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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-

-第六章三十九節 腰の低い女王と一週間の始まりとマサツグの禁断症状?-

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マグダラスが空気の読めない挑発をした事で状況は最悪!…となると女王も

これには怒ってマグダラスを追い払ってしまうと、遂には平謝りをし始める!…

それこそ自身の不徳と言った様子で話し出すと、マサツグ達に頭を下げ!…

するとそんな女王の様子にマサツグ達も恐縮!…慌てて大丈夫!と言った様子で

いつもの頭を上げる事に対して女王にアワアワとして見せると、もはやコントと

化すして行く。


「……誠に申し訳御座いません!!…

私も不本意ながらにあの様な者を同席させた事に深く!…

深くお詫び申し上げます!!」


__バッ!!!


「ッ!?…い、いやいやとんでもない!!…

悪いのは女王様のせいではなくて!……」


「申し訳有りません!!…申し訳有りません!!!…」


一応マサツグ達の前に居るのはその狼種のモンスターの中で最強クラスのフェンリル

なのだが、如何にも腰が低く…何ならこの時威厳等は感じられず!…ただ怒られて

シュンとする飼い犬の様にも見えてしまうと、これにはマサツグ達も何か違和感を…

とにかく謝る女王に対して慌てて見せる!…何ならこの時女王の目には何か薄っすら

と涙が溜まっている様子も伺え、今にも泣き出しそうにもなって行き!…となると

そんな様子を目にして更に慌て!…何故泣く!?と言った具合に更に宥めに掛かって

行くと、とにかく大丈夫である事を訴えて行く!…


「あぁ!!…如何かお気に為さらずに!!…

こっちも無自覚とは言え、威嚇をしたのに非が有りますし!!…

それに無闇に頭を下げなくても女王様の様子を

見れば本意じゃない事位分かりますので!!…」


「そ、そうですよ!!…気にしないで下さい!!!

こ、こう言うのは慣れているので!!!」


この時マサツグが自分達にも非があった事を口にすると、何度も女王のせいでは

ない!と慌て!…と、それに同調するようモツも宥める言葉を口に!…とにかく

気にしないでくれ!と…何なら日常茶飯事である事も続けて話すと、漸く少しは

落ち着きを見せる!…それこそ女王の様子は放って置けばまるで本当にマグダラス

の事を始末しそうな位に反省しており、マグダラスの事は如何でも良いのだが…

それよりも女王が気を揉み過ぎている事に戸惑い慌て!…とにかく二人の言葉が

届いた様子で女王がハッ!として見せると、次にはまだ引き摺っている様子で

言葉を!…


「ですが!!…」


「寧ろそうされるとこっちが気まずいので本気マジホント勘弁してください!!…

……それに今日ここに来たのはこんな話をする為では無いでしょう!?…

だからここは気にしないで……」


「ッ!……はい…スンッ!…

お見苦しい所をお見せして申し訳有りませんでした…」


何故その様なまでに神経質になって居るのか?…この時大体薄々と気付いては居る

のだが…とにかくさも平伏するよう謝る女王の様子にマサツグも止めを!…本当に

恐縮した様子で女王に待った!を掛けて行くと、早速本題を口に!…いい加減に

話を無理やりにでも前に勧めようとして見せる!…するとそのマサツグの言葉は

女王の耳と心にも届いたのか、次には女王がハッとした様子で目を見開き!…すると

次には気を取り直す様にして落ち着きを持ち!…マサツグ達に感謝をするよう最後に

謝って見せて行くと、やっと話が前に!…マサツグも思わず溜息を吐く!…


「……はあぁ~…」


__……ぷっ!…うふふふ!…クスクスクスクス!……スゥ…チャキン!…


この状態に至るまでに既に疲れた様子のマサツグ!…当然この時まだ一睡もして

居らず…と、本当に疲れた様子を見せるマサツグに対して殺気立っていたアヤと

リーナも…何かマサツグの様子が可笑しかったのか噴き出してしまい!…しかし

大笑いする訳にも行かず隣でクスクスと笑って居ると、オリハも手に持っていた

武器を納刀!…残念そうにムスッとした表情を浮かべて見せる!…何ならここでも

バーサーカーの血が疼くのか始末出来なかった事に未練を持つと、その背後の扉を

見詰め…が、そんな未練がましいオリハを余所に!…改めてマサツグがシロの

背中にスッと手を添えて行くと、シロも気が付いた様子で顔を見上げる!…


__ぽん!…ッ!…


「ご主人様?…」


「…さぁ、本当のお母さんに思いっきり甘えて来い!!…」


「ッ!……ッ!……はいです!!」


当然マサツグのそんな様子にシロは困惑!…一体何?とばかりに言葉を口に!…

するとマサツグも困惑するシロに対して微笑み掛け!…次には送り出す様にシロへ

優しく声を掛けると、そのシロの背中を軽く押す!…するとシロも背中を押された

事で若干戸惑った反応を見せるのだが、ふと女王の事をチラリッ…するとそこには

何か念願が叶った様な!…そんな表情を浮かべる女王の様子を見てハッとすると、

シロも沸々と実感!…何か温かいモノを感じて行く!…そしてマサツグの言葉に

対して返事をすると、シロは女王の居る方に向かって駆けて行き!…


__テテテテテ!!……


「ッ!…あぁ!…スコルティナ!!…」


これにて本当の親子の再会!…女王が言うには約十年位の歳月が掛かり!…やっと

我が子が自分の元へと返って来た事に歓喜するよう名前を呼び!…シロも笑顔で

その女王の元へと走って行くと、抱き付かんばかりに両手を広げる!…すると女王は

やはり感涙!…それは先程と違って綺麗な涙で!…と、それを見てマサツグ達も

ホッと安堵する様子を露わに!…その際やはりマサツグの中で何かがモヤッと…

違和感を感じてマサツグ自身疑問を覚えて行くのだが、そんな事を言って居る場合

では無い様で!…


__……ッ!!!…バッ!!…


「………。」


{……あれ?…}


この時マサツグは何か殺気めいたモノを感じ!…慌ててその殺気の様なモノを

感じた方に視線を向けると、そこでハティビィエールの姿を!…何かをジッと

見詰めるそんな様子を目にして行く!…しかしその件のハティビィエールは

シロを見ず!…何故かマグダラスの出て行った扉の方を凝視すると、睨み付ける

そんな様子を見せて居り!…となるとそんなハティビィエールの様子に当然

マサツグも疑問を持ち!…何故マグダラスを?と、シロでは無いのか?等と

やはり薄々理解して居た具合に考えて居ると、その一方ではやはり違う意味で

事故が!…


~~!!!」


「ッ!!…」


__バッ!!…ドシャアァァァン!!!…


と言うのもシロはいまだに飛び込んで行くに当たっての加減を分かって居らず!…

今病弱と言われて居る女王に向かってミサイル化!…と、そんなシロの加速力に

女王もビックリする始末であり!…躱す避けると言ったこと敵わず!…と言うより

元々躱せない!と言った被弾の運命に目を剥きシロを真正面から受け止めて行く

と、その玉座を吹き飛ばさん勢いで女王は転倒!…その際何か気の抜ける悲鳴まで

上げて見せる!…


「あ~れ~!……」


__…………ッ…


「じょ…女王様!?…

だ…誰か!?…誰か手を!!…」


となるとそんな様子を目にした者達は当然唖然!…目を見開き口をポカンと開けて

見せ、何ならモツは血の気が引いた様子で絶句してしまい!…ハティビィエールも

驚きを隠せない様子でMAXの目の見開き様を露わに!…そして次には近衛兵達が

ハッと!…自分達の持つ槍を投げ捨ててすぐさま女王の身を心配しに掛かって行く

と、まずは女王の救助に当たる!…その際マサツグ達の方でも徐々に我へと返って

行くと、次に言葉にしたモノと言うのは…


「……なぁ…マサツグ?…」


「……何だ?」


「今かなり気の抜ける声であ~れ~…って…

時代劇の帯を掴んで回す様な感じの悲鳴が聞こえたんだが?…」


「……気のせいじゃないと思うぞ?…俺もハッキリと聞こえたし…」


注目すべき点がズレて居り!…まるで現実逃避をする様にその女王の気の抜ける

悲鳴に対して話しをすると、モツは絶賛血の気が引いた表情で固まっており!…

何ならマサツグもマサツグで遠い目をする始末であり!…願う事ならこれが夢で

ある様に!と…モツの質問に対して返事をしながら虚無って見せると、ただただ

その場で棒立ちする!…そして二人だけでなく他の所でも現実逃避が!…それは

二人の隣でリーナもそのシロのミサイル化について危機感を覚えると、可笑しい

とばかりに言葉を漏らし!…


「私は夢を見ているのか?…

あんな重そうな玉座に座っているあの大きな狼を…

シロが玉座ごと押し倒した様に見えたのだが?……と言うか…

マグダラス云々の前にこの件で生きて帰れるかが不安になって来たんだが?…」


「……た、たぶん大丈夫じゃないかしら?…

女王様が気の抜けた悲鳴を上げていたし…

女王自身の逃げる様子を見せて居なかったから…

多分アレが飛んで来るって分かってただろうし……多分…」


リーナ自身…自分の目を疑う様に目を擦りながら再度凝視する等そんな様子を

見せて居ると、アヤが同じ様に戸惑いながらも言葉を!…その際さっき見た

状況と女王の様子から恐らく大丈夫だろうと推測!…しかし不安である事には

当然変わらず!…今現在進行形でその玉座周りに近衛兵達がワラワラと集まって

居る光景を目にすると、更に不安感を覚えて行く!…それでも女王様が無事で

ある事を願って居ると、暫くして女王とシロが救出!…が、玉座は見事に大破

しており!…その様子にマサツグ達!…及びハティビィエールが酷く動揺した

様子で震え出すと、次にはハティビィエールが言葉を!…


「お…おかあさま!?…大丈夫ですか!?…」


「あたたたた……

…これを何度もあの方は受けて来たと思うとその強靭さに驚きますね?…

これに慣れるのは時間が掛かりそうです!…よっこいしょ!…」


{いやお母様!?…慣れなくて良い!!!…

寧ろ今はハティビィエールみたいなお淑やかさを教えて上げて欲しいです!!…}


当然ハティビィエールは心配をする様に女王を呼び!…女王も近衛兵達の手を

借りて何とか起き上がって見せて行くと、若干ダメージを喰らった様子で言葉を…

だが大した事は無い様子で振舞って見せる!…その際先程のミサイルをマサツグは

受けて来たのか!と感心をすると、慣れよう!と言葉を口に!…それは何か決意を

する様子を露わにして行き!…その女王の言葉はマサツグ達の耳にも入って行くと、

マサツグが心の中でツッコミを入れる!…因みに肝心のミサイルシロはと言うと、

女王のお腹にくっ付いて居り!…と言うのもその時のシロの様子はとても安らいだ

モノと変わって居て…記憶に無くともやはり母親の匂いを覚えていたのかスヤァ…

と言った表情を見せて居ると、マサツグもその様子にホッと安堵!…と、同時に

またもや複雑な気持ちになって行く!…


__ふぅ~……モヤァ!…


「ッ!……ッ…またか…」


「ッ!…ん、どうかしたのか?…」


「ッ!…いいや…何でもない…」


それは心の底に泉が出来る様な感覚を!…女王とシロが仲良くすればする程に何か

黒いモノが湧き出て来る!…そしてその何とも言えない感情にマサツグも困惑!…

分からない事に若干の苛立ちすらも覚えて行くと、自身の中で留めるよう!…

見えない様に歯を食い縛るそんな行動を取って見せる!…すると運悪くなのかモツが

気が付いた様子でピクッとすると、次にはマサツグに異変を尋ね!…と、そんな

モツの質問に対してマサツグもハッと!…取り繕う様に笑みを浮かべ!…別に何も

無い事をモツにさも問題が無い様に答えて行くと、その黒いモノを噛み潰す!…


さてそこから少し時間が進んでお昼頃!…全員が昼食を食べた後に漸くシロと

女王の思い出作りが始まりを迎えると、そこにハティビィエールも交わり!…

三人揃っての水入らずの光景が見られ始める!…その際その親子の様子を見守る

様にマサツグ達が遠巻きに微笑ましく見て居ると、ここである考えが!…

と言うのもやはりマグダラスの存在がチラつき!…各々で何か心の中で決意を

固めるそんな反応を見せて行くと、アヤが躍起になり出す!…


__キャッ!キャッ!…うふふふ♪………ポン!…


「ッ!…アヤ?……」


「やっぱり見過ごせないわ!…さっきから考えて居たんだけど!…

これで後は一週間待つだけなんて簡単には事は運ばないわよね?…

…特にあのマグダラスとか言う奴!!…また何かするんじゃ!って思うと!…

あの眉間にヘッドショット喰らわしてやりたくなるんだけど!?…」


「ッ!?…い、いつになくバイオレンス!!…」


この時アヤが先に動きを見せると、徐にモツの肩を叩き…と、モツも肩を叩かれた

事で反応して見せ!…そこで振り返ってアヤが何か真剣な表情を見せて居る事に…

如何した?とばかりにアヤの名前を呼んで行くと、アヤは思って居る事を口に

する!…と言うのもやはりマグダラスの事が気掛かりである事を口にすると、今だに

先程の事を根に持っている様子で!…とにかく怒りを露わにしながら対策を!と…

その様子にマサツグも話を聞いて居た具合に反応すると、モツも考えて居た様子で

返事をする!…


「分かってる!…」


「ッ!…え?…」


「当然俺もすんなり行くとは思っても無いから色々と考えて有る!…

…俺もここからが本番だと思っているからな!……」


{それに…この女王は本当に危うい事も分かったし…

……後、仲間シルビィ恩人の様な人女王を疑ったんだからその贖罪も…

キッチリこなさないとな!…}


そのアヤの言う事に対してモツも何かやる気になっている様子で返事をすると、

更にマサツグが戸惑った様子で言葉を!…何ならそんなマサツグの事など御構い

無しに話しを続け!…その際何か対マグダラス対策を考えている様子でアヤに

任せろ!とばかりの表情を見せると、アヤもそんなモツの言葉に安堵する!…

と、同時にこの時モツの中でも更に決意を固めるようある事を考えると、早速

行動に移し始め!…と言うのもまだ何処かに潜伏しているかもしれないマグ

ダラス達に悟られない様に!…ショートメールで一回会話し合おう!とモツが

メンバープレイヤー全員に一斉送信すると、そのモツからのメールに面々が驚く!…


__ピコ~ン!…


{ッ!…ショートメール?…}


__ヴゥン!…ピッ!…ピッ!…


{…モツからだ……

別に何も無いのにこの状況でメールを送って来る事は…

恐らく誰にも会話を聞かれたくないからって事で…

聞き耳を警戒してのショートメールか……で?…用件は?っと……}


マサツグとオリハは慣れた様子でメールに気付き、まだ始めたばかりのマサキと

くまさんは思わず慌て!…だが次には自身の目の前にメールのアイコン!…それを

見て先程の音の正体がメールである事に気が付いて行くと、各々はメールを開いて

その中身を確認しようとするのだが…先程からじゃれ合う様にして遊んでいる

女王とシロ達!…しかし女王が突如思い立った様にスッとじゃれ合いを止めて

立ち上がって見せると、更に奇妙な事をシロ達に言い出す!…


__…スッ!…ッ!……ッ?…


「……スコルティナ!…ハティビィエール!…

もしものお話ですよ?……もし…もしお母さんが

あのお方と再婚したとしたら如何思いますか?…」


「ッ!…え?…」


それは本当に突拍子もない驚くべき女王からの質問であった!…この時突如女王が

立ち上がった事でシロとハティビィエールは何事?と、二人揃って立ち上がった

女王を見詰め!…そしてシンクロする様に首を傾げ!…ただマサツグの事をジッと

見詰める女王の様子に戸惑って居ると、女王は徐に言葉を!…マサツグとの再婚を

口にする!…勿論この時女王としてももしもの話でまだ本気では無いのだが、その

言葉が出て来た途端まるで時が止まった様にその場は固まり!…何ならシロも凍り

付いた様子で微動だにせず!…ハティビィエールも今何と?とばかりに理解に困る

様なそんな反応を見せて居ると、近くに居た近衛兵達にも激震!…思わず槍を

落としてしまう!…


__…スルッ……カシャーーン!!……


「ッ!…あら、近衛兵?…如何したの?…」


「……え?…」


__ポチッ!…シュン…


「あっ……」


この時の近衛兵達の表情は秀逸!…各々驚き戸惑った様子でビタッと固まり!…

と、その一方で女王は平常運転!…槍を落とした近衛兵達にピクッと反応を

示して行くと、次には若干驚いた様子で言葉を…さも何も可笑しい事は無いと

言った具合に天然振りを見せる!…そしてその先程の女王の質問と言うのは

マサツグ達の耳にも入って行くと、これまたこっちの方でも各々に激震が走り!…

何ならマサツグに至っては驚きの余りにそのショートメールを間違って削除して

しまう動揺振りを露わに!…これにはマサツグ自身もしまった!と言った具合に

小さく言葉を零して行くと、その内容は何だったのか?と悩んで見せる!…

しかし今はそれ所ではない様子で各々驚き戸惑い慌てて見せると、次にはシロと

ハティビィエールがハッと我に返り!…


「ほ!…ほほほほほ!…本気で言っているのですか、お母様!?…

お父様一筋だったお母様がまさかそんな事を!?…」


「女王様、駄目ですぅ~!!

ご主人様はシロのお目めが赤い内は!!…

例え女王様が相手でもシロが許しませぇ~ん!!」


「そ、そうですよ女王様!!…

な!…何故急にその様な事を!?…

お戯れが過ぎます!!…」


「ッ!…え?…え??…だ、だから…

只のもしもの話で…そこまで本気と言う訳では……」


ハティビィエールは物凄い勢いで狼狽え様を露わに!…困惑した様子でピーカブー

ポーズを取って行くと、女王に本気かどうかを確かめ始める!…その際ハティビィ

エール自身有り得ない!と言った様子で動揺の言葉を口にすると、それに続くよう

シロが猛烈に反対をし!…何なら両腕を振り上げてブンブンと振り回し!…頬を

膨らませながら女王に猛抗議をして見せると、更に近衛兵達もワラワラ!…当然

女王に対して慌てて見せる!…それこそハティビィエールと同様本気かどうかを

尋ねて行くと、発言に慎重になるよう苦言!…と、近衛兵にそんな事を言われて

女王も戸惑い!…オロオロとした様子で再度もしもの話である事を話して行くが、

時既にお寿司!…近衛兵達が大いに慌てる!…


「どちらにしても今のはタイミング的にも!…

スコルティナ様やハティビィエール様にも!!…

間違いなく誤解を受けるだけの効力はありましたよ!?…

…女王様の一言は影響力が高いのですから不用意な事はとあれほど!!…

それも!!…シグルーン隊長にアレほど注意を受けたのに!!……」


「う!…うぅ!………はい…すいません……」


「………。」


近衛兵達は戸惑い慌てた様子で次々苦言!…それこそまるで小姑の様に!…何なら

過去にもシルビィに同じ事で怒られた事が有るのか?…それを引き合いに出して

更に懇々と説教を喰らうと、女王は次第に追い詰められ!…遂には項垂れ謝罪を

する!…それは自分より小さな近衛兵達に取り囲まれ、項垂れ謝罪をする様子は

もはや滑稽!…そしてそれを見せられて居る側としても勿論戸惑い!…となると

一体如何したものか?と沈黙して行き!…とにかく近衛兵達に説教を喰らう大きな

狼の様子をジッと見て居ると、次にはシルビィがフフフ!と…懐かしいと言った

様子で笑い始める!…


「…ッ!…ふふふ!…女王様は相変わらずのご様子で…

…本来なら叱る所なのですが…あのお姿を見て居ると懐かしく思えますね?…」


「ッ!……と言いますと?…」


「付き人を振り切って霊峰に有るちょっとした森に単身遊びに行かれたり…

先代王がご存命の時に今のシロ様同様…

先代王の顎に頭突きを入れて一撃で気絶させたり…

先程の様な不用意な事を言って先代王に叱られたりと…」


「ッ!?…え?…そんなに?…」


「に、俄かには信じられないが…」


まるでシルビィが思い出に耽るよう女王を見詰めると、相変わらずと言って

笑い!…と、そんなシルビィの一言を聞いてマサツグもハッ!と…その内容が

気になった具合にシルビィへ質問を口にすると、シルビィはピクッと反応する

なりほんの一部を…その女王の過去のやらかしについて話し始める!…すると

そこで出て来る内容と言うのは女王の昔のお転婆振りが伺えるない様で、

それはまるで今のシロの様に聞こえ!…と、そんな話を聞いてアヤは戸惑い!…

リーナも信じられない様子で若干困惑した様なそんな返事をして居ると、ふと

何か同時に理解した様子でこれまたハッ!と…


{…あれ?……って事は…}


{兄さんが事有る毎にHPを大幅に削られたあの頭突きは……}


{女王からの遺伝って事か……}×2


と言うのもそのやらかし話に出て来た頭突きの話を聞いて、あれは間違いなく

女王からの遺伝なのか!と…マサツグとオリハは揃って理解を示して見せると、

それぞれ反応を露わに!…オリハは呆れた様子で頭を抱え!…マサツグはまるで

手で餅を突く様にポンと音を立てて叩いて見せると、その一方ではシルビィが…

徐に人差し指を立てて見せると自身の口に!…この話もこれでお終い!と言った

様子で意地悪そうに笑って見せると、自ら話を切って行く!…


「他にも色々御座いますが……ここは黙っておく事に致しましょう…」


__ッ!……ふふふ!…


その際その話が面白かったのかアヤとリーナは少し残念そうな感じで笑みを…

と、やって居る一方でまだ向こうの説教は終わらず!…懇々と説教をされている

様子が今だマサツグ達の目の前で繰り広げられて居ると、その間シロとハティビィ

エールはポカ~ンと…女王の事を見詰め続ける!…何なら近衛兵達の気苦労も

絶えないのか、ここぞとばかりにその説教にラストスパートを掛け出し!…


「本当に気を付けて下さいませ!!…

場合によってはそれで戦が起きかねた事も有ったのですからね!!…

シグルーン隊長にも厳しくするよう申し付けられていますので!…」


「あの事は反省してまぁ~す…ですからもう許してくださぁ~い…

……後、私の方がシグルーンちゃんより立場上なのだけどなぁ~?…」


「……女王様っていつもあんな感じなのですか?…」


「……うぅ~ん…いつもじゃないけどあんな感じなのです…」


その様子から見るに結構な頻度で有るのか?…一人が女王に説教をすると、周りの

近衛兵達はウンウンと頷き!…と、この時女王もショボ~ンとし続け!…徐々に

あの礼儀正しい様子が剥がれて素の部分が露わになると、もはやそこに居るのは

大きなシロ!…間違いなくシロの母親である様子がそこに在った!…その際若干

開き直る様なそんな様子が見て取れると、シロが女王を見詰めたままハティビィ

エールに質問を!…別に呆れたりとかはして居ない様子ではあるのだが…キョトン

とした具合にいつもアレ?と尋ねて行くと、ハティビィエールも悩んだ様子で返事…

完全には否定出来ない様子でアレと言う!…さてそうしてシロとハティビィエールが

揃って怒られる女王を見詰めて居ると、マサツグも何故かその女王の様子を凝視し

続け!…


__ジィ~~……


「……ん?…あにさん?…メール確認……」


__……ふら~……ッ!?…


メール画面を開いたままジッと女王を見詰めて動かないマサツグにオリハが

気付き!…オリハがメールを見る様に声を掛けて行くのだが、何故かマサツグは

返事をしない…ただ怒られる女王の事を見詰め続ける!…それはまるで何か興味を

惹かれた様にただ一点にその女王の事を見詰め続けると、そんなマサツグの反応に

オリハも当然不審に思い!…となるとオリハは監視する様にマサツグを凝視!…

するとマサツグも徐に動きを見せ始め!…まるで吸い寄せられる様にその怒られて

居る女王の方へ向かって歩いて行こうとして行くと、オリハもハッと気が付いた

様子で止めに入る!…


「兄さんストップ!!…ハウスハウス!!!

女王様も逃げて!!!…超逃げて!!!!」


__ガッ!!…ズリズリズリズリ…


「フッ!…クッ!……駄目だ!!…

決意が固いのか撫で不足なのか止まらない!!…

…何か!!…何か使えるモノ!!……ッ!!…」


この時オリハはマサツグのある異変に気が付いた様子で慌てて止めに!…と言うのも

マサツグの目は何故か虚ろになっては虚空を見詰め!…その手は何故か何かを撫でる

様に空を切り!…となるとオリハもそのマサツグの思惑にハッと感付き!…それは

不味い!と言った具合に羽交い絞めにしてでも止めに入ろうとするのだが、ここで

マサツグの欲望が強いのか!…オリハに羽交い絞めにされても一向に止まらず!…

寧ろ引き摺られる様にしてオリハも徐々に徐々にとその女王の居る方へ持って行かれ

ると、更に焦りを感じて行く!…そして何か策は無いか!?と考え出すと、次には

眠そうにしているフィロの姿を見つけ!…


「そうだ!!…フィロちゃん、ちょっと来て!?」


「ッ!…んん~?……何じゃあオリハ?…

その様にマサツグを羽交い絞めにして…

[じゃーまんすーぷれっくす]をするなら羽交い絞めではなく…腹をキュッと…」


「えい!!…」


__ガッ!!…


「のじゃ?…」


オリハは思い付いた様子でフィロを呼び!…フィロもオリハに呼ばれた事で耳を

ピクッと反応させると、次には何も考えて居ない様子で呼ばれた方に…と、そこで

オリハがマサツグを羽交い絞めにしている光景を目にして行き、それを見て何故か

フィロがなってない!とばかりにプロレス技のレクチャーをし始めると、オリハは

構わずフィロに向かって手を!…勿論目的はそれじゃない!とばかりに襟首を

掴む!…そしてそのままフィロの事を持ち上げると、マサツグの手元へと投擲して

行き!…


「そおぉい!!!」


「のじゃ~ぁ!?…」


__ピトッ!…


「な!…何をする!?…

…って、マサツグにくっ付けさせて何を?…」


「良いから甘えて!!…

今なら誰も邪魔し無いから!!…」


突如オリハに掛け声付きで投げられた事にフィロは戸惑い!…それでもジャスト

ミートにマサツグの腹部へとくっ付いて行くと、次にはオリハへ文句を!…が、

そんな怒るフィロの事など御構い無し!…オリハはフィロにマサツグへ甘えるよう

指示を出すと、慌てた様子で急がせるのであった!…因みにこの後言うまでもなく

フィロは大変な事に!…次の話であられもない姿を見せる事になるのであった!…

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