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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-
-第六章七十五節 マサツグの本質と過剰摂取と化け物誕生!-
しおりを挟む色々な事が有って忘れてしまって居たのだが、これはあくまでもトーナメント
大会で!…それを思い出させる様にドラの音が鳴り響き!…バルトグロメイアも
それを合図にマサツグへ向かって飛び出して行くと、一気に間合いを詰めて
見せる!…するとその様子を傍から見て居た者達もギョッとした具合に見詰めて
いると、次には終わった!とばかりに歓声を!…何ならその様子はいまだ倒れて
いるシルビィも見て居り!…そのさすがの蹴発力に驚きを隠せない表情を浮かべる
と、思わずマサツグの心配をする!…
{ッ!?…は、速い!!…
さっき私を相手にしていた時より数段速く行動に出ている!?…
確かに私の時は舐められていましたが!!…それでも!!…}
「…安心しろシルビィ?…ヤブの姿を良く見てみな?…」
「ッ!…え?…」
自分と対峙して居た時と比べてこっちの方が本気である事に気が付いて行くと、
その向かって行くバルトグロメイアの様子に戸惑いを隠せず!…が、そんな
シルビィの様子を察したのか!…次にはモツが不敵に笑いながら問題無い!と…
何なら余裕!と言った具合にシルビィへマサツグを見るよう助言をすると、その
モツの助言にシルビィが戸惑う!…と言うのも突如そんな事を言われたからと
言うのもあるのが、心配をする素振りを微塵も見せて居ない事にも動揺し!…
だがそれでもモツの言う事を聞いて視線をマサツグに!…するとそこにはスッと
棒立ちする様な…何か俯きまるで深呼吸をして居る様なマサツグの姿を見つけて
行くと、この時マサツグは呼吸を吐き…シルビィ同様観客達を困惑させる様な
そんな様子を見せて居た!…
__……はああぁぁぁぁぁぁ……スッ…
「…な、何だアレは!?……
剣に手を掛けているけど鞘から抜いていないぞ!?…」
「ッ!?…と言うより間に合わない!!…もう目の前だ!!!…」
それは自身の意識をどこか遠くへ持って行く様に、そして徐に目を閉じて姿勢を
低く落とし!…そのまま刀に手を掛け刀身を抜かずに構える様子を露わにして
行き…するとその構えを知らない者達は当然戸惑い!…マサツグの攻撃が間に
合わない!と言った声を上げて行くと、闘技場内は騒然とする!…それは勿論
抜刀術と言うモノを知らない様子で…中にはもう駄目だ!と言った者が現れ出す
と、マサツグの死を見たくない!とばかり自身の目を手で覆い!…何ならバルト
グロメイアもそんなマサツグを目の前にして!…一体何をやって居る?とばかりに
構わず突貫を敢行すると、次には腕を振り上げる!…
「ガァッハッハッハッハッハ!!!…
やっぱり所詮人間なんてモンはこの程度ってモンだあぁ!!!…
俺の本気の動きに付いて来れる奴が居る訳が無い!!!…
…そうさ!!…俺こそが!!…俺こそが!!!…」
「…四季刀剣術……」
「ッ!…あ゛ぁ゛ん!?…」
バルトグロメイア自身そんなマサツグを目の前にそれはもう勝ち誇った様子で!…
何なら一捻りにする!とばかりに笑って見せると、その手に力を入れては爪を
グッと剥き出して行き!…となるとバルトグロメイアからするとそれは恐怖で
棒立ちをして居るようにしか見えないらしく!…やはり自身が最強!と…人間
なんて大した事など無い!と豪語して見せるのだが、そんな言葉も最後まで
言い切る事は決してなく!…と言うのもここでマサツグがポソッと技名を口に…
するとそれを聞いたバルトグロメイアもフッと反応して見せ!…その際マサツグに
対してオラ付く様な様子も露わにすると、次には自身が愚かであった事を!…
その身を持って痛感する!…
__チャキッ!!…シュボォ!!!…ッ!?…
「雲散の型!!!!」
__シュボボボボボボボボボボボ!!!…
「ッ!?…ブハアアアアアァァァァァァ!!!!!…」
間合い的にバルトグロメイアがマサツグへ向かって突貫をして来て居る事で
既に十分取れており!…マサツグも瞬時に覚醒するよう刀を握ると、そこから
抜刀して立て続けに連撃を!…それはその場から動かずして縦横無尽に!…
まるで一閃だけで円を描く様に!…その刀身から燃え上がる様にして炎が立ち
昇る様子も露わにすると、何度もその向かって来たバルトグロメイアの体を
焼き刻む!…惨い有様を辺りに見せる!…そして斬られる方もまさかこんな事に
なるとは思っても見なかった様子で諸に受けると、次には最後の一太刀で
思いっきり後方へ斬り飛ばされ!…
__スウゥ…ズバシュン!!…
「ッ~~~!!!…グッ!!…ガハァ!!…テ、テメェ!!…」
それはまだ倒れはしないものの結構なダメージ!…そしてバルトグロメイアも
真面に喰らった事でフラ付き始め!…後ろへ一歩また一歩と下がって行って
見せてしまうと、今度は膝を着きそうになってしまう!…だがここでプライド
が許さないのかそれをギリギリの所で踏ん張って耐えると、次にはマサツグに
対して文句の言葉を漏らして行き!…すると更にそこから思いっきり睨みも
利かせて行くのだが、肝心のマサツグは当然全く怯まず!…
「…テメェから突っ込んで来たんだろうがぁ?…
コッチは文句を言われる筋合いはねぇぜ?…」
寧ろ呆れた様子で返事を返し!…最後に斬り上げた状態からスッと構えを戻して
行くと、次の攻撃に備えて見せる!…宛らその時のマサツグの様子は某・片翼の
天使と化しており、辺りには斬った際に散ったであろう火花が踊る様に舞い散り!…
となるとその圧倒的力量差に目の前に!…心配をして居たシルビィも目を見開き
驚きを露わにして見せると、やはりそのマサツグの様子に対して戸惑いの言葉を!…
「…な、何ですかあれ!?……あれは…
アレは本当に旦那!!…」
「…あれが君のご主人様!…もっと言うと本気になった時の姿だな?…
…まぁ確かに普段があんなチャランポランだからあれだけど!…
やるとなったらやる!!…それがここに来るまでの大陸で英雄って
呼ばれて来た男の姿だ!!…言うなればあの状態のヤブは負け無し!!…
必勝パターンって奴で!…」
「ッ!?…ひ、必勝!…パターン!……ッ!…」
今までのマサツグからは感じられないある種異色の様なモノが感じられ!…思わず
本人なのか!?と疑う言葉が出て来てしまうと、モツがそれを聞いて苦笑いを!…
だが次にはあれもれっきとしたマサツグと笑いながらに説明をし出し!…その際
あれが本当の姿!と…普段からまるで道化を演じて居る様にシルビィへ話しをして
行くと、シルビィもそれを聞いてハッ!と様子を…何か思い当たるモノがあった
具合に色々と思い出し始める!…それはドレッグの工房の中庭でやって見せたあの
剣術の稽古…あれはリーナの誘いに乗ったお遊びの剣術と思って居たのだが、
今ここでそれが違う!と言う事が証明され!…
__……ゾワアアアアアァァァァァァ!!!!…
「ッ!?…ッ!?!?…」
「…ッ!…何?…如何したんだ?…」
「ッ!?…え!?…あっ…い、いえ…な、何でも…御座いま…せん……」
それはまるで自分も騙されて居た様な感覚になり!…そしてその瞬間自分ももし
マサツグと敵対したら?とふと在らぬ事を考えてしまうと、次には全身が粟立つ
事に!…思わず自身の身を抱える様にして震え始める!…するとモツもそんな
様子に気が付いた具合で反応を…だが然程心配をしていない様子で声を掛ける
と、簡単に一体如何した?と尋ね…となるとシルビィもそれを聞かれてハッ!と
して見せ!…何か青褪める!…まだ恐怖して居る感じで何でも無い!と返事を
して見せると、一方ではバルトグロメイアが更に文句を!…
「はぁ!…はぁ!…グッ!!…テメェ!!…汚ェぞ!!…」
「……ハァ?…」
この時息を切らしながら苦痛に顔を歪ませ、そしてまだダメージが尾を引いている
様子で胸を押さえ!…そこからまるでマサツグの事を卑怯者!と…するとそう
言われたマサツグもスッ恍け!…一体何が?とばかりに言葉をポソッと漏らして
行くと、更に首を傾げて見せる!…その際本気で分かって居ない様子でまるで
コイツは馬鹿なのか?と言った視線を送って行くと、更にそのマサツグの態度に
バルトグロメイアは怒り!…
「その妙な剣に火薬なんかを仕込みやがって!!!…
それで俺を斬って爆発させる気だろう!!!…えぇ!?…」
「……卑怯と言われてもなぁ~…
お前こそシルビィと戦っていた時に…
妙な石を使っていたよなぁ~?…」
「ッ!?…ッ~~~!!!」
まだマサツグが扱っている武器の事を分かって居ない様子で!…しかし何かしら
仕掛けが有る様に感じたのかその事を指差して指摘すると、次にはマサツグが
更に呆れた反応を…と言うのもシルビィに欠片刀を使った事を当然知っており!…
マサツグが逆にその事について馬鹿にするようツッコミを入れると、バルトグロ
メイアもそれを言われてビクッ!と…何とも情けない反応を露わにする!…
因みにこの時マサツグが握っている刀はあのシロ達が風邪?をひいた時に手に
入れた物で、名称[秋雲刀 参式]と言い、その刀身は夕焼けの様な茜色をして
居り!…そしてその刃紋には椛の様な紅葉の影がチラチラと見え!…今まで
手に入れて来た刀同様!…何かしら能力がある様子でその刀身を更にマジマジ
見詰めると、そこには火の粉が舞って居り!…それはまるで木の葉が舞い踊る
様にはらりと散り!…恐らくバルトグロメイアはそれを指して卑怯!と…
言ったのだがマサツグに馬鹿にされた事で怒って見せると、マサツグは更に
言葉を続ける!…
「…お前こそのこの大会のルールを忘れてるんじゃねぇのか?…」
「ッ!!…」
「…このトーナメントは基本バーリトゥード!…何でも有りだった筈だ!!…
しかもテメェもそのチンケな石を使ってシルビィを動けなくした癖に…
いざテメェがピンチになったら卑怯!って!…
テメェは自分が一番のガキンチョかっての!!…
…さっきから最強最強っつってたけどよぉ!!…
その最強の名が聞いて呆れるって話だ!!…」
と言うのもこの大会についてある事を忘れて居る!とマサツグがツッコミを入れる
様に話して行くと、バルトグロメイアもピクッと反応!…となると次にはマサツグ
の言葉に疑問を持ち出し!…歯を剥き出しにしながら一体何の事?をばかりに
戸惑って見せると、更にマサツグは説明を続ける!…それはこの大会のルールに
ついてで元より何でも有りである事を話し!…と、そこからバルトグロメイアが
シルビィに対してやった事にも触れて行き!…更にバルトグロメイアに対して
お前に言われたくない!と…何なら態々同じ土俵に降りて来た様に説明!…煽りの
言葉を口にすると、更に神経を逆撫でする!…すると当然そんな事を言われて
バルトグロメイアも逆上するよう更に怒ると、やはり歯を剥き出しにして見せる
のだが!…
「ッ!?…ッ~~~!!!」
「…てかどうせまだ持ってんだろ?…その欠片刀…だっけか?…
いっそ使ってくれても良いんだぜぇ?…別に卑怯だ何だって言うつもりはねぇ…
てかこっちは最初っからそのつもりで居るんだ!!…
だから遠慮は要らないんだぜぇ~?…もう互いに卑怯者な訳なんだしなぁ!?…」
「グッ!!…コ、コノヤロウウゥゥゥゥゥ!!!!…」
それでも尚マサツグの言葉は依然止まらず!…何なら最初っから疑いの言葉を
掛けるよう欠片刀の有無について話し出すと、もう使って良い!と…さも
使わないと自分の相手にならない!とばかりに更に煽る!…それも不敵に笑い
ながら自分とバルトグロメイアは一緒!と厭味ったらしく口にすると、ここから
真骨頂とばかりに更にニンマリ笑って態度でも煽り!…その際構えを解いて
見せると刀で自身の肩を叩いて見せ!…まるでぬるい!と…上から目線で覗き
込む様なそんな素振りも露わにすると、これまたバルトグロメイアが怒る一方!…
オリハがその様子にキャッキャッと楽しむ様子を見せる!…
「おぉ~おぉ~煽る煽る!!…兄さんが煽ってますねぁ~!…
そのままもっと煽って欲しいものですねぇ~?…
私の衣装を台無しにしてくれたその罰として!!…
そして惨めったらしく負けてくれると更にグッド!!…」
マサツグの煽る姿に良いぞ!とばかりに嬉々として見せ!…更にはもっと苛烈に
煽るよう言葉を口にすると、そこから私怨を燃やし!…と言うのもシルビィの
服を駄目にされた事に対して怒っており!…その天誅をマサツグに!と…何なら
ちっとやそっとで許さない様子も露わに!…その際笑顔で楽しみながら背後に
鬼を宿して行くと、次にはアヤから声を!…戸惑った様子で掛けられる!…
「……オリハ?…」
「ッ!…え?…何ですか?…」
「ッ!…いえ…何でも無いわ…」
「……え?」
それは心配をする様に声を掛ける一方、肝心のオリハは声を掛けられた瞬間ケロッ
として見せ!…何なら背後に見えて居た鬼も何処へやら?…さも何事も無かった
かの様にオリハが恍ける表情を見せて行くと、アヤは当然戸惑った反応を…しかし
次には気にしない様に返事をする!…それはこれ以上触れるのは藪蛇の様に感じた
事と、同時に察してはいけない何かを感じたからで!…自ら質問を止めて行くと、
今度はオリハがそんなアヤの反応に戸惑い!…一方で話は元のマサツグとバルト
グロメイアの視点に戻り!…バルトグロメイアがまんまとマサツグの挑発に乗っか
って行くと、自身の腰蓑から幾つ隠していたのか!…欠片刀をワシッと取り出して
見せる!…
__ワッシ!!…ザラッ!!…どよぉ!?…
「…上等じゃネェかぁ!!!…
そんなに言うなら使ってやるよ!!!…
ここに有るモン全部使ってなぁ!!!!」
「ッ!?…な!!…アレだけの量を使うだと!?…無茶な!!…
幾ら何でもそんなに使えば急激な体の変化に付いて行けずに細胞が!!!…」
当然欠片刀を片手一杯に出して見せた事で観客達は驚き!…肝心のバルトグロ
メイアもここまで馬鹿にされては引き返せない!と言った事を口にすると、ある物
全てを使う!と堂々宣言をして見せる!…その際その片手にある物はザッと数えた
だけでも軽く十数は有り!…それだけの量を一気に使うと言った事で更に観客達も
戸惑い!…何ならラグナスが不味い!と言った具合に立ち上がり!…敵ながらに
それはやり過ぎ!と驚きの声を掛けて行くが、バルトグロメイアは御構い無し!…
次には特殊?な方法で摂取する!…
「ッ!……へ!!…それはそこら辺の雑魚が使った場合で!!!…
最強の俺の場合は違うんだよぉ!?…
…俺は天に選ばれた最強の体を持ってるんだ!!!…
これ位の石なんざ何てことはねェ!!!!…」
__ググググ!!!…バギン!!!…あぁ~ん!!…ザラァ!!!…
バルトグロメイアはラグナスの言葉に対して雑魚と言うと、自分は大丈夫!と
続けて語り…それは異様なまでの自信の持ち様を露わにし!…欠片刀を使う事に
対して一切の躊躇いの色を見せないで居ると、何やら意味深な事を!…そして
その手に持った欠片刀をギュッと握る!…となると欠片刀は以外にも脆いのか…
バルトグロメイアの手の中で潰し合う様にして粉々になると、もはや粉末状に
なり!…するとバルトグロメイアは口を開けてそれを一気に流し込み!…咽る事
無く慣れた様子でそのままゴクン!と飲み込んでしまうと、次にはお約束の体が
跳ね上がる光景を露わにし出し!…
__ボコッ!!…ボコボコ!!…ググググ!!…バキッ!!…
「ッ!?!?……うっ!!…」
「ッ!?…ア、アヤ!…」
「…だ、大丈夫……でも気分が良いものではないわね…」
それはまるで沸騰したスライムの様に体をボコボコと変化させ!…その光景に
観客達及びモツ達が酷く気分を害した表情を露わにすると、全員がまるでSAN値
チェックを受けた様なショックを受け!…一方で生々しい音を立てては何かが
折れるそんな音も!…見た目だけでもかなりヤバいモノとなっており!…例え
目を逸らしたとしても音からでも精神的に疲弊させる何かを感じさせると、また
一際ボコン!と…筋肉を膨張させて見せる!…それは何度も落ち着いてはドクン!
と脈打つ光景を見せて行くと、その余りの光景にもう見たくない!と言った者達も
当然現れ!…中でもくまさんは目を逸らして耳を塞ぎ!…アヤもその様子にもはや
直視出来ない様子で嫌悪感を覚えて行くと、その場で思わず嘔吐いてしまう!…
するとモツもそんなアヤに心配をした様子で声を掛けると、一方でそれを相手に
しようとするマサツグは!…
__……チャキッ!!…
一切慌てる様子を見せる事無く身構え始め!…その表情も先程までの様子がさも
茶番だったと言わんばかりに真剣なモノへと変わって行くと、刀を正眼に構えて
見せ!…それは最初この闘技エリアに出て来たブチギレ状態のマサツグの姿に
戻っており!…何なら未だその体からは黒い靄の様なモノが噴き出て!…寧ろ
今がその斬ると言う事に対して最高潮とばかりに!…マサツグがその動けるのか
どうかも分からない肉塊の様子を睨んで行くと、そんなマサツグの様子に観客達も
困惑!…アレとやり合うのか!?とばかりに動揺する!…
「ッ!?…あ、あの人間!!…まさかやり合う気か!?…」
「ッ!?…む、無茶だ!!…た、確かにゲートを破壊して来たが!!…
もうただの化け物を相手にするなんて!!…」
「逃げろ!!!…
そいつはもう人狼でも何でもない!!…
ただの化物なんだぁ!!!!」
もはや化け物に成り果てようとしているバルトグロメイアから逃げる様に声を!…
しかしマサツグは一切聞く耳を貸さず、ただその場で落ち着く様に構え続け!…
と、一方でバルトグロメイアの様子にも変化が見られ!…と言うのもただの肉塊は
形を成し!…徐々にちゃんと人の形に戻る様子を見せて行くと、そこには更に
巨体になった!…バルトグロメイアの姿が露わになる!…それは最初の姿から
更に1~2m位大きくなると、体長約4~5mと化し!…その腕はもはや丸太を超えて
御神木!…樹齢何百年クラスにまで太いモノへとなってしまうと、その異形ぶりを
発揮する!…そして筋肉が張り切れんばかりに膨張してマサツグが斬ったであろう
傷の跡も露わになると、そこから肉が裂けそうな気もするのだが!…決してそんな
事も無い様で!…変身を終えたバルトグロメイアがゆっくりと動きを見せ始めると、
次には覚醒とばかりに雄叫びを!…
__シュウウゥゥゥ~………グググッ!…スウウゥゥゥ~~~…
「…アヴヴヴ~~ヴヴヴヴヴ~~~~~!!!!…」
__ゴウウゥゥ!!!…キャアアアアアァァァァァァァ!!!!!……
「ッ!?…うああぁ!!!…
ッ~~~!!!……え!?…嘘だろ!?…」
「いっ!!!…な、何!!…これぇ!!…ッ~~~!!!…」
それは若干身を丸めるようにして前屈みになると、次には息を大きく吸い出し!…
と、その息を吸うのに連動して徐々に胸を張り出し!…そして限界まで息を吸った
のか!…そこから一気に吐き出す様にして突如遠吠えを上げて見せると、それは
爆音の衝撃波となり!…モツ達や観客達を襲って行く!…となると闘技場内は当然
パニックになってしまうと、モツ達も耳を閉じて必死に耐え抜こうとするのだが…
この遠吠えはもはや攻撃技なのか耳を塞ぐだけでガードの判定になってしまい!…
自身のTPが削られて行く事にモツがハッと気が付いた反応を見せて行くと、当然
驚きを露わにする!…そうしてアヤやオリハも耳を塞ぎ必死に耐え抜こうと
頑張っている中…この時刀を構えるマサツグだけはまるで効いていない様子で
淡々と!…
「……鑑定!!」
__ピピピ!…ヴウン!…
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「中毒のバルトグロメイア・フルバスター」
Lv.65 ユニークモンスター 二つ名「中毒」
HP 965000 ATK 950 DEF 750
MATK 0 MDEF 245
SKILL
狂戦士 Lv.??? 薬物耐性 Lv.??? 鋭利な爪 Lv.18 残虐性衝動
天性の肉体
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まずは安定の初手とばかりに鑑定!…そしてその目の前に居る化け物に対して
全然何とも思っていない!…まるで慣れた様子でジッと相手の姿を見詰めて行くと、
まずは相手の動向を探り!…と、一方でやっと満足する位に吠え終えたのか!…
ゆっくりと体を戻してマサツグを見下ろし!…そこでマサツグが小さい!…まるで
豆粒程度にしか見えない事にニヤッと笑みを浮かべて見せると、上機嫌に話しを口に
する!…
「……プフッ!!…ブァ~ッハッハッハッハッハッハッハ!!!…
アァ!!…サイコーノ気分ダゼエェ!!!!」
「ッ!…面倒な二つ名に化けやがった!!!…」
まるで生まれ変わったとばかりに大笑い!…何なら自らサイコーの気分と語り!…
と、一方でマサツグの鑑定はパーティに共有されて行き!…そのステータスを
見てオリハが戸惑い!…モツやアヤが心配そうにマサツグの事を見詰めて居ると、
マサツグは相も変わらずバルトグロメイアを凝視!…さも気にしていない様子で
構え続ける!…しかしその一方で更にバルトグロメイアがますます饒舌になって
行くと、今度は自身の体について語り始め!…
「ドウダ!?…コノ更ニ膨レ上ガッタ俺ノ体ハァ!!!…オォ!?…
俺ノ体ハチィットバカシ特殊デナァ?…
幾ラ欠片ヲ打チ込ンダ所デ激痛ハ走ラネェシ!!…自我モ飛ンデイカネェ!!…
欠片刀ヲ打チ込ンダ分ダケ更ニ強クナッテ!!…最強ニ近付イテ行クンダ!!!…
…オ前ガ言ッタ通リニ持ッテイル欠片刀ヲ全部使ッテヤッタ!!!!…
コレデモウオ前ノソノ妙ナ剣ニ俺ノ体ガ負ケル事ハ!!……」
__ズオオォ!!…ググググ!!!……ッ!!…ババッ!!…
既にステータスを見てマサツグはバルトグロメイアの体の秘密を知って居るのだが、
ご丁寧にバルトグロメイアは説明!…何でもその肉体を手に入れたのも欠片刀の
お陰!とばかりに話して行き!…次にはその右腕を振り上げ!…マサツグに狙いを
定めた様子でグッと肘を曲げて見せると、そのまま力を溜める素振りを露わに
する!…するとマサツグもそれを見てさすがに危ない!と感じたのか、次には
バックステップで一旦距離を取ろうとするのだが!…その前にバルトグロメイアが
拳を突き出し!…自身の話しのオチも同時に着けて行くと、次には特大級の
地響きが!…
「無い!!!!!」
__ドゴオオォォォンン!!!!…キャアアアアアァァァァァァァァァ!!!!…
「……ブフ!!…ククククク!!!…
ブァ~~ッハッハッハッハッハッハ!!!…
イェアァ~ッハッハッハッハッハッハ!!!!!…」
それは闘技場のみならず外の山の表面にまで到達して行き!…何処かでその衝撃
でか雪崩が起きた様な音も遠くから聞こえて来ると、観客達の悲鳴も響き!…
この時その様子を見て居た者達からするとマサツグの回避が間に合った様には
とても見えず!…バルトグロメイア自身も手応えが有ったのか次には大笑い!…
まるでこの一撃で仕留めた!とばかりに左手で自身の頭を押さえながらにただただ
勝ち誇った様子を見せて行くと、肝心の右腕は土埃に包まれ!…そのマサツグの
安否が分からない状態となってしまう!…その際そのマサツグの状態を思わず
想像してしまった者はミンチより酷い姿を想像したのか、思わず視線を逸らす様な
反応を!…何ならその一撃はマグダラスをも喜ばせる程で!…これでマサツグを
仕留めた!と…思わずガッツポーズを見せる様なそんな反応を露わにすると、
途端に闘技場内は沈黙!…ただバルトグロメイアの高笑いだけが木霊する!…
「ブァ~ッハッハッハッハッハッハ!!!…
ドウダ!!…ドウダァ!?!?…コレガ俺ノ力ダ!!!!…
コレガ神ニ選バレタ者ノ特権!!!…蹂躙スル力ダ!!!!…
アァ~ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャ!!!!」
「…チッ!!…何が自分の力よ!!!…
ただドーピングしただけで、自分の力でも何でも無いくせに!!…」
ただ下品な笑い声だけが木霊し、そして自身の力に酔う者の戯言も聞こえ!…
何ならそれを認める様に観客達も沈黙!…ただマサツグの死を悼む様に目を
閉じ!…誰もが遂に希望を失った様にその現場の様子を直視出来ない素振りを
見せて居ると、ここでアヤが珍しく舌打ちを!…更に文句の言葉を吐いて
捨てる!…それは自身で得たモノではなく欠片刀のお陰である事を口にする
と、オリハは当然まだ生きて居る!とばかりにその土埃が立って居る所を
見詰め!…
「…兄さんがそう簡単にやられる訳無いでしょ!?…
直ぐに分かりますよ!!……頼むよ兄さん!!…」
「…ッ!…あ、当たり前だろ!?…
魔王の大技を真正面から受け止めに行く様な奴なんだぞ!?…
早々簡単にくたばる訳が!?…」
「そ、そうじゃぞオリハ!!…
このわっちの力を奪った男なのじゃぞ!?…
わっち達に勝ててあのデカ物に負ける筈が!?…
…ッ!?…」
信じては居るもののやはり不安も覚えるモノで!…思わずオリハが祈る様にして
言葉をポロッと漏らしてしまうと、それを聞いたモツも思わず不安がうつった様に
言葉を口に!…だがそのまま飲まれるのではなく払拭する様に!…マサツグがまだ
生きて居る事を促す様に話しをすると、次にはフィロも言葉を揃える!…それは
自身がテイムされた時の事を口にすると、それでも珍しく弱気になって居るのか
両手をブンブンと振って見せ!…それはまだ幼女の時の癖が抜けて居ない様子で
有り、とにかく大丈夫!とばかりにフィロがムキになって居ると、更にある変化
が!…それは闘技場全体が一体になる様な事が起きるのであった!…
応援ありがとうございます!
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