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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-

-第六章十四節 増えた石像と未明の話と恐怖の片道!…-

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さてロープウェイが動き出した事でマサツグとくまさんを震え!…その一方で

高所平気組はと言うと、その揺られるロープウェイからの景色に息を呑む!…

そこに映るは見事な雪化粧をした山の雄大な姿で、今から自分達はあそこに

向かうのか!と思いを馳せると、思わず言葉を漏らしてしまう!…そして例に

よって幼女三人も初めての体験に驚きを隠せない様子を見せると、それぞれが

ソワソワし始め!…


__おぉ~~!!!×3


「動く!!…動くぞコイツ!!!」


「ほほぅ!…わっちもこの大陸に居た頃は色々と見て回ったものじゃが…

霊峰に行くのは初めてじゃ!…

この様に雪が積もって居るとまた雪合戦をしたいものじゃ!!」


「シロもビックリなのです!!

この先に女王様が居るのですね!?…」


マサツグやくまさんに抱えられながらも動くロープウェイに興味津々!…パルシ

ディアナは鉄の籠が動いている事に驚きを隠せず!…フィロも若干高揚した様子で

霊峰は初見!と…と、同時にやはり動くロープウェイが気になる様子でウズウズ

しており!…シロもマサツグの膝の上で跳ねる様にして同じく楽しむ様な反応を

見せると、スッと霊峰に視線を向ける!…その際今から自分の母親かもしれない

相手の事を女王様と言うと、途端に真剣な表情も浮かべて見せ!…が、長くは

続かない様子で次にはぽやっと!…やはり動く絶景に目を奪われ!…パルシディ

アナ同様動く景色に興奮する様子を三人がそれぞれ見せて居ると、その三人の姿を

見てモツ達がホッコリし!…和気藹々とした雰囲気を見せるのであった!…

ただ二人を覗いて…


「…フフフ!…シロちゃん達あんなにも燥いじゃって!…元気ねぇ~!…」


「ッ!…そうですね!…

あの様子を見ているとこっちも元気になりますよね?…

…ただ二人を除いて…」


__カッチ~~~ン!!……


アヤが微笑ましいとばかりに言葉を零し、モツもそれに同意するよう笑顔で頷き!…

と、その話に乗っかるようオリハも言葉を!…やはり子供はこうでないと!と言った

具合に相槌を打って見せるのだが、次には一気に冷めて見せる…と言うのもその視線

はクルリとマサツグ達の方へ振り向いて見せると、呆れた表情を浮かべ!…そこには

やはり石像の様に硬化するマサツグとくまさんの姿が!…大事そうにシロとフィロを

それぞれ抱え!…時たまシロとフィロもそんな二人を気遣ってか宥める様な声も

掛けて見せて行くと、その様子に思わずモツ達も不安…蒼い顔を見せる二人に声を

掛ける!…


「…おぉ~い、ヤブ~?…大丈夫か~?

くまさんも応答して下さぁ~い!…」


__カッチ~~~ン!!……


「……駄目だ…全くビクともしない…

…本当に良くこの調子であの飛行船に乗って来れたなぁ?…」


「…えぇ…それについては私も本当にそう思うわ…

…まぁ、私はバーで酔い潰れていたから何も言えないけど…」


モツが二人に対して呼び掛けても微動だにせず、目線も合わせようとしないで

ただ席に座っては俯き動かない!…何ならその表情も眉一つ動かず!…まるで

時が止まったかの様な硬直具合を見せて居ると、その様子にモツが呆れた反応を…

思わず言葉を零して見せる…そしてここまで来れた事について驚いた具合に

話しをすると、そのモツの言葉にアヤも同意し!…と、その一方でこれを機に

大胆に!と…マサツグの両脇をシルビィーナとリーナが固めて行くと、それぞれ

安心させようと腕を組み出す!…


__ギュッ…ギュッ…


「マサツグ様?…安心して下さいまし…

例えこの乗り物が壊れようとも…

私がマサツグ様をお守り致します!…」


「ッ!…わ、私だってマサツグと一緒なら何も怖くは無いのだからな!!…」


__カッチ~~~ン!!……


「……本来ならこれは世の男性達が羨む光景な筈なのに…

兄さんがガチで怖がっているからただの慰められている

子供の図にしか見えないですね?…」


「ッ!!…ブフッ!!…」


それこそまるで身を委ねる様に寄り掛かると優しい言葉を!…シルビィーナは

マサツグを守ると言って微笑み!…となるとそんなシルビィーナの様子にリーナも

対抗意識を燃やし!…負けじ!とばかりに身を委ね!…若干恥ずかしそうしながら

頬を染めギュッとマサツグに抱き付いて行くと、徐々に混乱の様子を!…何か

羞恥に耐える様なそんな反応を露わにする!…それこそ今までの事を思い返すと

今更な気もするのだが、リーナは顔を真っ赤に!…が、肝心のマサツグはやはり

微動だにする事無く!…オリハもその様子を見て思った事をまんま言葉にして

ポロッと漏らして見せて行くと、その言葉にモツ達がブフッ!と噴いてしまう!…

さてそうしてこの間にもロープウェイは三合目に向かって進んで行き、ここで

マサキがふと気が付いた様子で言葉を…


「…ッ!…あれ?…そういや今日はシロちゃん怯えるどころか…

なんやキャッキャッと楽しそうにはしゃいどるなぁ?…

昨日はあんな怯えとったのに?…」


「…ッ!…そう言えばそう?…シロちゃ~ん?…」


この時マサキが気が付いた事と言うのはシロの様子!…と言うのも昨日はシロが

怯えた様子を見せて居た事から延期!と、にも関わらず今は無邪気に笑って燥いで

おり!…となると昨日のアレは何だったのだ?と疑問を持ち…思わず不思議に

感じてその事を口にして居ると、オリハも気になった様子で話しに乗る!…そして

次にはオリハがシロに声を掛けて行くと、シロも呼ばれて来るっと振り向き!…


「ッ!…何ですか~オリハ叔母さん?…」


「昨日はあんなに怯えていたのに今日は大丈夫なの?…

やっぱり無理してない?…」


「ッ!…はいです!!…大丈夫なのです!!…

…昨日は色々と怖い声が聞こえていたのに…

今日は何も聞こえないのです!…どうしてなんだろう?…」


「…ッ?…昨日は聞こえたのに今日は聞こえない?…

…何じゃそりゃ?…」


シロが振り向いた所で今は大丈夫なのか?について質問を…するとシロはハッと

した様子で若干目を見開いて見せると、次には大丈夫!と頷きながら返事をし!…

その理由に声がしない!と話して行き…シロ自身も何か不思議がるそんな様子を

見せて居ると、勿論そんな声など聞いた事のない者達は困惑!…何それ?とばかりに

首を傾げる!…そしてそんなシロの話を聞いてマサキ達が戸惑った反応を見せて

居る一方!…シルビィーナとフィロは知らない振りを!…と言うのもワザワザ話す

程度の事でもない!と…自身に胸の内に秘めて黙って居ようと二人が沈黙を決めて

居ると、徐にパルシディアナが暴露する!…


「ッ!…あぁ、それなら恐らく…

玉藻前とシルビィーナと言うメイドが対処したのだろう?…」


「ッ!!…え!?…」


「ブッ!!!…な!…こりゃ貴様余計な事を言うでない!!!」


__じぃ~~~~!!……ッ!?…


パルシディアナは知って居た様子で突然カミングアウト!…その理由に黙っている

フィロとシルビィーナの名前を上げ!…となるとそんなパルシディアナの話に一同

戸惑い!…一体何があったのだ!?と…驚いた表情でその二人の居る方に視線を

向けて行くと、フィロは噴出しながらパルシディアナに文句を!…逆に肯定をする

様な反応を露わにする!…さてそうしてフィロが墓穴を掘って行くと、更にその

視線は強く!…もはや逃げられる状態ではなくなって行き、しかしそれでもフィロは

頑張って話をはぐらかそうと余所見をして見せて行くと、次にはシルビィーナが

溜息…諦めた様子を見せて行く!…


「…な、なな何じゃ!?…わっちはそんな面倒くさい事を!…」


「…ふぅ……バレたのでは仕方がありません…」


「ッ!!…お、おい!…」


「余計な心配をさせぬ為に黙っていようと思いましたが…

こうもはっきりとバレては逆に話さないと不審に思われますよ?」


「ッ!?…ウ!!…ウグググ!!…」


往生際の悪いフィロとは違ってシルビィーナはバレた事に戸惑いはせず、バレた

のなら話そうと…するとそんなシルビィーナの言葉に更にフィロが慌てた反応を

露わに!…それこそ話さなくても良い!と墓穴!…更に手をパタパタと振って

黙って居るようジェスチャーもして見せるのだが、シルビィーナは逆に言葉を!…

疑われる事を口にする!…それこそ一切慌てる様子を見せる事無く淡々とフィロに

注意をすると、フィロも指摘された事で言葉に詰まり!…と、その一方で何の話

かは当然分からず!…マサキ達が更に戸惑った様なそんな反応を見せて居ると、

シルビィーナは簡潔に未明の事を…何が起きたのかを話し出す。


「……今日の未明…

皆様が寝静まって居た頃に私のかつての仲間と思われる狼達が…

あの町の宿屋前にて群れを成して襲ってきました…」


__どよぉッ!?…


「その際それらの群れを私が蹴散らし…

フィロ様が裏で操っていた者達を始末した事で…

そのフィロ様の畏怖が他の者達へと伝わり…

今日にて黙ってしまう事になったのではと…私は推測致します…」


「……昨日の晩にそんな事が!…」


「………。」


シルビィーナは起きた事を淡々と話す!…それは自身のやった事に対して後悔の

無い!…いや、若干の後悔を感じつつ…それでも自分とフィロとで撃退をした事を

話して行くと、モツ達は驚き!…思わずその場で固まってしまう!…そして今

シロが元気な理由についても推察をすると、若干悲しげな表情を…するとそんな

事が有った事に初めて気が付いた面々はただただ戸惑い!…モツが知らなかった!

とばかりに言葉を漏らすと、その一方ではシロが…何か徐に暗い表情を浮かべて

見せ、シルビィーナもハッと気が付いた様子で反応すると、次には声を掛けて行く。


「…ッ!…シロ様!…」


「…ッ~~!!…ごめんなさいです!!…」


「ッ!!…え?…」


「シロが!…シロが居るから!!…

シルビィーナお姉ちゃんに辛い思いをさせちゃって!!…

ごめんなさい!!…」


何か暗い表情を見せるシロにシルビィーナが恐る恐る声を掛けると、シロは何か

責任を感じたのか…徐にシルビィーナへ謝り始め!…その際マサツグに抱えられ

ながらも頭も下げて見せて行くと、シルビィーナはそんなシロの反応に困惑!…

当然の如く言葉を漏らす!…しかしこの時シロは今だに反省をした様子で俯き

続けると、今にも泣きそうな表情になり出し!…目に涙を浮かべては自分のせい!

と…シルビィーナに辛い思いをさせてしまった事に対して謝罪を再度口にすると、

その言葉にシルビィーナは更に戸惑う!…


「ッ!?…そ、そんな!?……ッ!……ッ…」


__…グスッ!…グスッ!……


「……シロ様……ッ!!…」


__コッ…コッ…コッ…コッ…


何故突然謝られたのか若干分からない様子で戸惑って見せるが、ここでハッと

自身がどんな顔をして居たのかをふと思い出すと、次にはしまった!とばかりに

表情を歪め…となるとその場の空気は重くなり!…何処にもその空気の逃げ道が

無い状態で全員が何か固まった様に動かないで居ると、ただシロがすすり泣く

声が…静かに耳の中に入って来る。しかしシルビィーナも突如何を思ったのか

決意を固める表情を見せると、徐にマサツグから離れて席を立ち!…そしてシロ

の前に立つよう移動をして行き!…シロの前に移動した所で突如傅く様子を露わ

にすると、逆にシロへ謝って見せる!…


__……スゥ…ザッ!…ッ!?……パチパチ!…


「…申し訳有りません!!…

…私が皆様をここへお連れしたばかりに!!…

この様な酷い言葉を投げ掛けられて!!…

私ももはやあそこまでシロ様の事を馬鹿にされては!…

黙っては居られません!!…」


「ッ!?…ッ!?…シルビィーナお姉ちゃん?…」


「今…この場にて誓いを立てさせて頂きます!…

私の命はシロ様と共に!!…この身が朽ち果てるその時まで!!…

私が剣となり!!…盾となって見せましょう!!!…」


この時のシルビィーナの様子はまるで騎士の様であり、シルビィーナとしても

この件に関しては残念に思う一方!…シルビィーナ自身寛容出来ない事をシロに

向けて言って居た様子であり!…そこの途に対してもはや同胞とも思わない!…

シロに対して誓いを立てる様に言葉をツラツラと続けて見せると、その様子に

これまた一同驚愕!…目を真ん丸にして見せる!…普通こう言うのは公式の

キチッとした場でやるのが普通なのだろうが、シルビィーナは至って真剣で!…

何ならその表情は怒りと悲しみに溢れて居り!…一体何を言われたのか?と…

その内容に対して思わず気になった反応を各々がふと見せて居ると、シロは

とにかく目をパチパチ!…戸惑いを露わにし続ける!…さてこうしてシルビィーナ

が決別する意思を見せた所で、今度はその話の矛先がフィロに向き!…


「…で?…シルビィーナの事は良く分かったけど…

フィロちゃんは如何して?…あのシルビィーナの口ぶりだと?…

フィロちゃんもやる気満々で参加して居た様に聞こえたんだけど?…」


「ッ!?…ウグッ!!!…

注意がシロとシルビィーナに向けられていると思っとったのに!!…

…オリハめ!!…余計な事を!!…」


「相手が一気に黙ってしまう程の威嚇をしたんでしょ?…

そうなるとちょっとやそっとの威嚇じゃないって事だよね?…

…何でそんなに気合を入れたのかなぁ?…」


「ウグ!?…グググ!!…」


さもその場の空気を改める様に!…突如としてオリハがフィロに対してキラー

パスを送って行くと、フィロも突然の事で驚き戸惑い!…何なら自分の事は

忘れされた!と思って居た様子…それで安堵して居たにも関わらず、また話題が

自分の方に回って来た事で素直に本音を漏らして居ると、更にオリハがツッコミ

を入れる!…と言うのも気になった点としてはフィロ自身も動いた事で、普段の

フィロならガン無視する筈!と…しかし現にシルビィーナの発言から動いて居た!

との事であり、となるとその理由が気になった様子でオリハがちょっかいを入れる

様に尋ねて行くと、フィロは戸惑いを隠せない様子!…しかし話さない事には

終わらない!と言うのも理解をすると、次には観念した反応で話し出す!…


「…ッ!…ッ~~~!!!…シ、シロは!!…シロは!!…ッ~~~!!!…

シロはわっちの親友だからじゃ!!!…」


「ッ!!…」


「その親友を馬鹿にされる声が聞こえて来る中で

…オチオチ寝て居られる程図太くない!!…

その様な寛容さを持ち合わせて居らんだけじゃ!!!…

…そ、それにあのまま放って置いたらマサツグやモツ達も襲われやもしれぬし…

ば、馬鹿みたいに吠える駄犬共のせいで!!…

五月蝿くて寝られなかっただけなのじゃ!!!」


フィロの口から驚く事に親友と、シロを仲間と認めた言葉が出て来て!…となると

一同も驚いた様子で思わず見開き!…特にシロが一番驚いた様子でフィロの事を

ジッと見ると、その一方ではフィロが更に言葉を!…照れ臭そうに話しを続ける!…

その際頬を染めながら若干俯き言葉を続けて見せて行くと、嘘を言って居る様子を

感じさせず!…何ならこの時不貞腐れる様な態度を露わに!…この状況に対して

自棄を起こし言葉をぶちまける様な様子を見せて行くと、最後には狼のせい!と…

照れ隠しとばかりに吠えて見せる!…するとそんなフィロの反応に他の面々は

ホッコリ!とすると、次々にフィロの名前を呼び!…


「フィロ!…」×3


「フィロちゃん!…」×2


「フィロ様!…」


「ウ、ウグゥ~ッ!!…モツにアヤにオリハにリーナとぉ!!…

それにお義父様とシルビィーナまで!!…ッ~~~!!!…

あぁ~~もう!!!…こうなるから話したくなかったのじゃ!!!…

こういう時如何言う顔をすれば良いのじゃ!!!!!」


まるで我が子を見る様な!…面々が一斉にフィロへ向かって暖かい視線を向けて

行くと、同時に微笑んでも見せ!…と、この面々の視線に対してフィロも真っ赤!…

珍しく恥かしがる様な反応を露わにして行き、何ならこれが予想で来て居たから

嫌だ!と言葉を口にすると、一気に塞ぎ込む様にしてくまさんに抱き付く!…

その際くまさんもそんなフィロの様子を察してか更にギュッと抱き締めると、

毛皮で隠し!…しかしそれでもフィロの不満は止まらず!…仕舞には自身でも

如何したら良いのか分からない!と声を荒げて見せて行くと、ここでオリハが…


「ッ!…わ、笑えば良いと思うよ?…」


「ッ!…オリハ…君はシ○ジ君か?…」


__ッ!!…ブフッ!!…ッ~~!!!……ッ?…


空気をぶち壊す様にオリハがブッ込み!…モツもすかさずそのフレーズに対して

反応をすると、ツッコミを入れる!…その際呆れた様子で苦笑いをしながら

ツッコミを入れると、マサキやプレイヤーの面々はそのネタを理解し!…しかし

アヤ達NPCには何の事か分らず…一体誰の事を言って居るのだ?と言った反応を

露わにすると、次々首を傾げて見せる!…さてそうして色々と話が見えて来た所で

マサツグの漸く動ける様になったのか、先程までの話を聞いて居た様子で…


__……ゴソッ…スゥ……


「…ッ!!…マ、マサツグまでその様な目でわっちを!!……ッ!?…」


マサツグも徐に顔を上げ出すとフィロの方へ振り向き出し!…そしてフィロに他の

面々達と同様に微笑もうとするのだが…その前にフィロが気が付いた様子で反応を

して見せ!…先に予防線を張る様にマサツグへ文句を言おうとすると、次にはその

フィロの表情はビクッと!…それは驚いた様なモノへと変わって見せる!…

と言うのもその時のマサツグの表情と言うのは凶悪で!…ある種恐怖を感じる!…


__ニコォ~~~!!!……サァーーーー……


「ッ!?…マ、マサツグよ!?…

さすがにその表情のまま見詰められると怖いのじゃ!!…

その様に無理をせんでも良いから!!…

その顔で見詰めるのは止めてくりゃれ!?…」


__ガ~~~ンッ!?……シュンッ…ッ!…よしよぉ~し♪…


その時のマサツグの表情はまるで某・賭博漫画の作画の様で!…青褪めながら

笑顔を浮かべ!…それは利○川や兵○会長を彷彿とさせ!…さすがのフィロも

そんな表情に怖い!と…本気ガチでビビる様な反応を露わにすると、マサツグも

その言葉にショックを受ける!…そしてまた徐々に俯き出すとシロに甘える

始末になり…シロもそんなマサツグを慰め始め!…と、やって居る内に陰鬱な

空気は何処へやら?…徐々に元の和気藹々とした様子に戻って行き!…

シルビィーナも何か呆気に取られた様な反応を見せて居ると、そんなマサツグの

行動一つにオリハが、ポロッと言葉を零して行く…


「…やっぱり兄さんって…」


「ッ!…え?…」


道化ピエロをやらせたら天下一ですよね?…

そうそうコレの右に出る人は居ないと思うんですがぁ?…」


「ッ!?…」


まるで何か意味深な様子で言葉を零すと、そのオリハの言葉にモツ達が反応!…

それこそ何か気を利かせた事を言うのか?と…何を言うのか若干気にした様子で

耳を澄まして見せて居ると、オリハは気を利かす事無くブッパ!…更にショック

を与えて行く!…実の兄を捕まえるなり道化ピエロ呼ばわり!…その際隣に座っている

モツ達に同意を求めるよう声を掛け!…となるとそんなオリハの容赦ない言葉に

モツ達も戸惑い!…一方で道化ピエロと呼ばれたマサツグもショックを受けた反応を

ピクッと見せると、更に落ち込んだ様子でギュッとシロを抱き締め!…

一人メソメソとして見せる!…するとそんな様子に隣で座っていたリーナも途端に

慌てて見せて行くと、マサツグのカバーに入り!…


「あぁ!?…き、気にしなくて良いぞマサツグ!!…

あれはぁ!…ッ!…そう、言葉のあやだ!!…

オリハも悪気が有って言った訳ではなくて…」


「ッ!…え?…本心ですが?…

バリバリの本音だったんですが?…」


「ッ!?…」


「ッ!?…ちょ!!…オリハ!!!」


身振り手振りでリーナがフォロー!…勿論マサツグを元気付けようとあれこれ

言葉を選びながら話をするのだが、それを一気に押し崩す!…オリハの一言に

戸惑わされる!…と言うのもキョトンとした様子で本心であった事を話して

行くと、マサツグは更に落ち込み!…が、それに比例する様にシロは尻尾を

振って大喜び!…マサツグが甘えて来ている事に歓喜すると、優しく宥めに

宥めて行く!…


__ギュウゥ~~!!…ッ!…ッ~~~!!!…よしよぉ~し♪…


「………。」


__スック…コッコッコッコッ…スッ…ギュウゥ!…


「ッ!?…あぁ~!!…ッ~~~!!…ま、負けるものか!!!…」


となるとその一方ではシルビィーナも羨ましく思えて来たのか?、またマサツグの

隣に座って行き…すると身を委ねる様にして腕に組み付き!…シロと一緒になって

マサツグの事を宥め出すと、更にリーナが大慌て!…自分も負けてられない!と

躍起になる!…さてそうしてマサツグが一人ハーレムな状態になって居ると、一方

ではフィロがそんなマサツグを置いといて…まるで今は譲る様に余裕を見せ!…

そしてふとパルシディアナの方へ振り向くと、徐に質問を口にする!…


「…それにしてもお主…

良くわっちとシルビィーナがあの狼共を相手にしていたと分かったのぅ?…

わっちの気配を感じ取れたのは理解出来るが…

シルビィーナの気配も感知するとは…お主もあの時起きていたのかや?…」


「……ッ?…いや、モノを感じ取る事など造作も無いであろう?…

私は冷気!…温度と言うモノに敏感なのだからな!…

自身の周りの温度など手に取る様に把握する事位可能!…

何も可笑しな事は無いであろう?…」


「ッ!……そう言えばお主にもそんな奇妙な能力があったな?…

なるほど理解したわ…」


と言うのもパルシディアナの探知能力についての疑問であり、フィロはあの晩

起きて居たのか?と…するとその問い掛けに対してパルシディアナは真っ向から

否定!…その理由に自身の体質?…が、関係している様子で話しをして行き!…

それを駆使すれば気配を探る事など造作も無い事を続けて話すと、逆に不思議

そうに首を傾げる。それこそ何故自分達は出来ない?と言った反応を見せると、

フィロもふと思い出した様子で呆れて見せ…と、ドライな表情を見せると冷めた

笑みをフッと浮かべ!…そして色々と疑問が晴れた所で何やら急に不穏な揺れが

起き始めると、ロープウェイ内は騒然とする!…


__ガガガ!!…ガガ!!…ガガガガ!!!…


「ッ!?…な、何だ!?…何でこんなに小刻みに揺れるんだ!?…」


「……ッ!?…

まさかこのままあのワイヤーが切れて落ちたりしないわよね!?…」


「ッ!?!?!?……」


何故か突如小刻みに震え始めると不穏な音も聞こえ出し!…それは響く様にして

マサツグ達の耳にへと入って来ると、不安を異様に掻き立て!…となるとその

原因不明の揺れにモツが零し!…アヤもそのモツの子束に対して何かフラグめいた

事を口にすると、更に中でも異変が!…マサツグとくまさんが石化する!…

それこそまた微動だにしなくなる位に強張って見せると、とても警戒した表情を

浮かべ!…


__ガッチーーーーーーン!!!…


「ッ!?…あぁ、マサツグが更に硬化したぞ!?…

まるで本当の石像の様にカチカチだ!!…」


「……ッ!!…て言うかこの乗り物動いてない!?…

まさか故障したとか!?…」


__ッ!?…どよぉ!?…


まるでゴ○ゴ13の様な表情で覚悟を決め!…いつでも来い!とばかりに何か

身構える様なそんな反応を見せて居ると、モツがそれにツッコミを!…慌てた

様子を露わにする!…だが次にはそんな事をツッコんでいる場合でも無いのか

ロープウェイが突如沈黙!…動かなくなってしまい!…となるとそんな様子に

アヤが一番に反応して見せ!…動いて居ない事を思わず慌てた具合に口にすると、

一同も当然困惑し始め!…一体如何なっているのだ!?とばかりに慌てて見せる!…

その際オリハが窓の外の様子を確かめようとするのだが、その窓は雪に覆われて

使い物にならず!…しかしその一方でフィロとパルシディアナは落ち着いて居り…

さも問題無い!とばかりに構えて居ると、次にはロープウェイに異変が…


__プシッ…ガシューーン!!…


「ッ!?…と、扉が勝手に開いた!?…って、え?…」


__ガラァ~~ン!!……ヒュオオオオォォォォ~~~!!!…


「……駅?」


異変と言ってもロープウェイの扉が独りでに開き出しただけであり、それはまるで

外に出るよう促されて居る様に感じ!…と、そんなドアが開いた事に一同驚き!…

オリハが警戒した様子でその事口にしてハッと外の様子に目を向けると、次には

呆気に取られた具合に固まってしまう…と言うのもそのドアの向こうに見えるのは

駅の外壁で、しっかりとした足場にあの改札機と見えて居り…何ならこちらも人

一人居ない様子で物悲しく…モツが改めてドアの外に顔を覗かせ確認をすると、

駅である事を漏らして行く…如何やらあの揺れは止まる上で発生した様子で、

老朽化して居るのかワイヤーが錆びて居り…と、とにかく無事に三合目の駅に辿り

着い事で一同安堵!…なぁんだ!とばかりに各々がそれぞれフゥッと息を漏らして

居ると、更にモツが言葉を続ける。


「……ふぅ…どうやら無事に霊峰三合目まで辿り着いたみたいだぞ?…

外の駅の看板に霊峰三合目って書いてあった…」


__…ふぃ~~…


「…と言う事はさっきの揺れは駅に止まる際の揺れやったって事か……

驚かせてからに!!…ちゃんとメンテしとるんか?…」


「…どちらにせよこれで漸く…

本来のスタートラインに立てたんだから良しとしようよ…

…本当の問題はこれからなんだからさ?…」


三合目駅の壁に看板が掛けられて有るのを発見すると、モツが安堵した様子で

着いた!と…となると全員が安堵した様子で再度一息吐き!…マサキも余計な

心配をした事に対して文句の言葉を漏らして行くと、額の汗を拭って見せる!…

さてそうして本当意味で漸く本題に入れる事をオリハが口にして行くと、一人

ロープウェイから降りて見せ!…するとその様子に他の面々もロープウェイから

降り出し!…ここでふとまだ固まって居るマサツグ達の様子にアヤがハッと気が

付いて行くと、着いた事を声を掛けて行くのだが…マサツグはその言葉を聞く

なり!…突如機敏にバッと動きを見せると、異様な様子を見せるのであった!…

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