上 下
675 / 692
-第七章-ウィンタースノー連邦-霊峰ウルフハウリング・後編~デグレアント帝国・前編-

-第七章八十六節 姦姦蛇螺の最後とお説教タイムとメイドは突然に?…-

しおりを挟む



さてもう少しで姦姦蛇螺を倒せるかも!と言った所で最後?の抵抗に遭い各々が

手を拱いて居ると、一方でハンドレットが遂に本気でブチ切れ!…その際その体は

真っ赤に染まり!…まるで茹で上がったタコの様に湯気の様なモノを更にブワッと

放って行くと、次には弾いたフェルに向かってもう一つグンッ!と踏み込む!…

本気で仕留めるつもりで向かって行く!…この時まるで重戦車を彷彿とさせる様に

また脚に力を入れると、その一歩で一気に迫って見せ!…


__…スゥ…バキイィ!!!…ググググッ!!!…ドシュンッ!!!…


車輪の刻印撃ホイール・ザ・スタンプ!!!」


ハンドレットは飛び掛かる様に!…その一歩でまた姦姦蛇螺の殻を踏み割り!…

しかしそれでも御構い無しに鈍器を射に構えてグッと踏み込む姿勢を露わに

すると、次には一気にフェルへ向かい肉薄!…大きく踏み出し襲い掛かる!…

その際恐らく技名だと思われる言葉を口にすると、フェルへその手に持つ鈍器を

思いっきり振り下ろし!…と、一方でハンドレットが飛んで来た事でフェルも

驚き戸惑って見せると!…


__ッ!?…バッ!!…バキャアアアァァァ!!!!…


「ッ!?…ッ~~~!!!…逃がさん!!!」


当然慌ててバックステップで攻撃を回避!…そのハンドレットの一撃は空振りに

終わり!…その際また姦姦蛇螺の体を抉る様にして鈍器が減り込む様子を見せる

のだが、それでハンドレットの攻撃は止まらない!…勢いそのままに二撃目が

更に放たれて行く!…それはまさに口にした技名通りに鈍器がまるで回る車輪の

様に振り回されると、またもやフェルへと襲い掛かり!…何ならこの時是が非でも

当てる!と言った様子で!…ハンドレット自身が躍起になるよう言葉を零すと、

更にフェルも慌てて回避!…またバックステップで回避を試みる!…


__ッ!?!?…バッ!!…バキャアアアァァァ!!!!…


「ウオオオオオオオオォォォォォォォォォ!!!!」


止まらない攻撃に慌てながらもフェルは何とか二撃目も回避、この時眼前に

ハンドレットが振り回す鈍器が振り下ろされ!…が、それでもハンドレットの

攻撃はまだまだ止まらず!…今度は声を張り上げて姦姦蛇螺の腰を抉る様に!…

また殻を破りグオンッ!と音を立てて直ぐに振り下ろせる状態に持って行くと、

三度攻撃を仕掛ける!…もう一つフェルを慌てさせる!…

その際今はインターバルに入っているのか、偶然にも姦姦蛇螺の酸のブレスは

止んでおり!…


{…グッ!!…ナ、何ナンダコノ攻撃!?…全然止マラナイ!!!…

ソレニコノ気迫!!…毎度ノ事ナガラ一体如何ナッテ!?…

…トニカクコノママデハ不味イ!!…何トカシテ攻撃先ヲ変エナイト!!!…}


故にフェルも気兼ねなくまた三度バックステップで回避をして行き!…

それでも一向に止まる気配の無いこの攻撃に慌てに慌て!…更には殺気立つ

ハンドレットの様子に!…今自身が圧されている事を嫌でも自覚させられると、

何とか体勢を立て直したくてオロオロ!…何か方法はないか!?と策を考え

始める!…しかし幾ら考えようとした所で直ぐにそんな答えが出て来る筈も

無い訳で…一方でハンドレットも攻撃を三度躱された事で!…また姦姦蛇螺の

背中を抉って行く事になってしまうと、徐々に面々が如何するか?と悩んでいる

部分にへと差し掛かって行き!…


__バキャアアアァァァ!!!!…ッ!?…


「な、何だ何だ!?…って、クラマスゥ~!?…」


「それにサブマスまでも!?…って、こっちに来るぞ!?…」


その三撃目が振り下ろされた際その音は面々の耳にも入って行き!…となると

そんな音が聞こえて来た事でビクッ!と…一体何!?と言った様子で各々が

その音の聞こえて来た方を振り向いて行くと、そこで徐々に面々達の居る方へ

向かい迫って来る二人の姿を見つける!…するとまた面々も何故!?と言って

慌て始める!…その際出来る事と言えば巻き込まれないようとにかく逃げる位で、

一旦まだ亀裂が残っている背中から慌てて離れ!…


__おおぉぉ!?…バッ!!…ババッ!!…


{…クッ!!…如何スル如何スル如何スル!?!?…}


何でこんな時に限ってまだ喧嘩をしているのか!?と当然苛立ちを覚えつつ!…

それもで巻き込まれないよう離れて行き!…そして何かの拍子に自分達の方へ

飛び火をして来ても大丈夫な様に身構えても見せると、次にはバックステップを

しているフェルがその姦姦蛇螺の背中の亀裂に差し掛かる!…何なら気が付いて

居ない様子で慌て続ける!…それはとにかく迫って来る鈍器に対して視線が

集中して居ると、一方でハンドレットも四撃目を放つ構えを見せ!…


「ウオオオオオオオオォォォォォォォォォ!!!!」


__グオンッ!!!…バキャアアアアアアアアァァァァ!!!!…


それはこちらも何も分かっていない様子で思いっきりパウンド!…その際勢いを

落とす事無く吠えて進み!…真っ直ぐ亀裂のある背中に向かい思いっきり鈍器を

振り下ろして行くと、勿論耐えれる筈も無くその一撃で見事に大穴を開き!…

何なら気持ちがいい程の殻が砕ける音が辺りに響く!…そして予想外の減り込み?

に足を取られる事になると、ハンドレットもバランスを崩し!…結果その猛攻も

遂に止まり!…フェルはその様子を見てハッ!と…面々もハッとした様子で次には

慌てて行動に出ると、一方で姦姦蛇螺のインターバルも終わり!…またブレスを

吐かれそうになって行く!…


__カパァ!!…ズアアアァァァ!!!…ッ!!!…


「させるかああぁぁぁ!!!!」


姦姦蛇螺がまた大きく口を開けると息を吸うよう!…となると一方で姦姦蛇螺の

そんな様子に面々の内の盾持ちも慌てて動き始め!…それこそ射線上に立って居る

フェルの事を押し飛ばさん勢いでスッと動き!…身構えていた事からスムーズに

ハンドレットや開いた背中を守るようその前にドシッと立つと、腰を落として盾を

構える!…絶対に動かない!と言う鉄の意志を露わにする!…すると姦姦蛇螺も

そんな盾持ちの事など御構い無しにカッ!と更に口を開けると、次にはやはり

酸のブレスを吐き出し!…


__ガジュウウウゥゥゥゥゥ!!!!…ッ!?…ッ~~~~!!!…


「ッ!?…お、おい!!…」


この時放たれたモノは今までのブレスの中で更に太く、勢いも更に増したモノで

ある意味最後の抵抗の様に感じられ!…しかしそれでも盾持ち達はそのブレスに

対して不退転を決め込み!…全身で踏ん張るよう盾を構え続け!…一滴たりとも

絶対に酸を通さない!と言った歯を食い縛る表情を浮かべて見せると、勿論そんな

盾持ち達に心配の声が!…だが盾持ち達はそんな心配をしてくれている者達に

対して怒鳴って見せる!…


__ッ~~~!!!…やれええぇぇぇぇぇ!!!!…ッ!?…ッ…ッ!!…


まるで俺達の努力を無駄にするな!と…これで最後にするつもりで絶対に

死んでも退かない表れをその叫ぶ言葉に込めて行くと、その盾持ち達の

声は他の面々の心にも当然届き!…その覚悟を一緒に受け継がせる!…

と言っても勿論まだ死んだと決まった訳ではないのだが、それでもグッ!と

同じく歯を食い縛り!…そしてそのハンドレットが開けた背中の大穴に

目を向け始め!…またそこで正八面体の謎の石が光っているのを見つけて

行くと、今度は見惚れる事無く手を伸ばし!…姦姦蛇螺から奪取する!…


「ッ!!…有った!!…ッ!!…」


__キンッ!!…スッ…ポイッ!…


「ッ!!…ハアアァァ!!!」


その際そのコアを手に取った瞬間、その醜悪な外殻とは裏腹に澄み切った

綺麗な音が耳に響き!…が、そんな事を気にしている場合では勿論無く!…

次にはそれを手にポイッ!と…別の者の手に渡るようそのコアを適当に

後ろへ投げると、偶々そのコアを投げた先にフェルが!…となるとフェルも

思わず反射的にそのコアに向かって剣を振る!…それこそ攻撃が飛んできた

具合の勢いで機敏に反応をして見せると、そのフェルの剣は見事にコアを

叩き砕いてしまい!…


__カアアアァァン!!!…アアァァン!!…アアァン!…アァン…


と、その斬った際にまた辺りにその砕いた音が響き渡り!…それはまるで戦いの

終わりを告げる鐘の様に!…今居る部屋一杯に何度も響き渡るよう音が反射を

繰り返すのが何故か肌にも感じられると、姦姦蛇螺の動きがピタッと止まる!…

それこそ先程まで吐いていたブレスも落ち着き始める!…それはホースの先から

出ている水が蛇口を絞めた事で落ち着く様に!…最後はチョロチョロと口から

滴る程度で!…するとブレスが落ち着いた事で盾持ち達も解放され出し!…

その際彼らの持っていた盾は妙な感じに!…クレーターが出来てやはり溶かされ

掛けていた事が伺えると、恐怖より安堵!…疲れた様子で投げて見せる!…


__…ッ…ガランッ!…ガランガラン!……ドサァ!!…


「ッ!?…メディック!!…メディーック!!!」


投げた盾はまるで鉄板同士がぶつかった様な音を鳴らすと、一方でその盾と

なっていた者達は何とか助かった事で次にはその場にへたり込み!…と、そんな

盾持ち達がへたり込んだ事で他の者達もハッ!と…となると今度はその場に居る

であろう救急班達に!…今すぐ盾持ち達を手当てするようメディック!と慌てて

叫び声を上げて見せると、盾持ち達は脱力した具合に返事!…無事である事を

アピールする!…


__…スッ…ハタハタハタハタ…ッ!!…


「…大丈夫だぁ~!…ただちょっと…さすがに疲れただけぇ~…

…いつ以来だぁ?…こんなにタンカーの仕事がきついって感じた事は…

始めたて位の話かぁ~?…」


それはやる気のない感じでへたり込みながら手を上げると、簡単に手を振って

大丈夫!とアピールをし…と、そんな様子に気が付いて面々の視線も其方に

向き出し!…一方で今回は本当に疲れた!と…久しぶりに何か初心を思い出した

様なそんな事を口にすると、今度はその場に寝転がってしまいそうな!…

とにかく気怠さを全身に感じる!…さてそうして盾持ち達が本当に無事で

ある事を確認すると、一方でハンドレットも落ち着き始め!…


「…み、皆さん一体何を?…これは一体?…」


__ッ!…ッ…ッ~~~~~!!!!…クゥ~ラァ~マァ~スゥ~!!!!…


それは自身がした事を分かっていない様子で、一旦武器を仕舞い落ち着いている

面々に声を掛け!…それこそこの様子は何?と…まるで説明を求める様なそんな

問い掛けをして見せると、当然そんなハンドレットの言葉に!…一旦忘れていた

怒りが沸々と再燃する!…そして誰もが恨みの籠った様子でハンドレットの事を

クラマス!と呼ぶと、怒りの表情を露わに!…となるとそんな表情を向けられた事で

ハンドレットも更に戸惑い!…


「ッ!?…え?…え??…み、皆さん如何して!?…何故その様に!?…

って、もしかして…また私何かやらかしてしまいました?……って…ッ!!!…」


益々何が起きているのか分からない!と…とにかく怒る面々を落ち着かせる様に!…

両手を突き出しドウドウと落ち着かせるジェスチャーをする一方、自身でも推理…

何かやったのでは?と結論付ける!…と言うのもハンドレットも一度これをやる!

となると他に何も視界に映らなくなる様で、今回フェルを必死に止めようとした事で

何も目に入って居なかった様子らしく!…その際それを確かめる様に面々に言葉を…

だが次にはまた視界にフェルの姿が映り込み!…それを見てまたハンドレットが

慌てる素振りを露わにすると、すかさず武器を構えて見せる!…だが一方のフェルは

まるで記憶を失った様に頭を抱えて唸り始める!…


「ッ~~~!!…ウゥ~~…あ、あれ?…

…わ、私ぃ…何をしてたんだっけ?…

…確かぁ…何かトンデモナイ化け物と戦って居た様な?…」


その様子は綺麗サッパリ?毒気が抜けた感じであり!…その際やはり何がきっかけ

なのか?…記憶も飛んでいる様子で戸惑いの言葉を口にすると、ハンドレットの事を

言っているのか?それとも姦姦蛇螺の事を言っているのか?…とにかく何か化け物と

対峙していた様な事を口にする!…それはその対峙して居た時の記憶だけが残って

いる様子で、しかし肝心の何を相手にしていたのか?そこは分かっていない様で!…

フェル自身記憶が混濁している様子で悩みに悩み!…まるで二日酔いの次の日の様な

そんな反応を見せて居ると、ハンドレットもそれを見てホッ!とする…しかし事は

当然それで終わらない!と言った様子を更に見せる!…


「ッ!…ふぅ~!…如何やらもう大丈夫なようですね…

一時は如何なる事かと…」


__…えぇ本当に!!…ッ!…ッ!?…ッ!?!?…


それこそこれで一段落!と言った落ち着き様を露わにすると、これで何もかも

終わった様に言葉を漏らし!…だが当然その言葉を聞いて納得が行かず!…

各々が更にピクッと文句がある様子でそのハンドレットの言葉に同意をするよう

返事をすると、その返事を聞いてハンドレットもピクッと反応!…視線を面々の

居る方へと向けて行く!…するとそこには言葉とは裏腹にまだ終わっていない!

とばかりに怒りに震える面々の表情がそこに在り!…ハンドレットもそんな

面々の様子にこれまた戸惑うと思いっきり狼狽え!…


「え?…え??…」


「一時は如何なる事かと思いましたよ!!…クラマス!!!…」


「ッ!…へ?…」


キョロキョロと辺りを見回す様にして面々を見て!…イマイチ理解も出来て居ない

具合に戸惑う言葉も口にすると、一方で面々も更に文句の言葉を漏らし!…全員で

説教!と言った雰囲気を作って行く!…その際あわや大惨事になり掛けた!と

ばかりに始めて見せると、その面々の言葉にハンドレットは更に分かっていない

様子で戸惑ってしまい!…が、そんな態度は当然更に火に油を注ぐ結果となり!…


「この化け物を倒す為に来てくれたのか!と思ったら!!…

勝手に大暴れするだけで!!…しかも俺達も巻き込んで来るから本当に!!…

邪魔でしか無かったですよ!!!…一体如何言うつもりだったんですか!?…」


勿論烈火の如く面々は怒りを露わに!…その内の一人がまず姦姦蛇螺を倒す事を

優先すべきであった!と口にすると、更にハンドレットの暴走に巻き込まれそう

であった事も話し!…と、結論的には邪魔をしに来たのか!?とハンドレットを

一喝!…一体如何言うつもりだったのか!?と…思いっきり責め立てる様に

ハンドレットへ文句の言葉を口にすると、ハンドレットもそんな文句を言われて

勿論困惑!…しかしそんな意図が無かった事を説明し出す!…


「ッ!?…わ、私はただ!!…

フェルさんが例によって暴走をしていたので!…

その被害を何とか食い止めようと!…」


その際あくまでも自分はフェルの暴走を止めに来ただけである事を説明すると、

自らの無実を訴え!…何ならそのフェルの居る方をスッと指差し!…先程まで

様子が可笑しかったであろうその姿を指摘すると、寧ろ面々を守ろうとして

いた事についても話して行く!…これでも被害を最小限に抑えた事を続けて話す!…

しかし面々にとってその言い分は結局言い訳にしか聞こえなかったのか?…

更に文句が飛んでくる結果となってしまい!…


「それで貴方が一緒になって!!…

被害を生み出しそうになっては意味がないじゃないですか!!!…

…もっと周りを見る事を覚えて下さい!!…」


__ッ!!…ッ……


被害を抑えるにしてももう少し考えろ!と…結果的にそうであったとしても!…

過程で危なくては誉めるに褒められない!と言ってやはり文句を言われる結果に

なって行くと、周りを見るよう指摘され!…配慮が足りない事を更に言われる!…

となるとそれを言われた事でハンドレットもグッと苦虫を噛んだ様なそんな表情を

浮かべると、そのまま何も言えずに黙ってしまい!…一方でフェルは未だ何が

何だか分かっていない様子で立ち尽くしており!…だが記憶に薄っすら!と…

自身が暴れて居た様なそんな記憶が有る様に感じられると、次には仲裁に入る!…

ハンドレットの擁護に入る!…


「…ッ…ッ!!…ま、まぁまぁ!…皆落ち着いて?…

それでも何とかこの化け物を倒せた訳だし!…

何なら元を正せばまた暴走をしちゃった私が悪かった訳だし!…

ここから先もずっと仲良く活動したいし!…

それに直ぐにまた大きな合戦もある訳だから!!…

皆大人に!…ね?…ほ、ほら!…私も謝るから!!……この通り!!…」


この時一旦全員を落ち着かせる様にそのハンドレットと面々の間に恐る恐る

入って行くと、まずは結果的に何とか出来た事について話して行き!…

と、次には自制出来なかった自分が悪い!と話し始め…それはハンドレットが

怒られているのを見て罪悪感を感じたからか…とにかく仲良くしよう!と…

今後の活動にまるで支障をきたしそうである事を話して行くと、更にこれが

本番でない事も口に!…更に落ち着くよう言葉を続ける!…そして最後に

自ら頭を下げて面々に謝罪をして行くと、ハンドレットもそれを見てハッ!と

して見せ!…


「ッ!…フェルさん……ッ…」


__…ペコッ!!…どよッ!…ザワザワ…ザワザワ…


宛らまるで自身の至らなさに気が付いた様に!…フェルが頭を下げる様子を

見て思わずフェルの名前を口にすると、次には面々へ向かい真剣に向き合い!…

そしてスッとハンドレットも謝罪をするよう頭を下げる!…それは男らしく

自身の非を認めて見せると、そんなハンドレットの様子に面々達にも動揺が

走り!…と言うのも実際これが初めて!と言う訳でもない様子で!…何か自分達も

言い過ぎた様な?…何か罪悪感の様なそんなモノを感じて行くと、また空気が

重くなる!…そんな中次には此方に向かい何者かが近付いて来る足音が聞こえ!…


__……ッ……ッ……ッ……コッ……コッ……コッ……コッ…


「…ッ!…ん?…この音はぁ?…

…ヒール?…ヒールの音?…」


「ッ!…え?…こんな劣悪な場所でヒール?…そ、そんな馬鹿な!?…」


それは音が響いて来る様に聞こえて来て!…その重い空気を切り裂く様に各々の耳に

入って行くと、次には疑問を!…誰が来たのか?と戸惑わせる!…その際音の聞こえ

具合から履いている物を推理すると、余計に戸惑う事となり!…と言うのもその音の

聞こえ方はまるで地下をヒールで歩いている様な?…こんな場所でヒールを履く?…

普通に考えてあり得ない!と…一旦どんな奴が来たのか?とその音の聞こえる方に

視線を向けて行くと、次にはその面々達が入って来た排水管から…割れたランタンの

灯りを持ったメイドさんが姿を表す!…


__コッ…コッ…コッ…コッ……ポォッ!…ッ!…


「…え?…」


「メ、メイド?…え?…何で?…」


そのメイドは特に何かをする!と言った様子もなく!…ただその部屋に何者かが

居る事を察知すると、チラッと確認をするよう視線を向け!…と、その灯りの

お陰か面々もその容姿を確認出来!…と言うのもそのメイドとはシルビィで有り!…

だがシルビィを知らない者達は何者なのか?と…やはりこの場に綺麗なメイドが

歩いている事に困惑すると、各々戸惑いの言葉を口に!…一方でシルビィは

そんな面々に話し掛ける!…


「…皆様方はここで何を?…

…っと、言っても見れば分かる次第でございますね…」


「あ、貴方は?…」


至って冷静に落ち着いた様子でスッと背筋を伸ばし面々を見ると、端的に

何をしていたのか?を質問をし!…が、それも直ぐにチラッと横たわる

何か化け物の姿を見つけて直ぐに理解をして行き!…続けて分かった!と

言葉を漏らし…ジッと面々の様子を観察する感じでその場から動く事無く

見詰めて居ると、シルビィを知らない者が何者なのか?と…まるで警戒を

する様に尋ねて行く!…するとその問い掛けに対してシルビィもピクッと

目立たない感じで反応をすると、次にはその問い掛けに対してちゃんと

返事をし始め!…


「ッ!…ッ…申し遅れました…私は旦那様……いえ…

マサツグ様の従魔に御座います…幻影狼ファントムウルフ種のライカンスロープ…

シルビィに御座います…以後、お見知りおきを…」


シルビィは粗相の無い様に会釈をしつつ…さも名乗るのが遅れたようスッと話に

入って行くと、マサツグの事を言っているのか旦那様!と…だが次にはピクッと

伝わらない事を理解して行き!…今度は訂正するようちゃんとマサツグの名前を

出して自身が何者なのか?を…その種族から丁寧に説明をする!…その際自身が

人狼ライカンスロープである事を名乗って行くと、面々は人狼である事には驚かず!…別の事で

驚いた反応を露わにして見せ!…


「ッ!?…ファ、幻影狼ファントムウルフ!?…

幻影狼ファントムウルフって確か!?…」


「…え、えぇ!…確か絶滅種!!…ロストデータの筈!!…

…まさか生き残り?…あ、或いは?…」


と言うのもシルビィが幻影狼ファントムウルフと言う事が信じられない様子で、その名を知らない!

と言った具合に驚き戸惑い!…その際その戸惑う面々の内の一人が隣にいる者に

ある事を確認!…それはまるであり得ない!言いたげな様子であって!…一

方で話し掛けられた方も直ぐにその者の言いたい事を理解!…その言いたい事が

間違って無いようシルビィの言う幻影狼ファントムウルフが絶滅している事を口にすると、

思わずシルビィの言う言葉に疑いを持つ!…まるで警戒をする様に視線を向ける!…

するとシルビィも薄々そんな反応をされるであろう事を何と無く察して居た様子で、

続けて面々にこう話しを切り出し!…


「…信じて貰えないのも当然に御座います……ですが…」


__…キィ…ッ!……フッ……ッ!?……ッ?…


それは別に否定をするとかそう言う事では無い様で、寧ろ自身でも話を肯定!…

が、した上でスッと持っているランタンへ徐に顔を近付け…その様子に面々も

一体何をするのか?と…まるで不思議なモノを見る様にジッとシルビィの様子を

見詰めて居ると、次にはシルビィがそのランタンの中の火に向かいフッと息を

吹き掛ける!…その中の光をパッと消す!…そして自身の姿をその闇の中へと

隠してしまうと、突然の行動に勿論面々も何を思ってそんな事をしたのか?と

驚き!…となるとジッとシルビィが居るであろうその場所を見詰め続け!…

しかし次にシルビィの声が聞こえて来たのは何故か自分達の背後からで!…


「…こうした方が…」


__ッ!?!?…バババッ!!…シュボッ!…ジジジッ!…


「…理解して貰えるで御座いましょうと…」


この時その声が聞こえるまで全く気配も音も面々達は何も感じない!…

何ならこっちにいつ移動して来たのかすら全く分からず!…と、突如背後から

声を掛けられた事で各々飛び退き!…一方でシルビィはそんな面々の様子にも

動じず…もう一度割れたランタンにマッチの火を付けて行くと、器用に片手で

火を点ける!…再度灯りを手にして見せる!…そして何故急にこんな事を

したのか?についても話し出すと、手っ取り早く理解をして欲しかった様で…

となると面々も実演をされた事で信じるしかなく!…寧ろ貴重な体験では!?と…

全身に鳥肌を立たせながら何度もシルビィに瞬きをすると、ここで気の抜けた

質問がフェルの口から飛び出して来る!…


「……ッ!…あれ?…[ライカンスロープ]?…

[ライカンスロープ]って…何?…」


そのフェルの質問と言うのも[ライカンスロープ]の意味を知らないらしく、その

[ライカンスロープ]と言うのは何ぞや?と…それこそ純粋な子供の様に!…

誰か応えてくれるであろう!と言った具合にその質問をポロッと漏らすと、

次にはシルビィを除く全員がハッ!と視線を…そして途端に呆れて見せる!…

しかし次にはハンドレットが呆れてツッコミを入れながらその意味について

答え始め!…フェルに簡潔に人狼!と…


「ッ!…え?…い、今ですか!?…え、えぇ~っと…

…ン、ンン!!…簡単に説明をすると[人狼]です!…

ほら!…満月の夜になると狼になるアレ!…」


「ッ!…あ、あぁ~!!……あっ?…

じ、じゃあ[ワーウルフ]っているのは?…」


それこそ身振り手振りを交えつつ、一番分かり易い例えを持って来て!…

そしてシルビィがその人狼である事を話して行くと、フェルは納得した様子で

ポンと手を打ち!…が、次にはまた疑問が出て来た様子でその表情を曇らせ…

またその事についてハンドレットに質問をすると、ハンドレットも素直に

付き合う!…そのフェルの疑問に答えて行く!…その際ハンドレットは博識

なのか?…淡々と説明をして行き!…


「同じ[人狼]を意味します!…

…何か更に質問が飛んで来そうなので先に説明をしますと…

[ワーウルフ]って言うのは古代ゲルマン語で[人を示すWer]と…

[狼を示すWolf]を掛け合わせて出来た合成言葉です!…

一方で[ライカンスロープ]はギリシャ語で[狼を示すLycos]と…

[人間を示すAnthropos]を掛け合わせたこれまた合成言葉で出来ています!…

…まぁ簡単に言ってしまえば同じ意味ですね?…」


「ッ!…はぇ~?…なるほどぉ~?…さっすがムツさん!!」


「…本当に分かってます?…」


仕舞には先を読んで補足説明!…その言葉が如何違うのか?を話し始め!…

結局の所どちらも同じ意味である事を話すと、強いて言えば語源が違う!…

そんな事をフェルに話す!…するとフェルもその話を聞いて理解出来たのか

出来ていないのか…ポケェ~ッとした表情でハンドレットに返事をし!…

と、とにかくハンドレットの事を褒める言葉を!…するとそんなフェルの

反応にこれまた呆れ!…またフェルに対してツッコミの言葉を口にすると、

今度はその疑問の行き先はシルビィに!…何故ここに居るのか?について

尋ねられるのであった!…

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

シャルルは死んだ

BL / 完結 24h.ポイント:149pt お気に入り:1,719

BLはファンタジーだって神が言うから

BL / 完結 24h.ポイント:825pt お気に入り:30

【BL-R18】敗北勇者への快楽調教

BL / 完結 24h.ポイント:305pt お気に入り:178

【R18】Hでショタな淫魔くん、人間界へ行く!

BL / 連載中 24h.ポイント:170pt お気に入り:73

親友彼氏―親友と付き合う俺らの話。

BL / 完結 24h.ポイント:447pt お気に入り:20

兄のマネージャー(9歳年上)と恋愛する話

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:63pt お気に入り:5

処理中です...