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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-

-第六章十七節 女王直属近衛兵団とオリハ危機一髪!と冷酷なシロ?-

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「参りました!…降参です!…」


「え?……」


「……その言葉の意味はそのままの意味で受け取っても良いのか?…」


今だ笑いながら両手を上げるその人狼はシルビィーナに対して降参を口に…すると

余りにも呆気なく決着が着いた事で!…何なら降参もした事でマサツグが驚いた

表情を見せて居ると、シルビィーナもその言葉に疑いを持つ!…その際険しい表情を

見せながら今だに槍を突き付けその意味を質問をすると、人狼は今だ笑い!…まるで

こうなるであろう事を予測していた様子で!…シルビィーナに対して頷きながら

返事の言葉を口にすると、次にはある行動をして見せる!…


「えぇ…私の負けです!…ですから我々のを解除します!…」


__…スゥ……アオォォォォォォンン!!……


「……ッ!…敵対モブから中立に変わった?…

と言う事は本当に警戒を解いたって事か?…」


完全降伏の言葉を口にすると次には包囲を解く!と…シルビィーナに槍を突き付け

られて居るにも関わらず…徐に軽く息を吸って見せて行くと、同時に空へ向かって

遠吠えもする!…それは辺りに響くよう勇ましく聞こえ!…これまたそれと同時に

マサツグやモツのミニマップ上にもある反応が見られ!…と言うのも敵対を意味

して居た筈の赤アイコンが緑に!…それにハッと気が付いた様子でマサツグが若干

驚いた様子で反応すると、シルビィーナも信じた様子で槍を退ける!…


「………ッ…」


__フォン!!…


「さぁ、約束通り警戒を解きました隊長殿!…」


「……フゥ~…」


警戒の様子から元のクールな態度に…自身でもその辺りの警戒が解けた事を確認

すると、その際まるで血糊を振り払う様にその手に持っている氷の槍を一振り!…

するとその一方では人狼がまたシルビィーナの事を隊長と呼び!…何か心成しか

嬉しそうな反応を見せて居ると、シルビィーナはそんな人狼に呆れ…何か疲れた

様子で溜息を吐く!…しかしそんなシルビィーの事など御構い無し!…その人狼は

次にはシルビィーナに対して傅く態度を見せて行くと、更に改めて挨拶をし

始める!…


__ザッ!!…


「…ッ!?」


「そしてお帰りなさい!…アレクシア近衛隊長!!…」


「………。」


それこそ先程まで歯を剥き出しにしながら威嚇をして来た人狼とは思えない程の

変わりよう!…その人狼は嬉々とした様子でシルビィーナの事を三度みたび隊長!と…

何なら上位に居た様な感じで近衛!と語り…となるとそんな人狼の様子にマサツグも

ポカンと…口を開けてとにかく呆気に取られた様子で固まって居ると、シルビィーナ

もシルビィーナで更に呆れ!…もはやその反応に困惑し出す…と、そうして二人が

それぞれ戸惑って居ると、次には先程マサツグ達を包囲して居たであろう人狼達が

集まり出し!…そして先程のやられた人狼を見習い!…シルビィーナに対して各々が

傅く態度を見せて行くと、その最初にやられた人狼が名乗りを上げる!…


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ……ザッ!!…


「我等女王直属近衛兵団全十人!!…

ただいま見参致しました!!!」


「……私はもうこの山を離れた身…

ですのでもう近衛隊長でも何でも無いのですが?……」


「…一体何が如何なって?…」


人狼達は自分達が近衛の者!と…改まってシルビィーナの事を近衛隊長と言って

慕い!…しかしその一方でシルビィーナは困惑と呆れが混じった表情を浮かべて

見せ!…その際自分はもう何者でもない事を口に!…何なら元のシルビィーナの

口調に戻って見せると、その様子にマサツグも更に困惑をして見せる!…そして

一体何が何だか?と漏らして行くと、そのシルビィーナの一時のキャラの変わり

様にも驚くのだが、シルビィーナが近衛隊長と呼ばれて居る事にも驚き!…と、

とにかく状況を整理するのに苦しみ!…その一方でモツ達もそろそろ斜面で

待たされるのは限界!と言った様子で声を掛けると、マサツグに安全を確認する!…


「…おぉ~~い!!!…そろそろ上がっても良いか~?…

脚が痺れて来たんだが~?…」


「ッ!…あ、あぁ!…多分大丈夫だ!…」


「……ッ?…多分?…多分って如何いう事だ?……とにかく上がるぞ~?」


モツから上がっていいか?の声が聞こえて来て!…マサツグもハッとした様な

反応を見せると、次には戸惑った具合に返事を!…何故か曖昧にしながら

返して行く!…となるとモツとしてもそんな返事が返って来た事で疑問を持って

しまう所ではあるのだが、そろそろ上がらないと滑り落ちそうになり!…

とにかく引っ掛かりを覚えながらも休める所まで!…そしてやっとの思いで

急勾配の道から全員が解放されて行くと、各々は息を切らしながら休み始める!…


「ぜぇ…ぜぇ…しんど!…」


「現実の方で同じ事やれって言われたら…

…俺そのまま滑りながら返るとこやで?…」


「はぁ…はぁ…」


「…ふぅ!…」


「……に、人間達にエルフ?…

…ッ!?…そ、それに狐にエレメンターまで!?…

しかもあの様子は!?…こ、この者達は一体?…」


モツは両膝に手を着きながら息を切らし!…マサキも現実リアルで物事を考えると、

今頃ここには居ない!と…その一方でアヤはまだ体力が有るのか軽く息を切らす程度

に留めて見せ!…リーナはまだまだ余裕が有るのか!…さもいい運動になった!と

ばかりに額の汗を拭って見せると、非常に良い顔を浮かべて居た!…さてそんな息を

切らす連中達が居る中、更に強者達も登場し出す!…と言うのもフィロとパルシディ

アナは全く息を切らしておらず、寧ろ涼しい表情を!…となるとそんな幼女二人の

様子に人狼達も驚き!…一体何者!?と言った反応を見せて居ると、二人もその

視線に気が付き始める!…


「…ッ!…ん?…何じゃ?…何でこんなに注目を集めて居るのじゃ?…

…さてはわっちの格好がそんなに珍しいのかや?…」


「…多分それもそうだが…お前のその子供の様な容姿で…

あの道を息を上げずに登って来た事が驚きなんじゃないか?…」


「ッ!?…こ、子供じゃと~!?…

今のおぬしが言うか!!…このお手ごろ[あいすきゃんでー娘]!!…」


フィロが耳をピクッと動かして見せると次にはその人狼達に視線を!…そして

不思議がる様に言葉を漏らし…と、そんなフィロの言葉にパルシディアナも

反応して見せ!…それよりも気になる事が有るだろうとばかりに容姿を言うと、

その言葉が気に喰わなかったのかフィロはカチン!と…次にはパルシディアナに

食って掛かる!…さてそうしてまた二人の間で不穏な空気を見せて居ると、更に

後方から苦戦している者も登って来て居り!…


「ほらくまさん!…がんばって!!…」


「ヒィ!…ヒィ!…この体重~い!!…」


「じゃあ何でそのアバターを選んだ!?」


「だって可愛かったんだもん!!…」


と言うのも大苦戦をして居たのはくまさんとオリハ!…何ならくまさんを後ろから

押す様にしてオリハが奮闘!…その際まだ体力がある様子でくまさんに頑張るよう

声を掛けるが、肝心のくまさんはもうバテバテ!…今にも倒れそうな様子を見せて

居た!…その際自身の体が重い事を嘆いて行くと、オリハはそのくまさんの言葉に

ツッコミを入れ!…と、そんなオリハのツッコミに対してくまさんも文句を!…

見た目で選んだ事を後悔して見せ!…それでも何とか一休み出来る所までやって

来ると、くまさんがその場でへたり込む!…


「…どっこいしょ!!…ふぅ~…」


「お~い、早く登って来~い!!…」


「…ぜぇ!…ぜぇ!…ちょ、ちょっと待ってよ!…こっちだってスタミナが!…」


__ズズズズ…ボゴン!!…


この時登り切ると言ってもくまさんのみ、オリハも先にくまさんを登らせた事で

スタミナが切れ…そして自分が登るだけのスタミナが無くなった事でその場で

動けなくなってしまい!…マサツグから早く登る様に急かされてしまうと、当然

文句の言葉を漏らして見せる!…その際息を切らしながらも吠える様に文句を

も墓して見せて居ると、次にはアクシデントが起きてしまい!…と言うのも息を

切らしているオリハの足元が突如崩れ!…登ってきたこの急勾配の道をオリハが

転げ落ちそうにバランスを崩すと、全員が途端に慌て出す!…


「ッ!?…うあっ!?…」


「ッ!!…オリハ!!」


__バシュンッ!!!…どよッ!?…


「うわわわわッ!!…」


バランスを崩し来た道を転げ落ちそうになるオリハは慌てて腕を振り回すが、

やはりバランスは保てず徐々に倒れて行ってしまい!…と、その様子にマサツグも

ハッとすると慌てて救助に!…その際人間ではあり得ない!…人狼達から見ても

驚きべき移動速度を発揮すると、その様子を見た人狼達からどよめきの声が上がり

始める!…しかしそんな事を気にしている場合では無いマサツグは一気にオリハの

元まで駆け寄ると、その落ちて行きそうなオリハの手に向かって腕を伸ばし!…


「ッ!!…手ぇ伸ばせ!!!」


「ッ!!…兄さん!!」


__……ガシィッ!!!…


マサツグがオリハに向かって手を伸ばすと同時に掴め!と叫んで行き!…オリハも

そんなマサツグの言葉にピクッと反応をして行くと、咄嗟にマサツグへ向かって

必死に腕を伸ばし!…するとギリギリの所で間に合ったのか互いにその手を掴んで

行き!…その際互いにガッチリと握手をする様に!…手を絡めて絶対に放さない!

と言った力強さを見せて行くと、次には二人揃って某・栄養ドリンクのCMの様に!…

霊峰三合目内に響くよう吠えて見せる!…


「ッ!!…ファイッットォーーーーー!!!」


「イッパァーーーーーツ!!!…」


__グイイィ~~!!……ズルズル…ドサァ!!…


「ぜぇ!…ぜぇ!…あっぶね!?……」×2


まるで案件でも貰ったのか?と言わんばかりの高シチュエーションにこの叫び!…

無事マサツグはオリハを引っ張り上げ!…と、オリハを振っぱり上げるとそのまま

引き摺る様にして安全圏に!…そして二人揃ってその場で倒れる様にして息を

切らし汗を掻くと、無事である事に言葉を零す!…そうして二人が違う意味でも

汗を掻いて息を切らし倒れて居ると、次には心配をした様子でアヤやリーナが駆け

寄って来て!…


「だ、大丈夫マサツグ!?…」


「オリハも無事か!?…」


「ぜぇ!…ぜぇ!…な、何とか…」


__…ぜぇ!…ぜぇ!……コクリッ……はあぁ~~!……


慌てながら心配をした反応でアヤとリーナの二人が無事かどうかの確認をすると、

オリハは今だ吃驚した様子で返事をして見せ…と、その一方でマサツグも無事と

ばかりに無言で頷き!…その二人の返事にアヤとリーナも安堵!…その他の面々も

ホッと胸を撫で下ろして見せて行くと、次には緊張の糸が切れたかの様にへたり

込む!…しかしそれだけでは安堵出来ない者も居る様で、その者はマサツグに

飛んで行くと!…


「ご主人様~~~!!!」


「へぇ…へぇ……ん?…」


__ブオン!!…ガシイイィィィン!!!…


「ぶふぇ!?…」


言わずもがなその正体はシロであり!…マサツグの事を呼びながら大きく踏み込んで

飛び掛かって行くと、倒れ込むマサツグの顔に向かいさもボディプレス!…次には

マサツグの顔をしっかりホールドして見せる!…その際息の整って居ないマサツグと

しても避ける事叶わずそのまま捕まってしまうと、そこから繋がる様にしてご恒例の

フェイ○ハガーで仕留め掛けられ!…と、突然の事に驚いた様子で戸惑い続け!…

何も出来ないままただされるがまま倒れて居ると、次にはシロの追撃がグリグリと…


「ご主人様!?…大丈夫ですか!?…

何所も痛くないですか!?…」


__グリグリグリグリ!!…


「ッ!?…ちょ!?…ちょっとシロちゃん!?…」


「幾らマサツグが慣れたとは言え、呼吸も整えていない状態でやると

酸欠で倒れてしまうぞ!?」


シロはマサツグに甘えるよう頭をグリグリと摺り寄せ!…この容赦の無いシロの

連携技に一同も大慌てをして行くと、アヤとリーナがシロに待った!を…慌てて

引き剥がそうとブレイクを入れる!…その際シロとしても勿論マサツグを心配

しての行動であって、本当に仕留めようとして居る訳ではなく!…が、シロの愛は

とても重く!…周りの声も入らない位にエキサイトして居ると、次にはその様子を

見た人狼達がビクッ!と…隠し切れないどよめきを上げ始める!…


__どよぉ!?!?…ザワザワ!!…ザワザワ!!…


「ッ!?…そ、そんな!?…まさか!?…」


「い、いやでもあのお姿は!?…」


「間違い無い!!…間違える筈も無い!!!…

あの子狼…いや、あのお方は!?…」


と言うのもマサツグを仕留めに掛かる光景に戸惑うのではなく、シロの姿を見て

戸惑いを露わに!…それはまるで何かと見比べる様に驚き戸惑い!…何もかもが

そっくりである様に慌て見せると、その様子にシルビィーナもピクッと反応!…

さもその人狼達に対して警戒を強める!…そしてこの時警戒をし出したのは

シルビィーナだけではない様子で、モツもふと気が付いた様子で軽く身構え!…

と、その一方で最初の人狼が気が付いた様子!…その周りの人狼達に静まるよう

手をスッと横に差し出して見せると、次には人狼達が黙って行く!…さてそうして

人狼達は黙ったもののやはり驚きを隠せない様子!…するとその最初の人狼が

徐にマサツグの方へと近付き!…


__スッ……ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「ッ!!…」


__チャキッ!…


「ッ!…待って下さい隊長!…

手荒な真似はしません!!……ただ少しだけ確認を!…」


「………。」


人狼は何かを確かめようと接近して行き!…その視線を主にシロの方へと向けて

行くと、当然シルビィーナも反応をする!…それこそ我が子を守ろうとする母親

の様に!…その近付いて来る人狼に対してスッと槍を構えて見せると、その人狼も

ハッと気が付いた様子で警戒!…そこから安心するよう声を掛ける!…その際

やはり確認したい旨も話して行くと、ジッとシルビィーナの目を見詰め!…と、

そんな人狼の視線にシルビィーナもジッと…まるで相手の心理を探る様に見詰めて

行くと、次には納得した様子で若干退く…


__……スッ…


「ッ!…シルビィーナ!…大丈夫なのか?…」


「恐らくは…それに奴が妙な真似をした場合は私が!…」


「…一応俺も警戒をしておく!…目を離すな?…」


__コクリッ…


この時シルビィーナが道を開けた事に対してモツが心配そうに質問をすると、

シルビィーナは一応許した様子で大丈夫!と…しかしその視線は決して人狼から

離れる事は無く!…依然警戒を露わに!…もしもの場合は私が始末する!と

ばかりに静かに殺気を潜めて見せると、モツも納得した様子で言葉を!…そして

モツも念の為に警戒をする!…その際互いに注意し合う様に声を掛けると、

シルビィーナもこの言葉に静かに頷き!…と、そんな様子を感じてか人狼も

慎重に!…とにかく絶賛フェイ○ハガー中のシロへ徐に近付いて行くと、次には

声を掛けて行く!…


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ……スッ…


「君…少し良いかな?…」


「ッ!!…」


__シュン!!…


それこそ手を伸ばし道を尋ねる様な感じで声を掛けると、次の瞬間シロは機敏に

反応して見せ!…まるでその話し掛けて来た人狼を警戒する様に!…突如として

その人狼の目の前からパッと姿を消して見せると、勿論そんなシロの機敏な

反応に!…人狼一同驚いた様子でビクッとする!…すると次にはその消えたシロ

を探す様に辺りをチラチラ見回し出すのだが、その人狼がシロの姿を捉える事は

決してなく!…


「な!?…」


__どよ!!!……バッ!!…バッ!!…


「ど…何所に!?…」


__……スゥ…チャキッ!…


ただ驚き戸惑った様子で右往左往!…姿どころか影すら捉えられない具合で

慌て続け!…何ならその機敏な反応を見せたシロの身体能力にも驚いて見せ!…

さすが女王様の子供!と言わんばかりにとにかくシロの姿を探して居ると、

次には背後からスッと…氷で出来たダガーが静かに首元から伸びて来てくる!…

そしてその人狼もハッと気が付いた時には既に遅く!…シロは人狼の動きを

拘束!…喉元にダガーを添えて牽制をして行き!…それはさも声を嗅げる事すら

許さない!と言った見事なアサシンムーブを披露すると、全員がシロの反応に

驚愕する!…


__ッ!?…どよぉ!?…


「ッ!?…ッ!!…」


「……貴方は誰ですか?…

ご主人様を傷付ける人ですか?…」


これにはされた方もまさか!?と言った具合に息を呑み!…勿論一歩もその場から

動けず!…と、その一方でシロは珍しく警戒の様子を見せており!…その手を

伸ばして来た人狼に対して冷たい視線を!…さも本当に暗殺者になったよう人狼の

事を拘束し続けると、次には質問を口にする!…その際その問い掛け方からも

まるで慈悲は無い!と言った鬼畜ぶりが伺えると、思わず拘束されて居る側にも

緊張が走り!…


「ッ!?…い、いや違う!…」


「じゃあ何でお兄さんからは色んな人の血の臭いがするのですか?…」


「ッ!?…」


とにかくシロを刺激しない様にまずは否定!…その際喉を掻き斬られる事を警戒

して見せると、何とかシロから信頼を勝ち取ろうとするのだが!…次にはシロから

血の匂いがする!と言われ…その人狼の体臭を嗅ぎ分けた様子でそれが原因で今

警戒をして居る事を淡々と話すと、更にその人狼はハッ!と…追い詰められた

そんな反応を露わにする!…この時シロもいつでもダガーを引ける様に構えて行く

と、更に恐怖心を煽る様に言葉を…


「ご主人様みたいに人間さんの血の臭いがする…

オリハ叔母さんみたいに獣人さんの血の臭いがする…

その他にも色々な人の臭いがするのです…

……お兄さんは誰なのですか?……」


{ッ!?…ほんのたった一瞬で!!…

それだけで血の臭いを嗅ぎ分け!!…私の背後を取るとは!!…

…まるで熟練の暗殺者の様な動き!!…

この動きをこの年でマスターするなど!?…天性の才能かそれとも…

どちらにしてもこれで決まりだ!……間違いない!!…この方は!!…}


「ッ!……誰なんですか?…」


「…ッ!……」


シロは一つ一つ感じた事を口にして行き、そして再度その人狼に質問を…その返答

次第では容赦はない!と静かに見つめ…大人顔負けの圧倒的迫力でその人狼の事を

牽制すると、周りの人狼達も委縮!…その場から動けなくしてしまう!…しかし

その一方では拘束されて居る人狼もふとある事を考え出すと、そのシロの判断力に

運動能力等を見て確信を持ち!…何なら今自身が拘束されて居る事にも思わず感動

を覚える始末であり!…ただ一人間違い無い!と震えて見せると、その様子に

シロもピクッと反応を!…最後とばかりに声を掛ける!…その際そんないつもの

天真爛漫さが見られないシロの様子にモツ達一同が驚いて居ると、その場で

固まってしまっては絶句し!…と、そんな容赦の無いシロの様子に次には声が!…

マサツグが起きた様子で声を掛けると、まずは放す様に指示を出す。


「…お~い、シロォ~?…離して上げなさい!」


「ッ!…でも!!」


「大丈~夫!…もし本当に襲う気だったら…

もうその他の連中達と一緒に襲って来てる!…

それに…シロは怖かっただけだよな?…」


「………。」


__スッ…


マサツグは座り込んだまま上体だけを起こして行くと、自身の後頭部を掻きながら

呑気に声を…となるとそんなマサツグの言葉にシロもピクッと反応して見せ!…

次には戸惑った様子でマサツグに言葉を漏らして行くと、更にマサツグが宥めに

掛かる!…その際安全な理由についても軽くシロに話して行くと、シロも渋々では

あるものの納得した様子で…スッと人狼から手を放すとダガーも退き…その際

何か釈然としないそんな反応を露わにすると、その一方では人狼が!…まるで息を

止めて居たかの様に息を切らす!…


「ッ!!…だぁ!!…はぁ…はぁ……ッ!…」


「ほらおいで?…シロ?」


「ッ!…はいです!」


__バッ!!…ガッシ!!…


当然捕まって居た間生きた心地がして居なかったであろう人狼は四つん這いに!…

そして地面に腕を着きながら息を切らし!…が、その一方でまだシロは警戒は

続いて居り!…その地面に這い蹲るまでは行かなくとも…地面に手を着く人狼の事

を見下ろして見せると、鋭い眼光を向けて居た!…しかしそんな眼光も次には

マサツグの手に掛かると一変!…両腕を広げてシロを迎える様に声を掛けると、

コロッ!と…いつもの天真爛漫な様子に戻って行き!…そして呼ばれた通りに

マサツグへ向かって走って行くと、次にはマサツグに飛び掛かって見せる!…

するとそのシロの変わり様に人狼達も戸惑いを露わに!…と、その一方でシロが

元に戻った事でモツ達も安堵!…思わずアレは幻か何かだったのでは?と考えて

しまうと、各々まだまだ戸惑った様子!…その視線をシロに向ける!…


「ぜぇ!…ぜぇ!……はあぁ~……ッ!!…あ、貴方は一体!?…」


さて徐々に捕まって居た人狼の呼吸も整い出すと、次にはそのシロの懐き様に驚き

戸惑い!…と言うのもアレだけヤバかった幼女は今では甘々!…マサツグに満面の

笑みを見せ!…尻尾を振りながら頭を摺り寄せる様子を見せて居ると、本当に

さっきの幼女か!?と…勿論の如く疑ってしまう!…しかし現にその恐怖を感じた

幼女は今目の前で甘々になって居る訳で、そうなると次に興味が向くのはそんな

シロを手懐けて居るマサツグに有り!…その人狼も思わず何者!?と言葉を…

するとマサツグも問われた事に対してピクッと反応をして見せると、至って普通に

返事をする!…


「……ん?…俺かい?…俺は只の冒険者でシロの育ての親!…

…になるのかな?…うん…ひゃひゃのひんへんはよただの人間だよ?…」


「ご主人様♥!…ご主人様♥!!」


__ゴスッ!…ゴスッ!!…………。


さもマサツグはいつも通りと言った様子で答え出すと、簡単にシロの育ての親と

語り!…となるとそんなマサツグの言葉に人狼達が驚く一方!…シロはシロで

マサツグの頬に頭突きをするよう甘えて見せると、ひたすらに尻尾を振って居た!…

その際ガッシ!とマサツグの体にしがみ付くと、体全体でマーキングをする様に

摺り付き!…と、そんな様子にフィロも軽く嫉妬し出し!…しかし今は我慢!と

言った大人の対応を見せると、無意識に地団太を踏んで居た!…そしてそんな

マサツグの返事に対して人狼達も更に戸惑った反応を見せて居ると、次には

くまさんが動き出し!…


__のっそ、のっそ…ズイッ!!…


「…ちょっといいかな?…」


「ッ!…え?…ッ!?…」


「聞きたい事が有るんやけど…昨日の晩…

下の町にオオカミを嗾けて来たのは君達?…」


「ッ!?…な!?……ッ!!……ッ……」


と言うのもくまさんはその人狼に迫るよう!…ズイッと顔を近付けシロとは違う

威圧感を放って行くと、その人狼を驚かせ!…だがそんな人狼の反応など御構い

無し!…この時あのロープウェイ内で話を聞いた!…宿屋での一件について関与

していたか?と直球で質問をして行くと、その話を聞いた人狼はピクッと!…

途端に驚いた反応を見せて行く!…それはまるで本当に知らなかった様にも

見えるのだが、それと同時に襲われる理由にも見当が付いて居る様子で反応を

して見せ!…となるとくまさんもそれに気が付いた様子で眉間にしわを!…更に

尋問をする様に詰めて行くと、もひとつ言葉を口にする!…


「…その反応を見せたって事は何か知ってるって事やんね~?…

…正直に話してくれるかな~?…

時と場合によっては私の怒りが込み上がるけど?…」


「ッ!!…そ、それは!……」


この時くまさんは笑顔を見せつつ質問をするのだが、その内側からは溢れんばかりの

怒りの念が見え隠れしており!…それこそその人狼とのレベル差を物ともし無い威圧

感を全面に…とにかく話が聞きたい!と言った反応を見せて居ると、その人狼も答え

辛そう…何か色々と詰まった表情を露わにする!…それはくまさんに詰められている

事で話し難そうに!…と、同時に仲間を売る様な事に躊躇いを覚えて居る様な!…

とにかくそんなくまさんの圧に人狼は俯き!…何か答えなければ!と言った反応を

見せて居ると、次にはマサツグが仲裁に入る!…


「…ちょっと待ったくまさん。」


「ッ!…何?」


「…多分コイツは無実だと思うぞ?…」


__どよ!?…ッ!……。


「ッ!…ほう?…それは何で?…」


まるで既に何かを知って居る様子で仲裁に入ると、そのマサツグの仲裁に面々が

若干驚き!…と言うのもいつもならこの質問を真っ先にしそうな奴が仲裁に入って

居るからであって!…もはや珍事とも思えるその様子を面々が黙って見守る様に

見詰めて居ると、その仲裁に対してくまさんもピクッと反応して行き!…シロを

甘やかすマサツグの方をチラッと見ると、呼ばれた事に返事をする!…その際

やはり怒りを隠し切れない様子で一言返事をして行くと、次にはマサツグがその

人狼は無実!と…となるとそんなマサツグの言葉に面々は更に驚きを露わに!…

何ならその人狼自身も戸惑った様子で反応すると、ふとマサツグの方を見て行く…

と、同時にくまさんもその理由を尋ねる様に続けて行くと、マサツグもその訳を

説明し始め!…


「昨日狼達を嗾けて来た奴らがもしコイツ等なんだったら!…

今ここで奇襲を掛けて来るのは遅過ぎるからなんだ!……」


「ッ!……」


「…って言うのも俺もシルビィーナに話を聞いて納得した所なんだが…

仕掛けるならロープウェイに乗ってから!…

或いはあの山小屋の所でも仕掛ける事は出来た筈なんだ!…

ロープウェイはワイヤーを切ってしまえば楽だし!…

山小屋に至っては隠れる場所が豊富!…

何だったら向こうは地の利だってある訳だし!…

別にこうしてわざわざ出て来る必要もない!…

雪に紛れて奇襲を掛ける事だって出来た筈なんだわ!…

…でもそれをして来なかったって事は別に何か理由があるって訳で…

恐らく俺の勘だとこいつ等は敵じゃない!…

それにシルビィーナの事を知ってるみたいだし…大丈夫なんじゃねぇのか?」


「………。」


と言うのもまずマサツグは簡単にシルビィーナから聞いた話を口に!…今ここで

人狼達と遭遇する事自体が遅い事を話し出すと、その話にくまさんがピクッと!…

何なら他の面々も興味を持ち出す素振りを見せ!…そのマサツグの言う理由に

黙って耳を傾けて行くと、更にマサツグは話しを続ける!…と、この時続けて話し

出した事と言うのはその奇襲のタイミングについてであり!…幾らでも機会が

あった事を説明!…すると他の面々も徐々に納得し出した様子でハッとして見せ…

最後に謎根拠でマサツグが話しを纏めて行くと、くまさん完全沈黙!…何か悩んだ

様子を見せるのであった!…

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