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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-

-第六章五十節  始まった第一試合と鮮烈な幕開けとマッハの第二試合-

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雪崩れ込んだゲートの先はまるで本当に中世の時代にタイムスリップした様な

光景が広がり!…マサツグも思わず感動を覚えるそんな反応を見せて居ると、

当然辺りからは歓声が巻き起こって賑わっていた!…そしてふと辺りを見回し

様子を確認し出すと、色々な事が分かり!…と言うのも今居る闘技エリアから

観客席との壁の高さが約2,5m程あるようで、闘技の際の被害が観客に行かない

よう設計されており!…


{…なるほど?…そう簡単に逃げられない様にもなっていると…

…まぁ逃げるつもりはサラサラ無いが…

あの高い壁は別の用途にも使えそうだな?……で、地面は?…}


__コッコッ!!…ザッ…ザッ…


或いは闘士が逃げられない様な造りになって居るのが容易に伺え!…マサツグも

それを見てふと何かに使えそうである事を考えて行くと、次には徐に視線を下に!…

するとそこには他の闘技場でも見られた筈の砂などが一切敷かれていない様子が

伺え!…そこ在るのは黒くて固そうな岩盤だけと!…思わずその硬さを確かめる様に

つま先で地面をコンコンと突き!…更にはグリップも効くかどうかを確かめる様に

足裏で地面を2~3回擦ると、しみじみ固い!と実感する!…


{…固いなぁ!…こりゃ受け身をとってもかなりダメージを受けそうだ!…

…てかこんな所で頭打ったら頭カチ割れちまいそうだな?…

かなり気を付けた方が良さそう……ッ!…向こうからも闘士達が?…

って、そりゃもう一個ゲートが有っても可笑しくは無いか…

…確か?…一試合五十人ちょいのバトロワだっけか?…

だとしてもそこそこ広いから?…動き易いのは動き……て、ンン?…

ッ!…あんな所にも!…ってかあれは!…}


この時もし頭など打ったら?等と考えてしまうと、それはそれで恐怖を感じる

モノが!…と、色々と見ていると今度はふと気が付いた様子で対面の方に

視線を向け!…そこでもマサツグ達が入って来たゲートと同じゲートが有るのを…

何ならそこからも続々と闘士達が入場している様子を目にして行くと、ここで

改めてルールの確認を…ふと思い出す様に考え始める!…そしてこれまた今日

何度目となるふと気が付いた反応も見せて行くと、今度は目線を上に向け!…

するとそこで恐らく闘技場を一望出来る!…観客席より上の王族専用の展望

デッキを見つけて行くと、辛うじてシロとハティビィエールの姿も…更には

辛そうにして居る女王の姿を見つけて行く!…


__ワアアアアアアアアアァァァァァァァ!!!!……ッ…


{…シロ達はあそこからここの様子を見ているって事か!…

…にしてもやっぱ女王様の様子は芳しくない様だな?…

無理して無ければいいが?……とにかく!…

俺達に出来る事はさっさとこの大会を終わらせる事!…

あわよくばシロ達の決闘も止める事なんだが?…さて如何したものか?…}


「ッ!…ご主人様が居るのです!!…

ご主人様ぁ~~!!…がんばえぇ~~~!!!」


__………。


周りの雑踏も歓声で掻き消される程に大盛況!…そしてマサツグもシロ達が見て

居る事に気が付いて行くと、何と無くその位置を把握し!…その際女王の様子が

やはり良くない事にも心配を抱き!…この事態の収拾に如何動くか?…とにかく

早く終わらせるその方法だけを考え出すと、その一方でシロ達もマサツグの姿を

見つけ!…第一回戦からマサツグが出て居る事に大興奮!…相手に届かなくとも

シロが一生懸命にマサツグへエールを送って見せると、女王とハティビィエールも

注目!…そうして更に司会が進行を続けて行く!…


《さぁ!!…まもなくトーナメント選出者を決めるバトルロワイヤル!!…

第一試合が始まろうとしています!!…

尚、今回のこのバトルロワイヤルには一人だけ人間の出場者が居るとの事!…

この人間の出場者は我々にどの様な戦いを見せてくれるのか!?…

非常に気になって仕方がありません!!!…》


「戦いも何もここに居る闘士達と何も変わらない様な?…」


まもなく始まる!とばかりに司会が言葉を!…その際マサツグの事を指している

のか?…人間の出場者が居る!と徐に観客達へ話して行くと、第一試合から注目の

一戦!とばかりに!…観客達を煽る様に盛り上げて見せる!…それはマサツグの事

を侮って居るのかそれとも期待を寄せて居るのか?…何方とも取れるテンションの

上がり様を見せて居り!…と、そんな司会の言葉にマサツグも呆れた感じで思わず

ツッコミ…特段何も不思議な事はしないとばかりに軽く伸びをしながら立って居る

と、周りの闘士達からはまるで嫉妬される様な視線を!…四面楚歌とばかりに

浴びて行く!…


__ジロッ!!…ッ!…ワアアアアアアアアアァァァァァァァ!!!!…


さてそんな視線を感じてマサツグもピクッと反応すると、軽くその視線を向けて

来る者達に視線を!…別に慌てる様子などを見せる事無く確認して行き!…一体

誰が飛び出して来るか?…大体の予想を立ててスッと身構えるそんな反応を見せて

居ると、観客達は闘士達の事など御構い無し!…ただただ熱気に身を任せる!…

さてそんなこんなで最初っから一触即発の事態にへと発展すると、そろそろ時間

なのか司会が開始の合図を口に!…


《さぁ!!…今、女王様が見守る中!!…ドラが高らかに鳴らされます!!!》


__…ボワアァァァァンンン!!!!……


勿論待った無し!と言った具合にそのまま進行!…司会が女王の事を口にしつつ!…

今まさに始まる!と言った言葉を最後にすると、その言葉から約2~3秒のタイム

ラグ…そして闘技場内にドラの音が響き渡る!…するとそれを合図に闘士達が一気に

動きを見せて行くと、勿論とばかりにマサツグへ向かって突貫し始め!…その際他の

闘士達など眼中になく!…ただただ仕組まれた様に真っ先にマサツグの事を潰しに

掛かろうとして行くと、徒党を組んで雪崩れ込む!…


__オオオオオオォォォォォォォ!!!…


「ッ!!…何と無くでこの位置に立ったけど!!…

やっぱり皆さん俺に向かって来てますよね!?…」


その雪崩れ込んで来る闘士達はそれぞれ武器を手に振り被り!…一斉に掛け声を

挙げるとマサツグへ向かって一気に畳み掛けようとして見せる!…となると

マサツグもそれを見越して居た様子で辺りに対して警戒をして見せ!…静かに

その場から動かない不気味な立ち上がりを見せて行くと、そんなマサツグの

様子にくまさん達も心配!…思わず手で目を覆い隠す反応を見せる!…しかし

そんなくまさん達が居る一方でモツとフィロはやれやれとばかりに余裕の様子を…

全く心配していない様子で席に座り見て居ると、次にはその二人の予想通りの

光景が目の前に!…


__ワアアアアアアアアアァァァァァァァ!!!!…


「ほい、ほい、ほい、ほい!!…

さぁさぁどしたどしたぁ~!?…俺は全然余裕だぜぇ~!!!」


__ガシャ!!…ゴシャ!!…ドシャ!!…ワアアアアアァァァァァ!!!!…


「さっすがご主人様です!!…

ご主人様に勝てる人は居ないのです!!!」


…と言うのもさっさと結論を言うとマサツグはその闘士達から一度として攻撃を

浴びる事は無く、まるで薙ぎ倒す様にして受け流し!…何なら余す事無く闘士達の

攻撃を利用して見せ!…受け流した先の闘士にその攻撃を!…同士討ちさせる様に

繰り返し受け流すだけに動いて見せると、見事にその襲い掛かって来た闘士達を

返り討ちに!…完全勝利とばかりに捌き切る!…この時宛らその一連の様子はまるで

合気道の模範演習の様に面白い位に倒して行くと、その光景に観客達を唖然と

させ!…その際マサツグの無双振りにモツも呆れ!…シロやフィロ、さもこの光景が

見たかった!とばかりに燥ぎ出すと、一方で女王とハティビィエールも驚きを

露わに!…そのマサツグの実力に目を見開く!…


「ッ!?…な、何なのですかこれ!?…

ほ、本当にあの人間さんは何者なのですか!?…

闘技場に出れる位の闘士さん達をあんなに簡単に!?…」


「…こ、これは!…まるであらゆる方向が見えて居るかのよう!…

…まるであの人みたいに!…」


「ッ!……あの人?…」


__どっこいしょおおおおぉぉぉぉぉ!!!!…


それこそあの鬼ごっこをした時の事を思い出した様に!…改めてマサツグの異様な

戦いぶりに驚きを露わにして見せると、その傍では女王も驚いた様子で思わず口を

ポカァ~ンと…そして驚きの言葉をポロッと漏らし…更には誰かと重ねる様に

続けて言葉を漏らして見せると、その女王の言葉にハティビィエールもピクッと

反応!…そして気になった様子で質問をする!…そして一方のその無双が行われて

居る現場ではと言うと、マサツグの勇ましい声が響いて居り!…と、これには

観客達もとにかく唖然!…誰もがその光景に目を丸くして動かず!…さも釘付けに

なったよう固まって居ると、終いには決着!…マサツグ一人で完勝する!…


__グワアアアァァァ!!!…ドシャアァ!!…


「……ふぅ…これで粗方かね?……って、あれ?…

皆倒れてる?……いや、アソコとアソコの奴は辛うじて立ってるし…

まだ誰か潜んでいるとか?…」


__……ボワアァァァァンンン!!!!……


残り人数など全く気にして居なかった具合に受け流し切り!…やっと落ち着いた

所でマサツグが一人息を漏らすと、軽く辺りを見回し始める!…すると周りは

自爆した者達で溢れ返ってしまって居り、死屍累々とした光景が!…が、そんな

中でもまだ倒れて居ない者も残っており!…マサツグもふと気が付いた様子で

その者達の事を見ていると、次にはドラの音が終わりを告げる様に響き渡り!…

マサツグもそれを耳にして驚いて見せる!…


「どわッ!?…っくりしたぁ~!!……って、ンン?…

ドラが鳴ったって事はぁ?…終わり?…

俺は無傷だし…周りはさっきの二人だけって事は……勝ったのか?…」


__……ワアアァァァァァァァァァァァ!!!!


全くの無警戒の所でこのドラの轟音と!…マサツグは目に見えてビクッとした反応を

露わにすると、そのドラの音が聞こえて来た方へ視線を…するとそのドラを鳴らした

であろう者はマサツグに見られて委縮して見せ!…さも縮こまる様にその場で立って

見せて居ると、マサツグも不思議そうにそれを凝視…しかし長くは続かない様子で

ハッとする!…と言うのもドラが鳴ったと言う事は試合終了!…自身の身を確認して

更に二人の存命を確認し!…それらを踏まえてマサツグは一人勝ったのか?と…何か

実感が無い様子で一人戸惑った反応を見せて居ると、司会が戸惑った様子で終了を

告げる!…


《し!…試合終ぅ~~~~了ぉ~~~~!!!

な!…何と言う事でしょうかぁ~~!?…

これはもはや試合ではなくただのワンマンショー!!…

たった一人の人間の闘士に!!…

我々人狼族の闘士がみるみる受け流されそのまま撃沈!!!…

こんな一方的な試合展開を誰が予想出来たでしょうか!?…》


「ふふん!!…当然であろう!!…

何せわっちの旦那様なのじゃからな!!…

故に最初からわっちは勝利確信!!…

はなっから心配など微塵もして居らなんだわ!!…」


「ッ!…あはははは…」


勿論この結末に司会も困惑!…その話す言葉からもあからさまな動揺が見て取れる

と、試合にあらず!と語り!…宛らその様子はショートショーのようだった!と…

テンション高いままに今だ信じられない!とばかりに語りに語ると、その一方では

フィロが!…何故か自慢げに胸を張っては当たり前!と…一人ドヤ顔をして鼻が

高い!とばかりに威張って見せると、その様子にモツが苦笑い!…若干の呆れ模様を

露わにする!…さてその一方でまだ司会の言葉は終わって居らず!…認識を改める

様に言葉を続け!…


《あの人間の闘士以外に立っている二人もやられてダメージが残って居るのか!?…

如何やら足元が覚束無い様子!!……これはぁ!!!…

今大会のダークホースの登場なのであろうかぁ~~!!!…

今後の戦いにも要注目だぁ~~!!!》


予想外!と言葉を口に!…波乱の幕開けである!とばかりに第一試合からどんでん

返しの様に語って行くと、その司会の言葉に観客達も徐々に我に返って来た様子!…

そして歓声の声を上げ始める!…それは人間だからとか人狼だからとかそう言う

のではなく、ただ単純にその場に立って居る闘士達へ賛美を送り!…と、次には

その闘技エリア内に紙吹雪が…いつ用意したのか?とマサツグも思わずその紙吹雪を

見詰めて立って居ると、ふと視線を展望デッキに…シロ達の様子に目を向ける!…


__……ッ!…チラッ?……ッ!…ピョインピョイン!…


「…シロ達も喜んでる?…みたいだな…あっははははは…」


{…で、マグダラスもそこから見てるって訳で?…

やっぱさっきの闘士達はアイツの息が掛かってたって所だな?…

如何やらポーカーフェイスが苦手らしい…おもっくそ顔が歪んでやがる!…

…とにかくやっぱさっさと試合を終わらせるに越した事は無さそうだな?…

女王様の様子もやっぱり…}


マサツグが展望デッキの方に視線を向けると、そこには遠目からでも良く分かる様に

跳ねているシロの様子が目に映り!…と、そんな様子にマサツグも思わず苦笑いを

して見せ!…そして一人シロの様子について言葉を漏らし!…同時にその傍で苦虫を

噛んだ様な表情を見せるマグダラスの姿も見つけて行くと、心の中で言葉を!…と、

これまた同時に睨みも利かせる!…そして改めて女王の様子についても不安を感じる

と、ジッと見詰める様な…するとそんなマサツグを余所に視界が進行!…その残った

闘士達に指示を出す!…


《…それでは残った選手はそのままご退場を願います!!…

…勿論次の戦いでのご期待もしておりますので!!…

今の内にしっかりと休んで居て下さぁ~い!!!…》


「ッ!……取り敢えず戻るか…

…てかこの状態…如何するのかね?…」」


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ……ダッダッダッダッダッダ!!…


「ッ!…ん?…」


「おい、大丈夫か!?」


「…う、うぅ~ん…」


司会が残った闘士達に退場を願うと更に歓声が巻き起こり!…マサツグもそれを

聞いた事でハッとすると、歩いてその場を後にする!…その際倒れて居る闘士達は

如何するのか?と考えて居ると、次にはすれ違う様にしてゲートから兵士達が闘技

エリアへ侵入!…何なら慌てた様子で駆け寄って行き!…一人一人ちゃんとその

倒れている闘士達に安否を確かめるよう声を掛けると、その倒れている闘士達は

呻き声を…まだ意識がある反応を見せて行く!…するとそんな闘士達に兵士達は

安堵するよう言葉を零すと、次には遅れて衛生兵らしき者達が担架を!…


「意識は有る!…衝撃で気絶したんだけだと推測する!!…

出来るだけ揺らさずに運ぶぞ!!…急げ!!!…」


{…もう少し手加減した方が良かったかね?……

勢い良く突っ込んで来るもんだから思わずいつもの感じでやっちゃったけど?…}


そこからはまるで回収作業!…衛生兵達が協力し合い!…その倒れている闘士達を

医務室か何処かへと運び出すと、更に慌しく!…かつ慎重な様子を見せ始める!…

それこそ担架に移す所から運び出すまでの間で揺らさぬよう!…さも重症!と

ばかりに慌てて見せると、その様子にマサツグも若干の反省を!…やり過ぎたか?

と思いながらも横目に退場…そして控室に戻って行く道中、直ぐに第二試合が

始まるのか他の闘士達と紛れてリーナとオリハの姿を見つけると、向こうも気が

付いた様子で反応!…安堵した様子で声を掛け出す!…


__コッ…コッ…コッ…コッ……ッ!…


「ッ!…マサツグ!…無事だったか!…」


「おう、余裕余裕!……でも気を付けた方が良いぞ?…

やっぱりマグダラスの息がしっかり掛かっているみたいだからな?…」


__ッ!…コクリッ!…


この時リーナはマサツグの顔を見るなり駆け寄って来てはホッとした表情を!…

するとマサツグもそんなリーナに対して余裕!と返事をして見せ!…笑いながらに

そのままピースサインもして行くと、次にはスッと途端に真剣な表情へと戻って

見せる!…と言うのも注意を口にし出すと、先程感じた事をそのまま二人に話し!…

と、その話を聞いて二人も途端にハッとして見せ!…次にはリーナがクッと真剣な

表情を!…そのマサツグの言葉に対して静かに頷く反応を露わにすると、一方で

オリハは違い!…


「だいじょ~ぶだいじょ~ぶ!!…

いつも通り敵を蹴散らすだけで良いんでしょ?…

だとしたら何も変わらないって!…」


「ッ!…何も変わらないってお前なぁ!…

一応お前の周りに居るのお前よりレベルは上だからな!?…」


「まぁ見ててよ?…私も今回本気で戦うからさ?…」


と言うのもオリハはまるで某・戦闘民族みたいにワクワク状態!…何故か余裕!と

ばかりに笑みを浮かべて見せると、マサツグに大丈夫と豪語し!…となるとそんな

オリハの言葉にマサツグもピクッ!と反応して見せ…何を以てして大丈夫なのか?

と…オリハにツッコミの言葉を口にしながら更に相手の方が単純に強い事を話して

行くが、オリハは変わらずニコニコと笑い!…ただ見ててくれ!とマサツグに返事

をして見せる!…その際チラッとだけ不敵な笑みを浮かべて軽く殺気をサッと放つ

と、マサツグも思わずその殺気にビクッ!と反応をしてしまい…確かに何か様相が

違う事にふと気が付き!…そんなオリハの様子にマサツグも思わず呆れた反応を

露わにすると、溜息!…そして忠告も諦め始める!…


「ッ!?………はあぁ~……分かったもういい好きにしろ!…」


__ニコッ!!…コッ…コッ…コッ…コッ……オロオロ!…オロオロ!…


「…やれやれ……多分アイツもう戦う事で頭が一杯だと思うから…

出来れば様子を見てやってくれないか?…

勿論まずは自分の身の安全最優先で構わないからよ?…」


「ッ!…あぁははは!…了解した…」


マサツグが諦めた様子で言葉を零すと、オリハは笑顔のままゲートに向かい!…

と、そんな二人の様子にリーナも戸惑い!…思わずオロオロとマサツグとオリハ

の事を交互に見るそんな反応を見せて行くと、マサツグは一応とばかりに言葉を…

リーナにあるお願いを口にする!…と言うのもやはり何をするのか心配の様で、

オリハの面倒を見てくれ!と…勿論リーナの事も心配して我が身を大事に!と

言葉を続け!…それを聞いたリーナも思わず苦笑い!…それでも理解してくれた

様子で了承の言葉を口にすると、リーナもオリハを追い駆けてゲートへ!…

そうしてマサツグも二人の事を見送って行く!…さてそこからマサツグも一度

控室に戻って行くと、徐に扉を開けて中に…


__ギイイィィィ…バタン!…


「ただいま~っと…」


「ッ!!…旦那様ご無事でしたか!?…」


「うえぇぇ!?……あ、あぁ…何とも無いけど…」


何も考えずに控室へ入って行くと、次の瞬間シルビィがピーカブースタイルの上目

遣いで詰めて来て!…それはリーナとは比べ物にならないほど心配しており!…

眼をウルウルとさせるながらまるで神にでも祈る様な悲痛な表情を浮かべて見せる

と、マサツグを戸惑わせる!…何なら入って来た扉へと後退りをさせる!…その際

シルビィはこれが平常運転と言った様子で声を掛けると、マサツグは当然戸惑った

声を上げて見せ!…と、少しのラグを置いてからシルビィに返事!…それでもやはり

戸惑いながらの言葉で有り!…一体何があった?とばかりに表情をただ困惑させて

固まって居ると、次にはラグナスもゆっくりと…その困惑するマサツグの方へと

歩いて来る!…


__コッ…コッ…コッ…コッ…


「…お疲れ様です!…マサツグ殿……実は先程装備調達室でこんな物を…

今持っている隊長の槍がもうボロボロだったので、変えようとした時に見つけて…」


__パラッ……


「……これは?…」


その歩いて来るラグナスも何やら思い詰めた表情を浮かべて見せると、まずは

マサツグに労りの言葉を!…と、同時に懐から徐にA4サイズの紙を一枚取り

出して見せ…その紙を見つけた時の事も口にし出すと、マサツグのその紙を

手渡して行く!…となるとそれを受け取ったマサツグもこれは何?とばかりに

確認をすると、そこには何かが書かれてある事だけは分かるのだが…如何にも

人狼達の文字で書かれて有るのか全く読めず!…マサツグも戸惑いながらに

この紙の正体について尋ねて行くと、ラグナスは更に思い詰めた表情で返事!…

その書かれて有る意味について話して行く!…


「如何やら懸賞金まで懸けられて居た様子です!…我々に!!…」


「ッ!?…しょ、賞金!?…い、幾ら!?…」


「い、いえ…幾らと言われましても…

我々ライカンスロープには金銭と言った物の概念が無いので…

明確な金額等が書かれているのではありません…

…ただそこに書かれているのは…

《…もし、倒す事の出来た者には仕官する権利が与えられる!》と…

我々の事を名指しで書かれて有るのです……ッ!…

…それにしても如何して金額を尋ねるのですか?…

それに何かワクワクされている様な?…」


何でもラグナスが言うには懸賞金の張り紙らしく!…ラグナスは勿論思い当たる

様子で自分達に!と言葉を続け!…と、そう聞かされたマサツグも当然驚き戸惑う

訳で!…しかし次には何故かワクワクした様子で額を尋ね!…その際シルビィを

押し退けラグナスに詰め寄るそんな反応を見せて行くと、今度はラグナスが

戸惑った様子で後退!…それでもマサツグの問い掛けに対して答えてみせる!…

と言っても如何やら懸賞金の張り紙と言っても金銭では無い!…寧ろそう言った

概念が無いらしく…故に報酬は好待遇のポスト!と…ラグナスも汚い手を使って

来た事を続けて話すと、次には疑問をマサツグにワクワクしている理由について

話を聞く!…するとマサツグもマサツグでハッとすると…


「ッ!…え?…いやだって…何て言うかそのぉ~?…

…実はこうして賞金掛けられるの生涯で二度目と言うか…

あぁ~ほら!…無いか?…ちょっとした憧れと言うか!…

普段普通に生活をしている分そう言ったイレギュラーが無いから…つい…」


「……つい…で、その様にワクワクされているのですか?…」


マサツグはまるでアウトローに憧れるよう戸惑いながらに言葉を!…その際自身に

賞金を掛けられたのは二度目!と…若干モジモジとしながら赤裸々にラグナスへ

告白すると、更にラグナスを戸惑わせる事に!…そしてまるで賞金額は自身の格!

とばかりに話しを続け!…そう言った刺激にやはり飢えて居る様なそんな事も口に

すると、ラグナスは理解出来ない!とばかりに返事!…同時に呆れる様なそんな

反応も見せて行く!…さて控室でそんな話をして居ると、またもや闘技エリアの

方からは歓声が!…


__ワアアァァァァァァァァァァァ!!!!…ッ!……


「…さぁ間もなくバトルロワイヤル第二試合が始まろうとしております!!!…

第一試合では人間の闘士が見せたあの流れる様なワンマンショーには

驚かされましたが…

この第二試合ではどの様な戦いが待っているのか!?…

非常に楽しみでなりません!!!……間もなく開始の合図です!!!!…」


__…ボワアァァァァンンン!!!!……


その聞こえてくる歓声にマサツグ達もピクッ!と、そして反応を示していると

次には司会の進行も聞こえて来て!…この時マサツグの事をプレイバックする

様に台詞を口に!…しかし次は第二試合!と纏めて行き!…やはり盛り上げる

よう言葉を続けて更に試合開始の合図も話して行くと、若干のタイムラグの後

ドラが!…若干控室にも響いて来るよう聞こえて来る!…しかしその後は何も

全く聞こえず、耳に出来るのは会話と呼吸音位で…恐らく戦っているであろう

闘士達の勇ましい声も届いて来ず、ある意味静寂!…何かリーナ達が不安を

抱いて居た理由が分かる様なそんな事を考えて居ると、次には奇妙な悲鳴が…


__わ!…わわわわああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!…


「ッ!?…な、何だこの悲鳴は!?…」


__ボゴオォォォォンン!!!…ボゴオォォォォンン!!!…


「次は何だ!?…まるで何か大勢を一気に吹き飛ばした様な衝撃音は!?…」


その悲鳴は如何やら闘技エリアの方から聞こえて来る様で、勿論悲鳴が聞こえて

来た事にマサツグ達は戸惑い!…と言うのも先程の通り聞こえて来る筈の無い

モノであり!…聞こえて来たと言う事は事件か!?と…ラグナスが警戒をする

様なそんな反応を見せて居ると、次には何かがぶつかり吹き飛ぶ音が!…これまた

闘技エリアの方から聞こえて来て!…やはりこの音は何!?と他の闘士達までもが

慌てる反応を見せて居ると、この音に覚えがあるモノが一人…何なら呆れと

安心感を覚えた様子で遠い目をする!…因みにその人物と言うのは言わずもがな…


{……如何やら心配は杞憂だったようだな…うん…}


__ボゴオォォォォンン!!!…ボゴオォォォォンン!!!…


「な!?…ななな何でそんなに落ち着いていられるんですか!?…

良く分からない音が聞こえて来ているのに!?…

もしかしたらマグダラスの!?…」


「あぁ~…申し訳無いがそれは無い。

寧ろこれは安心して良い音だと思うぞ?…」


当然この事態を知って居る!…いや目の前で見て来た者として覚えがある様子で

マサツグが一人心の中で呟いて居ると、更に衝撃音は響き!…と、その一方で

ラグナスは引き続き警戒態勢を続行して見せ!…何なら落ち着いているマサツグに

対してツッコミを入れるよう言葉を口にして行くと、マサツグはやはり達観した

様子で言葉を!…ラグナスに安心するよう笑って見せる!…と言ってもその笑みは

呆れた様子を伺える訳で、そんなマサツグの表情を目にしてラグナスは更に

戸惑い!…


「……ッ?…な、何を言って…」


__…ボワアァァァァンンン!!!!……


「ッ!?…試合が終わった!?…」


勿論理解出来る筈もないラグナスは戸惑いの言葉を!…しかし次にはその闘技

エリアの方よりドラの音が響いて来て!…それは紛れもなく試合が終わった事を

告げるドラの音で変わりはなく!…ラグナスもそのドラの音が聞こえて来た事で

更に慌ててふためく!…シルビィも思わず若干戸惑う様なそんな反応を露わに

して見せると、これまた次には司会が!…さも早過ぎる!とばかりに進行し出す!…


「し!…試合終~~~~了~~~~!!!…

こ、これまた何と言う事でしょうか!?…

今回の大会はどうなっている~~~!?!?!?」


「ッ!?…え!?…」


それはラグナス達に間違って居ない!…勘違いして居ない!とばかりに聞こえ

始めると、しっかり試合終了!と叫び!…となるとやはり戸惑った様子で

ラグナスとシルビィが反応して見せ!…マサツグもその司会の声を聞いて更に

呆れる様なそんな反応を見せて行くと、思わず時計に目を向ける!…すると

そこには最初の開始のドラの音が聞こえてから約三分も経ったかどうかも

怪しい時間が表示されている訳で、これには何も言えず!…と、その一方で

司会は驚きの言葉を!…さも興奮冷め止まない!と言った様子で話し続けると、

散々な言い様をして見せる!…


「恐らく狼の獣人と思われる女性闘士と人間の女性闘士が手を組み!!…

他の闘士達を圧倒的に蹂躙するぅ~~~!!!…

その戦いぶりはまさにバーサーカーの一言に尽きる所業!!!…

並み居るライバル達をばっさばっさと斬り飛ばす姿は!!!…

宛ら神話から出て来た女性版ヘラクレスと言った所か~~!!!!…

果敢に戦いを挑んだ闘士達が宙を舞い!!!…

観客席に飛ばされる等のアクシデントがあったものの!!!…

最後に立っていたのはこの可憐で端麗な女性二人ぃ~~!!!!

一体何所にその様な力が隠れているのか!?…

驚きの豪快痛快爽快な戦いぶりに感嘆を禁じえません!!!」


「……な?…」


まさに言いたい放題に言い出すと、二人の事を化け物と褒めて居るのか?…

はたまたただ単に豪傑と言いたいのか?…何なら二人の暴れ様はその司会の

興奮具合からもヒシヒシと感じられるモノが有り!…マサツグもそんな言葉に

対して大丈夫!と…二人に苦笑いをしながらさも呆れる様に声を掛けると、

そんな司会の言葉に今だ理解が追い付いて居ない!…状況も分かって居ない

様子でラグナス達がぽかんとする!…そして今度は恐る恐るマサツグの方に

振り向くと、質問を口に…


「…い、一体如何言う事ですか?」


「簡単な話…あの二人って前にも似た様な状況…

って言うか自分達から突っ込んで行った事があって!…

その時も大群を相手に薙ぎ払っては吹き飛ばすを繰り返して居たんわ…。

で?…さっきから聞こえていた衝撃音がその音だったって事…

その音が聞こえているって事は二人が闘士達を相手に無双している!

って事だから安心して居たんだ…あっ!…

後、悲鳴が聞こえていたと思うけどその悲鳴は多分観客か闘士達本人のモンだろ…

恐らく二人が薙ぎ飛ばした闘士が観客席に飛んで行ったとか…

或いは降って来たからとかで上がった悲鳴だと思うぞ?…」


勿論何から何まで困惑状態!…しかしマサツグはそんなラグナスに同情をすると、

自分で推測出来る範囲で何があったのか?を話し出し!…その際思い出すはまだ

最近の事で有り!…さもその時の事を語る様に馬鹿みたいに二人が暴れていた事を

話して行くと、あの衝撃音はそう言う事!と…やはり理解に苦しむ感じで話を

する!…何なら悲鳴についても二人の者でない事を苦笑いをしながらに話して

行くと、更にラグナスとシルビィをキョトンとさせ!…特にラグナスが信じら

れない!とばかりに目を見開くと、口もポカァンと!…改めてマサツグ達の事に

ついて化け物?と感じ!…この時隣にいたシルビィに自分が可笑しいのか?に

ついて尋ねて行くと、シルビィも戸惑いながらに返事!…改めて自分の主人に

畏怖するのであった!…

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