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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-

-第六章七十二節 猛攻の秘密とタイムリミットと外道の策-

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突如雰囲気が変わったシルビィに観客達も唖然!…しかし何かやってくれそうでも

ある!…ここから逆転劇を見せてくれそうなシルビィに自ずと期待を持つ視線を

向けて行くと、観客達はシルビィへ向かって声援を送る!…それは今フルボッコに

して居るバルトグロメイアに天誅を!と願う者も居れば、ただ単純にシルビィへ

エールを送る者も居り!…しかしそんな観客達の様子とは裏腹に…この時フィロと

パルシィだけは妙に嫌な予感を感じて行くと、その表情を曇らせて見せ…


「…ッ………」×2


「…さっきから如何したんだ?…

何でそんなに心配そうな表情を見せるんだ?…

いい加減俺達にも!…」


「それは私が説明しますよ…モツさん…」


「ッ!…オリハ!?…」


ただ何も言わずに猛攻を続けるシルビィの様子をジッと見ると、その目は心配を

訴え!…一方でモツも気が付いた様子で声を掛け出し!…その表情、更には視線

とやはり先程の事も含めて何か異変化と気が付いた具合に質問をすると、ここで

オリハもその話を聞いて居た様子で反応を…何ならモツの質問に答えると言う!…

するとそんなオリハからの返事にモツが若干戸惑った具合に反応をすると、

オリハは続けて意味深な言葉を!…


「…多分ですがシルビィは私と同じ状態に入って居ると思います!!……」


この時オリハもその猛攻を繰り出すシルビィの事をジッと見詰め!…そして二人と

同じく不安げな表情を浮かべて居り!…と言うのもそれは何か焦りを覚えている

様なそんな感情を見えてしまい!…まるでこの後に来るであろう良からぬ事を察知

した具合に悩むそんな複雑な感情を見せて行くと、オリハは自分と一緒と語る!…

となるとそんなオリハの反応に言葉とモツは一瞬何の事?とばかりに戸惑うのだが、

次にハッと気が付いた様子で全てを悟り!…


「…え?…オリハと同じ状態?…

…ッ!!…そ、それって…ま、まさか!?…」


「ッ!?…な、何や!?…どないしたって言うんや!?…」


この時モツは理解出来た様子でハッとして見せ、次には慌てた反応を露わに!…

と、そんな会話を聞いてかマサキ達もこれまた反応!…それは内容が気になった

具合に質問をし始め!…その問い掛けに対してオリハが続けてマサキ達にも説明

するよう狂獣人化ウェアバーサーカーと言葉を漏らして行くと、シルビィが今それを発動して居る

事を話して行く!…それは同じスキルを持って居るが為に気が付いたのか、

今だシルビィを見詰めて若干焦り!…


「…狂獣人化ウェアバーサーカー!…

恐らくシルビィは狂獣人化ウェアバーサーカーを発動している!…」


「ッ!?!?……」×5


その一方でそれを聞いたマサキ達もハッ!として行き!…この時マサツグとオリハ

の喧嘩を思い出したのか…あの暴れっぷりに至るまでの流れを思い出して行くと、

途端にその表情を青褪めさせる!…そしてこのままだとまたヤバい事になるのでは

無いのか?と不安を感じて見詰めて居ると、ここでモツがある事を!…それは

オリハに対して質問をし始め!…モツ自身可笑しい!…あり得ない!と言った具合

に話すのだが!…


「ちょ、ちょっと待て!?…シルビィが狂獣人化ウェアバーサーカーを発動した!?…

な、何で!?…シルビィは元から人狼族だから発動するもなにも!…

最初からなって居る様なモンなんじゃ!?…」


と言うのもモツが疑問を持った事と言うのはシルビィは最初から人狼族!と、

狂獣人化ウェアバーサーカーを保有して居る事に疑問を持ち!…何なら最初から発動して居る様な

モノでは?と話し続け!…その理由についてもハーフじゃない!と…純粋な

人狼である事を更に続けて話して行くと、その取得条件に触れる様な事を

オリハに尋ねる!…しかしオリハはそれを聞いても尚結論は変わらない様子で

モツによく見る様に声を掛けると、変化が有る様に話し!…


「…確かにそうなんですが良く見てみてください?…

…シルビィの様子が徐々に!…獣寄りになって行っています!!…」


__ググググッ!!…アオオォォォン!!!…ッ!!…ッ!?…


この時オリハがシルビィの事を指差すと、その先には徐々に人狼へと姿を変える

シルビィの姿が!…それはまるで本来の姿を取り戻す様にも見えてしまい!…

モツ達やマサキ達もその様子を見てハッ!と…今気が付いた様な反応を露わに

すると、ジッとシルビィの事を凝視する!…するとその一方ではオリハもまだ

説明が終わっていない様子で話しを続けると、今度は自身の確信や更には理由

説明へと入って行き!…


「アレは間違い無く狂獣人化ウェアバーサーカーを発動した時の現象!…

そして更に思い出しても見て欲しいのですが…

人狼も言わば獣寄りなだけであって、言い換えれば獣人族の枠!!…

…何なら最初兄さんがテイムした時は狼の姿!…

そして変身した時は私と同じ獣人に近い姿でした!…

…では、人狼の姿は何処に?…その答えがアレ!…

ようはアレ狂獣人化がスイッチだったんだと思います!!…」


「ッ!?…ま、まぁ確かに?…

そう言われればそうかもしれないんだが?……うぅ~ん…」


シルビィの変化が何よりの証拠!…そこから始まると何故シルビィが狂獣人化ウェアバーサーカー

発動出来たか?について話し出し!…何でもオリハの中で仮説が一つある様で…

それはいわゆる変身スイッチの役割を担っているのでは?と…人狼の姿になる際

狂獣人化ウェアバーサーカーを発動する事で人狼に戻れるのでは?とオリハも分かって居ない感じに

話しをすると、それを聞いたモツは分かった様な分からない様な?…と言うのも

ではシロは如何説明するのか?となって行き、シロやハティもあの子犬化する際

その様なスキルを発動して居たか?…何ならシルビィも狼になる際そんなスキル

を使って居たか?と考えてしまうと、微妙に肯定が出来ないのであった!…


しかしその話も直ぐに如何でも良くなって行くと、とにかくシルビィが狂獣人化ウェアバーサーカー

発動して居る事の方が重大で!…


「……と、とにかく!!…オリハの言う事は何と無くアレだが…

それよりも本当にシルビィが狂獣人化ウェアバーサーカーを発動しているなら!!…」


「……暴走時は覚悟した方が良いです!…

私みたいに怯んで意識を取り戻すじゃなくて、最悪…」


「…ッ!!……ッ…」×5


話しが少しばかり脱線したが…モツがとにかく狂獣人化ウェアバーサーカーを気にした様子で言葉を

更に漏らして行くと、オリハもスッと嫌な事を!…その暴走時の対処法について

ポロッと漏らす!…その際自分は大した事の無い事で正気に戻れる事を話して行く

と、シルビィの場合は分からない!と語り…何なら最悪のケースも想定して話しを

続け!…それを聞いて各々思わず想像してしまい!…出来ればそうならない事を

願い始めると、一方の闘技エリアの中央では未だ棒立ちのバルトグロメイアに対して

シルビィが滅多打ちを!…それはもはや狂気の色を見せて居り!…観客達も遂には

シルビィに対して徐々に恐怖の念を抱き出すと、そのまま沈黙してしまう!…


__ドガガガガガガガガ!!!!……ッ……


それこそシルビィに対しての声援が溢れんばかりに有ったのだが、そのシルビィの

気迫に押されてか声は消え!…一方でもはやそれは鬼神の如く!…シルビィも

形振り構わず!…有りっ丈の力を込めながらに連撃を御構い無しに放って行くと、

ふとここでモツがある疑問を持ち出す…と言うのもそれは先程から話しに出ている

狂獣人化ウェアバーサーカーについてであり!…保有して居るオリハに種類はどっちなのか?と尋ね…


「…ッ!……そういえば、オリハ?…

お前も毎回暴走一歩手前だったり暴走したりってなってるけどぉ?…

それってパッシブスキルなのか?…それともアクティブスキルなのか?…」


「…ッ?…突然ですね?…アクティブスキルですけど?…」


「じゃあ、後どれ位暴れたら暴走するとか分からないのか?…

それが分かっていれば対処も…」


すると突如そんな事を問われたのでオリハはピクッ!と、しかし次には少し戸惑い

ながらも返事を口に!…その際何か理由を尋ねる様にモツへ答え…モツもその

オリハの返事を受けて何か対策を練れるのでは?と言った具合に考えを続けて

話して行くと、更にオリハへ質問を続ける!…それは最悪のケースにならないよう

身構えるのと同時に、何か解決策に繋がるきっかけになればと思い尋ねるのだが…


「あぁ~……まぁ一応タイムリミットゲージ的な物は出て来ますけど…

基本如何にも出来ないのが実情ですね?…一度発動すると解除出来ないですし…

解除するにも仲間に沈静化効果の有るアイテムを使って貰わないと駄目ですし…

…あと基本解除の方法が戦闘に勝利か…もしくは戦闘不能になるかの二つですし…

発動しても極力動かないとか…

あまり前に出ないとかですかねぇ暴走しない方法はぁ?…

…まぁ獣人族の適正職業の殆どが前衛職なんで基本暴走不可避です…」


「……やっぱそうかぁ~…元々諸刃の剣スキルだから…」


そのモツの問い掛けで出て来るオリハの言葉はまるで良い事が無い様な…時間制限

有りの狂戦士と化し!…そして自身では止める方法が無い事をモツに話して行くと、

実質ソロでは暴走不可避である様に説明をする!…何ならそのスキルが使える職業

自体に前衛のモノしか無い事を続けて話すと、モツもその説明を受けてガックリと

折れ!…何なら薄々そんな気はして居た様で…諦める様に元々が諸刃の剣である事を

口にすると、次には話を切る様に黙っていた観客達がワッ!と…またもや歓声を

上げ出して見せる!…


__ッ!?…ワアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァ!!!!…


「ッ!?…な、何!?…何で急に歓声が大きく!?……ッ!?…」


__ドガガガガガガガガ!!!!…グッ!!…クウゥ!!!…


「ひ、膝が!!…」


それは何か戦闘に影響があった様で、歓声は驚き戸惑いながらも興奮を帯び!…

となると突然の大歓声にモツも驚き!…一体何事!?とその歓声の原因である

闘技エリアの方に視線を向けると、そこには若干バランスを崩しそうな!…

バルトグロメイアの姿を見つける!…それまではシルビィの攻撃を受けても尚

怯むばかりでガードなどせず、堂々と立って見せて居たのだが!…シルビィの

攻撃の火力が増して来たのか?…その足は若干くの字に曲がり、腕も後ろで

組んで居たものがいつの間にか解けて拳を握ってる物になって居ると、その

進展ぶりにモツも驚く!…それはもしかすると勝てるかもしれない!と言った

希望を与えるのだが、一方でその猛攻を繰り出すシルビィはと言うと…


「ハアアアアアアアァァァァァァァァ!!!!!」


当然相手に掛ける情など無し!…更に鬼気迫る表情になり、その目もまるで獲物しか

見て居ない!…血走り歯を剥き出しにする表情を露わにすると、完全に今までの

シルビィをイメージをぶち壊して行く!…言うなればそれはまさに狂犬!…その

イメージしか無い様な様相を露わにすると、そんなシルビィの荒れ様にこれまた一同

戸惑い出し!…と、同時にやはり最悪のケースもふと過り!…これは違う意味で

不味いのではないのか!?となって居ると、更にボルテージが上がって行く!…


__ヴヴヴヴヴヴヴヴ!!!!…バキイイィィ!!!!…バキイイィィ!!!!…


「グッ!?…グウゥゥゥゥ!!!…」


それはもはや暴走しているのでは!?と言った様子なのだが、周りの観客達はバルト

グロメイアがバランスを崩した事の方に夢中になり!…その一方でシルビィは更に

猛烈な二撃を容赦なく放ち!…それは横薙ぎに膝と横腹を襲って行き!…これには

堪らずバルトグロメイアも効いた!とばかりに呻き声を上げると、思わず折れそうに

なって行く!…しかしそれでも必死に耐える姿勢を露わにすると、歯を食い縛って

持ち直し!…


{ッ~~~!!!…ま、不味い!!…

まさかまだこれだけの力を隠してたのか!!…

…ッ~~~!!!…だが耐えれない訳じゃあねぇ!!!……

俺の体はだぁ!!!…この程度ならなんて事は無い!!!…

…チッ!!…いっそもう止めにして襲い掛かるか!!…

となると何処かに隙が出来ればそのまま!!…}


しかしこの時その頭の中では大焦り!…煽りに煽って平常心を欠きに行ったのだが、

ここに来てそれが力の源となり!…結果この猛連打を浴びる事に!…故にまさか

こうなるとは思っても居なかった様子で攻撃に耐え!…だがその上でやはりまだ

何か自信が有るのか折れない心を持ち直し!…そろそろ自身の我慢の限界!と言った

具合に!…次には約束を反故にするよう動く事を決意し出すと、今度はシルビィの

隙を伺う!…しかしシルビィも最初からバルトグロメイアの事など信用して等いない

訳で、それをも見越してか確実にバルトグロメイアの動きを封じ!…


「ハアアァァァ!!!」


「グァ!!!…グウゥゥゥ!!!…」


{…ッ~~~!!…チィ!!!…そこはさすが近衛隊長様ってか!?…

その隙を出さないよう最小限の動きで俺の行動を片っ端から潰して行って!!…

的確に急所を攻撃して来やがる!!…

まだみたいだ!!!…

…とは言えずっと喰らい続けるのも我慢ならネェ!!…}


シルビィは肩や膝にも打撃を打ち込み!…それはまるで舞う様にして体術も

織り交ぜてバルトグロメイアを牽制すると、バルトグロメイアも堪らず一々

怯んで見せ!…しかしダメージとしてはやはり何か薄い様子で軽く仰け反る

程度で留まり!…バルトグロメイアも痛みよりこざかしい!と言った方に

怒りを覚え!…徐々にその怒りを蓄積する様子を見せるのだが、しかし今だ

動けない事には変わらず!…そのままドンドン殴る蹴るのジリ貧となり、

一方で観客達はそれに比例するようシルビィを応援する声を更に強めて見せて

行くと、ここで遂に我慢の限界が来たのか!…バルトグロメイアは強行策に

打って出る!…


「ハアアアアァァァァァ!!!!…」


「ッ!!…」


__スッ…ブシュウウウゥゥゥゥゥ!!!!


「ッ!?…しま…」


それはバルトグロメイアに攻撃を仕掛ける際…シルビィが前に出て今まで通り攻撃を

打ち込もうとして行くと、ここでバルトグロメイアが動きを露わに!…と言うのも

懲りずに足を出して妨害を試み!…しかしシルビィもそれを察知してか先にその足を

槍で突いて動きを封じようとするのだが、逆にそれを逆手に取られる!…それは

先程までなら攻撃を受けたら脚を引いてダメージを押さえようとするのだが、今回は

逆に足を更に前に出して深々と刺さる様に持って行き!…するとそのシルビィの槍ば

バルトグロメイアの太腿にグッサリ!…逆にシルビィの動きを制限する形になって

行くと、シルビィも慌てて見せて行く!…そして次には急いで引き抜こうとするの

だが、バルトグロメイアが足に力を入れて居るのかピクリとも動かず!…


「…ッ!…ッ!!…クッ!!…」


「ほ~ら、如何した?…近衛隊長さんよぉ~?…

抜けないのか?…抜けないんじゃ如何しようも…」


「フン!!…」


__バキイィィ!!…


シルビィが幾ら必死に引き抜こうとしても1mmも動かず、その度に表情は焦りを

帯び!…となるとバルトグロメイアもその様子を見てさも楽しい!とばかりに

嬉々とした笑みを浮かべて見せ!…途端に元気になったようまたシルビィの事を

煽り始めると、次にはまだ諦めていない様子でシルビィが一閃!…その刺さった

槍を支えに回し蹴りを放って行く!…それは上から見下ろすバルトグロメイアの

横っ面を蹴り飛ばす事になるのだが、バルトグロメイアはその蹴られた顔だけが

横を向くだけで後は一切怯まず!…


「ッ!……」


「ハァ!…ハァ!…」


「………。」


__ざわ!…ざわざわ!!…


その場で固まる様にして立ち尽くし!…シルビィもさすがに疲れて来た様子で

息を切らすと、キッとバルトグロメイアを睨んで行く!…となるとその異様な

光景に観客達の声援もピタッと止んでしまう事態になると、次にはどよめきが

辺りを支配し始め!…と、その一方で同じくその光景を見ているモツ達も驚き

戸惑い!…槍の攻撃より打撃が効いた?…と言った具合にバルトグロメイアの

固まっている様子に何か不気味なモノを感じて居ると、ここでモツがまたふと

疑問を感じたのか…オリハに四度目となる質問をし始める!…


「なぁ…オリハ?…」


「……何でしょうか?」


「…いや…多分これが最後の質問になると思うんだが…

具体的にはそのタイムリミットってのはどれ位なんだ?…

オリハの感覚で大体で良いんだが……」


それはふとある事に気が付いた様子でオリハに声を掛けて行くと、オリハも

気が付いて居るのか間を置きながらも返事を!…しかしその視線は二人揃って

シルビィの様子に向けられており!…薄々何かこの後の展開を悟った様子で…

モツがとにかく最後の質問になる事を口にすると、狂獣人化ウェアバーサーカーのタイムリミットに

ついて質問をする!…するとオリハもその質問を受けてやはり戸惑いながらも

返事をすると、その制限時間を五分位と言い!…


「そ…そうですね?…大体全力で戦って45

力を抑えながらだと5~6分位ですかね?…」


「ッ!!…そ、そうか……」


モツが気にした事と言うのはシルビィの狂獣人化ウェアバーサーカーについてであり!…バルトグロ

メイアの約束のタイムリミットは五分!…そしてオリハの言う狂獣人化ウェアバーサーカーのタイム

リミットも五分であり!…そして時間的にその五分が経とうとしており、シルビィの

様子も落ち着き…一応暴走は免れた感じではあるのだが、不穏な空気は未だ流れて

いる状態であり各々が不安を覚えて居ると、次にはラグナスが何かに気が付いた様子

で突如立ち上がり!…


__ッ!?…バッ!!…ッ!?…


「隊長!!!!…駄目です!!!!…逃げて下さい!!!!!」


「え!?…」×3


この時その様子は酷く慌てたモノで突如立ち上がってはシルビィに向かって

大声を!…それは危険を教える叫びで有り!…勿論そんな事を口にし出した事で

モツ達!…及び周りの観客達も一体何事!?とばかりにそんなラグナスに視線を

向けると、次には闘技エリア内で動きが!…それは違う最悪の展開を迎え始める!…

その際先に動いたのはシルビィであり、何かハッ!とした様子で自身の体を

押さえる様に悶え出すと、一方で蹴られたバルトグロメイアも徐々に体勢を

立て直し!…


「…ッ~~!!!!…ッ!?……アグッ!!!…

ヴヴヴヴヴ!!!…アアアアア!!!!…」


「……ふぅ…漸く5分立った訳だが気分はどうだいぃ~?…

それはもうサイコーだろぉ~!?…

なんせ昔に戻った様なモンなんだから…な!!!」


__ドゴォ!!…ウグッ!!!!…


それはまるで苦痛に悶えるよう蹲ってそのまま動かなくなり…一方でバルトグロ

メイアはそんなシルビィを尻目に軽く体を動かし始めると、やはり笑みを零し!…

そして徐にその動かなくなったシルビィの方へと近付き始め!…その際何やら

意味深な事を!…さも何か仕掛けた様な事を口にすると、次にはその蹲るシルビィ

へ近付くなり蹴りを!…シルビィの腹部を蹴り上げて見せる!…するとその蹴り

上げられたシルビィの体はふわっと宙に浮いて行くと、そのまま受け身を取る事

無く地面に叩き付けられては地面を転がり!…


__ドシャァァ!!……


「ッ!!……グッ!!…き!…貴様ァァ!!!…ま…まさか!!…」


「な!…何が!?…

一体何が起きたって言うんだよ!?…」


叩き付けられた拍子にまたシルビィの表情は苦痛に歪み!…そしてそこからやはり

立ち上がると言った様子もなく!…だがまだ喋れるだけの余裕はある様子で言葉を

口に!…その際何か覚えが有るのか怨嗟の言葉を口にすると、蹲りながらもバルト

グロメイアを睨んで見せる!…しかし幾ら睨んだ所で状況としては絶望的である

事に変わりはなく、モツが慌てた様子で言葉を!…と、その一方で異変に気が付いた

ラグナスは怒りに燃え!…まるで眼光だけでバルトグロメイアを殺さん勢いに睨んで

行くと、更に大声で吠えて見せる!…


「キサマアアァァァァ!!!!

隊長にを使ったなぁぁ!!!!」


__ッ!?…どよ!?!?…


「ッ!…ほぅ?…良く分かったなぁ~?…ご明察!…

この通りこの近衛隊長さんが地面を這い蹲っているのは俺がこの…

欠片をプスッと刺したからだ!…」


ラグナスは今にも自分が飛び出して行きそうな位に怒りを燃やすと、そのシルビィが

倒れた原因に欠片と言い!…となるとそのラグナスの言葉に観客達も察した様子!…

と言うのも欠片刀を使ったと理解をするとどよめき始め!…バルトグロメイアも

悪びれもせずさもお道化て見せるそんな態度を露わにすると、両手を広げて正解!と

答える!…その際辛うじてバルトグロメイアの下半身を隠して居る腰蓑からスッと

欠片刀を取り出して見せると、更に観客達をどよめかせ!…


__ッ!!!!!…どよどよ!!…どよどよ!!…


{……ッ!…でも何でだ?…

あれが今まで見て来たその欠片刀って奴と一緒なら?…

何でシルビィに変化は無いんだ?…

それにバルトグロメイアの奴が欠片刀をシルビィに使った理由も分からないし…

…何かまだあの欠片刀って奴には秘密が有るのか?…

…だとするとヤブもこのままだと!?…}


と、どよめく観客達の一方で…ここでふと疑問も出て来る事になり!…と言うのも

欠片刀を使用すれば普通は肉体が強化される筈なのだが、強化されるどころか

シルビィは苦しむ事に!…何なら他の使用者みたく膨張する様子も全く見られず!…

その事についても思わずモツが疑問を…何ならこの後にぶつかるであろうマサツグの

心配までし始めて居ると、その一方で欠片刀を見せながらこれで終わり!と…

動けないシルビィを目の前へ移動するなり、バルトグロメイアは更にある事を

口に!…


「……はあぁ~…随分と手こずっちまったが?…これで俺の勝ちだろぉ?…

じゃあ!…その美味そうな体を今から頂こう!!って…思ってたんだがぁ?…

それだと全然味気ねぇしなぁ~?…ッ!…そうだ!…

いっそ盛大に暴露大会と行こうかぁ、えぇ!?…ホワイトファングちゃんよぉ!?」


__ッ!?…どよぉ!!…


さも余裕の勝利とばかりにバルトグロメイアが立ち振る舞い!…首の関節を

鳴らす様なそんな反応を見せて行くと、次にはシルビィを女として見始め!…

が、そのまま襲うのでは無く何か思いついた様子であり!…シルビィの過去を

知って居るのか?…突如その過去を暴露する!と言い出して見せると、

その言葉に観客達も驚き戸惑い!…何よりシルビィが途端に慌てた表情を

浮かべて見せる!…それはハッとした様子で目を見開くと、次にはバルトグロ

メイアに懇願するよう止めてくれ!と…


「ッ!?…な、何を考えて居る!?…

や、止めろ!!!…それだけは!…それだけはぁぁ!!!…」


__ずりずり…ずりずり………ガッ!!…


未だ欠片刀のせいで思う様に動けず!…それでも地面を這ってバルトグロメイアに

近付いて見せると、そのまま脚にしがみ付き!…そこにはもはやあの勇猛果敢に

戦って居た姿は何処にもなく…あるのは秘密がバレる事を恐れるただ一人の女性の

姿が…それは見て居てとても悲痛な様子に映っており、懇願するシルビィも

必死に!…バルトグロメイアに頼み込むよう止めてくれ!と、苦痛の表情を浮かべ

ながらに訴えて涙を浮かべ始めて見せるのだが!…


「ッ!…オイオイそんな情熱的に縋り付いて来なくてもよぉ~?…

ちゃぁんと相手してやるからよぉ~!…

…その目が絶望に染まって!…何にもする気力が無くなったらちゃぁんとな?…」


「止めろ!!…止めてくれ!!…

もう…もう私の負けで良いから!!…」


逆にその様子を見て楽しむかの様に!…まるでこれが見たかった!とばかりに

バルトグロメイアは下卑た笑みを浮かべて見せると、自分の望むプレイを口に

する!…それはとても理解し難い性根の腐っているモノであり!…当然そんな

シルビィのお願いなど全く聞く気配を見せず!…幾らシルビィが懇願しようとも

止めず!…まずはジャブ程度にある事をニヤニヤと笑いながらに話し出すと、

シルビィの心を抉って行く!…


「ッ!……おいおい!…そんな興醒めする様な無様な姿を見せるなよ!…

…ホワイトファングちゃんよ!?…」


__どよぉ!?!?…ザワザワ!!…ザワザワ!!…


「ッ!?!?!?…」


それはジャブにしては衝撃的な暴露で始まりを迎える!…と言うのもバルトグロ

メイアはもう抵抗の出来ないシルビィの事を嘲笑うと、見下しながらにさも奴隷

であった様にシルビィの事をホワイトファングと話し!…するとそれを聞いた

観客達は当然どよめき!…一体如何言う事とばかりに闘技場全体が騒然として

行くと、一方でその話を肯定するようシルビィがあからさまにショックを!…

目を見開きポロポロと涙を流し始める!…そしてしがみ付いて居た脚からズルズル

と崩れる様に離れて行くと、観客達は観客達でその内容が信じられない様子で

戸惑い言葉を!…と、その一方でその反応に待って居た!と…バルトグロメイアも

更に興が乗った具合にニンマリ笑うと、更にその話を続けるのであった!…

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