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-第九章-スプリングフィールド王国・再び編-
-第九章七十九節 嵐の起床?と労働?の魔王とバルデウスの嘘-
しおりを挟むさて話は変わって次の日!…いつもの様に?何事もない朝を迎えて行くと、
まずは自分で体を動かせるかどうかを確認し始め!…
と言うのもバルデウスとイガラーズが新たにメンバーとして加わった事で、
同じベッドに同衾をしているのではないのか!?と…
勿論無いとは思いたいところでは有るのだが、
何か念の為!と言った具合に思わず警戒をしてしまい!…
故に目を覚ますなり出来るだけ辺りを確認すると、
そこにはいつものシロとハクとフィロとシルビィの姿しか無く!…
これにはマサツグもホッと安堵!…ある意味で無事を確認出来た所で!…
もはや慣れた様子でマサツグが脱皮を試み始めると、
その矢先に自身の部屋に来襲が!…勢い良く扉が開かれる!…
__バアアアァァァン!!!…ッ!?!?…
「さぁ!!…新たな朝がやって来たぞ!!…
今日は冒険者の仕事と言うモノを!!……ッ!…」
この時勢い良く部屋に侵入して来たのは、
朝から元気いっぱい?のバルデウスで有り!…
と、その時の様子は宛ら特殊部隊による強行突入の様な荒々しさ!と…
扉は蹴破られて鍵が変形してしまい、
扉自体もしっかり蹴破られた跡が残っており!…
そして辛うじてと言うべきか蝶番が出入り口と扉を繋ぎ止め!…
が、それも何処か頼りなく!…
いつ外れて崩れても可笑しくない状況を見せていると、
バルデウスはそんな事など当然とばかりに気にしない!…
マサツグに朝が来た事を告げて行く!…
そして今日から仕事と張り切り出すと、
そのマサツグが寝ているベッドの方に視線を向け!…
と、そこには何とも世の男性からすれば羨ましい光景が広がっており!…
__ふわあぁ~お♥……ッ…
「…ふむ…英雄色を好むとは良く言ったのもか…」
「ッ!!…ご、誤解だ!!!…」
するとその様子を見るなり途端に冷静!…何ならマサツグも男!とばかりに…
寧ろ褒める様にして諺の例を見たかの様な反応を見せると、
次にはマサツグがバルデウスにツッコミを!…誤解である事を訴える!…
尚この時同じく飛び起きた様子でシロとハクは慌てて居り、
シルビィに至っては何奴!?とばかりに戦闘態勢を整えて見せ!…
が、その敵の正体がバルデウスである事にへっ?と戸惑い!…
攻撃すべきかどうか悩む反応を見せていると、一方でマサツグが続けて文句を!…
そのぶち破られた扉について言及をする!…
__ッ!?…ッ!?……ッ…
「てか朝っぱらからいきなりドアをぶち破って来る奴が有るか!!…
…それに仕事って!!…」
それこそ弁償をしなければ!と言った様子で怒って見せると、
フィロと言い魔王と言うのは!とばかりに…
呆れる反応を見せつつ次には疑問を口にして行き!…
と言うのも驚きはしたものの、先程の突入時の台詞はちゃんと聞いて居た様子で!…
その意味についてバルデウスに説明を求めると、
バルデウスも怒られた事など全く気にしない!…
寧ろそのマサツグからの問い掛けに対してふと疑問を持って見せる!…
「ッ!…それはそうであろう?…
我らは冒険者、日銭を稼いでその日を乗り切るのが…」
「…その言い方は止めろ?…何か物凄く悲しくなる!…
…ッ…とにかく!…準備をするから待ってくれ!…
と言うかこう言った事に意欲的な様子を見せているのに驚きだわ!…」
と言うのもバルデウスから見た冒険者と言うのは、
日雇い労働者の様に見えているらしく!…
となるとマサツグも冒険者である事から!…
同じく労働をしなければ路頭に迷うであろう!とばかりに…
さも純粋?な疑問を口にすると、マサツグがそれを否定!…
いやこの場合は悲しくなる!と言って聞きたくない!と耳を塞ぐ…
そしてこれ以上の話しもしたくは無いのか、
次にはバルデウスに急かされる様にしてベッドから起き始め!…
何なら仕事に対して意欲的な事についても驚いた!と…
それこそ未だバルデウスの性格が読めない!と言わんばかりに、
だがそんなマサツグの言葉に対してバルデウスは自分の事を単純!と…
「ッ!…そうか?…我は基本的に楽しい事は好きだぞ?…」
「…何と言うか本当に見た目通りに幼く……ッ…」
{フハハハハハハ!!!!…渇キヲ!!…癒セエエエェェェェェェェ!!!!}
腕を組んで見せながらまるで本能の赴くままに生きている!と…
それこそ自身が興味を持った対して全力を注ぐタイプらしく、
今回の件についてもまさにそれ!と言わんばかりで…
と、未だ反省の色なしのバルデウスの話を聞いてマサツグも戸惑い!…
と言うのもまだ大人の姿であった時はそうではなく!…
いやよくよく思い返して最初からそうであった様に感じられると、
次には呆れながら肯定をして行き!…
「…いや…元から案外子供だったと言うべきか…」
「ごしゅじんさまぁ?…」
「ッ!…今日はちょっと運動をな?…
…外で仕事してくるから!……シロ達は…」
言われて納得した所で更に呆れる始末で有り!…
そしてこれ以上暴れられない為にも!…
外に行く準備を淡々と続けて見せていると、その様子にシロとハクもピクッ!と…
若干不安げながらも声を掛ける!…
それこそどこに行くのかとばかりにマサツグを呼ぶと、
マサツグも呼ばれた事で反応をして見せ!…
と、次にはシロとハクが不安がっている事にもスッと気づき!…
その際別に心配はない!と…二人を安心させる様にあくまでも仕事を運動!と言い…
何ならシロ達にも付いて来るかどうか?を尋ねて行くと、
途端にシロとハクはまたピクッ!と…跳ねるようにして反応を示す!…
「ッ!…シロも!!…シロも行くです!!」
「ッ!!…ハクも!!…ハクもぉ~!!」
「ッ!…ん、分かった!……にしても…」
それこそ付いて行く事を全面に!…途端に目が覚めた様子でパッ!と目を見開くと、
続けていつもの様にンバッ!と手を挙げ出し!…
そして座りながらにベッドの上で跳ねて見せ!…
と、そんなシロの様子にハクも真似をするよう同じ反応を取って行き!…
目をキラキラとさせてお散歩とばかり!…とにかく付いて来る事を主張すると、
マサツグもちゃんと答えを聞いた様子で二人に返事!…
ここで自身の身支度を整え終える!…
するとそこからは続けてシロとハクの身の回りの世話に入ろうとすると、
この時チラッとまだ寝て居る者に視線を向け!…
__すぴょ~!……すぴょ~!……
「あんなデカい音が聞こえたってのに…
さすがと言うべきか何と言うか…」
その際ベッドの上のシロとハクに近付いて行き!…
と、同時にあんな事があったと言うのに!…
まだ呑気に眠り惚けているフィロの姿に注目すると、
そのフィロの様子と言うか器のデカさ?と言うか…
とにかくその様子に呆れを通り越して、もはや感心をも覚えてしまう!…
そしてまた襦袢を開けさせて寝ているフィロの身なりを戻すと、
スッとシルビィがマサツグの手伝いをするよう隣に立ち!…
するとシルビィも付いて行きたい様子でマサツグを呼び!…
「…旦那様…」
「ッ!…シルビィも来るか?…今日は色々とやるみたいだから…」
「ッ!…仰せのままに!…」
それは若干怯えると言うか遠慮をしていると言うか…
少し控える様にしてマサツグを呼び!…
マサツグも呼ばれた事でまたピクッと反応をすると、
そのシルビィの様子に気が付いたのか!…
同じく付いて来るかどうかを尋ねて行く!…
それこそ今日位はのんびりと言った様子で、
マサツグと一緒に保護者の役を!…さもお願いするよう言葉を続けると、
そのマサツグの言葉を聞いてシルビィもハッ!と…若干目を見開いた後!…
次にはスッと目を細めて嬉しそうな表情を浮かべて行くと、
更には尻尾もパタパタと振って喜びを露わに!…
付いて来る事を返事をする!…
さてそうしてフィロ以外全員が付いて来る事になって行くと、
シロとハクの着替えも慣れた様子でパパッと済ませ!…
と、次には町に繰り出しギルドに向かおう!と…
バルデウスは未だ意気揚々としており!…
その様子に若干の不安を覚えて居ると、まだ城内を歩いて居る所で声が!…
_春野原王城・通路にて…
__…コッ…コッ…コッ…コッ…ッ~~~~…
「ッ!…この声はぁ?…」
その声は何かに縋るよう微かながらに聞こえて来ると、
思わずマサツグもピクッ!と…
と言うのも微かである事から誰のものか分からず仕舞い!…
が、そんな変な声が聞こえて来た事で!…何か事件かと思う反面!…
そうでもない様な説明しずらい微妙?な戸惑いを様を露わにすると、
ただ戸惑いの言葉を!…しかしその声に対して耳を澄ます!…
すると一方でその声の主が誰なのか?…
シロビィは分かった様子でさもマサツグの疑問に答えるよう!…
「…恐らくはリーナ様…そして王様もモノかと…
しかし主に聞こえてくるのはリーナ様…
何か必死に説得をしている様に聞こえますが…」
「ッ!?…ア、アイツ!!…本当に説得を!?…
…ッ…お、王様には悪いけど…頑張って貰うしか…」
何でもシルビィが言うにはこの声の主はリーナで有り、
しかもマサツグに言われたからか!…
本当にスティングから許可を貰おう!と必死になっている様子らしく!…
そう説明するシルビィは至って冷静で、
一方で真相を聞かされたマサツグは思わず戸惑い!…
が、同時に呆れる言葉を口に!…
本気で付いて来るリーナの様子にある意味恐怖?…
とにかくもうさすがとしか言えない気分になってしまうと、
更には反対をしているであろうスティングにエールを!…
心から応援をして見せる!…その際自身の身体で俄かながらに十字を切ると、
それを見たシロとハクも何故か真似を!…
と、そんな事をしているとこれまた一方でバルデウスがまた急かし始め!…
「おい何をしている!!…早く仕事に行こうではないか!!…」
その様子はもうまるで遊びたい盛りの子供の様な!…
この時若干不機嫌な態度で振り返り!…
マサツグ達に早く来るよう軽く地団太を踏みながら急かし続けると、
この場合は遊びでは無く仕事!と…さも社畜の鑑の様な事を口にする!…
そしてマサツグとてはそんな社畜の様な生活は御免で有り、
そんな言葉は聞きたくない!とばかりにゲンナリして見せ!…
と、同時にそのバルデウスの言葉を聞いてふと変な事を考えてしまい!…
「…何と言うか本当、仕事に意欲的と言うか…
まるでどっかのラノベのタイトルみたいな魔王様だな?…
…まぁあっちとは全く持って事情は違うが…」
「…ッ?…一体何の話を?…とにかく早く行くぞ!!…
まだ見ぬ仕事が我々を待っている!!…」
と言うのもシチュエーションも内容も全く違うが、
某・ラノベのタイトルの様な魔王が目の前に居る!と…
と、自分でもその作品を知っている様子で仕舞には自身にツッコミを入れ!…
が、一方で何の話をして居るのか?…
バルデウスからすれば独り言の様に聞こえるモノで!…
マサツグが何かダラけている様に見えてしまうと、
次にはそんなマサツグにやる気を出させるが如く言葉を!…
仕事が待っている事を口にする!…
となるとその言葉を聞いてマサツグが余計にゲンナリすると、
当然と言わんばかりにその足取りがガクン!と重くなり!…
「…あぁ~…ある意味で聞きたくない言葉かもぉ~…」
嘆く様にして言葉を口に!…
しかしだからと言ってバルデウスをそのまま放置しておく訳には勿論行かず、
感覚的には飼い犬を放置してはいけない!と…
犬では無いのだがもはや犬の様な扱い?…
とにかく渋々付き合う様にしてバルデウスに付き合い!…
何だかんだと有りながらもマサツグ達は春野原のギルドへとやって来ると、
昨日の今日でまた受付カウンターの前へと立って行き!…
するとそんなマサツグ達にリンも気が付いた様子で次には笑顔で駆け寄り始める!…
__春野原ギルド・受付カウンターにて…
「ッ!…あっ!…おはようございます!!……って、この子は?…」
「おはよぉ~……って、そう言えば名前を決めて…
いや名前有る事には有るんだが…」
この時まずいつもの挨拶から入って行くと、その視界に見慣れない影を映し!…
と言うのもそれは小さな男の子!…勿論見覚えも全く無く!…
次には思わず誰なのか?と零して行くと、
そのリンの言葉にフィロが思わず吹き出してしまう!…
が、肝心のバルデウスは堂々とする!…
それは懐が広い様子で釣られてフフフ!と笑って見せ…
一方でマサツグは既に疲れた様子で挨拶に返事!…
そしてハッと気が付いた具合に!…
この場においてバルデウスを如何言った立ち位置?…
いや如何説明するかを考えていなかった事を思い出すと、
その名前ですら悩む羽目に!…
するとバルデウスもふと気が付いた様子で反応をする!…
「…我か?…我は……ッ!…そうか、そうであったな?…
…よし!…我は[バル]!…[バルセウス・バビロシニア]と言う!…」
「ッ!?…え!?…」
その際最初は普通に名を名乗ろうとするのだが、
はたと思い出した様子で途端に黙り!…
と、次には察した様子で言葉を漏らし!…
と言うのも自分の立場を理解してか!…
今度はふと思いついた様子でパッと偽名を口にすると、
バルデウスの口から偽名が出て来た事でマサツグは戸惑い!…
何なら思わずその戸惑う様を表に出す!…
それこそジッと何を言っている!?とばかりに!…
バルデウスへ視線を向けるのだが、リンは全く気が付いていない様子で話を進め!…
「ッ!…バル……うん、じゃあ[バル君]だね!…よろしく♪」
「ッ!?…ちょ!?…」
それはやはり小さいお子様と言った様子で変わらずの対応!…
何なら知らぬが仏と言った所なのだろうか?…
バルが切れたらと考えると、とても出来ない[君呼び]までして見せ!…
となるとその火の付いたロープで綱渡りをする様な所業に!…
マサツグもハッとこれまた戸惑い!…
次にはリンにもギョッ!とした反応を見せるのだが、二人は全く御構い無し!…
どこ吹く風?とばかりに和気藹々として見せる!…
何ならバルも心成しか気に入った様子で!…
「あぁ!…今後世話になるやもしれん!…よろしく頼むぞ?…」
「ッ!…はい!…よろしくです!!」
子供らしく笑顔でお姉さんに返事!…だがその態度は相変わらずデカいままで!…
さも上から目線で頼む事を口にすると、リンも慣れて居るのか笑顔で頷く!…
その裏にクソガキ!と言った負の感情を全く見せない!…
さてそうして軽い挨拶が終わった様に感じられると、
次にはマサツグが慌てたままの様子で途端にバルへ声を掛け!…
と言うのもその手慣れたと言うか違和感のない様子に困惑して見せ!…
{ちょ!!…おま!!…何を勝手に!?…}
{ッ!…なぁに?…ここで真名を明かす訳には行かんであろう?…
紛いなりにも我は魔王!…ましてや混乱に陥れた張本人であるのだからな?…
故に我なりに気を聞かせて…}
それこそこんな話聞いていない!とばかりに言葉を口に…
勿論リンに聞かれないようボソボソ!と…
素早く屈んでサッとバルの耳元で囁くと、
バルもそんなマサツグに対して不敵に笑みを!…
さもこれ位造作もない!と返事をする…
そしてやはり自身の立場を理解しており、自分なり周りやマサツグ等!…
とにかく色々と気を回した事を続けて話し!…
マサツグ感謝を求める様なそんな素振りをチラッと見せると、
マサツグもその言葉を聞いて有り難い一方!…
話を合わせる上で事前に説明が欲しかった事を口にする!…
{ッ!?…ま、まぁその気遣いは有り難いんだが!!…
下手に襤褸を出したら!!…}
{安心しろ!…人を騙す位如何と言う事は無い!…
…それよりも早速仕事に取り掛かろうではないか!…
ほれ目の前の小娘もこちらを気にしているぞ?…}
その際その説明が欲しかった事を襤褸と言って話しをすると、
バルはそんなマサツグの心配の言葉に対して大丈夫!と…
まぁ元を正せば事前に話をしていなかった事が悪いのだが!…
とにかくバルは自信満々!…
やはりさも慣れている!と言わんばかりで…
マサツグの話に真面に取り合わないで見せると、それよりも仕事!と…
自身の興味を優先する!…この時ふとリンの様子にも目を向けると、
マサツグに怪しまれている事を口に!…
と、言われた所でマサツグもハッ!と…そしてリンもそんな二人に疑問を持ち!…
「…如何か、しましたか?…」
「ッ!?…い、いぃや何も!?…ただ今日も可愛いな!と…」
それは別に怪しむとかそう言ったモノでは無いのだが、
ふとその会話が気になる様子で!…
となるとキョトンとしては首を傾げて質問をして行き!…
するとマサツグも突如そんな風に問われた事で、目に見えて挙動不審に!…
声も引っ繰り返ってしまい!…
明らかに怪しさMAXでとにかく誤魔化す言葉を口にすると、
何を思ったかリンの容姿を褒め!…何とかやり過ごそうとして見せる!…
何ならそれは常日頃から思っている様な!…
と、傍から見れば間違い無く何か隠している!と感じられるモノで…
しかし鈍感と言うかリンには別の様に聞こえたらしく!…
「ッ!?…ふぇ!?…」
「あぁ違!!…いや違くなくて!!!…」
と言うのもドキッとした様子で顔を真っ赤!…明らかに動揺をして見せ!…
同時に素っ頓狂な悲鳴?…いや同様の言葉も漏らして行くと、
マサツグもそのリンの反応を見てハッ!と…これまた更に慌てて見せる!…
何ならラブコメ?…いやコメディーか、お約束の訂正の仕方までして行き!…
と、そんなアタフタする二人の一方でムスッと不機嫌!…
言わずもがなヤキモチーズで、無言でマサツグの足をポカポカ!…
或いはゲシゲシと攻撃すると、一方でそんな様子を見てバルも学習?…
オリハの言葉を思い出す!…
「…はあぁ~…あの者が言っていた事はこれの事か…なるほど…
…すまない!…我らに仕事を恵んでくれないか!…」
「ッ!…え?…」
それは昨日の兄弟喧嘩?…とにかくオリハが言った言葉で有り!…
と、これがその現場なのか!と一人静かに!…
が、見たかったと言うかやりたい事はこれではなく!…
あくまでも自身の欲望に忠実!…無理やりにでも話へ割り込み始めると、
リンに仕事を要求して行き!…
となるとリンもハッと我に返った様子で途端に反応!…
そして戸惑いの言葉を漏らし!…
チラッとバルに変わらず戸惑い気味の視線を向けると、バルは構わず話を!…
やはり意欲的な様子を見せる!…
「実は言うと我は今回が初めてでな?…言わば一人でも仕事が出来るか!…
その試験を受けに来たモノなのだ!…そしてこのマサツグとやらが試験官!…
故に我としても早く一人前になりたく!…」
この時マサツグに言った事を証明するよう、
自身の考えたシナリオを口にして行き!…
と言うのも設定としてはバルがマサツグの弟子と言った所なのか?…
一人前になる試験として!…
今回こうして一緒にギルドへ来て仕事を受けに来た様に話しをすると、
これまた自身の欲望を上手くカモフラージュして話を進め!…
と、そんな話をされた事でリンも更に冷静になる!…
その際まだ若干頬が赤いモノの、バルの要望を聞き入れ!…
すると次には駆け出しに優しいクエストを手元の資料から見繕い始め!…
「ッ!!…あ、あぁ~!…そう言う事だったのですね!!…
…はあぁ~……ッ…よし!…では初心者に打ってつけの所から!!…」
「ッ!…ならば何か敵を打ち倒すモノが良いな!…
我は戦う事が好きゆえ!…」
何なら落ち着く様に一息吐き!…幼女にボコられるマサツグを余所に!…
リンは気を取り直してバルの要望に答え出すと、
更にバルがここでハッとした様子で条件を付け足し!…
と言うのもやはり根っこは変わらず討伐モノ!と…
それこそ腕に自信が有る様子で軽く腕を回して見せ!…
やる気十分!と言ったやはり何処か子供っぽい様子を見せると、
リンもその更なる要望を聞き入れた様子で!…
ピクッと反応をするなり返事をする!…
「ッ!…となって来るとぉ~……ッ!…あぁ~…」
「ッ!…如何した?…」
「…今ある討伐クエストは…これだけですねぇ…」
それは問題無い様子で相槌を打つが、次には若干困った様子で言葉を漏らし!…
と、そのまま固まった様に手元の資料をジッと見詰め!…
その明らかに普通ではない様子に!…
バルも気が付くなり疑問を持った様子で声を掛けると、
リンはその手元の資料から一枚の紙を!…
そして何故自身が困っているか?も同時に話す!…
と言うのもバルが望む討伐クエストは人気なのか、
残っているのはこれだけ!と言ってその手に持った紙をバルに差し出し!…
__ペラッ……ッ…ッ!!…
「…[大トカゲの討伐]…これは?…」
その差し出された紙は依頼書らしく、簡潔に討伐対象と金額!…
更には目撃された場所などが記述されて有り!…
バルもそれを見て内容を確認すると、何を討伐するのかを口に!…
因みにマサツグは幼女達にボコられながらもその依頼書を一瞥!…
そしてその内容を見て思わず驚き!…
残っていた依頼に何か因果を感じていると、
一方でリンはその依頼について詳しい説明を!…
何故この依頼だけが残って居るのか?を話して行く…
「王都を出て直ぐの平原に居る主の様なトカゲで…
ここ最近異様に繁殖したのか妙にその姿を見る事が多くなってまして!…
駆け出しの冒険者がよく被害に遭っているとか!…
ですのでこうして今討伐の依頼を出している状況と言いますか…」
「…あの平原の主……ふむ…」
何でもリンが言うにはまた最近この大トカゲが幅を利かせて来たと言うか、
例に漏れず人を襲って被害を出しているらしく!…
何なら知らない所でその数も増やしたのか!…
その見掛ける数も多い様で、とにかく現在進行形で困っている!と…
そして残っている理由についても!…
この時リンは語っていないが、想像は容易に出来るモノで!…
一方でそんな話を聞いてもこの魔王は全く怯まず!…
いや寧ろ興味を持った様子で依頼書を見詰め!…少し考える様な!…
さも絵になる美少年の様な姿を見せていると、リンもそんなバルの様子にハッ!と…
次には別のクエストを勧め始める!…
「…ッ!…あっ!…
さ、さすがにこの依頼は初心者さんには荷が重過ぎますよね!…
ちょ~っと待っててください?…別のモノも探してみ…」
「…いや、これでいい!」
それこそ幾ら本人が望んだ討伐クエストと言った所で、
初心者には厳しい!と改めて行き…と、次にはまた手元の資料に目を向け始め!…
バルに待って欲しい様子で言葉を!…自分が見落としているだけで!…
他に何かもっと初心者向けのモノがあるのでは?と探して行くと、
その言葉を言い切る前にバルが決断!…大トカゲの討伐を受注する!…
となるとそのバルの返事を聞いてリンも勧めて起きながらビクッとすると、
今度は顔を挙げて戸惑って見せ!…
「ッ!?…え!?…」
「少々…いや結構興味が湧いて来た!…
思えば我は強者を求める余り、今まで獣と戦う機会が少なかった様な!…」
「…人間オンリーで喧嘩を吹っ掛けて来たのかよ!…」
が、戸惑うリンの事など御構い無し!…
あくまでも自身の好奇心を優先、危険などもはや二の次!…
と言った感じで興味を持った!と…そしてふと過去の記憶を遡り!…
今まで強者と対峙して来た際に!…
人間を相手にして来た事が多かった事を思い出すと、
今回のこの大トカゲをいい機会!と言い…
それこそ全く恐れを抱く事無く寧ろご機嫌な様子を露わに!…
と、そんな事を漏らすバルにマサツグもツッコミ!…
呆れた反応を見せるのだが、バルは勿論構わずマイペースを貫き!…
「今度向かう場所では人がいないのであったな?…
ならばこれも丁度良い機会!…多少は戦ってきたつもりだが、はてさて!…」
「ッ!?…え!?…ほ、本当にこれを!?…
…ッ…わ、悪い子とは言わないので…ベ、別の依頼にした方が?…」
更には何を思ったのかマサツグにも質問を口にし始め!…
と言うのも新マップの事であろうか、人が居ない事を問い始め!…
そしてこれがリハビリとばかりに一人更に興味を持つと、
元の本性が明るみに!…テンションが上がって来た様子を見せ!…
と、一方でそんなバルの言葉にリンも更に戸惑始末で!…
慌てて止める様に言葉を口に!…
その際またスッと手元に資料に目を落として行くのだが、
バルはそんなリンに対して反発!…子供の様に意地を張る!…
「ッ!…いぃや!…我はこれに決めた!!…
…倒した後は如何すれば良い?…その頭をここに持って来れば?…」
「…いや、倒した時点で証明になる…
…倒した証拠は本人の記憶として、あの機械でその証拠となる記憶の水晶…」
「…なるほど!…では早速行ってみるか!!…
…ッ…あぁ!…ウズウズして来たぞ!?…どの様な闘争を!!…」
何なら倒した後の事まで質問し始めると、
その証に頭を持ってこようか?と無邪気に…
それこそさもそれが当然であるかの様に質問をすると、
一方でマサツグが若干引き気味に否定をし!…
その際証拠について話し出すと、
スッと記憶水晶製精機が設置されて有る方を指差し!…
簡潔にアレで証明出来る事をバルに説明!…
と、その説明を聞いた所で!…
バルも理解したのかなるほど!と言って納得をして見せると、
次には我慢が抑えられないのか!…ウズウズする!と言い出す!…
そしてマサツグがそんなバルの様子を見て呆れていると、
これまた一方でリンが心配をする様に言葉を口に!…
「ッ!?…マ、マサツグさん!?…と、止めなくても!!…」
「…あぁ~…多分大丈夫だ!…」
「ッ!?…え!?…」
当然危ない!と言って師匠であるマサツグに静止を促し!…
が、その師匠であるマサツグも!…
もはやあぁなっては止められない!とばかりに…
何ならバルの実力を見て何の問題も無い事から!…
リンに大丈夫!と言って見せると、そのバルの様に呆れる始末!…
となるとそんな返事が返って来た事でリンも更に戸惑いを露わに!…
それこそ疑問を投げ掛ける様に言葉を漏らし!…
チラッとマサツグに視線を向けると、
マサツグもそんな視線に気が付いてか!…簡潔にその理由を口にする!…
「あぁ~見えて俺とイーブン!…いや下手しいそれ以上かもしれん!…
…ホントなんで勝てたのかも怪しいとこだが…
とにかく心配はしないでくれ!…さっきも言った通り俺も同伴するから!…」
「ッ!!……ッ…ま、まぁ…マサツグさんが付いて行くなら…」
と言うのもあの姿であっても中身は魔王、
そして相手は駆け出しの時の自分でも倒せたトカゲで有り!…
何なら今でもバルト倒せるかどうかが怪しいらしく!…
苦笑いをしながら実力を話し!…
マサツグから見ても何も心配がない事を口にすると、
勿論自分も同行する事を付け添えて話し!…
となるとそんな話を聞いてリンももう一つ驚きを露わに!…
今のマサツグですら怪しい事に!…
にわかに信じられない様なそんな反応を見せるのだが、
それでもマサツグが付いて行くと言う事で納得し!…
と、リンから理解?が得られた所でマサツグは話しを続けて行き!…
「んじゃ、このクエストは俺達が引き受けた!…
そんな時間はかからないと思うから…安心して待っててくれ!…
…って、そうだ!…ついでに適当な採取クエストも頼む!…
シロとハクにも経験を!…」
「ッ!…あっ!…でしたら薬草摘みととある花の採取が!…」
「じゃあそれで!……んじゃ、いっちょやりますかぁ!…」
と言うのも改めて依頼を引き受ける事を口にし始め!…
その際もう一度安心させる様に言葉を続け!…
さも余裕であるかの様な笑みも浮かべて話しをすると、
同時にシロとハクの社会見学?と言うか…
幾つか簡単な依頼を追加で受けたい事を申し出る!…
するとリンもそれを聞いて直ぐにハッとして見せると、
これまたすぐに簡単な採取クエストを数件用意し!…
と、マサツグもそれを見て即断即決!…
まとめてクエストを受けて行き!…漸く重い腰を上げるが如く!…
伸びをしながらやる気を露わにして行くと、各々を連れてギルドを後に!…
そして全てが始まった?…懐かしの平原へと向かうのであった!…
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そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。
主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。
ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。
それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。
ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
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貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
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しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
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様々な登場人物が織りなす群像劇です。
主人公以外の視点も書くのでそこをご了承ください。
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その後どんな敵が来ようとも敵を押しのける。倒す。そんな無敵のヒーロー稲荷仮面が活躍するヒーロー路線物も描いていきたいです。
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