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-第五章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~ドワーフファミリア編-

-第五章七十二節 王家の血と無事の帰還と無事じゃなかった…-

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__ガッシャ、ガッシャ、ガッシャ!!…


「……ここまで来れば大丈夫かな?…」


「あぁ…ぜぇ…そうじゃな…ぜぇ…

ここまではさすがに追ってくる事は無いじゃろ…

……お~い!…皆ぁ…ちゃんと全員おるかぁ!?…」


「あ…あぁ!…ちゃんとおるぞぉ!!…

ただあまり!…老いぼれを走らせんで欲しいがなぁ!…

ぜぇ…ぜぇ…」


__……チラッ?…ッ!……


「…こっちも誰もはぐれていないぞ!…オリハもリーナも居るし!…

ちゃんとソリの上にアヤは乗ってるし!…

チネットもガッチリくっ付いている!…」


マサツグ達が元休憩所に辿り着くと息を切らしながらもう大丈夫か?の確認を

取り出す!…その際背後を振り返っては敵影が無いかどうかを確認して行き!…

ドワーフ達の方でもリーダードワーフが全員に付いて来て居るかどうかについて

声を掛けると、ドワーフ達から返事が返って来る!…その際全員が付いて来て

いる事を答えて行くと、同時に文句の言葉も漏れ出て来て!…息を切らしては

呼吸を整えて様としており!…その様子にマサツグ達も苦笑いをする様な反応を

見せて行くと、マサツグがモツ達の方に視線を向ける!…するとモツもそれを

察した様子で直ぐに頷き返事、マサツグに全員の生存を確認し大丈夫と答え!…

その際ガッシとソリにくっ付いて居るチネットの事をも話して行き!…マサツグも

それを見て一安心と言った様子を見せて居ると、安堵の言葉も漏らして行く!…


「……そうか、とりあえず全員無事か……ふぅ…」


「……んん~…ふあ…あ~ぁ……さっきから何の騒ぎ?…」


「ッ!!…アヤ!…目が覚めたのか!?…」


「えぇ……これだけ揺すられたりしたら嫌でも目が覚めるわよ?……あれ?…

…でも確か私、チーノと契約した後あの洞窟で倒れてしまった筈じゃ…」


元休憩所で全員の無事を確認出来てマサツグが安堵の溜め息を吐いていると、

やはり悪路でソリが揺れてしまったせいか、アヤが目を覚まし始める!…

上体をゆっくりと起こし出すと大きく伸びをしながら欠伸を一つ…アヤが

何の騒ぎ?とマサツグ達に尋ねるよう声を掛け出すと、マサツグ達は慌てた

様子でアヤの方に目を向け…と、同時に駆け寄りその身を心配して行き!…

目が覚めたのか?と戸惑い気味に声を掛けて行って見せると、その問い掛けに

対して目を擦り!…気だるそうにしながら返事をすると、自分が倒れた場所

とは違う場所に居る事に気が付いて行く。そしてその事についてマサツグと

モツに尋ねるよう声を掛けて行って見せると、ソリから降りようとして見せ…


__ギッ…ギシッ!……


「ッ!?…ア、アヤ!…もう少し寝てて良いんだぞ!?…」


「そ、そうだぞアヤ!!…まだ病み上がりで満足に動けないだろ!?…」


「ッ!……ふふふ!…心配してくれるのは有り難いけど…

ずっとこの揺れるソリの上で寝かされていたら逆に体がおかしくなりそうよ?…

それにいつまでも寝ていたら体が鈍っちゃうし!…私はもう大丈夫よ!」


「ッ!?……そ、そうか?…けど無理はするなよ?」


起きようとするアヤに慌てて止めに入るマサツグとモツ!…その際モツがまだ

完全に回復し切っていない事を口にすると、マサツグも無茶はするな!と…

しかし心配をするマサツグとモツを余所にアヤは問題無い!とばかりにソリから

降り…立ち上がって軽く体を動かし始め!…さも体操をする様に体を捻って

見せて行くと、自身の調子を確かめては大丈夫と答える!…その際逆にソリに

乗ったままだと体が固まる事を口にすると、それを聞いたマサツグとモツは

オロオロとし!…しかしアヤの言葉を信じた様子で話しを聞き入れ!…念押しに

無茶はするな!ともう一度声を掛けて行くと、アヤは笑って返事をする!…


「えぇ!!」


__ふよふよ~…ふよふよ~…ジタバタジタバタ!…


「…はぁ!…はぁ!…だ、だいじょ~ぶです!!…

アヤさんは僕が守ります!!!」


「ッ!……ふふふ!…期待してるからね!」


さもマサツグ達の心配を余所にアヤが大丈夫!と笑って返事をして行くと、そこへ

ソリにしがみ付いて居た筈のチネットが!…チネットはふよふよと宙に浮きながら

手足をバタバタ!…まだ空中移動に慣れていない様子でとにかくアヤの傍らにへと

移動をして行って見せると、次には息を切らしながらマサツグ達に大丈夫!と

言って見せる!…この時妙に自信満々に胸を張って守る!と言うと、その様子に

アヤも笑って見せ!…次には期待して居る!とアヤがチネットに言葉を!…すると

その言葉でチネットもハッと照れ出して見せて行き!…それでもアヤに向かって

ムン!と胸を張って見せて行くと、こうしてアヤが復帰をする!…さて以降は

アヤも一緒に歩いて町に戻って行く事になるのだが、特にコレと言った事は無く…

ただマサツグがアヤへ徐に質問!…ふと思い出した様に気になっていた事について

話して行くと、アヤも気になった様子で返事をする!…


__タッ…タッ…タッ…タッ…


「…そう言えば、アヤ…

気になって居た事があるんだが……」


「…ッ?…何かしら?」


「チネットと契約する時…

アヤはまだどの精霊とも契約を交わしていないって言ってたけど…

じゃあ今の今までどうやってその精霊魔法を使っていたんだ?…

精霊魔法って精霊の力を使って魔法を発動するもんじゃ?……」


「あぁ~…それね?…

いいえ、精霊と契約をしてなくても一応使えるわよ?…

…まぁ但し…やっぱり才能が無いと駄目だけど!…」


この時マサツグがアヤに聞いた質問と言うのは精霊魔法についてであり!…

チネットと契約を結ぶ際、あの時アヤが言った言葉が引っ掛かった様子で

今になって尋ね!…と言うのもあの時さすがに聞ける状況ではなかった為!…

今なら行けると思いアヤにその事について質問をすると、一応自身でも

知って居る範囲で言葉を口にして見せる!…するとアヤも理解した様子で

返事をして見せ、マサツグに如何言う事かを説明!…その際必要なのは才能!

と少しイキッた感じで言葉を口に!…更には他にも有る!と言った具合に

話しを続けて見せて行き、アヤによる精霊魔法の講座が始まりを迎え出すと、

助手にチネットが付いて行く!…


「まず、そうね…精霊魔法と普通の魔法の違いだけど…

正直今のマサツグの考え方で間違いないわ。

精霊魔法は精霊に自身のマナを与えて力を借りる魔法であって、

普通の魔法は魔力を消費して発動する!…

その際肝心なのはその力を貸してくれる精霊についてなんだけど…

私の場合は特殊で…精霊と契約して無くても精霊魔法が使えるの!…

…まぁこれもエルフの皇女様だから出来る芸当なんだけどね?…」


「……ッ?…如何言う事なんだってばさ?」


アヤはマサツグの見解については概ね間違って居ない!と…それを踏まえた上で

もう一度その話を口にし!…その際ここで自身との違いについても話して行き!…

アヤは何故唱えれるのか?と…その事について皇女の特権である様な事を続けて

話すと、マサツグが疑問を持ち出す!…その際某・忍者漫画に出て来る二世

主人公の様な口調になるが、簡単にスルーされ…続けてアヤはその特権について

血と…王族の脈々と続く血に秘密がある事を口にすると、その魔法が唱えられる

理由について話をする!…


「私の血…エルフの王族の血には昔から契約を必要としない!…

その場の精霊の力を借りて精霊魔法を唱える事が出来る特殊な力があるのよ!…

それは私の遠いご先祖様から代々受け継がれて来た特別な力で…

故に私が皇女であると言う証でも同時にあるの!…

…ただやっぱり普通に精霊魔法を発動するより難しいし…

何より普通の精霊魔法より威力が少し低くなるから…

使い勝手はやっぱり悪く感じちゃうけどね?…

だ…からこうして精霊と正式に契約して!…チネットと契約が出来て私!…

今とっても嬉しいのよ!!!」


{…威力が低いと言う割には俺とオリハをずぶ濡れにさせる威力はある模様……}


何でもアヤが言うにはこの血統のお陰で契約を必要としないらしく、アヤ自身も

これのお陰で魔法を唱えられると!…しかしやはり少なからずデメリットもある

様子でその事も説明!…チネットの手に乗せて説明を続け!…チネットもまるで

それを表現するようパタパタとジェスチャーの様な事をして見せると、その一方

ではマサツグが言葉を…と言っても心の中での話なのだが、行きがけの時の事を

ふと思い出した様にふと言葉を思い浮かべて見せて居ると、モツもふと質問を

し始める!…


「…じゃあ、マナって言うのは?」


「マナって言うのは……そうねぇ?…

…言うなれば世界にある半永久的な自然の魔力の塊みたいな物かしら?…

風や大地、水や炎にもそれぞれマナはあるし…雷や光!…

闇にもそれぞれ当然の様にマナは存在する!…

ただそれらは目に見えないだけで確かに存在して居て!…

この世界を存続させる為に必要な!…

とても貴重なエネルギーの一つとも言えるわね!…

そんなマナを使って私達は今まで暮らして来たのよ!…」


{……活き活きしているなぁ~…よっぽど精霊の事が好きなんだろうな…}


何と無しにモツが関連が在りそうな所で質問を!…するとアヤはその事に

ついても機敏に反応して見せ!…と言うのも精霊やマナの話となるとアヤは

イキイキとして見せ!…目に見えて自分はこういう話が好きである事を

露わにすると、さも子供の様に目をキラキラ!…自身で伝えられる範囲で

命一杯に話をする!…するとそんな様子を見てマサツグも更に心の中で

言葉を、とにかく神霊?…の類が好きなのだろうと…と、そんな話をして

居ると徐々に坑道の出口が!…見えて来た所でやっと帰って来られた事を

実感すると、各々言葉を漏らし始める!…


「ッ!……漸く帰ってこれたな!…

何か数日間ぐらい離れていた気がするな!…」


「…まぁ、実際はほぼ二日位なのだが…

…でもまぁ確かにそんな気がするな…

色々と有り過ぎてそう感じるのも……色々?…」


{……ッ!!…ッ!!!!……

これでも俺がお前を嫌いに思っていると思うか?……}


__ポヒン!!!…シュ~~~~~!!!……


一番坑道の出口を前にそれぞれが時間の経過を感じて居ると、色々な事を思い出し

始める。それは最初ここでチネットに出会ったり山を登った時の事であったり…

そんな中リーナも一人色々思い出し始めて見せて居ると、ふとマサツグに頬を口付け

された事を思い出す…すると途端に一人顔を赤くしては頭から湯気が出し始め!…

誰とも顔を合わせられない状況に!…と、そんなリーナの様子など露知らず!…

マサツグ達が最初この坑道を通って来た時…マサツグ、アヤ、オリハ、リーナの

四人だけだった事を思い返していると、今のこの大所帯具合に思わず笑う!…

今では精霊一匹にオオカミも一頭…ドワーフのおっさんたちも三人と増え!…だが

そんな事も直ぐにも如何でも良くなった様子になり、遂に行動を抜けて町に!…

そこで見覚えのあるスチームパンクな町並みをマサツグ達が目にして行くと、

同時にある騎士団達の姿も見つけて行く!…


「…とうちゃ~く!!…ふぅ…って、あれ?……」


「…全員整列!!…これより深夜の見回りを行う!!!…

この廃坑からモンスターが侵入して来て町の人が襲われたら一大事だ!!!…

皆!!…気を引き締めて取り組むように!!!」


__ビシッ!!…ハッ!!!……


「…よし!…では、出陣!!……って、おや?…

リーナ様!…リーナ様ではありませんか!!!」


__ピシッ!!…


見覚えのある騎士達と言うのもクリミア率いるドワーフファミリア重装騎士団

第一部隊達の姿であり、爆弾岩ゴーレムの件が遭ったせいか…今まさに

これから見回りをしよう!と意気込んでいる様子が見て伺え!…部下の騎士達も

クリミアの号令に返事をするよう敬礼をすると、今まさに出発の様子を見せよう

としていた!…そしてその様子を後ろからマサツグ達が見て居ると、クリミアが

いざ見回りへ!と振り向き!…と、そこで後ろにマサツグ達が立って居た事に

気が付き始め!…クリミアはマサツグ達が居る事に戸惑い!…と言うよりも

リーナが帰って来た事に目を輝かせ!…急いで駆けて来る様なそんな素振りを

見せて来ると、マサツグ達に対してピシッと敬礼をして見せる!…するとそんな

様子に気が付いたのかリーナもピクっと反応するが、今だにまだ口付けを

引っ張っている様子で…


「あ…あぁ……ただいま戻った……」


「ッ!…リーナ様もご無事で!!…って、おや?…如何なさいましたか?

何やらお顔が赤い様子……」


「ッ!?……気!…気にしないでくれ!!…

これはその……た…ただ単なる風邪だ!!!」


「ッ!!…何と!…それは早く休まれては!!…

リーナ様の身に何か有っては我々も心配です!!!」


リーナは顔を真っ赤にしたまましどろもどろ!…頭から湯気を出し続け!…となると

クリミアも挨拶をした所でハッと気付き、そんなリーナの様子に如何した!?と

ばかりに声を掛けて行き始めると、更にリーナは慌てて見せる!…その際クリミアが

近付いてリーナの顔を覗き込む様なそんな素振りを見せて行くと、リーナも気不味

そうにハッと視線を逸らし!…この時同時に苦しい言い訳も口にし!…何とか

この場をやり過ごそうとリーナにしては珍しい様子を見せて居ると、クリミアも真に

受けた様子で更に心配!…部下を率いてリーナを宿屋へ運ぼうとする!…しかし!…


「い…いや、本当に大丈夫だ!!…

それよりこれから見回りがあるのだろう!?…

ならば民の為にそちらを優先すべきだ!…

我々の事は大丈夫だから先を急がれよ!…」


「ッ!!……さすがはリーナ様!!…

自分の事より民の事を思うその気持ち!…感服致しまする!!!…

…お心苦しいでありますが我々もリーナ様の言葉に従って

先を急がせて頂きます!!…どうか!…お体をお大事に!!!…

…出陣!!!」


__ハッ!!!…ダッダッダッダッダ…


「はぁ~……」


当然運ばれそうになるとリーナは慌てて大丈夫!と、それよりも優先すべき事が

有る!と言い聞かせ!…でなきゃ運ばれる自分が恥ずかしい!と…良い具合に

それらしい言い訳を見つけて行き、何とかクリミアに自分の事は良いから!と

注意を反らして見せようとすると、クリミアは純粋なのか…納得した様子で

返事をして見せ!…感激もした具合にリーナの事をヨイショして行くと、更には

リーナの身を案じる!…そして後ろ髪が引かれる思いを見せる様に号令を掛ける

と、クリミアは部下を引き連れそのまま一番坑道に!…と、何とか凌ぎ切った

所でリーナも溜息!…別にだますつもりは無かったのだが情けない!と…何と無く

自身の不甲斐なさに打ちひしがれる様なそんな空虚な気持ちを持ってしまうと、

その場でガックリと肩を落とす!…と、この時依然として顔を赤くしており!…

そしてその話を聞いたマサツグがスッと…


__スゥ~~…ヒョコッ?…


「リーナ?…風邪を引いたって本当か?…」


「ッ!?…にゃあ!?…」


「……確かに顔が赤いな?…

気休め程度かも知れんけどこれでも羽織っておけ?…

後これも飲んでおくんだぞ?…」


__バサァ!…スッ……


と言うのもマサツグも真に受けた様子で徐に項垂れるリーナに近付き、リーナの

顔を覗き込むと声を…するとリーナは突然の展開に動揺して聞き慣れない声を

上げ見せ!…目に見えて分かる位に飛び退き!…更には慌てた表情を浮かべて

顔を更に真っ赤にして見せて行くと、これまたマサツグの心配を煽ってしまう!…

となるとマサツグとしても気遣う様に幻影コートを手にすると、飛び退くリーナに

再度近付き!…そしてそのコートをリーナの肩に掛けると更に風邪薬?…の様な

モノも手渡し始め!…リーナに無理はするな!と…気遣いの言葉を掛けて言い

聞かせる様なそんな様子を見せて行くと、リーナも無言で頷くしかなくなって

しまう!…


__ッ!?……コ、コクリッ!…ッ~~~~……ニヨニヨ!…ニヨニヨ!…


「……ッ!!!…な、何なんだその表情は!!…

何か言いたいならはっきり言え!!…」


「い~んやぁ~ぶぇ~つに~!…」×2


「ッ!?……クッ!!…」


そうしてリーナが改めてマサツグに惚れ直す様なそんな反応を見せて居ると、

その一方ではその現場を見て居た者達がニヤニヤと!…さも某・人の心を

読む事が出来る幼女の様にフッと笑い!…別に何か言う事も無いのだがただ

ひたすらにその様子を見てニヨニヨし続けて見せて居ると、リーナも気が

付いた様子でツッコミを入れる!…この時ニヨニヨとした笑みを浮かべて

居たのは、モツやアヤ!…オリハも一緒になって混ざっており!…その際

リーナのツッコミ対して何でも無い!と…さも弄るかの様に何やら嫌味っぽく

リーナにそう返事をして見せて行くと、リーナはクッ!と奥歯を噛む!…

さてそうしてとにかく無事町まで帰って来る事に成功すると、ここで

ドワーフ達が別れを切り出し!…


「……ここまで来たらもう大丈夫じゃわい!…

ワシ等は一度掘りテクに戻って生きている事を報告しに向かうとするわい…」


「それとデグレアント共の事もな!…

あやつ等め!!…ワシ等をこき使いおって!!…」


「ッ!…あ、あぁそれは構わないが……」


「ッ!…あぁ~!…報酬の件は多分そのままギルドへ報告すれば貰えると思う!…

だから安心してくれモツ殿!……では!」


__…ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


ドワーフ達は一度掘りテクに戻る事を口に!…その際デグレアントにあからさまな

怒りも覚えた様子で言葉を!…するとその話にモツがピクっと反応を示して行き!…

何か聞きたい事が有る様で手を伸ばして見せて行くのだが、ドワーフ達はそれを

報酬の件と勘違いしたのか?…皆まで言わなくても分かる!と言った具合にモツに

返事!…そのままギルドに向かうよう言葉を掛けてその場を後にし始めると、モツの

手は空しく空を切る…当然これにはモツもそうじゃない!と言った表情を見せると、

同時にそう言った言葉も漏らし…


「ッ!!…違う!…俺が聞きたい事はそうじゃなくて!…

…って、行っちゃったか……はあぁ~…まぁ、急いでないし良いか…

…で、ヤブ達は如何するんだ?…

やっぱりあの大剣を直しに早速何処かの工房に向かうのか?…」


「んん~?……まぁ、そうだな?…既に準備もして貰っているし…

後はこのアダマンタイトを渡しに行くだけ!……って、そうだ!…

これだけアダマンタイトが有るならモツの装備も一新して貰おうぜ?」


しかし呼び止めようとした所で時既にお寿司!…ドワーフ達はどんどん遠ざかり!…

と、ドワーフ達が行ってしまった所で諦めが付き…別に急ぎでも無い事をポロッと

口にして行くと、次にはマサツグ達に何処へ行くのか?と…付いて来る様に言葉を

続けて見せる!…その際工房に向かうのかどうか?について尋ねて行くとマサツグも

気の抜けた様子で返事!…この時既に準備もして貰って居る事も含めて話しをして

行き!…そして徐にハッと思い付いた様子でモツの装備も改める事を口にすると、

そのマサツグの話にモツは遠慮の色を見せて行く!…


「ッ!…え?…いや!…俺はいいよ!…

それはマサツグ達が取ってきた素材で…」


「どうせ、大剣を直すだけなら確実に余るし!…

それなら全員分の防具をジッチャンに作って貰おうぜ?」


「いや俺は……」


「良いって、良いって!!…

これは協力して貰った礼みたいなモンだからさ!!…

黙って受け取ってくれ!!…よし!…

そうと決まればさっさと工房に戻るぞ!!」


それこそ自分はただ自身の目的の為に動いていただけ!とばかりに両手を振り!…

その資格は無い!と言おうとするのだが…マサツグは笑顔で心配無い!と…

想定より過剰に余る事も含めて全員分の防具を改める事を口にすると、更にモツを

戸惑わせる!…それこそ無理はしなくて良い言葉を口に!…が、そんな発言さえ

許されない勢いでマサツグに圧され!…強引の押し切るとそのままモツを連れて

工房に!…モツも戸惑いっぱなしの様子で大丈夫なのか?と心配をして見せて居る

と、マサツグ達はあのドレッグの工房の前まで戻って来る!…


「…ふうぅ~!!…とうちゃ~く!!」


「……ッ!?…と、到着っておま!!…ここはドレッグの工房じゃねぇか!!…

い、一体如何やってこんな!?……いや…もう考えるのも面倒になって来た…」


「…モツよ…お前の言いたい事は私も分かる!…

何せ私も最初驚いたのだからな!…」


「あははは!…コネに関しては成り行きで……と、とにかく入ろうぜ?」


さてドレッグの工房の前まで戻って来ると、モツもドレッグの名前を知って居る

のか?…勿論とばかりにまさかの場所に辿り着いた事で驚きを露わに!…そして

そのコネについて戸惑ったようマサツグに声を掛けようとして見せて行くが、

次にはフッと…突如落ち着いた様子で呆れ始め!…マサツグだから?と謎の納得

感を得てしまうと、考えるのも面倒になった様子で頭を抱える!…するとそんな

モツの反応にリーナも同情をして行くと、自分も最初は驚いた!と苦笑いをして

見せ!…と、そんな話がチラホラ背後から聞こえて来て…マサツグもその話を

聞いて成り行きで知り合った事を口にすると、とにかく中に入ろうとして見せる!…

そしてこの時マサツグが玄関へ近付き、ドアノブを捻って中に入ろう

とした次の瞬間!…


__ガチャッ!!…ッ!!…ギィィ~……


「ドレッグ!!…今戻っ……」


__ごおぉぉぉしゅうぅぅぅじいぃぃぃんんんさあぁぁぁまあぁぁぁマアアァァァサアアァァァツウウゥゥゥグウウゥゥゥ!!!!…


「ッ!?…あっ……」


マサツグが工房の玄関を開けると次の瞬間!…機敏に反応する者達が待ってました!

とばかりにお出迎え!…と言うのもその熱烈なお迎えの正体は言うまでも無くシロと

フィロの二人で有り!…マサツグが扉を開けて挨拶をしようとした瞬間目にも

止まらない勢いで突撃!…不思議とそのマサツグを呼ぶ声にも力が入るようエコーが

掛かった様にも聞こえて来ると、マサツグも察した様子で[あっ」と呟く…それは

さも瞬間的に被弾を覚悟した様な悟りの表情を浮かべて居り!…飛んで来るシロ達を

目の前に逃げる事も許されない様子で棒立ちして見せ!…


{……ここからの距離だと腹筋を固めても無駄!!…

避ける訳にもいかないし………もう天運に任せよう!……}


と、この様にもはや生を諦めたかの様な達観ぶりを見せており!…そのシロ達の

後ろではドレッグ達が!…シロ達の機敏な反応にとにかく驚いた反応を見せて

居ると、次にはコマ送りの様な痛烈な一撃がマサツグを襲う!…


!!!…」


__グッ!!…


!!!…」


__バッ!!!…


!!!…」

「ツ!…」


__ギュオォ!!!…


様ぁグゥ~~~~!!!!!」


__ドゴスッ!!!!……


マサツグに満面の笑みを浮かべてシロとフィロは[]の音で大きく踏み込み!…

[]の音で勢いを付けて飛び掛かり、[]の音でミサイルと化し!…

この時何故か回転を付けて殺傷能力を高めて行き!…[様ぁグゥ]の音でマサツグの

腹筋を見事に捉え!…そのまま押し倒す様にしてマサツグを玄関から4~5m程吹き

飛ばして見せると、マサツグの事を下敷きにする!…その際大きく吹き飛ばされた

マサツグは何度も地面をバウンドして行き、そのまま地面に大の字で倒れ!…


__ヒュン!!……ドガガガガシャアアアアァァァァン!!!!!…


「……え?…今何かが隣を通り過ぎた?…

…って、マサツグウウゥゥゥ!!!」


「な!?…何が!?…一体何が起きたのだ!?…」


「さっき、マサツグが目の前で玄関を開けて…

…あれ?…何で私達の後ろで倒れているの!?……」


何ならマサツグが豪速ミサイル二人の頭突きを腹筋に喰らった際!…モツ達は何が起きたのか

理解出来ず、さも何かが隣を通り過ぎた様にだけ感じ!…その際モツは何かが

通り抜けた事で疑問を感じて背後を確認!…そこでマサツグが倒れているのを

見つけ!…するとその光景にリーナも驚き戸惑った様子で一体何が起きたのか!?

と…やはり全く理解出来ていない様子でとにかく慌て様を露わにすると、アヤも

戸惑った具合に言葉を呟く!…この時さも自身の目の前で起きていた事を確認

するよう呟いて行くと、次にはやはり理解出来なかった様子で首を傾げ!…

その一方でオリハはやっぱりこうなったか…とばかりに達観しており、一人

マサツグが生きて居る事を確認しに向かって行くと、そこでイチャイチャ!…

周りの目など御構い無し!…マサツグが帰って来た事にシロとフィロが全力で

甘えるよう頭を擦り付けて見せて行くと、マサツグは一人吐血!…三途の川を

渡る夢を見るのであった!…


因みにこの時工房の中でも大騒動!…シロとフィロが突如飛び出して行った事で

ドレッグ達は慌て!…そして玄関を出て外の光景に唖然として見せ!…何故なら

マサツグが大の字で倒れており、モツ達はその光景に呆然と立ち尽くし!…

幸いにも一般通行人は巻き込んで居ない様子で騒然としており!…ただマサツグ

だけが負傷!…何ならあの勢いを喰らってまだ生きて居る事にドレッグが驚きを

隠せないで居る!と、更にその後ろではマサキとくまさんが…やはり自分の息子は

頑丈!と…ふと過去の記憶を思い出す様に何か戸惑った様なそんな反応を見せて

行くと、静かに呆れて見せるのであった!…

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