どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん

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-第五章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~ドワーフファミリア編-

-第五章六十五節 本来の目的とノームの掟とタイムリミット…-

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アダマンタイマイの卵を回収したドワーフ達は洞窟への運搬を終わらせると、

他のノーム達と一緒にマサツグ達が戻ってくるのを待って居た!…と言うのも

ここまで来るともはや仕事仲間の様に感じているらしく、マサツグ達の帰りを

今か今か!と待ち…その一方でノーム達は何やら興奮した様子で卵を見て居り!…

ある者は初めて見る!…またある者はこれがアダマンタイマンになるのか!?

と言った驚きの様子を見せて居ると、とにかく子供の様にキラキラと目を輝かせ

見詰めていた!…すると暫くしてマサツグ達も洞窟の方へ…酷く疲弊した様子で

息を切らし!…


「ぜぇ!…ぜぇ!…あぁ~しんど!!…

さすがにここまで来るとキッツいわぁ~!…我ら完徹ぞ!?…」


「…確かにドッと疲れた……色々とあったせいでな…色々と!…」


「ッ!…何ぃだらしないな!…

それでも幾多の魔王を迎撃して来た英雄か!!」


__ブンブンブンブンブンブン!!!


{{リーナの奴…まだ動けるのかよ…}}×2


「……てかそれも!…やりたくてやった訳じゃないんだけどな?…」


マサツグはランランを押さえ込むのに体力を消耗し、モツは頭の使い過ぎと心労で

フラフラと…その際それぞれ二人が疲れた!と言葉を零して見せて行くと、これに

リーナが反応し!…二人にだらしない!と叱咤をしてはまだまだ動ける!と…

その有り余る体力を見せ付ける様に腕を振り回して見せて行くと、そのリーナの

様子にマサツグ達も呆れて見せる!…この時まだ動けるのか?言ったツッコミの

言葉を考えて行くと、もはや徐々に呆れを通り越しては感心さえも覚えてしまい!…

とにかくそうしてツッコミを入れようか?と考えた後、マサツグはリーナの言葉に

対して返事!…流れでやったと言っては洞窟の中に入って行き!…そこで漸く一息

吐ける!とばかりにへたり込み込むと、次にはドンドンからふと改まった様子で

質問をされる!…


「……ッ!…そう言えば何であんた達はここに来たんだぁ?…

コロッグからは援軍としか聞いてないんだがぁ?…

理由も無くここに来る筈も無いよなぁ?…」


「ッ!…え?……って、そう言えばチネット以外にはまだ…

ここに来た目的を話していなかったっけ?……えぇ~っと実は…」


「ッ!…あぁ、それはですね!…

マサツグさん達は壊れた武器を直す為にアダマンタイトを採掘しに

来たらしいのです!…」


ドンドンの質問と言うのは何故マサツグ達はここに来たのか?と言う事であり、

その目的についてふと質問を!…と言っても別に今更マサツグ達を怪しむと

言った事は無く…ただ単純にふと疑問を持った程度で不思議そうに首を傾げて

質問をすると、マサツグもその突然の質問に戸惑って見せる!…と言うのも

目的を話していなかったっけ?と…思い返してはチネットにしか話していない

事を思い出し!…すると次には改めて目的を話そうと言葉を口に…しかし

それを遮る様にチネットがハッとした様子で!…何やら慌てた感じで話をすると、

話しの展開はややこしい方に!…


「ッ!…え?…き、急に如何したチネット?…

ま、まぁその通りなんだが……ッ!?…」


__サアアアァァァ!!!…ガタガタブルブル!!…ガタガタブルブル!!…


突如チネットが話に参戦をして来た事でマサツグは戸惑い!…

と、同時に肯定をして行き!…すると次にはその話を聞いたドンドン達!…

いやノーム達が何やらピクッと反応すると、次には青褪め震え始める!…

それはあのデグレアント兵達の事を思い出した様子!…

いや、また使役される様な事になるのでは?と…とにかくマサツグ達に

対して畏怖する様な!…そんな視線でジッとマサツグ達の事を見詰め出すと、

マサツグも慌てて言い訳を口にするのだが!…


「あっ!……あぁ~っと…いや、俺達はあの馬鹿野郎共とは違って!!…

根こそぎじゃなくて武器を直すだけで良いんだ!!…

だからアダマンタイトは少しだけで良いと言うか……」


__ッ!?…たじ…


「ッ!?…あぁ、怖がらないでくれ!!…

何もしない!…何もしないから!!…」


話しの引き合いにデグレアントを引っ張って来た所で逆効果!…

やはり後退りをする様に何やら引き気味に!…となるとそんな

ノーム達の様子に更にマサツグも慌てる始末になって行き!…

何とか宥めて話を平和的に持って行こうとするのだが、ここでやはり

上手い言葉が出て来ない!…ただ両手を突き出しては左右に

手を振り!…何もしない!と訴え…が、ここで話の責任を取る!と

ばかりにチネットが行動!…突如アヤの肩から飛び降り!…

マサツグ達の前へと駆けてドンドン達の前に立って見せると、

チネットが代わりに説得を試みる!…


__ンバ!!…ふわふわぁ…ザッ!…トテテテテテ!…


「ッ!……チネット!…」


「皆、聞いて下さい!!…

確かにマサツグさん達がここに来た理由はアダマンタイトだけど!!…

この人達はあの悪い人間さん達とは違って!!…

僕達の味方になってくれた人間さんなんですよ!?」


「………。」


「それにさっきだってアダマンタイマイの卵の回収を手伝ってくれたり!…

洞窟の修復だって手伝ってくれたのですよ!?…

こんな人達が悪い人の筈が無いじゃないですか!!…」


__……ヒソヒソ…ヒソヒソ…


チネットはマサツグ達の前に立つと両手を広げ!…全員に呼び掛けるよう

声を上げる!…その際語るは今までのマサツグ達の行動であって、

デグレアント兵達の撃退を主軸に!…洞窟の修復に卵の運搬と話を続け!…

今まで協力をしてくれた事を上げて悪い人達では無い事を力説するが、

如何にもノーム達の反応は芳しくない!…この時互いに顔を見合わせては

困惑して見せ!…そしてもはや当たり前!と言った具合にヒソヒソと話し!…

明らかに流れが宜しくない様子を見せており!…遂にはチネットが怪しい!と

言った反応もチラホラと見られ始めると、こんな意見も飛び出して来る!…


「……本当にそうなのかな?…」


「ッ!…え?」


「だって都合が良すぎるじゃないか!…

僕達を助けてもこの人間さん達には何の得も無い!!…

もしかすると良い人間の様に見せて後で酷い事をしようとしているのかも!!…」


__ッ!?…ざわざわ!…ざわざわ!!…


「ッ!!…ち、違う!!…」


この時出て来た意見と言うのもある種真っ当!…まずは疑った様子で

あるノームが言葉を呟くと、チネットが戸惑った具合に言葉を漏らし!…

すると次には怯えた様子で更に意見が!…それはさもマサツグ達が

詐欺師である様なそんな疑いの言葉が掛けられ!…それが発火材と

なったのかノーム達が一斉に疑心暗鬼に駆られたよう騒ぎ出すと、

慌てて戸惑う姿を見せる!…それは混乱が混乱を呼ぶ様にザワザワと

大きくなって行くと、チネットが慌てて必死に否定し!…

が、普段と違って必死なチネットの様子に一同困惑!…

もはや操られているのでは!?と言った話までもが出て来ようとして

居ると、ここでチネットに援軍が!…


__…スッ…ポンッ!…


「ッ!…コロッグ!!…」


__コクリッ!…


「…安心しろ!!…俺は分かってる!!…

…俺はチネットが嘘を言ってる!!…或いは操られて居るとは思えない!!!」


突如チネットの背後に近付く一人のノームの姿が!…と言うのもその正体は

コロッグで有り!…コロッグはチネットの肩に手を置くと徐に前へと

出て行き始め!…その際軽くチネットに視線を向けて行くと、当然そんな

コロッグの登場にチネットも戸惑う!…すると次には一体何を!?とばかりに

コロッグの名前を口にすると、コロッグはチネットを守る様にドンと構えて

仁王立ちして見せ!…次にはチネットを擁護する様に言葉を口に!…

その反対意見に対して真っ向から否定の言葉をぶつけて行くと、更にノーム達を

戸惑わせる!…


「な!…ど、どうして!?…」


「俺はこの人間達があの兵士達と戦っている姿を見て確信した!!…

この人間達は本当に俺達の事を助ける為に戦ってくれていると!!…

その真剣差は!…兵士達に戦いを挑む姿はまさに!!…

俺の理想とする戦士の在り方だと!!!…」


{……いやぁ~…確かに戦いはしていたけど…

…途中小芝居が入った様な?…}


「…そして何より俺はチーノを信じる!!!……何故なら!!…

…ッ!!…何故ならコイツは!!…

!!…

!!…」


当然否定をされた事で発言したノームは困惑!…訳を聞かせてくれ!と…

するとコロッグは自身の感じた事をそのまま言葉に!…

マサツグ達が理想の戦士である事を口にすると、その言葉にマサツグ自身が

疑問を持つ!…と言うのもそんなカッコいい戦い方をしたのか?と、

寧ろ大滑りをした様な記憶しか無く!…と、その一方で更に話しは続きを見せ!…

何よりチネットを信頼する!と、その理由に何やら言葉に詰まる様な!…

何処か事態を重く見た様に語り出し!…この時目をキュッと閉じて

握り拳を作り!…まるでチネットを外の世界に行かせた事に対して!…

責任を感じている様な口ぶりでノーム達に説明をして見せると、

次にはノーム達の間で激震が走る!…


「ッ!?!?…な!?……」


__どよぉ!?!?!?…ざわざわッ!!…どよどよッ!!……


「ッ!?……きゅ、急に如何したのよ皆!?…

そんな皆でチネットの事を怯えた目で見るなんて!!…

この子は皆を助ける為にアダマンタイマイから降りただけなのよ!?…

なのにどうして!?…どうしてそんな!?…」


「…ッ……。」


それはまるで落雷にでも打たれた様な動揺を見せると、チネットを見詰めたまま

誰も一歩も動かなくなり!…ある者は禁忌を犯した者を見る様な目でジッと

見つめ!…またある者はショックを受けた様子で口に手を当て絶句!…とにかく

尋常じゃない様子を各々見せ!…アヤもその雰囲気を感じ取って慌ててノーム達に

チネットをそんな目で見ない様に声を掛けて行くのだが、そこへドンドンが

説明を…かなり不味い!…暗い表情を見せて話をする!…


「……それはなエルフのねぇちゃん…

コイツが事に原因があるのさ…」


「ッ!!…え?…」


「俺っち達ノームには鉄の掟がある…

それは…一にみんなは一人に為に!…二に一人はみんなの為に!…

そして三つ目にアダマンタイマイ…

もとい故郷から離れてはいけない!って言う三つの掟があるんだ!…」


「だからどうしたって!…」


ドンドンは俯きアヤに声を掛けるとその原因について話をする!…

するとそんなドンドンの様子にアヤもピクッと反応をして見せ!…

とにかく動揺が隠せない!…と言ったそんな様子でポロッと言葉を

零して行くと、ドンドンはそのノーム達の掟について話をする!…

と言っても1と2はオールフォーワン・ワンフォーオールと

さも某・漫画の個性の話か?と言いたくなるものなのだが、

重要なのは別にあるらしく!…とにかく三つ目の故郷に関係が有る様で!…

アヤが動揺を隠せない様子で反抗すると、ドンドンはその話を続きを

口にする!…


「…まぁ掟と言っても1と2は有って無い様な掟なんだが…

この三つ目だけはどうしても破っちゃ駄目なんだ……

…って言うのも一度でも故郷…アダマンタイマイの背中を降りて外の大地を

踏み締めたノームは、その時点で故郷を離れたとして!…

アダマンタイマイからの!…」


「ッ!?!?…な!?…何よ!…それぇ!?……」


「……チネットもそれを分かっていて居ながら…

外に助けを求めに行ったんだと思う!…

自分が外に助けを求めに行けば!!…消えてなくなる事を承知で!……

それでも俺っち達を……アダマンタイマイを!……故郷を!!……

助けようと一人で!!!……ッ~~~!!!…」


この時ドンドンも1と2は関係無い!と言葉を口に!…そして最も重要なのは

三つ目に有る!と…と言うのもその理由はチネットが外の世界に出た事が

関係すると言葉を続け!…その際マナの供給が自動的に断たれてしまう事を

口にすると、アヤは途端に青褪めて見せる!…それはまるで血の気が引いた

様な酷い様子を見せて行くと、次には有り得ない!と言った具合に動揺の

言葉を!…それはまるでかなり問題がある様に感じられ!…ドンドンも続けて

更に何か後悔するよう話をすると、アヤの様子にマサツグ達が心配をする!…


「お、おいアヤ?…だ、大丈夫?…ッ!?…」


「ッ!?…ま、真っ青では無いか!?…一体如何したと言うのだ!?…」


モツがアヤに恐る恐る近付くと声を掛ける…が、その際アヤが顔を真っ青にして

居る事に気が付き!…するとモツはそんなアヤの様子に思わず驚き後退って

しまい!…そんな反応を露わにするモツにリーナも何事!?と言った反応を

見せると、続いてアヤを心配した具合に顔を覗く!…するとそこにはやはり

青褪めるアヤの素顔が有る訳で、それを見たリーナは更に心配をし始め!…

先程の話の意味を理解していない様子で如何した!?と…アヤを心配した様子で

言葉を掛け続けて見せて行くと、次にはチネット笑い出す…


「……えへへ♪…まぁ、皆を助ける為とは言え…

アダマンタイマイの背中を降りてしまったのですから…

仕方が無いですよね!…」


「ッ!…チネット?…」


「でも、結果的に皆を助ける事が出来たので僕は満足です!…

ですから僕には何の後悔もありません!!…

…本当はと言うと最後にマサツグさん達のお礼を

ちゃんと出来たら良かったのですが……

……約束…守れなくてゴメンなさい……」


「ッ!?…きゅ、急に如何したんだ?…チネット?…

ま、まるで今生の別れみたいな事を?…何かの冗談か?…」


「えへへ……」


チネットは苦笑いを見せながら自分でやった事を仕方ないの言葉で片付け始める!…

するとその言葉にまた全員の目が向けられるとチーノはまるで今から居なくなる様な

口振りで後悔は無いと語り始め…その言葉にモツが何かの冗談か?と言った具合に

チネットの名前を口にするが、チネットはモツの言葉を聞いて苦笑いをするだけで

終わってしまう!…だがそこから後悔は無い事を口にすると、次にはマサツグ達に

約束の件で守れなくてごめんなさい!と…やはり消える事が怖いのか若干声を

震わせて見せ!…そんな無理して笑うチネットの様子を見て…周りで怪しんでいた

ノーム達の表情も何か今にも泣き出しそうな表情をし始めると、現場は突如として

一気に重く暗いモノになって行く!…


__…ッ!……う!…うぅ!!…


「ア…アヤさん?…

もしノームの様な精霊のマナが無くなるとどうなるんですか?…」


「………。」


徐々にその事実を受け止めた様子で泣き出すノーム達が…

と、同時にマサツグが戸惑った様子でアヤに質問!…と言うのもそのマナが

無くなったらどうなるのか?と…チネットが具体的にどうなってしまうのか?に

ついて質問をすると、アヤは俯いたままでダンマリを決める!…それは現実を

悲観する様にも見える一方で、何か覚悟を決めている様な!…この時アヤは

細かく肩を震わせ奥歯を噛み!…その両手に力一杯の拳を握って見せると、

ただひたすらに自分の中の何かと戦う様なそんな様子を露わにしていた!…

が、マサツグはそんな事等お構いなし!…今度はアヤの両肩を掴むと揺すって

アヤの名前を口に!…


「…ッ!!……アヤ、一体如何なるって!!…」


「……精霊はマナが切れても供給元があれば問題なく生き続ける事が出来る…

でもチネットみたいに供給元を断たれた精霊は姿を保つ事が困難になり!…

次第に衰弱して最後には跡形も無く消滅する!……」


「ッ!?…な!?…」


「ッ!?…お、おい!…今の本当か!?」


この時マサツグもアヤの様子に釣られて焦りを覚え!…若干怒鳴る様にして

アヤに如何なるのか?について質問をすると、アヤは未だショックを受けた様子で

口を開く!…その際語り出すはそのマナの供給が断たれた精霊達の末路で有り、

アヤ自身もこの話を話したくは無い!と…明らかにテンションが落ち切った

トーンで言葉を口にして見せると、その話を聞いたマサツグ達も漸く理解!…

更に焦りを覚え始める!…そして次にはその視線をチネットの方に向けて行くと、

そこでチネットの様子が可笑しい事にも気が付き!…


「ッ!…えへへ!…えへへ!……」


「ッ!?…おい、笑い事じゃないだろチネット!!…

何でそれを説明しなかった!!!…それを聞いていればもっと早く!!…

急ぐ事が出来たのに!!!」


「えへへ!…ごめんなさい!……

助けてくれるって言ってくれたマサツグさん達に!…

心配を掛ける訳にはいかない!って思っていたのですが…

…やっぱり心配を掛けたいましたね?……」


「ッ!!…ッ…クソ!!…おい何か良い方法は無いのか!?…

チーノが消えなくて済む良い方法は!!!…」


この時チネットは既に最初出会った時より窶れて居り!…こうして改めて

言われて気が付いた時には既に手遅れ!と…当然そんなチネットの様子に

マサツグ達は驚き慌て!…その一方でチネットは恥ずかしそうに苦笑いを

して見せると、徐々に徐々にと俯き出す…

もはや後の祭りでただ笑う事しか出来ないと…そんな様子にマサツグ達も

激怒し!…何で話さなかったのか!とマサツグが慌てた様子で文句を言い!…

その文句に対して健気にチネットが笑って返事をして行くと、モツも何か

ないのか!?と策を練る!…そしてノーム達も自分達を助ける為に犠牲となった

チネットを見詰めては、皆が悲しみに震えて泣き始め!…周りの全員が

チネットが消える事に悲しみを抱いていると、チネットも俯いては小刻みに震え…

今まで苦笑いでも笑っていたチネットの様子が空元気だと…

マサツグ達や他のチネット達もが完全に悟り始めて居ると、次第にチネットも

元気を無くして静かになる…


__……ぷるぷる!…ぷるぷる!…


「……ッ!……お、おい?…チネット?…」


……その様子を見てマサツグが更にチーノの事を心配し始めると、チーノは俯いた

まま静かに涙を流し始める…


__ポロッ…ポロッ…


「……やっぱりまだ消えたくないなぁ!……」


「ッ!!……ッ~~~!!!…」


__ッ~~~!!!…うわああああぁぁぁぁん!!!…あああぁぁぁぁん!!!…


チネットが涙声ながらに呟いた一言に他のノーム達も更に涙を流し泣き始める!…

きっかけはデグレアント兵達の蛮行から始まり!…他のノーム達を助ける為に

一人アダマンタイマイの背中を降りて外の世界に助けを求めに行っただけにも

関わらず!…その代償が大き過ぎる!とノーム達は大粒の涙を流し続ける!…

この時それに釣られてアヤも涙を流し崩れ始めると、チネットの心配をしていた

マサツグとモツももはや息をするのも忘れるほど困惑し!…リーナは暗い表情を

浮かべて天井を見詰め!…オリハは逆に地面を見詰めて何も出来ない事にとにかく

ギュッ!と…拳を握って無力感に打ちひしがれて居ると、ただただ何もする事が

出来ずに固まっていた!…ただアダマンタイトが欲しい!と言う話から一転…

突然のチネットの死が近づいている!と言う言葉に洞窟内が嘆きに包まれ!…

何とも言えない重い空気になって居る中!…それでもコロッグの全員への説得は

続きを見せる!…


「自分の命を犠牲にしてまで他の仲間達を助けようとしたチーノを!…

この勇敢なのノームの行動に!!…

俺は!…心から尊敬の念と敬意を持って!!……

この願いを聞いてやって欲しいと!!……切に願う!!!…」


そのコロッグも必死に泣くを堪えているが目には既に薄っすらと

涙が溜まっており!…声も大きく叫ぶ様に語るが涙声で!…

今までのチネットとの思い出がフラッシュバックしているのか、

そのセリフも途切れ途切れで声を出すのに精一杯!と言った様な

状態を見せると、更にノーム達の涙を誘う!…それは勿論演技

とかではなく本気も本気!…そうしてコロッグが必死にチネットの

変わりにノーム達の説得をしていると、それは突如!…

時間切れを差す様に起き始める!…


__フワァ……


「……ッ!?…え、おいチネット!?…

な、何でお前の体がそんな光始めたんだ!?…おい!!」


「…ッ!……やっぱりそろそろ限界かなって思っていましたけど…

本当に限界が来てしまったようですね……

騙し騙しで頑張って来て…

後はお礼だけと思っていたのですが……」


「そんな事はどうでも良い!!!……

頑張れ!!!…まだ何か策がある筈だ!!!…

マナが無いなら俺のポーションを分けるやるから!!……」


「……えへへ♪……

マサツグさん…モツさん…アヤさん…オリハさん…リーナさん……ごめんなさい…

約束…守…れ…なか…った…で…す…」


__…………


突如チネットの体が優しい光に包まれ発光をし始めると、更にチネットの体が

痩せこけ始める…まるでタイムリミットが来た様に急激に痩せて一気に

体は細くなり!…頬もこけて最初に出会った時の姿から一変!…見るも無残な

ミイラに近い姿にへと変わって行くと、その急激な変わり様にマサツグ達が

慌てて駆け寄る!…しかしその一方でチネットは全てを悟った様な笑顔を

浮かべて涙を流し…遂にはその場に倒れて動かなくなり!…この時チネットと

出会って約丸一日位経っただろうか?…それでもマサツグ達の中に仲間意識が

生まれると倒れたチネットの元に!…マサツグ達は駆け寄るなり励ましの言葉を

掛け始める!…


「チネット!!…おいしっかりしろチネット!!」


「ッ!!……」


__バッ!!…


「チネット!!…チネット!!!」


「しっかりするんだ!!…チネット!!!」


「チネット!!…」


マサツグ達が倒れたチネットに声を掛けるがチネットは動かない…突然過ぎる

別れに他のノーム達も慌ててチネットに駆け寄り声を掛けるのだが、それでも

返事は帰って来ず…ただただチネットの名前を呼ぶ者の声だけが洞窟内に空しく

木霊し…しかしそれでも諦めずにマサツグ達はチネットの名前を呼び続けると、

一抹の奇跡に賭けて見せる!…それこそマサツグに至っては自身のスキルを

信じて!…ひたすらにチネットへ呼び掛け続ける!…すると…


__ッ!?…ッ…ッ!!……ッ~~~!!!…ンバッ!!…


「チネット!!…しっかりしろ!!!…

俺っちはまだお前に教えていない仕事が沢山あるんだぞ!!…

目を覚ませ!!!」


突如叫ぶマサツグ達に感化された様子でドンドンがバッと駆け出し始める!…

それは居ても立っても居られないとばかりに!…一直線に倒れているチネットへ

向かい、マサツグ達と同じく消えるな!と…まだ色々と仕事が残っている事を

叫びながら声を掛け続けて躍起になると、今度はそんなドンドンの姿を見て!…

同じく感化された様子でその倒れているチネットに他ノーム達が声を掛け出す!…


「ッ!?…ッ…そ、そうよチネットちゃん!!!…目を覚まして!!!…

まだ消えちゃうには若すぎるわ!!!…

私達より先に消えちゃうなんて許さないわよ!!!!…」


「…チネット!……

目を覚ませ!!…まだやりたい事が一杯あるんだろ!?…

こんな!…こんな形で!!…

俺はまだお前と別れたくないぞ!!!…」


__ッ!!…ッ…チネット!!…チネット!!…チネット!!!…


ノーム達とマサツグ達が取り囲む中…全員がチネットの名前を呼び続ける!…

しかしチネットは動かないどころか更に発光を強めて行き!…

徐々に光の中へと消えて行ってしまうと、更にその呼ぶ声もより一層!…

激しいモノへと変わって行く!…その際チネットの表情を見たマサツグ達の

目にはまるで満足したかの様に映っており!…それを見て納得行かない!と

ばかりにマサツグ達も更に声を張り上げ!…消えそうなチネットに全員が

必死に声を掛け!…頑張れ!と言い続ける様にチネットの名前を叫び続ける

のだが、非情にもチネットの体は消えて行く!…

するとその様子に誰もがもう駄目だと感じた具合に諦めようとするのだが…

突如アヤがキッと涙を拭って立ち上がると、弓を杖代わりに構え出し!…

この時覚悟を決めた!と言わんばかりに表情を改め!…真っ直ぐ倒れて居る

チネットに向かって弓を突き付けて見せて行くと、まるで祝詞の様な言葉を

唱え始めるのであった!…


尚その一方では不穏な動きも同時に進行するよう動いていた!…と言うのも

この事態を招いたデグレアントではと言うと!…


「…今すぐにドワーフファミリアへ向けて発進させよ!!!…

これは隊長命令である!!!…」


「ッ!?…し、しかしそんな事をすれば大変な事に!!…

まずドワーフファミリアとの全面戦争は免れず!!…

更に我が国の開発力も世間に知られてしまう事に!!!…」


何処かで聞き覚えのある声がデグレアントの開発部にて響き渡り!…

何かを引っ張り出そうとしている最中で!…が、その開発部のスタッフ

としては乗り気でなく…寧ろ不味い!と言った事を口にすると、何とか

その強行に打って出ようとする隊長を押さえようとしていた!…

しかしその隊長はそんな話など聞く耳を持たない様子で怒り心頭!…

更に出せ!とばかりに言葉を!…


「ッ~~~!!!…えぇ~い、それ所では無い!!!…

我がこうして手ぶらで帰って来たのはある連中のせいだ!!!…

その連中の中にはあの憎たらしいリーナ王女殿下の姿もあった!!!…

…その兵器を用いて奪還すれば!!…勝手に持ち出した事も帳消し!!…

寧ろ恩賞も出るやもしれんのだぞ!!!…

そもそもあの国との戦争の理由はその王女に有り!!…

例え全面戦争になったとしても!!!…」


「ッ!?…そ、それにしても王の!!…王の命令が無い限りは動かせません!!!…

これは最重要機密で有り!!!…ましてや侵攻先をドワーフファミリア等と!!…

最悪の場合この技術を全て奴らに奪われる事になるやもしれないのですぞ!?…

それ程までにドワーフ達は厄介極まりない!!!…」


と言った具合にもはや止まらない様子で文句の嵐!…しかし開発部としても

王の命令が無い限りは動かせない!と…何とかその隊長を抑え込めないか?

と言った具合に悩むのだが!…そう上手くは事が運ばない様子でただひたすらに

揉め続けるのであった!…

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魔法が支配する世界で、魔力を持たない少女アリア・マーウェラ。彼女は、かつて街を守るために命を落とした英雄的冒険者の両親を持ちながら、その体質ゆえに魔法を使えず、魔道具すら扱えない。しかし、彼女は圧倒的な身体能力と戦闘センスを武器に、ギルドでソロ冒険者として活動していた。街の人々やギルド仲間からは「英雄の娘」として大切にされつつも、「魔力を捨てて進化した次世代型脳筋剣士」と妙な評価を受けている。 そんなある日、アリアは山中で倒れていた謎の魔法使いイアンを助ける。彼は並外れた魔法の才能を持ちながら、孤独な影を背負っていた。やがて二人は冒険の中で信頼を深め、街を脅かす魔王復活を阻止するため、「カギ」を探す旅に出る。 しかしイアンには秘密があった。彼は魔族と人間の混血であり、魔王軍四天王の血を引いていたのだ。その事実が明らかになったとき、アリアは「どんな過去があっても、イアンはイアンだよ」と笑顔で受け入れる。 過去に囚われたイアンと、前を向いて進むアリア。二人の絆が、世界を揺るがす冒険の行方を決める――。シリアスとギャグが織り交ざる、剣と魔法の冒険譚!

『山』から降りてきた男に、現代ダンジョンは温すぎる

暁刀魚
ファンタジー
 社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。  なんと現代ではダンジョンと呼ばれる場所が当たり前に存在し、多くの人々がそのダンジョンに潜っていた。  食い扶持を稼ぐため、山で鍛えた体を鈍らせないため、ダンジョンに潜ることを決意するコウジ。  そんな彼に、受付のお姉さんは言う。「この加護薬を飲めばダンジョンの中で死にかけても、脱出できるんですよ」  コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。  かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。  もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。  なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。  カクヨム様にも投稿しています。

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
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2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~

エルリア
ファンタジー
HOTランキング1位ありがとうございます! 2000年代初頭。 突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。 しかし、新たに獲得したスキルによって人類はその危機を乗り越え、なんならダンジョンや魔物を新たな素材、エネルギー資源として使うようになる。 人類とダンジョンが共存して数十年。 元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。 なんとか手に入れたものの最初は外れスキルだと思われていた収奪スキルが実はものすごく優秀だと気付いたその瞬間から、彼の華々しくも生々しい日常が始まった。 これは魔物のスキルを駆使して夢と欲望を満たしつつ、そのついでに前人未到のダンジョンを攻略するある男の物語である。

【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?

嘉神かろ
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【Hotランキング3位】  ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。  見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。  大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!  神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。 「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」

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