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-第五章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~ドワーフファミリア編-

-第五章三十七節 不穏な話と一番坑道と小さな住人?…-

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「…ッ!…そう言えばリーナ様は何所に向かわれるのですか?…

この先は何も採掘されていない廃坑でこれと言って何もありませんよ?」


__ッ!……ッ…


「ッ!…え?…あれ?…皆さん?…」


さてマサツグが末期症状を見せつつ…話は元に戻ってその行先についてクリミア

から質問を受けると、マサツグ達はピクっと反応をして見せる。と言っても別に

何か隠しても居ないし、何か企んで居る訳でもないのだが…ただふと反射的に

驚いた様子で反応をしてしまい!…その様子にクリミアも変に戸惑った様子を

見せると、次には何か聞いちゃいけない事を聞いたかと焦り出す!…しかし!…


「いや、私達はある剣を直す為に!…

ドレッグ殿にアダマンタイトを取って来るよう言われたので

ここに来たやって来たのだ!…

しかしここに辿り着いたらあのゴーレムと戦闘になって…

今現在に至ると言った訳だ…」


「ッ!…そ、そうだったのですか!!……ッ!…

と言う事はこの先にいるアダマンタイマイに用があると…」


「ッ!…そうなのだが…何か問題でも有るのか?」


リーナは間に立つよう話しを!…と言うのも剣を直す為にこの先に用があると

クリミアに説明!…その際別に疚しい事は考えて居ないと更に続け!…何なら

その道中であのゴーレムに襲われたと、今までの経緯を話す様にクリミアに

説明をして行くと、クリミアもその話を聞いて納得する!…しかし次にはふと

思い出した様にピクっと反応…そして次には何か意味深な様子で改めて質問を…

アダマンタイトと言う事はアダマンタイマイ?と…リーナもその問い掛けに

対して肯定して行き!…クリミアの反応が気になった様子でその反応について

質問をすると、クリミアは若干具合が悪そうな表情を見せる…


「……じ、実はですねぇ…

最近そのアダマンタイマイを見たと言う報告がないのです…」


「……え?…」


「恐らくはいつもの様に雪原を歩いて居るかと…

しかしその姿が何処にも無いらしいのです…

不自然に巨大な足跡が有ると言うのに…その姿が見えない!…

何か奇妙な事が起きている状況でして…」


マサツグ達に対して申し訳なさそうな…とにかくそんな様子を見せつつクリミアが

話し出したのはその件のアダマンタイマイの話で、何でもその姿を見て居ないと…

となるとそんな言葉が出て来た事で一同は固まり!…思わず咄嗟に声が出て来ない

様子でポソっとだけ一言言葉を口にすると、更にクリミアは話を続ける!…

と言うのも不可解な事にその足跡は有るのだが、肝心のその姿は何処にも無いと!…

そんな話が出て来ている事にドワーフ達の方でも困惑して居ると!…クリミアが

行っても無駄だと言う風に話をすると、マサツグも酷く困惑した様子で言葉を

漏らす!…


「………マジで?…」


「ッ!!…あぁ、えぇ~っと…

[掘りテク]の報告からだとそう言う事になって居ます!…

…と言うのもリーナ様達と同じでアダマンタイトを取りに行った者達が

そう[掘りテク]に報告をしたそうなのですが?…」


「ッ!…[掘りテク]?…」


「ッ!…あぁ、[掘りテク]と言うのは[穴掘りドワーフテクノロジー協会]!…

を略して[掘りテク]と呼ばれている略称名で!…

とにかくその報告を受けた[掘りテク]としても調査を!…

アダマンタイマイの捜索に向かったそうなのですが…

…まだ帰還の報告は貰ってないと…とにかく色々とアダマンタイマイに対して

奇怪な事が起こり続けているのが実情です!…我々としても困ってまして…」


そんなクリミアの話を聞いて絶望の色を!…するとクリミアもそんなマサツグ達の

様子に気が付くと慌てて言葉を!…あくまでも報告を聞いた上での話だと言い!…

実際に見て来た訳では無いと話すと、更に話しを続けて行く!…その際気になる

名前をポロッと口に、[掘りテク]と聞き慣れない名前を挙げ…するとその名前を

耳にしたオリハが尋ねる様に名前を復唱…クリミアもそんな復唱を聞いて説明し

始め!…とにかく色々とまだ完全にそう言った報告を受けた訳では無い事を口に

すると、不可解な事件に見舞われて居ると困って見せる!…さてそうなると

マサツグ達としても徐々に嫌な予感を感じ始め!…現状を整理するよう言葉を…


「…アダマンタイマイは見つからず、調査隊は行方不明…

でも居ると言った痕跡はあると!……うぅ~ん!…」


「……ッ!…撤去作業も終えたみたいね…

道はボコボコだけど…もう通って大丈夫みたい!…」


今の話だけで異変が三つ!…姿の見えない巨大な亀に!…行方不明の調査隊!…

そして居る筈の痕跡と!…とにかく不可解な様子に嫌な予感を!…マサツグと

リーナが共に悩む様な態度を見せて居ると、その一方でアヤがふと気が付いた

様子で言葉を漏らす。と言うのも爆破撤去が終わって撤去作業と、その全てが

終わった様子で道が解放されて居ると!…だが相変わらず道がボロボロである

事に苦笑いをしつつ…とにかくまた先に進めるとばかりに声を掛けると、

クリミアもハッとした様子で注意をする!…


「ッ!…あっ!…リーナ様達を止める訳では無いのですが…

十分にお気をつけて下さいね?…

…この先の一番坑道のみならず、更にその先のアダマンタイマイの居る

高原のモンスターはどれも手練揃い!…気を抜けば一瞬で命を持っていかれます!…

それにもしその報告が嘘だったとしても!…アダマンタイマイはとても大きく!…

万が一踏まれてしまったらお終いです!……くれぐれも無理をしないよう!…」


「ッ!…あぁ、気遣い感謝痛み入る!!…」


「ッ!!…はい!!…如何か!…任務のご成功をお祈り申し上げます!!」


注意をする際止める訳では無いと…だがそれでもこの先の事について触れ出し、

決して油断しない様にと言葉を!…気を抜けば直ぐにお釈迦と言葉を口に!…

見えないアダマンタイマイに対しても嘘か誠か?…とにかく注意するに越した

事は無いと言い聞かせる様に話しをすると、リーナがクリミアに返事をする!…

その際クリミアに対してピシッと敬礼をして見せると、クリミアもそれを受けて

敬礼で返し!…何ならリーナに敬礼をして貰えた事が嬉しいのか笑顔で返事!…

マサツグ達もそんなクリミアの笑顔を背に受けて!…改めて一番坑道への道に

向けて視線を動かして行くと、再び足を動かし始めるのであった!…


さて、そうして移動を再開した一同の目にはやはりボロボロの道が!…

辺り一帯にクレーターが出来ており!…何ならまだ重装備のドワーフ達の仕事は

終わって居ないのか、自警団のドワーフの救助と!…とにかくまだまだ慌しい

様子を見せて居た!…


__わっせ!…わっせ!…ガッショ、ガッショ!!…


「…にしてもえげつねぇ光景だな改めて…

…我ながら良く爆発させる事無く斬ったモンだ…」


「道路も線路もボロボロだし、何よりこの煤け様…

ここら一帯だけ他と違って黒くてとんでもない事になってる…

…ほら、あのドワーフさんが通った跡もしっかり残るぐらいに煤けてる!…」


「この惨状の中、良く私達助かったわね…

普通じゃ考えられないけど……」


改めて辺りを見回すと道はボロボロ!…引かれて有った線路も見るも無残に

変形しており、ただ通るだけでも足を挫きそうな!…陥没した様子で見て

マサツグ達も唖然!…良く生きて居たなと改めて自分達でも驚くとばかりに

零して居ると、やはり何か運命的な物を感じる!…と言うのもやはりマサツグの

[超幸運]が生きて居るのか、普通だったら死んで居ると…とにかくそんな

荒れ果てた道を眺めながら一同茫然!…ドワーフ達の救助活動の様子にふと

目を向けて居ると、更にふとある事を考え出す!…


「…て言うか毎度あんなゴーレムが湧いて来るのか?…

だとしたらかなり過酷な様な?…」


「…いやアレは兄さんがバラバラにしたからあぁやって処理をしたんじゃ?…

何せバラバラにした事自体に驚かれてるし…

本来ならもっと別の除去方法が有ったとか…」


「…何でぇ?…お前は俺が悪いと言いたいのか?…」


マサツグが考えた事と言うのもそのゴーレムの話について、ふと何の気ない時に

突如沸いてこの様に騒動を起こすのかと!…そう考えるとかなり物騒な街で有り!…

住む事にもかなり根性が要りそうな町と感じて居ると、オリハがツッコむ様に

言葉を口にし始める!…と言うのもこうなったのはマサツグのせいと、その証拠に

バラバラにした事について話し!…本来の処理方法はと違うのでは無いのかと!…

オリハが意味深な様子でそう言葉を口にすると、マサツグもそんなオリハに探りを

入れる!…さてそんな話をして居るとまた喧嘩になりそうな雰囲気に!…しかし

それを止める様にアヤが声を!…


「ッ!…何をしてるの?……もう話も終わったみたいだし!…

私達もさっさと行くわよ!!……マサツグが禁断症状を起こす前に!!」


「ッ!!…ンブフ!!…」


怪しい雰囲気にアヤが近付いてはポンと…徐にマサツグの肩を叩いて見せると、

まるで止めに入るよう先を急かす!…その際何と無しにチャチャを入れるよう

マサツグに言葉を続けて行くと、禁断症状が出る前にと弄り!…するとその

アヤの言葉にオリハは不意打ちを喰らった!とばかりに噴き出し!…マサツグも

その言葉にピクっと反応するよう視線をアヤの方へスッと向けて行って見せると、

次には脅し文句を口にする!…


「ッ!?……何だったらアヤも頭を撫でてやろうか?…

シロみたいにヨシヨシってよ?…」


「ッ!……ッ?…」


「ッ!?…え、遠慮するわ!…さ、さぁ行きましょ?…」


その脅し文句と言うの頭を撫でると言うモノで、当然そんな会話にリーナも

首を傾げる一方!…アヤは何か沽券に関わるとばかりに慌て出し!…マサツグに

遠慮するよう言葉を口にすると、一人先へと急ぎ出す!…さてそうして一同は

改めて一番坑道に向かって行き、その最奥?…にて木材で枠組みされて有る

洞窟を見つけ!…するとそこが一番坑道だったのかビンゴとばかりに!…次には

マサツグ達の目の前にその一番坑道の案内が突如表示されて行くと、そこが

ダンジョンである事を認識させられる!…

 -----------------------------------------------------------------------

          「ドワーフファミリア・一番坑道」

  ドワーフファミリアの数ある廃坑の内、一番最初に採掘が終わった

  とされ破棄された廃坑。その中にはまだ微かに残留する鉱石と共に、

  多数のモンスターが生息する恐ろしいダンジョンとなっており…

  迂闊に入ろうモノならそのモンスター達の餌食に!…故に大人の

  ドワーフ達は子供達に絶対近付かない様にと、口が酸っぱくなる程に

  言い聞かせて居ると言う話がちょくちょく出て来る。…因みに言う

  事を聞かない悪い子はここに入れられると脅され!…ある種の

  トラウマを植え付けられる。尚、この廃坑を抜けるとアダマン高原に

  出れる。

                                          推奨Lv.50

 -----------------------------------------------------------------------


「……中々に面倒…ってかトラウマて…」


「…しかしここを抜けねばアダマンタイトは手に入らない!!…

それにクリミアが言っていた調査隊の安否も気になる!…

皆注意して進むぞ!!…」


入って早々その案内にも驚かされてしまうのだが、それ以上にその目の前には

入り組んだ様子が!…あっちこっちに道となる穴がドカンと口を開けて待って

居り、それらを見て一体どの道が正解の道なのか?と悩んで居ると、リーナも

その様子に戸惑って見せる!…しかし目的を達成する為にもここを抜けるしか

勿論無く!…調査隊の安否も気にした様子でやる気を出し!…その際全員に

注意をする様にと声を掛け!…警戒を怠らない様に辺りに対して気を張って

見せて行くと、次にはアヤが疑問を持つ!…


「…ッ!…ねぇ?…ここって本当にもう廃坑なのよね?…

なのに何でまだ鉱石が掘られた様な形跡があるのかしら?…」


「ッ!…え?…」


「……ッ!…そうだな…確かに何かが掘り返された様な痕跡がある…

でもこれってまだ鉱石が残ってたから掘っただけで…

別にそこまで気にする様な事でもじゃないんじゃ…」


アヤが持った疑問と言うのも廃坑ならでは!…と言うのも誰かが鉱石を掘った

であろう跡があると!…しかもその痕跡と言うのはまだ最近の物であるらしく、

誰かが近くに居るのでは?とアヤが辺りに警戒をすると、リーナが戸惑った

様子で言葉を零す!…そしてアヤとリーナが何か警戒をし始めた一方で、

マサツグもその痕跡を確認し出し!…するとそこには見間違う事無く鉱石が

掘られた跡があり…不自然に岩が崩れており、誰かが掘ったであろう最近の

痕跡が見て取れると、マサツグも痕跡が有ると肯定をするのだが…逆に言えば

ここは坑道である事から当然な訳で、何なら鉱石もまだ残って居ると…

さすがに警戒し過ぎ…と言葉を口にしようとするのだが、次の瞬間何か小さな

影が動く様子を見つけると、一同は途端に武器を構える!…


__……モゾモゾ…モゾモゾ…ッ!?…チャキ!!…


「……何か居る!!…隠れてないで姿を現せ!!!」


__……チラァ~…ひょこ?……


「ッ!……え?…」


何か怪しい物が見えた事で武器を構えて警戒!…そしてその動いた影に対して

警告をするよう言葉を口にするのだが…そこから姿を現した物とは何と小人の

姿で有って!…もはや見た目は某・アトリエ系に出て来る妖精をして居る事に

ふと気が付いてしまうと、思わず毒気が抜けて行く!…大体10cm位の身長を

した小人だろうか…その手には鶴嘴が握られており、頭にはナイトキャップの

様な帽子も被っていて…パッと見た所は男の子なのだろうか?…とにかくその

可愛らしい容姿をした小人に対しマサツグ達がえ?…とばかりに戸惑った反応を

見せて居ると、向こうも武器を構えている人間達の姿に怯え始める。


__スッ…プルプルプルプル!…


「こ、小人?…いやでも何か様子が可笑しい様な?…」


「…ッ!?…待って皆!!…武器を下げて!!…

この子は敵じゃない!!!」


「ッ!……アヤ?…」


その小人はマサツグ達の目の前で降伏のポーズ!…両手を挙げて目に涙を溜めて

見せ!…となるとそんな様子にマサツグ達も困惑し始め!…明らかに敵じゃない

であろう小人にとにかく固まったよう武器を構え続けて居ると、次にはアヤが

ハッとした様子で声を掛け出す!…と言うのも武器を下げろと、敵では無いと!…

するとそんなアヤの言葉にマサツグ達は更に戸惑い!…一体如何言う事なのか?

とその視線をアヤの方へ向けて行くと、次には相談する様に話し合う!…


「……ま、まぁ確かに構えたは良いけど…

出て来たのが思いの他小さいと言うか何と言うか…」


「…武器を構える私達に完全に怯え切っているしな…」


「…とにかく敵意は無いみたいだし…一応、降ろす?……」


「…と言うかこの姿を他の者達が見れば圧倒的に我々が悪者だぞ?…」


慌てるアヤを余所に困惑の三人!…マサツグがアヤの言う事を聞いた様子で若干

武器を降ろして行き、それでも一応は動ける様にと警戒を!…と言うのも結局の

所モンスターだった!となった時に対応出来るよう構えて居る訳であって…他の

二人も何か戸惑った様な反応を見せて居ると、リーナが小人の様子を確認する…

するとそこには依然として両手を挙げてプルプルと震える小人の姿が!…となると

他の二人もそれを見て敵意を失い…何ならもはやその様子から敵に見えず、寧ろ

自分達の方が悪人なのでは?と感じ出すと、今度は小人の方が言葉を口に!…


「ッ!!…ッ~~~!!…た!」


「ッ!……た?」


何やら意を決した様にその小人とはマサツグ達に向けて言葉を!…その間もやはり

両手を挙げてプルプルと震え!…となるとそんな小人の言葉にマサツグ達も反応!…

振り返って小人の方にその視線を向けて行くと、その小人が言った言葉を復唱する。

と言ってもその小人が言ったのはたった一言…勿論その一言に疑問を持った様子で

声を掛け…するとそのマサツグ達の復唱に続けて更に言葉を!…今度は更にもう

一言!…何か訴えたそうな表情を見せつつ!…更にその言葉を口にして行って見せる

と、次にはお決まりのツッコミが入ってしまう!…と言うのも!…


「たべ…ッ~~~~!!…

だべないでぐだざ~い!!!

うわぁ~~~~~ん!!!!…」


「ッ!?…食わねぇよ!!」×2


「ッ!?…た、たべ!?…え?…」


小人の口から出て来た言葉は某・カ○ンちゃん!…そしてそこから遂に我慢が

出来なくなったのか感情が溢れ出すと、滝泣きをし始め!…するとその言葉を

聞いたマサツグとオリハは反射的にツッコミを!…お約束とばかりに真っ向から

その小人の言葉を否定すると、リーナもそのやり取りに付いて行けず戸惑って

見せる!…その際その二人のツッコミにも驚くのだが…その小人の言葉にも

え?…とばかりに戸惑って行き…とにかくこのやり取りは何なのだ?と…若干

困惑した具合に一人オロオロとして居ると、次にはアヤが冷静に事の対処へ

当たって行く!…


__コッ…コッ…コッ…コッ……スッ…


「…ほら大丈夫!…私達は貴方を食べないわ!…

…それよりも貴方は一人?…他の皆は?…」


「ッ!!…あぁおいアヤ!?…迂闊に近付いて!!…」


「大丈夫よ!…皆、安心して!…この子は無害よ!…

寧ろ仲間かもしれない!!」


ツッコミ戸惑う三人を余所に!…アヤ一人だけがその小人に向かって歩き出すと、

次にはしゃがんで声を掛ける!…その際必要以上に怖がらせない様にと気遣うと、

手を下から差し出す様にして小人の前に手を出し!…更には気になった事についても

質問を口に!…小さな子に質問をするよう優しく!…とにかく不思議に感じた事に

ついて質問をすると、マサツグもそんな様子にハッとする!…そしてアヤに対し

警戒を怠らないよう言葉を口にするのだが、アヤはマサツグの方へ振り返ると

笑顔で大丈夫と!…何なら仲間である!と言った事を口にし出し!…その言葉を

聞いてマサツグが更に戸惑った様な反応を見せて居ると、アヤは一先ずその小人を

回収する!…


__スッ…ッ!!…ッ!?…!?…コッ…コッ…コッ…コッ……スッ…


「この子はノーム!…大地の精霊よ!…

普段はこう言う洞窟の壁に穴を掘って!…

その掘った穴を住処にしているって聞いているけど…

まさかこんな形で出会う事になるとは思わなかったわ!…」


__バッ!!…えぐっ!…えぐっ!…


「は!…初めまじで~!!…ノームでず~!!…

でずがら食べないでぐだざ~い!!!…美味じぐないでず~!!!」


アヤは自身の掌に小人を乗せるとそのままマサツグ達の元へ!…そしてマサツグ達に

その小人を見せるよう手を差し出し!…小人が大地の精霊・ノームである事を

説明すると、そのノームもマサツグ達の前に出された事で名乗り始める!…その際

やはりアヤの手の上で名乗る時も滝泣き号泣しており、必死に両手を挙げて敵意が

無い事を全身で訴え!…だがその手には鶴嘴がしっかりと握られては絶対離さず!…

余程大事なのかとにかくマサツグ達に対して鶴嘴を握ったままプルプルと小刻みに

震えて見せると、降伏の意思を絶対に絶やそうとはしないで居た!…さてそうなると

マサツグ達としても如何したものか?と…ふとアヤに質問を口にし…


「……なぁ?…本当にこのさっきから滝泣きしながら頭の上に

白旗を揚げているのが精霊なのか?…

何かこの小人……サーバルキャットに追い回されてそうな感じがするんだが?…」


「ッ!…サ、サーバルキャット?…何それ?……ま、まぁ良く分からないけど…

とにかくこの子は間違いなく大地の精霊ノームよ!!…

その証拠にこの特徴的な帽子に鶴嘴!!…間違いないわ、本物のノームよ!!…」


__プルプルプルプル!…


「……間違いないわ!…を二回言うって事は本物なんでしょうかね?…

オリハさん?…」


「ッ!…そこで何故私に聞く?…

私に聞かれても精霊の事はチンプンカンプンだぞ?…」


とりあえず精霊と聞いたものの頼りなく!…思わずやはりミニチュアサイズの

某・カ○ンちゃんなのでは?と言った言葉を口にすると、アヤはその言葉に

戸惑って見せる…と言うのもこの世界にサーバルキャットと言った生き物は

居らず、某・最終幻想宜しくクァールなら居る世界なので…とにかくアヤは

自信満々に本物と!…その証拠を上げる様に帽子と鶴嘴をマサツグ達に指差して

見せると、再度本物と強調する!…しかしそこに居るのはやはり泣きながらに

震える小人の様子で、マサツグは思わず首を傾げ…終いにはオリハの方へ

振り向くと無茶振りを一つ…となるとオリハもそんな言葉にツッコミを入れ!…

分かる訳が無いと言った言葉を口にすると、ふとリーナがある疑問を持ち出す!…


「……ッ!…所で気になったのだが…

その精霊?…は如何してここに居るのだ?…

先程の説明ではこの小人は壁に隠れて生活をすると言ったな?…

しかしこの小人が出て来たのは地面から…

それも住んで居ると言うよりは何か急いでいる様にも見えたが…」


「小人じゃなくて精霊!…でも確かに変ね…

幾ら精霊の中に変わり者が居るとしても地面に住む筈ないし?…

更にここは元坑道…こんな所に住んでいたら毎回住処を変えなきゃいけないし…

…どうして?」


リーナが気にした疑問と言うのはそのノームが何故ここに居るのか?と言う事で、

リーナ曰くアヤの話から察するにここは適さないと!…ちゃんと話を聞いて居た

様子でここは条件に満たないと、何ならその出て来た場所も地面から言い!…

何かとにかく聞いた話と矛盾を感じる!…そう言ってノームの様子が可笑しい事

にも着目すると、その話にアヤが乗っかる!…その乗っかる際も訂正するよう

ノームと言うと、リーナの話は正しいと受け入れ!…全員が全員そうでは無いと

語る一方…リーナの言う通り何かが可笑しい事を口にすると、同じ様に疑問を

持つ!…さてそこからは掌にノームを乗せつつ、何か悩む様な様子を見せる

のだが!…次にはそのノームがハッと何かに気が付いた様子で反応!…アヤに

対して何か興味を持つ様な態度を見せると、突如その号泣もピタッと止まる!…


「エッグ!…ぐすっ!……ッ!?…

こ、この魔力の感じ方!!…も、もしかして精霊使い様!?…」


「ッ!…え?…」


「エ、エルフのお姉さん!!…貴方はもしかして!!…

精霊使い様なのですか!?…」


「ッ!?…え?…えぇ…そうだけど?…」


そのノームがハッとしたと言うのもアヤの持っている魔力に反応した様で、アヤを

精霊使いと認識するや否や慌てた様子で振り返り!…するとそんなノームの反応に

対してアヤも戸惑い!…中途半端に何とも言えない返事をすると、更にノームは

確認を続ける!…と言うのも精霊使いである事が重要らしく、アヤに再度確認を

すると同時に正座に座り直し!…するとそんな態度の急変にアヤも更に戸惑って

見せ!…それでも自身がその精霊使いである事を口にすると、次にはノームがハッ

とする!…


__ッ!!…ッ~~~!!!…ブン、ガス!!…


「ッ!?…ちょ!…ちょっとぉ!?…」


「お願いします!!!…僕達の住処を守ってください!!!」


「ッ!?…うぇえ!?…」


目を見開き固まったかと思えばまた涙を溜め始めて次には土下座!…勢い良く

アヤの掌に頭を減り込ませ!…するとそんなノームの様子に勿論一同は困惑し

出し!…アヤもこれにはナニコレ!?とばかりに戸惑った声を上げて見せると、

次にはノームがお願いをする!…と言うのも何か非常にピンチに陥っている

らしく、突拍子も無く住処を救ってくれ!と…となると当然そんなノームの

お願いにまたもや一同は困惑をして見せ!…一体如何言う事?とばかりに

マサツグが戸惑った様子で声を上げると、アヤがノームに質問をする!…


「え?…えぇ!!…きゅ…急に如何したの!?…」


__……スッ…テロン…


「グスッ!…実は僕達の住処はの背中にある…

大きな岩山の途中にあるのですが…」


「…ん?…ちょっと待て!?…今アダマンタイマイと言ったか!?…」


戸惑った様子でアヤが言葉を!…すると少ししてからノームも頭を上げ出し…

その際帽子のとんがり部分を顔の前に垂らしながら説明を口に…と言うのも

このノームはアダマンタイマイの背中から!…降りてここまで来た様な事を

口にすると、当然その話を聞いたマサツグ達は詳しく!…とばかりに食い付き

様を見せる!…それこそその件のアダマンタイマイは何処に居るのか!?と

聞きたくなって迫るのだが、アヤがそれを冷静に制止!…


「ッ!!…ちょっと!!…まずは最後まで話を聞いてあげましょ?…

話はそれからでも遅くは無いわ!」


「ッ!…ス、スマン…ついも、申し訳ない!…(すみません)…」


「……ふぅ…続けて?」


__ッ!……ペコッ…


マサツグ達に待った!を掛けるとまずは話をと!…とにかく人助け?…を優先する

様に止めに入ると、自身の身を挺してノームを守り!…するとマサツグ達もそんな

アヤの制止を聞いてハッと我に返って戻り!…次にはアヤとノームに申し訳ない!

と言った態度を見せると、三人揃って謝罪をする!…と言うのも不確定要素の多い

今回の件!…少しでも情報が欲しいとばかりに先走り!…だがそれもアヤの制止が

聞いたのかとにかく反省した様子を!…するとアヤもそれを見て一息吐き!…改めて

ノームに説明を求める様に声を掛けると、ノームはアヤに対して頭を下げて見せる

のであった!…

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