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-第七章-ウィンタースノー連邦-霊峰ウルフハウリング・後編~デグレアント帝国・前編-

-第七章十九節 最後の一か所と異様な六階層と氷の壁-

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さてパルシィから衝撃の事実を聞かされたところで、マサツグ達も心が折れそうに

なるのだが!…それでも一度対処の仕方を覚えてしまえば後はこっちのモノ!と…

それは一階~五階まで破竹の勢いで進んで行き!…同時に兵士達の回収作業も

助ける結果に繋がって行くと、兵士達からも感謝をされる事に!…しかしいい事

ばかりでも無い様子で現実も見る!…と言うのもまだ作業が進んで居ない所を歩く

と言う事は、まだ未回収の遺体も見ると言う事で!…そしてそこで目にする遺体と

言うのもやはり苦悶の表情を浮かべ!…何とも言えない後味の悪さに…ただご冥福

を祈る事しか出来ない様子で先を急ぐと、場面としては五階最後の氷の花を撤去

するシーンに繋がり!…


__…ガラガラガラガラ…


「…で、これで五階は全部か?…」


「…そうだな…この辺りからは何も感じない…

感じるのはまた上の階からだな……とは言え…

遂に残り1個か…中々に良い魔力だから寝かせて置きたいのだが…

…そうしたらまた怒られそうだからな…」


音を立てて氷の花が崩壊して行き!…それに合わせてマサツグも一息吐く様に

一度パルシィへ確認をし出すと、パルシィは目を閉じて辺りの気配を探る!…

そして五階にはもう気配を感じない事も口にする!…更にはその長く感じた

撤去作業も残り一個である事を続けて話すと、パルシィはふと本音をポロリと

零し!…だがそんな事をしたらまたマサツグに怒られるであろう事も重々承知

しており!…仕方ない!と言って諦める!…そんな態度と反応を見せて居ると、

その現場の外よりこちらの様子を察してか…兵士達が氷の撤去作業に出始める!…


_ガサッ!!…ザッカ!!…ザッカ!!…


この時もう再生する事は無い!と分かって居るのか、やる気を見せるようその

撤去する際の音も何か慌しく聞こえ!…それは同士を助けようと躍起になって

居る様にも感じられ!…シャベルの音や鶴嘴の音!…まるで工事が始まった

かの様にザッカザッカ!と掻き込んだり掘ったりする音が聞こえて来ると、

マサツグ達もその音を聞いてか…何故かホッと安堵する様な感覚を覚える!…


「…ッ!…とりあえずこれでここもOKだな?……あと一か所!…」


と言うのも今までほぼ無音と言っても過言で無かった位に静かであって、逆に

それが不気味に感じられ!…が、それも兵士達が作業を始めた事でなくなって

行き!…マサツグはそれに合わせて自身に言い聞かせるよう!…あと一か所で

ある事をわざわざ口にしてやる気を見せるそんな反応を露わにすると、一方で

モツは事の真相がまだ掴めていない事に焦りを覚える!…先を急ぐ様に言葉を

続ける!…


「…はあぁ~…分かって居るならさっさと行くぞ?…

ここまでで何も見つかってないのは色々と不味いんだからな?…」


溜息を吐きながらマサツグ達を急かし!…そしてまだ何も見つけて居ない事を

口に!…と言うのも全く何も無かった訳では勿論なく!…パルシィに魔力の

痕跡を見て貰ったり、何かしらの痕跡をこれまた見つけたり!…が、それら

全ては総じて既に兵士達から聞いたモノの中の物であって!…新発見では無い!…

もっと何か核心に迫れるものは無いのか!?とモツがとにかく慌てて居ると、

ここでアヤも疑問を口に!…ここに来るまでの道中で見た物を語り始める!…


「それにここまで来るのに何回か見かけたあの[水の壁]…

パルシィが凍らせてマサツグのモツが壊してくれてたから中に入る事が出来たけど…

あれは一体何なの?…何であんな事を?…何か有るのかと思ったけど何も無いし…

ますます意図が分からない…」


この時アヤが言う[水の壁]と言うのも兵士達の報告から聞いたモノの中にもあって、

不思議な事にその水の壁だけは凍って居らず!…ただその部屋への侵入を拒む様に

佇んではまるでゼリーの様にプルプルと揺れ!…侵入する際はまずパルシィが瞬間

冷凍でその壁を凍らせ!…そしてそこからマサツグとモツの力技でその凍った壁を

ブチ壊す!と言った方法で無いと侵入は出来ない物であったのだが!…いざその

閉ざされた部屋に入った所で目ぼしい物は何も無く!…その部屋を閉じた理由に

アヤは疑問を!…何を考えての行動なのか全く分からない!と言った事を漏らして

居ると、マサツグが言葉を!…


「…とにかく最後なんだから気を引き締めろよ?…

最後の最後にデカいのが有るとかって言う…」


「…ヤブが言うとフラグにしか聞こえないから困るんだが?…」


「ッ!…おい?…」


それは今までの経験上から来るモノで、こういう作業の最後ほど面倒な物は無い!

と…何なら物理的にデカい物が居る様な気がした具合に言葉を続け!…その言葉に

一同がピクッ!と…同じく嫌な予感を感じ取った様子で思わず固まる素振りを露わ

にすると、モツだけが次にはふとマサツグの方をチラッと見る!…そして苦言と

言葉を漏らす!…何ならそれがトリガーなんじゃ?とツッコミを入れる様に指摘

すると、そのモツの言葉にマサツグもピクッ!と反応をして見せ!…それこそ

ツッコむ様に言葉を口に!…しかしこんな所で揉めて居る暇も当然無いのでアヤが

仲裁に入って行くと、先を急ぐ事になって行く!…


「ま、まぁ!…とにかく!…早く行きましょ?…

早めに終わらせればそれだけ周りの作業も早く終わるし…

何より私達の探している物が有るかもしれないし!…」


「え?…ちょ!…アヤ!?…」


「そんな押さなくても歩けるって!…」


「…私が言うのも何だが…やれやれと言った所か……」


別に喧嘩が始まる雰囲気でも無かったのだが!…アヤは二人の背中に向けて腕を

伸ばすと、次には二人を後ろからグイグイと押し!…と、そんなアヤの仲裁行動

に二人も戸惑い!…二人揃ってアヤに待った!の言葉を掛けて行くのだが、アヤは

御構い無しに押す事を止めない!…何なら二人も押されるままにその場を後にして

行ってしまう!…するとそんな様子にパルシィが呆れて見せては両手を上げて首を

左右に!…しkし何か楽しいのか思わず笑みを!…そして後から三人の跡を追い

駆けて行くと、一向は遂に六階層へ!…しかしその道中でふとある疑問を感じて

しまい!…マサツグがその事を口にすると、次にはモツとアヤも乗っかり始める!…


「…ふぅ~…それにしてもやっと最後だな?…

全部で六階建て…数は30だから大体5づつだと思ってたんだがな?…」


「…それは俺も思った……一階は五個だったからな?

でも二階は7個…三階は3個…四階は8個…五階は6個…

そして最後が1個って…バランスがおかしいもんな?…」


その際マサツグが疑問に思った事と言うのは、その氷の花の配置の仕方らしく!…

と言うのもその配置の仕方が均等でない!と…自身の予想と違った事について首を

傾げつつ腕を組みながらに話して居ると、モツも配置を覚えて居た様子で!…

各階層ごとのその配置数について話をし出す!…するとモツ自身もその配置の

仕方について何か引っ掛かりが有る様子で言葉を零すと、思わず何か罠が有った

のではないのか?と疑問を持ち!…


「確かに気になる所だけど…

もしかするとあの氷の結晶…置いて置くには条件が有るとか?…

まぁ、何にせよラストなんだから気を引き締めないと!!…」


と、その話を聞いてアヤも疑問を!…だが考え過ぎて空回りもしている様な気も

感じつつ!…ただ単純に設置する上で条件があったのでは?と考えると、とにかく

気を引き締めるよう言葉を!…そして最後の六階層へと到達する!…すると

そこには今までの比ではない程に凍った階層の様子が広がっており、更にはまだ

誰もここまで辿り着いて居ない様子も伺え!…となると辺りにはやはり苦悶の

表情を浮かべたまま時が止まっている!…凍った遺体が点在しており!…その

様子を目にして各々もまだ慣れないのかその場で固まってしまうそんな反応を

露わにすると、言葉もポツリポツリと口に!…


「…まぁ…分かって居た事だが…」


「やっぱり…あんまり見慣れたくないモンだな…」


「…如何してこんな!?…ここまでする必要が本当にあったと言うの!?…」


「………。」


目の前に映る凍った遺体にマサツグとモツの表情も曇り…アヤも改めて問い掛ける

様に言葉を呟いてはショックを受け!…勿論ここにも有るだろうと言う事は分かって

居たのだが、やはり割り切れるモノでは無く…マサツグ達が戸惑いを隠せない様子で

その光景を見詰めて立って居ると、後から追って来たパルシィもその光景に言葉を

失い!…と言っても悲しむと言った様子もなく!…ただ淡々と探し物をする様に

マサツグ達の隣を抜けてその痕跡に目を向けて行くと、次には見つけた様子でここで

言葉を!…


__コッ…コッ…コッ…コッ………ッ!…


「ん?…これは?…」


「ッ!…如何したんだ?…何かイレギュラーでも…」


それは疑問を感じた様子でピクッ!と戸惑い、そしておや?とばかりに興味を

持ち!…と、そんなパルシィの様子にモツも気が付いた具合で声を掛け!…

その際まずは罠を警戒する様に!…何があったのかについて続けてパルシィに

声を掛けると、パルシィはもう気配を探らなくても分かる!とばかりに余裕の

様子!…そしてモツの問い掛けに対して首を左右に振て見せ…まずは罠等では

無い事を口にすると、更に続けて説明をする!…


「…いや…何かが仕掛けてある…潜んでいるとかは無いのだが…

…何やらここの氷の結晶の魔力がやたらと大きい様な?……まぁいい…

既に場所は分かった!…こっちだ!…」


「え?…あ、あぁ…」


この時パルシィ曰く罠等では無い事を口にするが、疑問は感じている様子で

言葉を漏らし!…何でも今までの反応の中で一番大きい物が感じられる!と…

まるで本当にマサツグの予感が的中している様な事を説明するが、あんまり

気にする事無くスルー!…とにかくその気配を感じる場所へと案内し出す!…

となるとそんな歯切れの悪いパルシィの説明にこれまた一同は戸惑うのだが、

それでも付いて行かない事には始まらない!と…一行は結局戸惑いつつもその

パルシィの後に!…その際ここでまた軽い違和感を!…その歩き出した床より

音として覚え始める!…


__…スゥ…カツーン!…カツーン!…カツーン!…カツーン!…


{ッ!…固い?…まるで大理石の床の上を歩いている様な?…

…いや、今はそんな事を気にするよりパルシィの方が先!…

…さっきから様子が可笑しいし!…何よりこの階層やたらと寒い!…

…最後の氷の結晶を壊せばマシになるんだろうが?…ッ!…

…モツとアヤもやっぱり同じ事を考えて居るみたいだな?…}


と言うのも今まで他の階層ではまるで新雪の上を歩いている様な柔らかい感触を

感じて居た筈なのだが、ここに来てさも大理石の上を歩いている様な固さを覚え!…

それが如何言う事か?と言うと単純に寒さに直結して行き!…それだけ何かが

待ち構えて居そうな!…何か嫌な予感を感じて思わず足を止めそうになるのだが!…

パルシィを見失う事を先に危険視!…考えるのは後にしようと歩み続ける!…

その際これも原因はその最後の氷の花に有るのだろう!と考えると、同じく同じ事を

考えて居るのかモツとアヤも何か怪訝そうな表情を!…と、チラッとそんな後方の

様子を確認しつつ!…ただひたすらにパルシィの跡を追って居ると、その先頭の

パルシィも疑問を口に!…何か悩むそんな反応も露わにする!…


「…今まで同じ位の魔力しか感じられなかったのに……

何故この階層だけこんなにも大きく濃厚に感じるのだ?…

…明らかに何かがある事を言っている様に感じるのだが…

…いやしかし!…確認するしか他ない!…」


先を急ぎつつ辺りを見回しては何かが可笑しい!と…他の所では見られなかった

モノが見える様子で言葉を漏らし!…その際本人が言うには魔力が濃い!と…

まるでこの階層にその魔力が滞留している様な?…或いはガスが充満している

様なそんな言い方で辺りに対して警戒を強めるそんな反応を見せて居ると、一方で

モツが気が付いた様子で言葉を!…まんまパルシィの様子について質問をする!…


「…ッ!…パルシィ?…何をそんなに困惑して…」


__ッ!……ッ…


勿論チラチラと辺りを見回しながら怪訝な表情を浮かべるパルシィの様子に

疑問を口に!…それこそ何か罠でも見つけたのか?とばかりにモツも警戒を

強めて見せ!…と、そんなモツの言葉にマサツグとアヤもピクッと反応!…

思わず身構える様なそんな素振りを!…そして辺りに対して警戒を強め!…

パルシィからの返事を三人がジッと待って居ると、パルシィもパルシィで

次にはマサツグ達に注意を呼び掛ける!…


「…ッ…お主達!!…もしかすると、もしかするやもしれない!!…

全員!…辺りを警戒しておいてくれ!!…何が起きても対処出来るようにな!…」


「ッ!?…えぇ!?…あ、あぁ…分かった!……」


それこそまるで肯定をする様に返事をする!…この時珍しくパルシィも若干警戒を

強める様に表情を改め!…となるとそんな返事が帰って来た事でマサツグ達も更に

ハッとして行き!…緊張をした様子で更にパルシィへ了解!とばかりに返事をする

と、言われた通りに辺りを警戒しながら進んで行く!…すると辺りの様子が突如

世界が変わった様に変化し出す!…そこにはもう霜と言った白いほわほわの産毛の

様な物は無く、ただ氷だけしかない世界が広がっており!…何ならそれは洞窟の中

を進んでいる様な複雑さを覚え!…何処を見ても青、青、青!…更には自身の顔が

映っているのを目にして行く!…さてそんな周りの様子の変わり様に驚きつつも

進んで居ると、別に敵と言う訳ではないのだがここで障害物が顔を現し!…


__カツーン!…カツーン!…カツーン!…カツーン!……ッ!…


「…え?…い、行き止まり?…」


「…いや、この先にも絶対に通路がある筈だ!…

今までの構造上ここに来て壁があるなんて事は無い筈!…

…多分これは分厚い氷の壁がここに張ってて!…

それのせいで通れなくなっている!…」


そこには見るからに分厚い!とばかりに固そうな氷の壁が!…と、それを目の

前にして各々脚を止めてしまい!…マサツグが思わず行き止まりである事を

誤解し出すと、次にはモツがそれを否定!…確証がある様子で先がある事を

口にする!…そしてこれがただの氷の壁で行き路を塞いでいる事を続けて話す

と、徐に近付いてはそれを手で触れ!…と、勿論触れた所でどうにもならず!…

モツがその氷の厚さを計る様にジッと見詰めて立って居ると、一方でパルシィが

苛立ちを!…


「…チッ!!…この氷は邪魔だな!…ここを通れれば直ぐなのだが!…」


「…けどコレを破壊するにも中々に労力を使いそうだぞ?…

…オマケに氷の花はこの奥って事だから…勿論再生するだろうし…」


目当ての物はすぐそこに在る!と…まるで餌を前に意地悪をされているかの様な

苛立ちを覚えて舌打ちをすると、その氷の壁を睨みつけ!…と、そんなパルシィ

の苛立ち様にモツも理解を示す様に返事を口に!…しかしこの氷の厚さから一筋

縄では行かない!と…何なら氷の花もまだ破壊して居ない事から…この氷の壁も

例に漏れず再生するであろう事を口にすると、突破はかなり難しい!とばかりに

黙ってしまう!…しかし一方で徐に刀を抜く馬鹿も現れ始める!…


__チャキッ!!…スラァ!!…


「…じゃあ試しに俺がぶっ壊してみるか!…」


「ッ!…え!?…ッ!?…」


その馬鹿と言うのもマサツグの事で!…マサツグは何も考えて居ない様子で刀を

抜き出し!…その氷の壁を見据えて試してみたい!とばかりにぶった切る事を

口にすると、当然そのマサツグの言葉にモツや他の面々は戸惑い!…途端にその

マサツグの方へと視線を向ける!…するとそこには既に刀を上段に構えて斬り

掛かる体勢に入ろうとしている様子が有り!…モツもそれを見て咄嗟に後ろへ

下がって見せると、次にはマサツグが動きを!…


「業炎!!…爆破斬!!!…」


「ッ!?…ちょ!?…ま!!!…」


慌てるモツの事など御構い無し!…宛ら示現流のよう縦に真っ直ぐ刀を振り下ろす

様子を露わにすると、そのマサツグの技に反応してか刀も突如赤熱化し!…すると

刃に炎と熱が宿った状態でその氷の壁へ向かって行く事に!…と言ってもアダマン

タイトを刀で加工する位だから氷を斬る位如何って事は無いのだろうが!…

それでもいとも簡単にその目の前の氷を真っ二つに!…そして次にはその斬った

氷の断面に火花が散る異様な光景も見せて行くと、次には某・炎王龍を彷彿と爆発

を一つ!…木っ端みじんに粉砕する!…


__ゴウッ!!…ズッ…ドガアアアアァァァァァン!!!!…


「ッ!?………ッ…」


「ッ~~~~~!!!……ッ…ッ!?…

モ、モツゥ!?…だ、大丈!!…ッ!?…」


当然目の前でそんな事をされたものだからパルシィは固まり!…その爆発の光景を

見詰めたままで驚きの余りリアクションが出来ずに目を点にして居ると、一方で

アヤも爆風に煽られては耐える様子を!…そして落ち着いた所でモツへの心配を

露わにする!…勿論モツに無事かどうかの言葉を口にすると、次に目にした光景と

言うのはマサツグが木っ端みじんにした氷の壁の様子で有り!…それは見事に開通

されては向こう側の通路がハッキリと見え!…マサツグも満足そうに刀を納刀する

様子を露わに!…次には言葉を口にし出す!…


「……ふぅ!…これで通れる様になっただろ?…」


「…なっただろ?…じゃねぇ!!…いきなり何をしやがる!!…

お陰でこっちは軽い死を覚悟した所だわ!!!…

…オマケにこんな派手に爆破したら!!!…

他の所でも影響が出て二次被害が起きて居たかも知れないんだぞ!?…

…もうちょっと考えて行動を!!!…」


無事?開通出来た事で通れる!と、満足げな様子で腕を組みながらその光景を

見詰め!…と、次にはモツも生きて居た様子で言葉を口に!…と言ってもその

言葉も勿論文句の言葉であって!…自分も軽く巻き込まれていた事をマサツグ

に言い!…死を覚悟していた事も続けて話すと、若干煤けた自身の顔も露わに

する!…とにかく文句が絶えない様子で更に続ける!…するとそんなモツの

文句に対してマサツグも驚いた様子で反応をすると、こっちもこっちで次には

何か不服そうな様子で言葉を口に!…


「ッ!?…え、えぇ~!?…

だからちゃんと威力落として斬ったじゃんかぁ!!…

…まぁそれでも当初の予定よりまだ威力が有った訳だけど…」


「馬鹿野郎!!!…有ったら困んだよ!!…有ったらぁ!!!…」


まるで考え無しの馬鹿!と言われた様な気がして文句を口に!…その際マサツグ

自身も加減をした!と…しかし加減し切れなかった様でそっぽを向きながら…

気不味そうにポソッとその事を零してしまうと、更にモツからツッコミを受ける!…

勿論馬鹿野郎と言われてしまう!…そしてマサツグに詰め寄るよう懇々と文句の

様子を露わにすると、マサツグも次にはふとある事に気が付いた様子で言葉を

口に!…


「ッ~~……ッ!…ま、まぁまぁ!…

そんな事より早く先を急いだ方が良さそうだ!…

…跡形も無く消し飛ばした筈なのに…

すんげぇ勢いで再生していってる!…ほら!…」


「あぁん?……ッ!…」


__パキパキパキパキ!!!…


それはモツの説教から逃げる様に視線を逸らして見せた時!…ふとその氷の壁が

有った方へ視線を向けると、そこでぶっ飛ばした筈の氷の壁が生えて来る様に

再生している様子を目に!…となるとマサツグも次には慌てて見せる!…そして

モツに待った!の言葉を掛けて先を急かすと、その際視線でもその氷の壁が

有った方を見る様にモツを誘導して行き!…と、モツも釣られてかその氷の壁が

有った方を確認して見せ!…そこでマサツグが急かす理由に納得!…驚いたそんな

反応を露わにすると、言葉の続けて漏らしてしまう!…


「ッ!!…吹っ飛ばしたのにもう二割近く元に戻ってる!?…

再生するにしても速過ぎだろ!?…」


「…爆発はとにかく!…通れるのなら今の内に通ってしまうぞ!?…」


この時マサツグが爆破してからまだ然程時間は経っていない!…なのにもう足を

上げないと通れない程に再生しており!…と、これには異常!と言った様子で

モツが言葉を漏らして見せ!…マサツグも説教は後!と言った具合にとにかく

早く通り抜ける事を口にすると、一方では既にパルシィが通り抜けて居た様子で

通路の向こう側に!…何ならマサツグ達を急かすよう手を振りながら言葉を掛けて

見せる!…


「…何をしている!!…早くしないと閉じてしまうぞ!!!」


「ッ!?…いつの間に!…とにかく急ぐぞ!!…」


それこそ他人事の様に急かす言葉を口にすると、マサツグもいつの間に!?と

驚きの様子を露わにしつつツッコミを零し!…が、だからと言ってそのまま

ぼおっとしている訳にも勿論行かず!…先に行っているようモツへ言葉を掛けて

行くと、モツもそんな言葉を受けて思わず戸惑う様なそんな反応を!…何なら

このドタバタの状態に頭を抱える!…そして普通に事が進まない事に対して

文句の言葉を漏らすのだが!…


「ッ!?…あぁ~もう!!…

何でヤブと一緒に行動するとこうもが通じないんだ!?…

…って今はそんな事を言ってる場合じゃないか!?…ッ!…アヤは!?…」


言うなればこれはいつもの事で!…モツも次には無理やり割り切り!…マサツグと

同じく文句を零している場合でない事を悟って行くと、次には向こう側へ渡ろう!

と…しかしその寸で所でピタッと止まる!…と言うのもこの時モツはアヤの事が

気になってしまうと、先に行ったのか?を心配し!…と、そうなると更にアヤの

事が気になってしまい!…遂にはクルッと振り向き!…アヤに声を掛けるよう辺りを

見回して姿を探すと、そこで何故か硬直しているアヤの姿を見つける!…となると

モツもそんなアヤの元へと向かって行く!…


「ッ!!…アヤ!!!」


「ッ!!…あっ…え?…あっモ、モツ!!…無事で!!」


__パシッ!…


「とにかく走るぞ!!!」


この時アヤはその氷の壁の様子の一部始終に目を奪われて居た具合で呆けて居り、

モツに声を掛けられた事で漸くハッと我に返り!…と、次にはモツが無事であった

事に胸を撫で下ろし!…が、そんな事を言っている場合では勿論なく!…モツは

アヤの手をガッと掴み!…そこから引っ張る様にしてアヤに走るよう指示を出すと、

アヤはその突然の事に戸惑ってしまう!…ただ引っ張られるままに後を追う!…


「へ!?…え、えぇ!?…」


__カッカッカッカッカッカッカッ!!…パキパキパキパキ!!!…


何が何だか分かっていないアヤは引っ張られるがまま!…モツも懸命にアヤの手を

曳きながら走り!…が、一方で氷の壁の再生速度は衰えを知らず!…みるみる修復

がされて行き!…遂には六割ほど埋まる様にして氷が復活すると、もう普通に通る

事は出来ない!…飛び越えるにしても簡単ではない状態になってしまう!…

となると先に向こう側へ渡ったマサツグ達としてももう一度発破出来る様に刀を

抜く素振りを見せるのだが、モツは何を思ったのかさもマサツグの様に一か八か!

と…


{このままだと間に合わない!…となれば!!…}


「アヤ、ゴメン!!!…」


「え?…」


その際モツは氷の壁の様子からこのままでは間に合わない!と目算を立てる!…

しかしそれでも諦めない様子で突如アヤへ謝り始め!…アヤも突如謝られた事で

途端に困惑の様子を露わにすると、戸惑いの言葉も漏らして見せる!…それこそ

一体如何言う事?とばかりに未だ状況が飲み込めて居ないそんな反応を見せるの

だが、モツはアヤの事など御構い無し!…次にはそのアヤの手を強引に引っ張り

上げるパワープレイに打って出て!…となるとアヤの身体もそれに釣られてグッ

とモツの方へ引き寄せられる!…するとモツも何故かそのアヤの体を抱えて

見せる!…まるで抱き合う様にしてアヤの事を抱えながら走り続けると、アヤも

その状況にこれまた戸惑う!…


__グインッ!!!…ガッシッ!!…


「きゃあ!?…ッ~~!!!……ッ!…ッ!?!?…」


{…え?…えぇ!?…ええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?…}


それこそ最初は突如腕を引っ張られた事に驚くのだが!…次にはモツにガッチリと

抱えられている事に気が付くと、これまた顔を赤くして驚き!…と、この状態に

勿論アヤはパニック!…もはや頭が沸騰しそうな位に慌ててしまい!…身動き一つ

取れない位にガッチリ自分でも硬直すると、ただただ心の中で絶叫!…あり得ない!

と言った具合に慌て続ける!…しかしその一方でモツはと言うと至って真剣な様子で

未だ氷の壁を見詰め!…


「…これなら間に合う筈!!!…」


__カッカッカッカッ!!…グッ!!!…バッ!!!…


それは無理やりにでも飛び込むつもりで居るのか!…アヤをギュッと抱えながら

そのわずかに空いている間を見詰めて踏み込んで行くと、さもベリーロールを

決める様に!…体を捻りながら潜り抜けようとして見せる!…その際固まって

しまって居るアヤを何処かにぶつけないよう自身が盾になりつつ身も若干丸めて

行くと、モツの目算は上手く行った様子で!…その閉じようとしている氷の壁の

間を潜り抜け、無事向こう側へと落下する!…何なら刀を抜こうとしていた

マサツグの元へと落ちて行き!…マサツグもそんな二人の様子を目にして戸惑い

を露わにすると、その場から逃走!…しかし逃げる事敵わず二人から下敷きに

されるのであった!…

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