女は何処に行ったのか?と…目で追う様な反応を露わにし続けて居ると、
次にはマヨルの方から悲鳴が聞こえる!…この時マヨルは反っくり返るよう
体を反らすと、天に向かって声を上げ!…しかしそれと同時に身を削がれるが
如く!…突如としてそのマヨルの甲殻が音を立てて尻尾の時同様崩落の一途を
辿り出すと、その光景を目にした冒険者達は更に戸惑う!…
「ッ!?…こ、今度はあの甲殻を!?…あ、あの幼女は一体!?…」
「ッ!?…み、見てみろ!!…マヨルの地肌が露出している!!…
アレなら俺達の攻撃でも!!…」
__………ッ!?…
恐らく予めマサツグがボロボロにしていたお陰もあっての崩壊なのであろうが、
それでもその小さな体の何処にそんな力を持って居るのか!?と…とにかくその
剥がれて行く甲殻の様子に冒険者達も唖然として見せ!…その内の一人がハッと
気が付いた様子でチャンスと言うと、その剥がれて露出した地肌を指差しては
指示を出す!…するとそこにはその見た目とはそぐわぬ綺麗なピンク色の地肌が
確かに露出をして居る訳では有るのだが、しかしそれを指差された所で誰一人
として動く者は居らず!…と言うのもこの後の展開をその他の者達は知って居る
様で!…その様子を見てからでないと動けない!と言った緊張感を見せて居ると、
次にはシロが姿を現す!…
__シュン!!!…ッ!?……ッ?…
{……あれ?…シロの怪我が…完治してる?…
息を切らして居るのもTP切れの予兆で…怪我から来て居る物ではない?…
…てかそんな回復力のあるポーション持ってたっけ?…}
突如マサツグの隣にシロが現れると片膝を着き!…シロが突如隣に現れた事で
マサツグも驚いたよう反応をすると、そのシロの状態を心配する!…勿論あの
マヨルの一撃を受けた事でまだダメージは残って居る筈だと考えると、無理を
したのでは無いのか?と同時に考えるのだが…しかし如何にもそのマヨルから
貰った怪我は既に完治して居る様子で息を切らし、そんなシロの状態から
マサツグも即効性のあるポーションが有ったか?と悩み出てしまうと、何か
考え込む様な様子を見せる!…しかし当然そんな事を考えている場合では無い
訳で!…シロがマサツグの事を呼び出すと、最後の止めをマサツグに任せる!…
「ご主人様!!…止め!!!…
…シロ…ちょっと張り切り過ぎちゃいました!…えへへ♪…」
「ッ!!……ったく!!…しょうがねぇ娘だ!!…分かったよ!!!」
__……コオオオオオォォォォォ……
この時自分は大丈夫!とばかりに笑って見せると、息を切らしながらも愛嬌を
振り撒き!…するとマサツグもハッと我に返った様子でシロを見詰め!…一旦
考える事を保留して目の前の弱って居るマヨルに改めて目を向けて行き出すと、
刀を構える!…その際シロに了承したよう返事をする一方で、マヨルにも
何やら異変が!…それは息を吸い込む様にして口の中で軽い放電をし始め!…
さも危険と言った様子を全面に!…他の冒険者達もそれを察した様子で身構える
様な素振りを見せる中!…マサツグだけがそのマヨルの様子など御構い無しに
突貫の構えを見せて居ると、次にはマヨルがブレスを吐く!…
__コオオオオオォォォォォ!!!……カッ!!……チャキッ!!…ダン!!!…
「構う事はねぇ!!!…ブレスごと叩っ斬ってやる!!!」
__スオオォ!!…ズバァァァアアアアンンン!!!…ッ!?!?…
「ウオオオオオオオオォォォォォォォォォォ!!!!」
マヨルはメノル同様雷撃ブレスを!…まずはマサツグ達に向けて放つのだが、
マサツグは関係無い!とばかりに刀を抜刀をして行くと、そのマヨルの雷撃
ブレスと鍔迫り合いを始める!…その際ぶつかった衝撃で何かが弾ける様な
音が辺り一帯に響くと、その音に冒険者達は酷く戸惑い!…何ならそのヤバい
ブレスと鍔迫り合いを始めたマサツグに驚き!…今何が起きて居るのか!…
とにかく目の前の光景が在り得ない!と言った様子で自身の目を疑い始めて
居ると、マサツグは吠えながら押して行く!…
__ズゴオオオオォォォ!!!…ッ!?…ッ!?!?…
「ッ~~~!!!…一気に!!…仕掛ける!!!…
画竜!!!…ッ点睛ぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
__グオオオォォ!!!…ッ!?!?…ズババババァァァァアアアンン!!!…
そのマヨルとの決着も呆気無く着く!…マサツグが押し切りブレスを二つに裂いて
見せ!…自身の間合いにマヨルを入れた所で更に踏み込み!…無数の斬撃を一気に
一瞬の如く叩き込んで行くと、激しい斬撃音と共に雷撃を無情にも霧散させる!…
そしてそのマサツグの刃が届くとマヨルの体は続けてバラバラ!…頭・体・両翼・
両足とバラバラに斬ってしまうと、その有り得ない光景に冒険者達は更に固まる!…
まるで夢を見ているかの様な光景に思わず呆然!…開いた口が塞がらず!…しかし
現に目の前でマヨルはやはりバラバラに!…光りに包まれその姿をただのアイテムに
変えて行って見せると、マサツグも刀を納刀する!…
__……フォン!!…スウゥ…キン!…
「……だぁっはぁ!!…疲れたぁ~!!…って、まだ終わんねぇのコレ?…
カロリーどんだけ使うイベントなのよ?…これぇ?…」
「………や……。」
「ッ!……や?…」
マサツグだけはさも普通としており!…刀を綺麗に納刀し終えると、糸が切れた様に
しゃがみ込む!…その際疲れたとぼやき始めるとイベントにしては激し過ぎる!と…
今までのイベントも含めてカロリーが高い!と文句を言い出し!…まだ終わらない
様子にいつ終わるのか?と言った疑問まで持ち出し始めて居ると、ふと辺りから一言
声が…それはまるで気の抜けた様にポロッと聞こえ、マサツグもそれを耳にした
様子で次にその聞こえた方に視線を向けて反応をすると、そこで大歓喜の言葉を
耳にする!…
__やったあああああああああ!!!!…ウオオオオオオオオオオオ!!!!…
「ッ!?…な!?…何だ!?…って、え?…もしかしてこれで終わり…」
__ぴょい~ん!!…ガバァ!!…ッ!?…
「やりましたね!!…ご主人様!!!」
マヨルが倒された事でお祭り騒ぎ!…冒険者達は腕を振り上げ大喜び!…すると
そんな様子を目にしたマサツグも思わず驚き始め!…まさかこれで終わった?と
安堵する様な言葉を口にしようとすると、次には背後からシロに飛び掛かられて
しまう!…その際シロも無事マヨルを倒し終えた事で歓喜すると、マサツグに
甘えながら言葉を!…となるとマサツグも突如飛び掛かられた事でまた驚き
戸惑い!…シロに苦笑いをしながら落ち着くよう言葉を掛けると、再びふとある
疑問が湧いて来る!…
「ッ!?…シ、シロ!?…急に飛び掛かって!!…
…って、そういや聞きたい事が有ったんだ!……シロ?…
お前怪我は?…」
「ッ!…怪我ですか?…もう大丈夫!!…」
「じゃあ何を使って回復したんだ?…
俺のポーチでそんな即効性のある回復ポーションつったら…
エリクサーしか無いと思うんだが?…」
__ビクンッ!!………そろぉ~…
マサツグが抱いた疑問と言うのはシロの状態…あのマヨルから貰った怪我に
ついてで!…先程の疑問が再度ふと出て来ては質問を口に!…まずはシロの
怪我を心配して大丈夫かどうかを尋ねて行くと、シロは笑顔で返事をする!…
この時いつもの様に手を上げて天真爛漫にマサツグへ返事をするのだが、
次にはシロの表情は青褪め!…と言うのもマサツグはシロからの返事を
聞いた所で本題に入り!…その際思い当たる者についてエリクサーと口に
すると、シロはマサツグから離れ始める!…そして徐々に徐々に距離を取る
様な素振りを見せるとマサツグ理解した様子で…
「……シロちゃ~ん?…
君は一体何を飲んでそんな元気になったのかなぁ~?…」
「え…えっとォ?…そのぉ?…あのぉ?…」
__…ギッ…ギッ…
マサツグはシロに向けて笑みを浮かべると名前を呼ぶ!…しかも妙に上機嫌な
様子で!…そして改めて元気になった理由について態度をそのままに質問を
すると、シロは怯えた様子で返事に困る!…その際そのシロの表情からは明らかに
何かに困った様子で見て取れる訳で、マサツグもその様子を見て確信を!…
スッとシロの方へ振り向くとシロに近付き、シロもマサツグが近付いて来た事で
若干の逃げ腰で後ろに一歩下がって見せると、更に話はややこしくなる!…
「……アイテムポーチ…返してくれるかなぁ~?…」
__ッ!?…ギュウゥ!!……ギッ…ギッ…
「あう…あう…」
マサツグがアイテムポーチの返却を求めるとシロは何故か抵抗!…まるで守る様に
抱えるとギュッと抱き締め!…となるとマサツグの中でも更に確固たる確証を
持ってしまい!…更にシロへと詰め寄って見せると、シロもそれに合わせて逃げる
様に下がって行く!…それはとても化け物を倒し終えた後の様子には見えない訳で、
互いに互いを警戒し合う様な様子を見せ!…そうなって来るとシロも更に困惑し
出し!…何やら言葉にならない声を口にし出して行くと、マサツグは更に追い詰める
ようシロを呼ぶ!…
「……シロちゃ~ん?…シロちゃ~ん?…シィロォちゃあぁ~ん?…」
「ッ!?…あう…あう~!…」
__バッ!!…ッ!?…ババッ!!…
「こらぁ~!!…そこの白い幼女!!…止まりなさぁい!!」
「ヤですぅ~!!」
もはやこうなって来るとマサツグも楽しくなって来た様子でシロを追い詰め!…
シロもそれに合わせて逃げるよう後ろに下がり!…遂にはマサツグの圧に耐え
切れなくなった様子でシロは逃走!…その際やはりアイテムポーチを抱えて
マサツグに背を向け!…マサツグもシロを追い駆けると言った鬼ごっこに発展
し出すと、まるでスピード違反車両を追い駆ける警官の様になるのであった!…
…因みに言わずもがなこの後互いにTPが切れるまでチェイスは続き、マサツグが
シロを意地でも検挙して見せると、周りから不審な目で見られるのであった!…
尚続きを語るとその後シロ容疑者の所持品から証拠が!…それを見つけられた事で
シロも観念!…マサツグに自白をした後、マサツグからちゃんとお仕置きを受ける
のであった!…
応援ありがとうございます!
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