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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-

-第六章二十三節 七合目道中と幻覚の恐怖と疑惑の二人-

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さて一行はラグナスの独断と案内で七合目へと突入する!…その際先程の事から

既に連絡が回って居るのか?…マサツグ達はあれ以降人狼達に襲られる事無く

進んで行くと、徐々にシロの母親と思われる…フェンリルクィーンの居る居城に

へと近付いて居た。しかしだからと言って人狼達から敵視をされないと言う訳で

は無い様で、遭遇する度に睨まれたり舌打ちをされたりと散々で!…と、その度に

ラグナスが牽制する始末になって行き!…フィロもそれが気に喰わないのか?…

イライラとした態度を露わにし始めると、何とも物騒な事を口にする!…


__ジロッ!!…ギンッ!!!…ッ!?…ッ……


「…チッ!!…何とも胸糞が悪い!……やはりあの時…

坊主が止めようがここら一体を焼け野原にしてやれば良かったかのぅ!!…」


「ッ!…あはははは…それはご勘弁を願います!…

…確かに彼らの態度は誉められた物ではありません…

しかし彼らにも事情があるのです…

…ここは彼らに代わって謝りますのでご辛抱を…」


如何にも小物の癖に!と言わんばかりにフィロが文句を口にすると、その手に

狐火を燃やし!…となるとラグナスもピクッと反応するなり苦笑いしながら

フィロを宥め!…この時兵士達の事情を口に!…そしてそんな兵士達の代わり

ラグナスが謝罪の言葉を口にすると、フィロは一応納得!…だがやはり不服で

ある事を露わにする!…その際ムスッとした表情でフン!とばかりにそっぽを

向くと、その手に握った狐火を消し!…


「……ふん!…まぁ…わっちはマサツグ達さえ無事なのなら構わぬ!…

…ただし何か事を起こせば如何なるか?……覚悟しておく事じゃ!…」


__ッ!!……コクリッ!…


「…はぁ~……」


忠告とばかりに言葉を口に!…その際流し目ながらにフィロがラグナスの方を

見詰めて圧を掛けて行くと、同時に邪悪な笑みを!…それはまるで事が有ったら

霊峰を焼き払う!と言わんばかりに圧を掛け!…その邪悪なフィロに対して

ラグナスもビクッとした様子で息を飲み!…少し怯えた具合で頷いて見せると、

黙って案内を続けて行く!…さてそんなラグナスが気圧される様子が見れた所で

シルビィが徐に溜息を一つ!…その手に持って居る槍を徐にクルッと簡単に振り

回して見せると、次にはその槍の石突でラグナスの頭を小突き!…


__スッ…グルンッ!……コンコン!!…


「…何ですか、その気圧され様は?…

そんな事では…ライカンスロープ最強の名が泣きますよ?…」


「あでで!!…ちょっ!?…隊長!!…それは無いですよ!?…

ライカンスロープ最強の事だって!!…なりたくてなった訳では無いですし!!…

第一にあの妖魔王に威圧されたら誰でも気圧されますって!!…」


__わたわた!……ッ!…


シルビィがラグナスの様子に情けない!とばかりに声を掛けると、小突き続けながら

自身の頬に手を当て…と、そのシルビィの言葉にラグナスが慌てて言い訳を口に!…

あのフィロネウスに圧を掛けられたら誰でなる!と…何なら最強も気が付いたら

なって居た事も続けて話すと、シルビィから逃げる様に先を行く!…その際その

様子はまるでちょっとした親子の様に見えてしまうと、マサツグ達も思わずホッコリ

としてしまい!…が、その一方でシルビィはラグナスを小突く事を一切止めず!…

ラグナスの言い訳に対してまた溜息を!…何なら更に呆れた表情も見せて行くと、

ラグナスの言い訳を一蹴する!…


「…はあぁ~……確かに私も…

フィロ様にあの様に威嚇されると気圧されるやもしれません…

ですが!!…あの様に表立って表情に出す事自体言語道断!!…

相手に有利な立ち位置に立て!と言っている様な物です!!…」


「えぇ~~……」


「幾ら気圧されても内に留める努力を見せなさい!…

その調子ではいざ戦闘になった時!…遅れを取る事になりますよ!!…」


この時鬼教官シルビィも自身がフィロに圧を掛けられたらの想定を口にすると、

恐らく同じ様な事になると漏らし…しかしそれでも感情は隠す!と更に続け!…

先程の狼狽え様に対して駄目!と言い…その一喝によりラグナスの言い訳が

空しく終わって見せて行くと、ラグナスはガックリと肩を落とし…明らかに

落ち込む様にして項垂れて見せる…さながらその様子はまるで訓練生時代に

戻ったかの様な様相を見せており!…近衛兵達もそんなラグナスの様子に戸惑い!…

と、その一方で更にシルビィがハッとした様子!…と言うのもこれも丁度良い!

とばかりにある事を思い付き!…ラグナスに対してやはり教官になって見せると、

突如課題を突き付ける!…


「…ッ!……そうですね…

いっそメンタル面の方も鍛え始めましょうか…」


「ッ!…え!?……」


「貴方も教官の任に就いているのです…

今後あの様な場面が有るかもしれません…

ですから今の内に鍛えて差し上げましょう…」


「ッ!?!?!?…」


勿論これにはラグナスも困惑!…もう修了したと思ったらまだ足りない!と言われ…

突然のシルビィからの課題にラグナスがバッと頭を上げると、その戸惑った表情を

露わにする!…その際これまた聞いてない!とばかりに言葉を漏らすが、シルビィは

御構い無しに淡々と話しを進め!…今後必要になる事を口にすると強制参加!…

やはり容赦のよの字も無い徹底ぶりを見せて行くと、更にラグナスへ絶望を!…

そのラグナスの表情を青褪めさせる!…するとラグナスもその話を聞いて待った!を

掛けようとするのだが!…


「ちょ!!…ちょちょちょっと待って下さい!!…」


「…何ですか?……」


「勝手に決められては困ります!!…

今の私はこの新兵達の教官でそのような訓練の時間など!!…」


「…だからどうしたのですか?……」


「ッ!?……」


ラグナスが慌てた様子でシルビィに待った!…となるとまだ話を聞くだけの猶予は

有るのかシルビィも返事!…が、この時完全に呆れ切った様子を露わにして見せ…

まるで駄々っ子を見る様な目を!…今にも情けない!と言いそうな表情を浮かべて

見せると、取り敢えずラグナスの意見を聞く!…するとラグナスも慌てて今の自分の

立場を口にすると、何とかシルビィの訓練から逃れようとをするのだが!…当然その

程度でシルビィが怯む筈もない訳で!…寧ろだから如何した?とばかりに若干ムッと

した表情で冷たい返事をして見せると、真っ向からラグナスの事情など無視!…

やはり強制参加の意図を見せる!…


「…私が教官の時も貴方と同じ様に訓練生の教官をし…

近衛の仕事もしていたのです…

私に出来て貴方に出来ない筈はありません!…」


「ッ!!…それは隊長が完璧超人であって、私は凡人!!…」


「ライカンスロープ最強と呼ばれているのですからそれ位は出来て貰わないと!…

それにこれは貴方の自主性を如何こう問い掛けているのでは有りません!…

無論強制です!!…二足の草鞋も出来ないで何が教官ですか?…

何が最強なのですか?…」


シルビィは自身が教官をして居た時の事を話し出すと、ラグナスにも出来る!と

話を続け!…が、ラグナスとしても勿論その話を受け入れられるモノではなく!…

また自分はシルビィとは違う!と…言い訳を口にして何とかその訓練から逃れよう

とするのだが、もはやお約束!…シルビィはラグナスの言い訳など一切聞かない!…

この時シルビィはラグナスに対して冷たい笑みを浮かべて見せると、もはや隠す事

無く強制参加!と…何なら今笑って見せては居るのだが、目は全く笑って居らず…

寧ろ怒りが見えて居り!…男らしくサッサと受け入れろ!とばかりに訴えると、

更にラグナスへ圧を掛ける!…となるとラグナスとしても徐々に心が折れ掛かって

来ている様子で有り、若干泣きが入って居るのだが!…


「ッ!?…だ、だから…最強は…なりたくてなった訳じゃ…」


「さぁ!…話も纏まった事ですし?…先を急ぐ事としましょう!…

…これでライカンスロープ最強がもっと最強になる事でしょう!…」


「ッ!?…………。」


結果として逃れる事はやはり出来ず!…シルビィに負かされるまま訓練が施行

される事が決まって行くと、ラグナスはまるで生きる屍状態!…ポッキリと

心を圧し折られてしまう!…そしてその一連の様子を見ていたマサツグ達と

しても居た堪れないのだが、如何もしてやる事が出来ず!…となるとそんな

ラグナスをそのままに!…二人の案内の下更にフェンリルクィーンの居城へと

進んで行くと、ふとここである異変に気が付き始める!…と言うのもきっかけは

アヤのある一言に始まり!…突如ハッとした様子で辺りを見回して行くと、

疑問の表情を浮かべては言葉を口に!…


__ッ!……チラッ?…チラッ?…


「…ねぇ…シルビィ?…本当にこの道で合っているの?…」


「ッ!…ッ?…急に如何したんだアヤ?…何か有ったのか?…」


「…さっきまで歩いていた場所からは誰かが歩いていた様子が伺えたけど…

…今はそれを感じないどころか…何も感じないの…

…ただ感じるのは私達の存在だけしか…まるで私達が虚無の中を歩いている様な…

そんな感覚…」


と言うのもアヤは突如シルビィに道が合っているか?について質問をすると、その

質問にモツが振り向き何事?と…するとそのモツの問い掛けに対してアヤは徐に

ギュッと…自身の体を抱える様に、何か不安を覚える様なそんな様子を露わにする

と、自身が今感じている事を口に!…違和感を感じている事を続けて話す!…

となるとその話を聞いて周りの面々もハッ!とすると、次には慌てた様子で辺りを

見回し!…


__ッ!?…バッ!…バッ!!…


「どうだ!?…何か分かるか!?…」


「…いや…何所を見渡しても同じ風景で何も……

…先頭を歩いているラグナスやシルビィも可笑しな様子は無いな…」


マサツグやモツ!…リーナにフィロやパルシィと慌てて辺りを見回しここが

何処なのか?と確認をするが、目印になる様な物は何処にも無く!…ただ

見えるのは同じ風景の無駄にだだっ広い雪平原の図しか見えないで居り!…

山から吹き下ろす風に耐えつつ!…更にふと後ろを振り返ると、そこである

筈の物が無い!…若干の恐怖を覚えるモノを目にして行く!…そのある事と

言うのもマサツグ達が通って来た筈の道が雪で埋まって居る様子で有り!…

簡単に言うと帰り道が分からず!…そんな中案内人のシルビィとラグナスは

迷う事無く!…ただ一方向に向かい真っ直ぐブレる事無く歩いて行くと、

道なき道を進む!…そんな堂々とした様子を見せて居た!…そしてマサツグ達が

脚を止めて戸惑って居ると、シルビィもふと気が付いた様子で止まっては

振り返り…


「…ッ!…安心して下さいませ!…

道は確かに合っています!…

…ここは私達を信じて着いて来てください…」


__ザッ!…ザッ!…ザッ!…ザッ!…


「…ッ!…信じて着いて来てって言われても……」


「…シルビィ?……」


シルビィは脚を止めているマサツグ達に対して手を振り!…大丈夫である事も

続けて話し!…と、そう声を掛けてはまた進み始め!…その一方でもはや幻覚

なのか何なのか?と…そのアピールをして来たシルビィですら怪しく思えて

しまって居ると、各々不安の色を見せる!…と言うのもマサツグの前例もある

事から更に不味い!と話し合うと、徐々に状況は混乱に陥り!…その間にも

シルビィとラグナス達は先を進み!…マサツグもそんな様子に対してグッと

奥歯を噛み締める反応を見せて行くと、次には決断!…シルビィの後を追う事を

決める!…


「…とにかく今はシルビィを信じて先を進もう!……

ここで見失ったら余計に危険だ!…」


「ッ!!……もし、これが六合目で聞いていた幻覚だったら如何する?……」


マサツグが全員に言い聞かせるよう意見を言うと、次には当然モツが心配をした

様子で言葉を口に!…この時やはり六合目での事を持ち出して話しをして行き!…

本当に大丈夫なのか?と疑問の表情を浮かべて確認をすると、マサツグもその意見

を聞いてスッと目を閉じ…若干悩んだ様子を露わにする!…しかしそれも数十秒

位で次にはスッと目を開けると、次には何故か二カッと笑って見せてはモツに

返事を!…


「ッ!……うぅ~ん……まぁ…そん時はそん時だ!……

今は俺を信じると思って着いて来てくれ!!…」


「…はあぁ~……ゲームの中だから許される言葉だけど…

現実リアルだったらまずアウトだからな?…」


「……その通りでグウの音も出ません…」


このあっけらかんとした返事にモツもポカァ~ンと…何なら他の面々も呆れる様な

そんな反応を見せて行くと、次にはやはりマサツグ!と笑う!…この時笑うと

言っても当然苦笑いの方で笑って見せると、オリハがそんなマサツグに対して

ツッコミを!…現実リアルでは到底許されない事を口にして見せ!…そのオリハの言葉に

マサツグもさすがにビクッとすると、反省をした様子で返事をする…しかし他に

如何する事も出来ない以上進むしか無く!…全員マサツグの意見に乗った様子で

頷き!…と、そうこうしている間にもシルビィ達は更に進み!…遂にはその姿

すら見えなくなってしまうと、マサツグが慌てて追い駆け始める!…


「…ッ!!……ウダウダ言って言ても仕方ない!!…行くぞ!!…」


__クルッ!…ザッザッザッザッ!…グンッ!…ピィン!…


「ッ!…あぁ、おい!…はあぁ~……リーダーの決定じゃ仕方ないし…

縄で繋がれているし…行くしかないよな?…」


この時ただシルビィを追い駆ける事だけを気にして行くと、後続の事など忘れて

居た様子で…となると同じ縄に繋がれているモツ達も引っ張られてしまう訳で!…

シロはマサツグの頭の上に!…続けてモツ・アヤ・リーナが順番に引っ張られ

前へと進んで行ってしまうと、もやは強制的に移動!…モツも呆れた様子で言葉を

零す!…そしてその言葉に面々も呆れた様子で返事をすると、各々覚悟を決めた

具合に言葉を口に!…


「…そうね?……それに今までマサツグが進んだ道って…

何故か安心して進めたし…それで良いと思うわ!…」


「ッ!…ふふ!!…それには同感だ!…よし!…行くか!!」


「なのじゃ~~!!(オ~~~!!)」


この時アヤは何故か不思議そうにして見せると、マサツグの不思議な力に対して

言葉を口に!…その不思議な力と言うのもマサツグの後を歩く事についてであり、

妙に信頼!…安心出来る事を話して行くと、その後ろのリーナも分かるのか同意!…

次には自分もとばかりにフフフ!と笑う!…そして次には自分もマサツグの後を

追う事を口にすると、皆にも移動をするよう促し!…となるともはや他の面々も

マサツグありきに!…マサツグを信じた様子で各々片腕を上げて互いに返事を

し合う様子を見せて行くと、自分達の足で前に!…マサツグとシロの後を追い

始める!…さてそうしてマサツグ達の後を追うのだが、如何にも勢いが凄いのか

今だに引っ張られ!…


__…ピン!!…ずるずる…ずるずる…


「ッ!?…おいおい…この雪の中どんな速さで歩いてるんだよ!?…

膝丈まで積もってるのに!?……仕方ない!…もう少しスピード上げるぞ!!…」


「ッ!?…え!?…わ、分かったわ!!……スピード上げるってよ!!…」


「ッ!?…な、何!?…スピードを!?…」


と言うのもマサツグが先頭に立って居るのだから雪の抵抗が凄い筈!…何なら今その

雪の深さは膝丈以上!…しかしそれでも尚引っ張られると言う事はもはやマサツグは

牛か何か!…とにかく猛進して居る事が伺えて見えると、モツ達も若干慌てた様子…

更にスピードを上げる事を考え出す!…その際モツが何故か追い付けない事に疑問を

持つと、まず転倒を恐れた様子で後ろに速度を上げる様に!と…するとそのモツの

言葉にマサキは戸惑い!…しかし着いて行けない事には危険!と…モツの考えを

汲んだ様子でマサキも戸惑いながらに返事をすると、更に後続にも伝えて行く!…

そしてアヤ・リーナ・フィロ・パルシィ・くまさん・オリハと順に伝わって行くと、

今度は逆順に返事が伝わり!…


__…ピンッ!!…


「……本ちゃん!?…後ろから分かった!っ返事が来たわ!!…

これで急げるぞぉ!!…」


「ッ!!…了解!!……にしてもまだ引っ張られる!!…

…ヤブ確か頭にシロちゃんくっ付けてた様な?…うぅ~ん…

…ヤブに重さの概念は無いのか?…」


__…一方後方でも…


「…この雪道を兄さん達はどうやって高速移動して居るのやら……」


マサキの元まで同意が伝わり!…最後にマサキがモツにいつでも行ける事を口に

すると、モツもそれを聞いて移動速度をUP!…何とかマサツグに追い付こうと

して見せる!…因みに一応ではあるがモツから見てマサツグの姿を見えて居り!…

しかし依然として移動速度が尋常じゃない事から追い付けず!…マサツグが先を

聞く事である程度雪の抵抗は無いのだが!…それでもまだ追い付けない事に

マジか!とばかりに戸惑って居ると、その末端でも同じ声が…オリハが呆れた

様子で言葉を零す!…さてそうして今だ猛進するマサツグを追う様に一同が縄に

繋がれ急いで居ると、遂にそのマサツグの姿が近付き出し!…マサツグの猛進が

約十数分!…意外と短い距離?で突如マサツグがその場に立ち尽くす感じで脚を

止め!…何かシロと一緒に見詰める様な素振りを見せて居ると、そこでも一つ

奇妙な光景を…


__ザッ!…ザッ!…ザッ!…ザッ!…


「はぁ!…はぁ!……ッ!…ヤブ!!…

ったく、いきなり猛スピードで移動をするんじゃ!!…

って、如何した?……ッ!…それにこれは?…」


モツはマサツグに追い付くなり文句を口に!…そしてマサツグと同様の光景を目に

すると、その場で戸惑い!…何故ならそこには更に先行をして居た筈のシルビィと

ラグナスの姿があり!…この時二人は揃って何やら目の前にある氷の壁を凝視して

見せると、何やらチラチラと確かめる様な!…とにかく不審な動きを見せて居た!…

となるとその様子にモツもマサツグ達同様何か違和感を覚えて行くと、思わず困惑の

表情を浮かべ!…


「ッ!…あ、あぁ…ス、スマン!…いや見失うと不味いかなと思って!…

…で、これだろ?…それが良く分からなくて…とにかく追い着いたらこの様子で…

ずっとあの壁を見詰めたまま固まってるんだわ…

…まさかあの二人が幻覚に掛かってたり?…でもだとすると何でここに?…

一応俺自身が幻覚に掛かって無いか?と思って…感知サーチをして見たんだが…

陰性だったし…」


「…何かの病気みたいに言うなよ!…しかしこれは?…」


それは傍から見て居るとまるで幻覚に駆られて居る様にも見えてしまい!…

マサツグもその様子に戸惑った反応で言葉を!…自身もその光景を見て如何思った

のか?をモツに話し!…その際感知サーチを掛けた事も続けて話して二人が幻影の類で

無い事を説明すると、本物である!と断言する!…この時同時に自身が追って居た

モノも幻影ではなかった事も証明すると、まるで検査をして来た様に話しをし!…

となるとそんなマサツグの言葉にモツもツッコミ!…これは何?とばかりに二人を

見詰めマサツグ共々並んで居ると、次々に後続も追い付いて来る!…


「はぁ!…はぁ!…や、やっと追い付いたぁ~!!…」


「はぁ!…はぁ!…フゥ~……って、何をして居るの?…」


「ッ!…い、いやぁ…シルビィとラグナスの様子が?…」


「ッ!…何?…まさか彼らが幻覚に!?…」


後続達も追い付いて来ると息を切らし!…その場でガクン!と腰から折れると、

息を整え!…と、次にはアヤが先に着いて居たマサツグとモツに声を掛け出し!…

そのぼぉっとして居る様に何事?と様子を尋ねると、モツもこれにはピクッと

反応!…次にはシルビィとラグナスの二人を指差す!…そして二人の様子が

可笑しい事にも触れて行くと、リーナも気になった様子で反応を…その際何か

ハッと気が付いた様子でまさかと言い!…件の霊峰の幻覚にやられてしまった

のでは!?と漏らして見せると、モツもその言葉に首を…そしてマサツグに

質問をする!…


「うぅ~ん……確かに感知サーチを使って確認をしてんだよな?…」


「ッ!…それは間違いない!…確かに反応したし…

敵対アイコンも出ていない…青の表示だから間違い無く味方だ!…

何なら今でも反応してる!…」


「…だとするとやっぱリーナの考えが濃厚?…いやでも…

元々この土地に住んでた訳だろ?…今更幻覚に引っ掛かる様な?…

…それに片や元が着くけど近衛隊長な訳だし?…

そしてその隣は現近衛隊長な訳だし?…うぅ~ん…」


モツは再度感知サーチの有無について質問をする!…するとマサツグもその問い掛けに

対してピクッと反応をして見せると、これまた先程と同じ答えを!…その際自身の

ミニマップをモツに見せる様にして状況を開示!…そこでマサツグの言う通り!…

シルビィとラグナスに対して青いアイコンで友好モブである事が目に映ると、更に

モツは悩んで見せる!…この時やはりリーナの言い分が正しいのか?で腕を組むと、

それでも可笑しい点がある様子で悩みに悩み!…とにかく結論が出ない様子で唸り

続け!…その一方で幻覚が疑われて居る二人に動きが見れると、アヤがモツに声を

掛ける!…


「…ッ!…ねぇモツ!…何かラグナスが構え出して居るんだけど?…」


「ッ!…え?……ッ!…」


__はぁ!…はぁ!…ヒィ!…ヒィ!……フラァ~…ボスン!!…


アヤはラグナスに動きが有った事を確認すると、ラグナスを指差してはモツを

呼び!…すると他の面々も気になった様子で視線をそちらに!…ここで最後尾

であるくまさんとオリハが合流すると、オリハがくまさんを押して来たのか…

酷く息を切らした様子でへたり込む!…しかしそんな事等気が付いて居ない様子で

一同はラグナスに!…一方でラグナスの手には何やら青いオーラが纏わり付いて

居る様に見えて行くと、これまた一同困惑!…ただその様子をジッと見詰める!…

その際件のラグナスは力を溜める様に吠えて行くと、その壁に向かってスッと

腰を落として見せ!…


__コオオォォォォォォォォ!!!…


「ハアアァァァァァァァ!!!…」


「ッ!?…い、一体何を!?…」


ラグナスは徐々にその手に氷の武器を!…それはドグマとマサツグがぶつかろう

とした際に仲裁に入った時と同じ物で!…とにかくその氷の壁に対して力を溜め!…

その傍らではシルビィが!…まるでラグナスの成長を見る様に腕を組み仁王立ちを

して見せると、ただ黙って見詰めていた!…となるとただ何をやっているのか更に

理解が出来ずにおり!…その唸るラグナスの事を見詰めて居ると、マサツグ達の

背後からはくまさんが力尽き掛けた様子で言葉を!…


「も、もう駄目!!…シンドイ!!……ただでさえ!!…体が重いのに!!…

更に!!…山登りを!!…させるとか!!…初心者には!!…辛過ぎる!!…

と思うんだがぁ~?…」


「ッ!…ん?…ッ!?…くまお婆ちゃん!?…大丈夫ですか!?…」


「ッ!…あぁ!?…お義母様大丈夫ですか!?…

…とは言え、休めそうな場所は…」


「……あぁ…シロちゃん…フィロちゃん……お母さんはもう疲れたよ…」


「……なんかパトラ○シュみたいになってへん?…」


その場にへたり込む姿はもやは巨大なテディベア!…そして息が中々整わない

様子で絶え絶えに言葉を口に…するとその背後から聞こえてくる声にシロと

フィロが反応して見せ!…クルッと振り返ってくまさんの様子を確認すると、

次には慌てて心配をする!…と言うのもその時のくまさんの様子と言うのは、

まるで真っ白に燃え尽きた矢○ジョーの様になっており!…となるとそんな

草臥れ具合にシロも戸惑い!…フィロもそんなくまさんの様子に何か慌てた

反応を露わにすると、休憩出来そうな場所を見渡し始める!…しかし幾ら

見渡した所でそんな場所など当然無く!…慌てに慌て!…と、その一方で更に

くまさんは昇天寸前!…もはや横になりたい!と言った様子で言葉を口に!…

更には何処かで聞き覚えのある台詞を零して見せると、マサキが思わず

ツッコミを!…戸惑いながらも口にする!…


さてその一方でラグナスの方はと言うと、遂に限界まで力を溜めたのか次には

解き放つ様にしてその武器を手に!…


「ハアアァァァァァァァ!!!」


__ギュン!!!…ボガアアァァァァァァンン!!!!…


「ッ!?…うわああぁぁぁぁぁ!!!!……」


ラグナスはその氷の壁に向かって強烈な一撃を!…大きく足を踏み出すとその

手の武器を壁に向けて思いっきり突きたて!…すると辺り一帯に響く様にして

衝撃音が!…それは雪崩を引き起こすレベルで轟き渡り!…その衝撃音に

マサツグ達もビクッとした様子で驚いて見せると、くまさんも跳ねる様にして

反応!…まるで魂が引き戻された様にハッとする!…そして次には何事!?と

ばかりに辺りを見回し慌てて居ると、そのラグナスが攻撃を繰り出した壁は

一方で崩れ去り!…何やらガラガラと巨大なブロックが崩れる音が聞こえて

来て!…土煙ならぬ!…雪煙が起きて何が何だか分からないで居ると、その

傍らでは涼しそうに!…シルビィが澄まして立ち続けていた!…そして!…


__ガラガラガラガラ!!!……カラッ…


「な、何が!?…って洞窟?…」


「……ふぅ…ここを開けるのに時間を掛け過ぎです!…

只でさえまた吹雪が来そうと言っているのに…

何をそんなにのんびりして居るのですか?…」


「……隊長…本当に私には当たりがキツイですね?…」


徐々に雪煙が治まって来るとそこには洞窟がコンニチハ!…大きく口を開けては

更に奥へと続く道が広がっており!…それを見て漸く何をして居たのか?が

分かって行くと、一同の関心はその洞窟に!…その一方でシルビィは呆れた様子で

辛辣そのもの!…氷をぶち破るのが遅い!言い…ラグナスに対して文句有り気の

言葉を並べて行くと、その言葉にラグナスもションボリ…やはりシルビィに対して

頭が上がらない様子を見せるのであった!…

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