上 下
431 / 692
-第五章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~ドワーフファミリア編-

-第五章三十六節 不本意な危険地帯と黒鉄の者達と小さな隊長-

しおりを挟む



さてオリハに衝撃の事実を聞かされて動けなくなった一同!…その際よくもまぁ

斬った際に爆発しなかったモノだと…ある種初めて[超幸運]に助けられたと

マサツグ達一同が感じて居ると、オリハも改めてその光景に驚いて見せる!…

この時その辺り一帯にはいまだゴーレムだった物の残骸が!…一番大きい残骸で

軽く1m強あり!…何か不穏に蒸気を発する様子が今も静かに伺えると、警戒を

密にせざるを得ないで居るのであった!…


「……にしてもよくこんな化け物を斬り刻んだモンだね?…

爆発も勿論だけど…それよりも岩の塊を斬っちゃうなんて…」


「……確かにそうよねぇ?…この岩の塊をここまで切り刻むんだもの…

シロちゃんとフィロの相手で振り回されている姿を見ているから…

時々マサツグが剣聖だって事を忘れてしまうわ…」


「ッ!?……えぇ~っと、アヤさん?…

普段俺の事を何だと思っているんだ?…」


辺りに転がっている残骸を見て改めて言葉を!…マサツグが岩を斬ったと言う事に

オリハも驚きを示し!…するとアヤもそれに続くようふとその残骸を見て言葉を…

驚いた様に話しながらマサツグが剣士である事を忘れて居たとシミジミ話すと、

マサツグが戸惑った様子でツッコミを入れる!…その際マサツグとしては一応剣士

として頑張って来たつもりなのだが、その肝心のアヤの口から出て来た言葉は…


「ッ!…え?…うぅ~ん、そうねぇ?……ッ!…

オオカミ娘と狐娘に振り回されてる保父さん!……とか?」


「おい!!!……ッ~~…」


アヤの目から見たマサツグの姿と言うのはもはや保父さん!…しかも振り回されて

居るとハッと気が付いた様子で話し!…となるとマサツグもそれを耳にすると更に

アヤへツッコミを入れ!…自身でも振り回されて居る事に否定出来ない部分がある

事に気が付いてしまうと、その後の言葉が続かなくなってしまう!…さてそれから

ずっと救助が無いままマサツグ達が固まって居ると、ふと不穏な音が…と言うのも

辺り一帯から蒸気が噴き出す様な音が聞こえ、同時に何か割れ目が入る様な音も!…

仕舞いには本当に蒸気を出すよう白い煙状の何かが噴き出し始め!…とにかく

いよいよヤバい!と言った状況になって来ると、更にマサツグ達の不安を煽る!…


__……シュウゥ~~~!…パキッ!…パキッ!…


「…何か嫌な音が聞こえ始めたんだが?……」


「だ…だだだ…大丈夫でしょ!?…

まだ私達の近くに転がる残骸からは煙を上げていないし!…」


「でも、起爆したら連鎖的にこっちの残骸も爆発するんじゃ?…」


「ッ!?…い、嫌な事言わないで!!…想像しちゃうじゃない!!…

あぁ!!…神様、仏様!!……何でもいいから助けてぇ~!!…」


音が聞こえ出した事にマサツグも焦りを!…この時皆にも聞こえて居るか?と

尋ねる様に声を掛けると、アヤが動揺した具合に返事をする!…その際アヤは

まるで強がる様に大丈夫と声を震わせながら返事をすると、その理由に自分達

から離れている所から聞こえると!…だがそのアヤの事を否定する様に

オリハが一言…これって連鎖的に来るのでは?…とフラグめいた言葉を口に

すると、アヤと共々青褪め始める!…となると勿論そんなオリハの言葉にアヤも

文句を!…しかし文句を言った所で状況は改善!…と思いきや…アヤの必死の

祈りが通じたのか!…何か町の方から重々しい音が聞こえて来ると、それらは

マサツグ達の目に映る!…


__……ガッシャ、ガッシャ、ガッシャ、ガッシャ!!…


「…ッ!?…きゅ、救援が来たんだわ!!…これで助かる!!…」


「…ふぅ…よかったぁ……最悪このまま誰も助けに来なければ…

錯乱して一人突っ走るとか起きそうでしたしね?…」


「ッ!?…そう言うのは思ってても最後まで言わねぇのがお約束ってモンだぞ?…

…でもまぁこれでとにかく…」


遠方よりやって来るその目に映った物はズングリムックリ!…それはさも小さな

ゴーレム達の群れの様にも見え!…と言うのもその姿は黒鉄の鎧に包まれており!…

如何にも重装備なのか重そうにガッシャガッシャ!と音を立てると、一直線に

マサツグ達の居る元へとやって来る!…それらの大きさは約140有るか無いか位、

しかしそれを見てアヤは救援が来たと安堵し!…オリハもオリハでそんな様子に

ホッと安心!…もしかしたら有ったかもしれない事を口に!…とにかくこれで

助かる!とばかりにそのゴーレムの群れによる救助をマサツグ達が待って居ると、

更にここである事件が起きそうになる!…


__ッ!!…ガッシャ、ガッシャ、ガッシャ、ガッシャ!!…


「……ッ!…そう言えばこの現状ちゃんと分かって居るのかしら?…」


「ッ!!…っと言いますと?…」


向かって来るそのゴーレム達もマサツグ達を見つけた様子で、ハッとした様な

反応を見せると更に駆け足!…そうして徐々に近づいて来る様子に更に安心を!…

とは行かず!…アヤがふと気が付いた様な反応を見せると、ある事を口にする!…

と言うのも本当に今の状況を理解して居るのだろうか?と、徐に意味深な事を

口にし!…となるとそんなアヤの言葉にマサツグ達も引っ掛かり…アヤに一体

如何言う事?と尋ねて行くと、アヤはマサツグにこう答える!…


「ほら?…ここに転がって居るのがゴーレムであって…

…」


「…………ッ!?…」×3


__ガッシャ、ガッシャ、ガッシャ、ガッシャ!!…


「ッ!!!…ストップ!!…スト~~ップ!!!…

こっちに来るんじゃあない!!!…それ以上は待て!!!…

近付くなあぁ~~~!!!!」


アヤが気が付いた疑問と言うのはこの状況そのものについて!…向かって来る

彼らは恐らくゴーレムの侵攻を止める為に来たのだと考えるべきで、となると

倒してしまった後の惨状など知る筈も無い訳で…今ここに転がって居るのが

そのゴーレム…爆発物である事に気が付いて居ないとすれば?…とアヤが

マサツグ達に話して行くと、それを聞いたマサツグ達は途端に固まってしまう!…

そして少しの間が開いたのち三人はピクっと理解!…途端に慌てた表情を見せ

その場でその向かって来る者達に向けて大きく手を振り!…こっちに来るな!と

大声で叫び!…とにかく状況を説明しようと止まってくれ!と叫び続けて

見せると、向こうも気が付いたのか足が止まる!…


「ッ!?……ッ?…」


「ッ!!…止まってくれた!!…よし!!!」


「ここに転がってる岩がゴーレム!!!…俺達が倒した!!!…

けどこれが爆弾岩だったらしくて!!…今危険!!!…

迂闊に近付かないよう気を付けたし!!…救援を求む!!!」


「ッ!?……ッ!!…」


何か大振りでジェスチャーをするマサツグ達に気が付いたのか、そのゴーレム?…

らしき者達は脚を止めると不思議そうにして見せ!…その一方でマサツグ達は

安堵して見せ!…如何やら言葉が通じる事で中身が人であると言う認識をして

行くと、次には今の状況について叫んで見せる!…その際もまた大きく腕を動かし

ながらジェスチャー!…とにかくこの場が危険であると何故か若干片言になり!…

すると向こうもそのマサツグ達の訴えに気が付いた様子で!…途端に何か警戒を

する様な反応を見せると、次には先頭の者が指示を出す!…


__スッ…ガッショ!…ガッショガッショ!…ッ!!…ザザッ!!…


「ゼェ!…ゼェ!……ッ!…さ、散開して行った?…って、ンン?…」


「…小屋を開けてる?……あっ…中に入ってった……ッ!?…」


「ず、寸胴鍋?…でも何か形状が?…しかも取っ手も何か妙に多い様な?…」


何か振り返ると腕を振り!…後方の者達に指示を出すと、それに合わせて後方の

者達も敬礼をする!…そして散開するよう突如あちらこちらに散って行くと、

近くに在った小屋の中へと入って行き!…その際マサツグ達は息を切らしながら

もその様子を傍観…何が起きて居るのかを口に出しながらただ助けが来るのを

待って居ると、そこで奇妙な物を目にして行く…この時その奇妙な物と言うのも

寸胴鍋で、寸胴鍋にしてはこれまた大きい!…まるで漫画に出て来そうなデカさ

の物を引っ張り出し!…それを数個それぞれ二人一組で運んで来ると、同時に

何やら棒を抱える者も…とにかくその光景は不可思議に見え!…一体何をする

のか?と言った具合に見て居ると、次にはその先頭に立って居た者がジェスチャー

をする!…


__……クルッ!…ガッシャ、ガッシャ!…ガッシャ、ガッシャ!…


「……ッ!…ん?…何かやってる?…

耳に手を当ててしゃがんでいる様に見えるが?……」


「……ッ!…真似をしろって事じゃ無いのかしら?…」


「ッ!…あぁ~!!……だとすると何か嫌な予感がするんだが?…」


先程先頭に立って居た者はマサツグ達に向けてジェスチャーを…自身の耳が

有る位置に両手を持って来ると押さえて見せ、更にその場でしゃがむ様な

スクワットを!…となるとそんな様子に気が付くなりマサツグ達も困惑!…

一体何をして居るのか?と中々に伝わらずに戸惑って居ると、アヤが気が

付いた様子で反応する!…何でも恐らく真似をして欲しいのでは無いのかと!…

アヤがマサツグ達にそう話をして行くと、マサツグも納得をした様子を見せる

一方で…何か嫌な予感も同時に覚え!…しかししない事には始まらないと!…

とにかくその先程からジェスチャーをしてくれている者の真似をする様に

しゃがんで見せると、次にはその寸胴鍋が活躍し出す!…


__ッ!!……ガッシャ、ガッシャ、ガッシャ、ガッシャ!!…

ガコンッ!…ガコンッ!…ガコンッ!…ガコンッ!…


「ッ!…寸胴を被せた?…で、棒を…突っ込ん…」


マサツグ達が無事指示に従ってくれた事で安堵したよう!…今度は後方の者達へ

指示を!…するとまずは持って来た寸胴鍋をその爆弾岩と思わしき物に被せて

行き、次にその寸胴鍋の上に登り!…棒を持ってその鍋の底に棒を突き刺すと、

その周りを他の者達が取り囲む!…その際ここで役に立つのがその無駄に付いて

いる取っ手で有り、取り囲んだ者達はその取っ手を踏み!…或いは地面に押さえ

つける様に踏ん張って見せ!…マサツグもその様子を見て実況をするよう言葉を

口にし続けて居ると、次にはその鍋の上に立って居る者が棒を突く!…


__カン!!!…ボガアアァァァァァァァァンンン!!!!…


「ッ!?…でえええぇぇぇぇ!!!」


「きゃあああ!!!」×2


__ボガアアァァァァンンン!!!…ボガアアァァァァンンン!!!…


…さて、ここまでの光景を見た者なら自ずとその処理の方法を理解するであろう!…

そう彼らの処理方法は爆破で有り、被害を最小限に抑える為に鍋を!…更に起爆

させる為に棒を突っ込み衝撃を!…すると爆発は鍋の中で納まり!…とは行かず!…

抑えが甘いのか鍋ごとその者達は宙を舞い!…その光景にマサツグ達も戸惑いを

隠せず叫んで居ると、更にあちらこちらで起爆が始まる!…しかしそんな事を

して居るにも関わらず何故か連鎖爆発は起きない訳で、少しづつながらも爆弾岩は

処理されて行き!…その際衝撃は地面を伝ってマサツグ達の所にも届いて行き!…

同時に鍋の底からは噴煙が噴き上がり!…鍋越しでも響くのか轟音にマサツグ達が

更に驚きを隠せず!…衝撃に耐えている様にただただその光景に目を向け続けて

居ると、その黒鉄の者達はドンドンと宙を舞って見せる!…


__ボガアアァァァァンンン!!!…ボガアアァァァァンンン!!!…


「きゃああああああああ!!!!」×2


「ッ~~~!!!…ま、まさかの爆破処理かよ!!!!…

そら、耳塞いでしゃがめって言うわ!!!!…」


「って言うか、鍋飛ばない様に抑えているけど!!…

良く見たら何組かがフライアウェイしてるけど!!!…」


目の前で起きるハリウッド映画さながらの衝撃と爆発音の中で、アヤとリーナは

さすがに恐怖を覚えたのか悲鳴を!…そして抑え切れずに宙を舞う黒鉄の者達も

居る中!…次々に爆破処理が行われて行くと、遂にマサツグ達の元へとやって

来る!…この時一度は爆破を止めて手作業に入ると、迂闊に衝撃を加えない様に

そぉ~っと…そしてマサツグ達の安全を確保した所で再度爆破!…その際

マサツグ達に逃げるようその先頭に立って居た者が手招きをすると、マサツグ達も

二人をそれぞれ抱えて避難をする!…


__…チョイチョイ!!…ッ!!…ガッ!!…ババッ!!…


「…ッ~~~!!!…ダハァ!!…スマン助かった!!!…

まさか倒した後にそれが爆弾岩だなんて聞かされたモンで!…」


マサツグがリーナを抱えてオリハはアヤを!…その手招きを見た瞬間二人は

瞬時に反応して見せ、まるで先に打ち合わせをして居た様に機敏な動きを!…

そして何とかその手招きをしてくれた者の所まで走って行くと、漸く助かった!

と…それと同時に助けてくれた事に対してマサツグが息を切らしながらも

お礼を言うと、その助けてくれた者はピクっと反応!…徐に被っている冑を

脱いで見せる!…


__ッ!……ガッポ!!…ふぁさぁ!!…


「……ふぅ…それは災難でありましたなぁ!…

と言うのもその化け物の討伐!…並びにご警告頂きまして!…

ご協力感謝します!!…我々はドワーフファミリア重装騎士団第一部隊!…

隊長を務めます!…「クリミア・デア・ロックスター」であります!」」


「ッ!?…え?…お、女の…子?…」


さてその冑の下から出て来たのは幼い子供…の様に見える女性で有り、その女性は

マサツグ達に災難と!…若干苦笑いをしつつもお礼を口に!…自分達が何者なのか

について話し出すと、ドワーフファミリアの騎士と名乗る!…何なら態々重装備と

言って居る所から騎士達の花形と思われ!…マサツグもまさか女の子が出て来るとは

思っても居なかった様子で驚きを露わに!…何ならその年恰好はシロと変わらない

位の様に見えてしまい、思わず成人もして居るのか?…と言った具合に言葉を口に

してしまうと、その女の子…クリミアは首を傾げて見せる。


「ッ!……はい…そうですが?…如何為さいました?」


「ッ!?…い、いや!!…こちらこそ申し訳ない!!…

つい綺麗な子が出て来たと!…」


「ッ!?…へ?…」


そのマサツグの戸惑い様を目の前に、クリミアは勿論どうした?と…となると

マサツグとしてもそう声を掛けられた事でハッと我に返って見せ!…慌てて

何でも無い!と言う様に!…そのクリミアの容姿を咄嗟に褒めるよう驚いた!

と言葉を口にして行くと、クリミアもその言葉に戸惑って見せる!…その際

マサツグから見たクリミアの容姿と言うのは、白い肌に青くクリクリの丸い

目をして居り!…髪もアルビノかと見間違う程の白髪で長いのか、後頭部に

お団子をくっ付けている…そして基本的にドレッグもそうだが、ドワーフは

身長が低く…そのクリミアもマサツグの腹部に届くか届かないか位しかない…

とにかく感覚的にはシロに似た様なモノが居る様な!…某・最終幻想の水晶

冒険記に出て来るある一族に似ていると感じて居ると、次にはリーナに頭を

殴られる!…


__ッ!!…ツカツカツカツカ!…ゴン!!…


「いで!?…ッ~~~!!…な、何をするだぁ~!!…」


__ムッスウウゥゥ~~~!!!…


「……えぇ?…」


足早にマサツグの背後へ近付くと拳を握り!…後頭部目掛けてパンチ!…

するとマサツグも不意を突かれた事で首をカクンと!…次にはその殴って

来たのはリーナと直ぐに判断をして行き!…何処かで聞き覚えの有る文句の

言葉を口にすると、自身の後頭部を摩って見せる!…しかしその文句を

聞いた所でリーナはムゥッと!…まるでシロの様に膨れて行き!…となると

そんなリーナの様子にマサツグは更に戸惑って見せ!…一体何なのか?と

ばかりにリーナの膨れている原因がまるで分からない!と言葉を零すと、

次にはリーナが咳払いをする!…


「…ンン!!……失礼!…救援感謝する!!…

私はリーナ…リーナ・ハイデルグ・スプリングフィールドと申す!…

以後、お見知りおきを!…」


「ッ!?…リ、リーナ!…

あ、貴方がスプリングフィールド王国の騎士団長にして姫君の!!…

リーナ様でありますか!?…し、失礼いたしました!!…」


__ガシャガシャ!!……


まるで改まる様に気を引き締め!…相手が騎士である事に敬意を払い!…

リーナも騎士としてそれ相応の礼儀を!…クリミアに対して敬礼をして

行き!…自身の名前を堂々とクリミアに話して行くと、クリミアもその

名前を聞いた瞬間、驚きを露わに!…何なら憧れの人物が目の前に!と

言った様子で慌ててふためき!…リーナに対して直ぐに傅く様な姿勢を

見せると、リーナもそんな様子に戸惑いを見せる!…


「ッ!…いや…そう硬くしないでくれ!…もっと楽に…」


「…テテテテ!…そうだぜ?…

今は騎士団長ではなくただの家出娘のリーナだし!…」


「ッ!…へ?…」


「ッ!!…よ、余計な事を言うな!!……ゴホン!…

申し訳ない!…先ほどの件は無視して貰って構わない。

それと私に傅く必要も無い!…」


突如傅き出したクリミアに驚き戸惑い、頭を上げる様に声を…するとそんな

リーナの様子にマサツグも続けて言葉を口に!…何なら先程の仕返しとばかりに!…

リーナがただの家出娘である事を口にすると、そのマサツグの言葉に二人は

思わず戸惑ってしまう!…勿論クリミアはキョトンとすると聞き間違いかと…

その一方でリーナは頬を染めて文句を口に!…その際また改まる様にして

咳払いを一つ!…マサツグの発言に対して無視をする様に声を掛けると、

自分達が対等である事を口にする!…しかしそう言われた所でクリミアは

ハッと、畏れ多い様な態度を取り!…


「ッ!?…し、しかし、貴方様は!!…」


「良いのだ!…今は只のリーナ!…それで良いのだ!…

…寧ろ今は貴君の方が立場は上!…傅くのは私の方だ!…」


__スッ…ッ!?…ワタワタワタワタ!!!…


「あぁ~!!…待って下さい、傅かないで下さい!!!!

私達は当然の公務を行ったまで!!!…

貴方様にその様な事をさせる訳には参りません!!!」


やはり憧れの人物が目の前に居るせいか頭が上がらず!…恐縮した様子で

言葉を!…だがリーナはそれでも頭を上げる様に言葉を!…自身の事を

一個人と、寧ろ現状クリミアの方が立場が上である事を口にすると、逆に

傅こうとして見せる!…すると如何だろう…クリミアはそれを見て

パニックを起こし!…更に慌てるよう立ち上がって手をパタパタと振って

見せると、止めてくれと訴える!…となるとこうなってしまっては収拾が

付かず!…マサツグのその様子に如何したものか?と苦笑いをするのだが…


「……ちょっと良いかしらお二人さん?…

それよりも気になると言うか…もっと凄い事がぁ?…」


「ッ!…あっはい!…えぇ~っと、如何為さいましたか?…」


「ッ!…あぁ!!…いや敬礼は大丈夫だからね?…

…それよりもこの道…大丈夫なの?…

何かトンデモナイ位に荒れ果てちゃってるけど?…」


アヤが仲裁に入る様に声を…と言うよりも気になった事が有る様子でとにかく

止めに入り!…すると二人も呼び止められた事で視線をアヤに!…クリミアが

ピクっと反応して何か有ったのか?と戸惑い気味に質問をすると、アヤに対して

敬礼をする!…するとその様子にアヤも戸惑った様子で言葉を!…しかし次には

直ぐに本題に入るよう視線を!…と言うのもその自己紹介をしている間にも爆破

撤去が終わったのか、その一番坑道へ続く道はボコボコになっており!…まるで

何か激しい戦闘でも有ったかの様に荒れ果ててしまい!…これは大丈夫なのか?

とアヤが指を差し如何にも気になった様子で視線をクリミアに戻して行くと、

クリミアはハッとした様子で返事をする!…


「ッ!…あぁ!…はい、安心して下さい!!…

この道や建物はまた別の者が修復に来ますので!!…」


「ッ!…そ、そうなんだ!……なら良いんだけど…」


「…ッ!…所でそれよりも…通報にあったゴーレムは処理したとして…

このゴーレムを倒したのは何方なのでしょうか?……やはり、リーナ様が?…」


ハッとしたのち笑顔を見せると大丈夫と!…アヤに問題無いと答え!…その際

理由に業者が来ると説明を続け!…アヤもその業者と言う言葉に何か違和感を

覚えた様な反応を見せると、とにかく一度は納得する…さてそうしてリーナと

クリミアの傅き合戦もこの話が間に入った事で収束を迎え、改めて一同は一段

落着いたと思われたのだが…次にはクリミアがふと疑問を覚えた様子でその件の

ゴーレムをと!…倒したのは誰だ?とアヤ達に報告をして欲しい感じで尋ね出す

と、その際リーナに視線を向けて行くのだが!…アヤ達の視線はある者へと当然

向けられる!…


「ッ!…え?…あぁ、それはぁ?…」


「……ひゃあぁ~…にしても豪ぇ荒れ様を見せてるなぁ…

…ッ!…ン?…え、何?…何か有った?…」


__じぃ~~~~……


「ッ!?…え?…なにこれ!?…もしかしてなんか付いてるとか!?…」


アヤ達の視線は当然マサツグに!…その際さも当たり前の様にそれはと口に!…

その一方でこの時マサツグはその惨状を見て酷いと言葉を!…アヤ達の視線に

気付くまでとにかくその道の惨状に戸惑いを隠せない様子を見せて居ると、

次にはハッと気付くなり疑問を持つ!…それも当然である!…何故なら何も

言わずに「コイツが主犯です。」とばかりにジッと視線を向けられて居るの

だから、マサツグもそれに気付くなり声を!…だが声を掛けた所でそのアヤ達

からの返事は無く!…更にマサツグが慌てた様にアヤ達に何!?と声を掛けると、

今度はクリミアがハッと察す!…


「……ッ!…あ、あのぉ~?…つかぬ事をお伺いします…

このゴーレムを倒したのは貴方ですか?」


「ッ!…え?…あ、あぁ…リーナとアヤの協力も有ったけど…

実質止めを刺したのは俺だが?…」


さすがにその二人の視線を見てクリミアも理解!…次にはマサツグに恐る恐る

質問を!…と言うのもその質問は当然ゴーレムを倒したかについてであり、

マサツグもそれを問われて若干戸惑いながらも返事をすると、正直に遭った事に

ついて話しをする!…その際簡単にアヤとリーナの協力もあった事を口にすると、

完全に止めを刺したのは自分と!…この時誇る事も無くただ飄々とクリミアに

答えて行き!…何故急にそれを?と言った具合に頭を掻いて見せて居ると、次には

クリミアがマサツグに詰め寄る!…


__ババッ!!…ジッ!!…キラキラキラキラ!…ッ!?……


「そ、そんな!!…このゴーレムは我々ドワーフでも掘ったり壊したり

するのに苦労する材質なのに!!…それをこうもバラバラにするなんて!?…

…貴方何者ですか!?…」


__キラキラキラキラ!……ッ!……スッ…


「ッ!…待った兄さん。」


何か興奮した様子でクリミアはピーカブー!…そして興味を持った子供の様に

目をキラキラと輝かせ!…次にはマサツグの顔を覗き込む様にして更に質問を!…

自分達でも苦労する地質の岩である事を口にすると、そのバラバラにした方法に

ついても質問を続ける!…となるとそんな純真な視線を向けられて居る事で

マサツグの身にもある変化が!…ハッとした様子でクリミアを見下ろすとそっと

腕を伸ばし始め!…だがその途中でオリハが待てと言って止めに入り!…

マサツグの腕を掴んでジッと睨みを利かせて行くと、続けてある事について

尋ね出す!…


「……兄さんこの手は何?…今何をしようとした?…」


「え?…あっ…」


言わずもがなマサツグが腕を伸ばし出した事について問い詰め出し!…直球で

この手で何をしようとしたのか?について質問を口に!…するとマサツグも

次にはハッと我に返った様子で目をパチパチ!…自身でも無意識だったのか!…

クリミアに向けて自身の手が伸びて居る事にふと気が付くと、何か気不味そうな

反応を見せる!…となるとそんなマサツグとオリハの様子にアヤとリーナも困惑!…

クリミアに至っては何かしてしまったのか?と心配をし!…


「え?…え?…

…あ、あのぅ…な、何か粗相をしてしまいましたか?…

だとすれば申し訳!…」


「ッ!!…あぁ!!…気にしないで?…君のせいじゃない!…

…ただ兄さんの禁断症状が出ただけだから!…」


「ッ!……え?…」


次には慌てた様子でマサツグに謝罪!…戸惑いながらも自身に非があったのかと…

不安げな表情を見せつつ頭を下げようとして見せると、オリハが違うと声を掛ける。

その際一番悪いのはマサツグと言った様子で言葉を口にして行くと、続けて

マサツグをヤバい者と!…何か患っている様子で禁断症状と話して行き、その話を

聞いてクリミア自身がえ?…戸惑った反応を見せて居ると、マサツグもそんな

オリハの説明に物申す!…


「…おいこの野郎?…

俺をまるであぶねぇ奴みたいに言うんじゃねぇ!…

余計な誤解を受けちまうだろうが!…」


「…じゃあ何で今この子クリミアの頭を撫でようとしたんだ?…

今の腕の運びだと言い訳は出来ないと思うが?…」


「…いや、何か……目をキラキラとさせながら寄って来るクリミアが…

何所となくシロに似てて…幻覚かこの頭に耳が生えてて…

何か見詰めてたら可愛がりたく…」


「…ただの末期じゃねぇですかヤダァ~…」


誤解を受けるだろ!?と笑顔ながらにオリハへ文句!…自分はそんなんじゃない!

とばかりにロリコンを更に否定し!…しかしオリハはそんなマサツグを責める様に

更に言葉を!…今自分がやろうとして居た事について静かに詰めるよう問い掛けて

行くと、マサツグの腕を掴み続ける!…するとそのオリハの質問に対して

マサツグも返事!…クリミアがシロの様に見えたと幻覚症状を!…まだシロと別れて

1~2時間経つか経たないか!…マサツグも軽くシロに依存している節が見れて

しまうと、オリハは呆れる様にツッコむのであった!…

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

呪われた第四学寮

ホラー / 完結 24h.ポイント:1,917pt お気に入り:0

宇宙は巨大な幽霊屋敷、修理屋ヒーロー家業も楽じゃない

SF / 完結 24h.ポイント:340pt お気に入り:65

ドラゴン☆マドリガーレ

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:688pt お気に入り:673

僕はボーナス加護で伸し上がりました

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:5,610pt お気に入り:223

妖精のいたずら

恋愛 / 完結 24h.ポイント:2,690pt お気に入り:393

異世界で魔工装具士になりました〜恩返しで作ったら色々と大変みたいです

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:568pt お気に入り:26

誰得☆ラリクエ! 俺を攻略するんじゃねぇ!? ~攻略!高天原学園編~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:256pt お気に入り:13

処理中です...