どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん

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-第九章-スプリングフィールド王国・再び編-

-第九章八十節 バルの飢餓?とやんちゃ坊主?と久しぶりの大平原!-

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さてゾロゾロと美男美女を引き攣れて平原へと向かう道すがら、

この時マサツグ達はさも有名人!とばかりに注目を集め!…

と言うのも生きる伝説?の様に扱われているマサツグは勿論!…

シロとハクはもはやマスコットの様に!…

追っかけが出来る程にもう確固たる人気を確立していくと、

更にはクールビューティなシルビィにもファンが!…

まるでCMか何かの様に視線を集める!…

具体的にはすれ違うとハッとした様子で相手が振り返る始末で有り!…

が、シルビィは全く気にしていない様子でマサツグの後ろを随伴!…

その際町中だと言うのに敵が襲って来ないかどうかを確認しており!…

周りの目とは裏腹に静かな殺意?を偲ばせると、一方で能天気と言うのか?…

バルがマサツグ達の前に立つ!…

そして無邪気にケラケラ!と笑う様子を見せていると、

そんなバルの様子にまた変な連中が視線を向け!…


{…な、何!?…あ、あの美少年は!?…}


{…ッ!?…ア、アレってマサツグじゃ!?…

って事はアレもメンバーか何か!?…}


{…おいおい!…よもやあんな幼気な少年まで連れてるとか!…}


何故ならバルも普通にイケメンと言われる部類で有り、

特にエメラルドグリーンの瞳がより一層人を引き付けるきっかけとなり!…

と、その姿を見た者はその容姿端麗な少年にハッと目を奪われ!…

更にはそのしなやかな四肢にまた何か!…

背徳的と言うか何かいけない気持ちが芽生えそうな!…

それ程までにそのバルの容姿に魅了されると、

その少年を連れて居るのがマサツグと分かるや否や!…

そこから派生して良からぬ妄想!…或いはあらぬ誤解を生み出し始める!…

それは俗に色々と禁断!と言われそうな関係で有り、

またある者はそれを一人勝手に想像した所で嫉妬心を!…

が、そんな周りの様子など御構い無し!…

バルは今こうして街を歩いている事に、もはや奇跡と感じた様で!…


「…おぉ!…こうして堂々と街中を歩ける日が来ようとは!!…

と言うより興味を持つ事が無かったからな!!…これはこれで新鮮!!…」


「…だったら何か?…オメェは何か飢餓状態にもで陥ってたってのか?…

…この場合は空腹じゃなくて…戦闘欲と言うか…」


「ッ!…ふむ……ッ…そう言われるとある意味でそうだったのかもしれんな?…

今は何か冷静に物事が見れると言うか…」


となると何もかもが新鮮らしく!…嬉々として辺りを見回し!…

自分でもこんな日を迎えるとは思っても居なかった事を口にすると、

そんなバルの言葉にマサツグがツッコミを入れる様に!…

と言うのもバルが陥って居た症状?を空腹感に例えて行き!…

あそこまで闘争を求めていた事に対して!…

ずっと空腹が満たされなかったせいか?と呆れるようにして問い掛けると、

バルもその言葉にピクッ!と…言い得て妙である!とばかりに返事をする!…

そして一人納得するバルにマサツグも今度は戸惑い出すと、ある事を危惧し!…


「ッ!?…勘弁してくれよ!…じゃあお前がまた空腹になったらあんな!…

…ってかなんか今日は妙に人の視線を感じると言うか?…」


その危惧と言うのも先程例えた空腹感で!…

例と同じ様に消化されて行くと、また空腹時暴走状態になるのでは!?と…

となるとその度に相手をしなければいけない訳で!…

マサツグとしても非常に面倒!と…

何ならもう二度とあんな大変な目には遭いたくない事を口にすると、

目に見えてガクン!と項垂れショックを!…

同時にふと周りから視線を感じる事を続けて漏らす!…

その際いつも視線を感じる事は多いのだが、今日は特に!と言った様子で…

それは別に命の危機を感じているとかそう言う事では無いのだが!…

一方でシルビィがスッ!と…この時だけマサツグの背後に音も無く立って行くと、

安心させる様に言葉を掛け!…


「…旦那様ご安心を!…必ずや旦那様のご安全はシルビィが!…」


「…いや町中だからそこまで警戒しなくても!…

て言うか街中で剣は抜けない…」


それは影からお守りします!と言って意気込むと、

静かに悟られないよう辺りに対して殺気を放ち!…

言わばもう暗殺者の様な!…シルビィ自身もピリピリ警戒を露わにして見せると、

マサツグはそんなシルビィにもう少し肩の力を抜くよう!…

大丈夫である事を口にする!…

その際ゲームのシステム的に街中では殺傷沙汰は起きない事を話すとするが、

そんなマサツグの会話に割り込むようここで輩が!…


「…おいお前!!…」


「ッ!…ンン~?…」


恐らくマサツグの事を呼んだのであろう!…それこそ高圧的に声を掛け!…

マサツグもその高圧的な態度に漏れなくピクッと反応を示すと、

その呼び止められた方へ返事をしつつチラッと視線を向け!…

するとそこには数人の成人男性と思われるプレイヤー達が立って居り!…

その者達はマサツグの事を知らないのか!…

まるでマサツグにムカついている様な!…

目に見えて態度でも口達的な様子を見せると、次には難癖!…

情けない嫉妬心を露わにする!…


「…テメェ?…なぁに見せつけるみたいに侍らせてんだ?…

俺達への当てつけか?…」


「…ハァ?…」


と言うのも要はシロやハクにシルビィと言った、

可愛いキャラを連れている事に対しての僻みひがみで有り!…

故に見せ付けている!と言葉を口に…

更には自分達の当てつけ!と言い、勝手に被害妄想を膨らませて行き!…

そしてマサツグ達を取り囲み始め!…これから理不尽なと言うか!…

集団リンチに掛けてシロ達を誘拐しようと考えている?素振りに見えて行くと、

勿論この様子にシロ達はバッと戦闘態勢!…

何ならマサツグも呆れた様子でその男達に返事をする!…

その際既にもう格の違いが分かっている様子で、

マサツグも不遜な態度をバリバリに露わに!…

するとそんなマサツグの態度に男達も更にやっかみ!…


「テメェ!!…ちょっと女にモテるからって言い気になるなよ!?…

何ならここで今テメェをボコって!!…」


もはや逆上と言っても過言ではなく!…

マサツグにモテるから!と言って暴行を加える事を口にすると、

やはりさすがに街中で武器は握れないからか!…グッと拳を握って構え始め!…

となるとそんな男達の様子にシロ達も機敏に反応をして見せ!…

勿論マサツグを守る為に!…相手を始末する事も厭わない殺気を放とうとするが、

その前にマサツグが落ち着くよう声を掛け出し!…

何ならやはり慌てず騒がず大丈夫!とばかりに…


「…~?…ステイ!…ステイだからなぁ?…」


「ッ!!…で、でも!!…」


真面に相手をするだけ無駄である!と…

さも大人として振舞う様に[待った!]の言葉を口にすると、

そのマサツグの[待った!]にシロ達は戸惑い!…

となると次には振り返って心配の表情!…

勿論マサツグが負けるとは思っていないが、

それでも目の前で怪我をするかもしれない訳で!…

が、逆に言えばマサツグの気持ちとしてもそうであり!…

シロ達が傷付く位なら自分が!と…

何ならこれが自分に向けて売られた喧嘩である事を考えると、

マサツグの中の闘争本能と言うか!…ある種悪い血が騒いでしまい!…


「…これは俺に売られた喧嘩だから!…

ここでシロ達の後ろに隠れたんじゃあ格好が付かないでしょ~?…

…ってかまだこんなしょうもない因縁をつけて来る馬鹿っていたんだ…

俺はてっきりこう言うのってもう絶滅したモンだって思ってたんだが…」


「ッ!?…な、舐めやがって!!…本当にブ…!!!」


この時久々にマサツグのヤンキーハートに火が付いてしまい!…

売られた喧嘩は買う!とばかりに…

その先程から態度が悪い男性プレイヤー達に対して、

一度礼儀を教えてやる!と言った具合に怒りを…

その際シロ達に喋る時はニコニコと笑って温厚なのだが、

その敵?に向ける目はスッと明らかな殺意を物語り!…

それは今まで戦って来た敵に向ける本気のモノで!…

何なら余裕からか更に馬鹿にする言葉を!…

因縁を付けて来た連中に対して!…

真っ向からそのまま[馬鹿]と言って煽って行くと、

そのマサツグの言葉を開戦に!…

拳を握った男達が一斉に襲い掛かろうとするのだが!…


__シュンッ!!…ヴァキイイイィィィ!!!!……ッ!?!?…


「ガッファア!!…」


「ッ!?…な、何が!?……ッ!?…」


次の瞬間不可思議な事が!…

と言うのも殴り掛かろうと舌打ちの一人が突如あらぬ方向に吹き飛び、

そして受け身を取る間もなく建物の壁に激突!…

それはまるでダンプカーにでも引かれた様な!…

勿論何が起きたのか男達は分からず!…

思わずえっ?とばかりにその吹き飛ばされた男の方に視線を向けると、

その吹き飛んだ男は吐血!…そしてそのまま動かなくなる!…

それはまるで本当に死んだかの様に見えると、更に男達に動揺を呼び!…

と、一方でその事件?の犯人と思しき者が言葉を漏らし!…


「なんだぁ?…喧嘩をするなら我も混ぜんか!…

こう事なら大いに我は…大歓迎であるぞ?…」


「ッ!?!?…な、何だよコイツ!?…た、ただのガキじゃ!?…」


その際聡明な者であれば直ぐに誰がやったのか分かるモノで!…

言わずもがなその正体はバルで有り!…

一応男達からも認知はされて居たのだが、

まさかこんな力を持っているとは思っても居なかった様子で!…

尚何故バルがやった!と分かったのかについては状況が語り!…

殴られた男の場所にバルの姿、

そしてそのバルの様子はまるで何かを殴り飛ばしたかの様なポーズを取っており!…

と、一方でバルも面白そう!と言って喧嘩に参戦!…

するとそんなバルの登場に男達も戸惑い!…

ただのひ弱なMOB程度にしか思っていなかった事を漏らすと、

バルもその言葉を聞いてピクッと反応!…


「…ただのガキ……そうだな?…我はただのガキだ!…

そしてそんなただのガキ一人相手に!…

今尻尾を撒いて逃げようとして居るのがお前達!…」


「…はあぁ~…何でそこでお前がシャシャって来る?…

手を出すな!って……あぁ~…言っていない、かぁ…」


別に舐められていた事に対して怒ると言った事はなく、

寧ろ何も間違っていない!と…

何ならその男の言葉を肯定するようただのガキ!と口にして行き…

と言うのもこの事実が肝心!とばかりに…

静かにスッと男達に対して身構え始めると、

マサツグと同じく煽る言葉を漏らして行き!…

と、この時不敵に笑みまで浮かべる始末!…

となるとそんなバルの乱入にマサツグも戸惑い!…

止めた筈!と口にするが、

次にはそこ止めた面々の中にバルが含まれていなかった事を思い出し!…

するとバルもそんなマサツグの言葉にニンマリ笑みを!…


__ニマァ~!!…ッ!…


「笑うのがへたくそか!…そんなチ〇シャ猫みたいな!…」


「クソッ!!…さっきから無視しやがって!!…

何が何だか分からねぇが!!…まとめて全員お釈迦に!!…」


それはまるで紫のツートンカラーの猫を彷彿とさせる様に見える始末で!…

一応本人としては恍けているつもり!…

が、その笑っている顔と言うのは残念で有り!…

美形であるが故に尚更!と言った感じが見られると、

マサツグもそんなバルに対してツッコミを口に!…

何ならまんま思った事を口にして呆れて見せ!…

一方で二人に無視をされている男達は当然怒りを!…

馬鹿にされているよう感じて行き!…

次にはもう我慢の限界!とばかりにマサツグ達に襲い掛かるが、

その結果は火を見るより明らかで!…


__数分後…


「…はあぁ~…なんだ…この程度か?…」


__チィ~~ン……ッ!?…


さすがバルデウス完全無双!…並みいる敵を一捻り!とばかりに、

誰一人逃がす事無くその場に死体の山を!…

とは行かずあくまでも街中であるが故、

と言うよりシステム上街中でプレイヤーが死ぬ事は無く!…

しかし瀕死である事には勿論変わらず死屍累々!…

そして呆気なかった喧嘩にバルのハアァ~っと…

呆れるようにして溜息を吐くなり、歯ごたえが無い!と言ってガッカリして見せ!…

勿論当の本人は被弾ゼロ!…子供と思い襲い掛かって来た敵を、

さもあしらう様にしてカウンターの一撃で沈めて行き!…

と、そんな様子を見ていた周りの者達もこれには唖然!…

それこそ一体何者なのだ!?とばかりに…

あっと言う間にバルが注目の的と化して視線を独り占めにしていると、

更にバルは言葉を!…


「…向かって来る気概は認めてやらん事もないが…

ただ数だけの有象無象では面白くない!…

今度向かって来る時は…ちゃんと実力も持ち合わせる事だな…」


と言うのもさもその男達の力量を評価する様に!…

気概だけは認める一方、しかし実力が全然伴っていない!と…

何なら物理的に見下しながら弱い!と断言する始末で!…

言われている方は何も言えず、いや喋る事すら困難で!…

ただ各々が重なる様にして倒れており!…が、そんな男達を尻目に!…

今後に期待!とエール?…いや鬼畜な言葉を口にすると、

得物を取られたマサツグは唖然!…改めてバルの実力に戦慄する!…


「…バル…お前…本当に喧嘩強ぇのな?…まぁ分かり切ってた事だが…」


「…こんなモノでは腹の足しにもならん!…

さぁ!…改めてクエストとやらに行くぞ!…」


それこそその現場を見て喧嘩が強い!と言葉にすると、

この結果についてもまぁ分かって居た!と続けて漏らし…

一方でその喧嘩が済んだ所でバルも肩を回し始め!…

と言うのも先程のマサツグの話を思い出した様に!…

この程度では全然満足出来なかった事を口にすると、またマサツグを急かすよう!…

平原が見えている方をビッと指差す!…

その際その様子だけを見れば無邪気な子供の様に見えるのだが、

しかし周りを見渡せば全然そんな可愛げなど一切なく!…


「…そして無駄にタフいと……はあぁ~…

…まぁ自業自得って事で…じゃあな?…」


依然として周りは死屍累々、一ミリとしてピクリとも動く気配を全く見せず!…

と、この惨状にマサツグも戸惑う始末で!…

自身を急かすバルに対してタフネス!と…

子供に戻ったせいか尚の事何か元気が有り余っている様に感じられると、

また今後に不安を!…制御出来るかで悩んでしまう!…

因みその倒れている男達に関しては!…

バルにボコボコにされた事に対しては同情するが、

しかしだからと言って治療をする義理は無い!と…

自業自得と言ってその場に放置!…次にはバルの急かす言葉に合わせて!…

本当にその場を後にすると、まるでその現場は嵐が過ぎ去った様な!…

後から来た衛兵達をも驚かせる!…


さてそんな乱闘騒ぎが有りながらも、

場面は変わって漸く目的の大平原へと辿り着き!…


__スプリング大平原にて…


「「ッ!!………ッ…」」


「…ほほう!…暴れるには持って来いの場所であるな!…

ここなら思う存分!!…」


町の玄関から見るそれはまるで巨大な緑の絨毯が広がって見え、

頬を撫でる様に吹く風は心地の良く感じ!…

と、何の障害も見当たらない大平原にシロとハクも興奮気味!…

目を見開き頬を染め!…

思わず興奮した具合にパカッと言葉を発する事無く口を開けると、

一方で同じくと言うか!…バルが良い場所!と言ってワクワクし出す!…

と言うのも暴れるには絶好の場所!と、

するとその言葉を聞くなりマサツグが機敏に忠告を口に!…


「分かってはいるとは思うが!!…不必要な力は使わない事!!…

あくまでも自分が今身を隠して!……るのか?…

とにかく出来るだけ穏便に済ませる事!!…良いな!!…」


何故なら放っておけばすぐにこの場所を荒れ地にされる!と思ったからで…

それだけの力を持って居るが故に!…

若干声を強めて最初からパワーセーブを掛ける事を口にすると、

他にも人が居る事を仄めかし!…と言うのもその存在がバレたら大変だ!と…

その際身を隠している!…いや隠していたか?と悩むのだが!…

とにかく他の人に迷惑を掛けられない!と…

暴れるにしても常識の範囲内である事を忠告すると、

バルもそれを言われてピクッ!と…次には子供の様に膨れて見せる!…


「ッ!……分かって居る!!…それに今は汝の従魔であるぞ?…

全力を出そうにも[枷]が!…」


__ワアアアアァァァァ!!!…で、出たあぁ~~!!!…


「ッ!?…何!?…ッ!!…」


それは皆まで言わなくても!とばかりに返事をすると、

自分の立場を理解していると言うか!…

ただ信頼されていない様に言われた事が気に入らず!…

自分がマサツグの従魔である事を口にすると、

あの時の様な本気は出せない!と言い…と言うのもその理由に[枷]と話し!…

詳しい話をしようとするが、それを遮る様に何処からともなく声が!…

まるで事件が起きたかの様に悲鳴が聞こえる!…

となるとその聞こえてきた悲鳴にマサツグ達も反応をすると、

そこには巨大なトカゲに追われて居る冒険者の姿が!…


__ゴアアアァァァァァ!!!!…ドッド!!…ドッド!!…


何なら久しぶりに遠目から見ても異常な大きさ!…

やはり某・三角形の伝説RPGに出て来る、

キングサイズの大トカゲに何処と無く似ており!…

一方でその大トカゲに追われて居る者達は勿論必死!…

まぁ最初の平原でレベル上げ中に、

あんな馬鹿デカいトカゲに襲われれば当然パニックになるモノで!…

それも口を開けて追ってくる始末!…余程特殊な癖を持って居る者でもない限り!…

アレを見て逃げ出さない者は居ないであろう事を考えてしまうと、

一方でその[特殊な者]と言うか!…


「…アレがそうであるな?…では早速仕留めるとしよう!…

…」


__…グッ!!…バシュンッ!!!………ッ……ヴゥンッ!!…


勿論バルが興味津々でそのトカゲを見詰めて居り!…

依頼書に書かれてあったものはアレか!と…

仕事に意欲的と言うか欲望に忠実と言うか!…

とにかくチラッとトカゲを見て笑みをフフッ!と浮かべると、

楽しめれば良いのだが!と強者の言葉を口に!…

そしてグッと踏み込んではそのトカゲに向かって突貫し出す!…

すると次にはあっと言う間にトカゲの元まで飛んで見せると、

そのまま衝突して戦闘を始めて行き!…

一方でそのバルデウスの言葉や様子を見てマサツグも呆れてしまう事に!…


「もう余裕である事言ってんじゃん!……はあぁ~!…とにかく!…

俺達もアイテムを集めよう!…探して欲しいのは[薬草]と…」


何故ならその言動から既にもう大した事は無い!と言っている様な…

ハッキリ言って暇つぶしになるのか?と…

何なら勝手に飛んで行った事に対しても頭を抱えると、

次にはふと気持ちを切り替える様に!…自分達も行動に移る事を口にする!…

その際バルの様子が見える範囲で、他に受けた依頼のアイテムを集めよう!と…

と、そんな事を話して居るとハクが徐にピクッと反応!…

と言うのも臭いが気になるらしく、次には原因が分かった様子で!…


「…ッ!…スンスンッ……ッ…先生、トカゲ臭いのです!…」


「ッ!?…え、俺!?…」


それこそ徐にムスッとした表情で臭い!と言葉を…

何でもハクもシロと同じくトカゲの匂いが駄目の様で、

マサツグにトカゲ臭い事を訴え!…

と、言葉足らずに言ってしまったモノだからマサツグが誤解!…

マサツグは自分が臭い!と言われた様に感じてしまい!…

思わずえっ!?と驚いた様子で反応をすると、

ショックを受けた具合に自身の匂いを確かめ始め!…

するとそんなマサツグの様子にハクもハッと気が付き慌てて訂正を口に!…


「ッ!!…あ、あぁ~!…じゃなくて!!…

ここ、すっごくトカゲ臭いのです!!……ッ…

あとそれに雑じって…何かが?…」


「ッ!…お、俺じゃないのか!!…はあぁ~!…

…って、よくよく考えればそうか…臭かったら最初から…

…ん?…ス~ス~する?…」


誤解である事を慌てて訴え!…この場所がトカゲ臭い事を口にすると、

更にふと気になる事を続けて漏らし!…と、言うのもハク曰く!と…

それこそ今まで体験をした事が無い様な!…

トカゲの臭いに雑じってこれも気になる!と言った具合に!…

ハクが不思議そうな表情を浮かべると、一方でマサツグも訂正をされて事で安堵!…

何なら冷静になった所で自分ではなかった事を改めてふと理解する!…

さて一人安心した所でこれまた改めてハクの言葉に興味を持つと、

さも詳しい話を求める様に返事をして行き!…

するとハクもそのマサツグの問い掛けの様な返事に対してもう一つ言葉を!…


「ッ!…はいです……ッ…

何かこう…涼しい様な?…息が凄くしやすい…」


「ほぅ……ちなどっちから?…」


それは宛らメンソールハッカの様な匂いとばかりに、

ハク曰くその匂いのする方は息が楽!と…となるとハクとしても避難と言うか…

何かその匂いが気になるそんな素振りをマサツグに見せると、

マサツグもそのハクの反応が気になった様子!…

今度はその匂いのする方向について質問をする!…

するとハクもその問い掛けに対してまたピクッと反応をすると、

改めてその匂いのする方を探り始め!…

因みにシロは言われてから気が付いた様子で同じく匂いを嗅いでおり!…


「ッ!…えぇ~っと…スンスンッ……ッ!…あっちです!…」


「ッ!…あっちかぁ…」


次にはシロとハクが揃って同じ方向をピッと指差し、シロが言葉を口に!…

その際シロも確かに!と言った様子で気にして見せ!…

それはハクと同じく避難と言うか!…

不思議!と言わんばかりに気になっている表情を浮かべていると、

一方で同じイヌ科のシルビィは分からないのか!…

えっ?と戸惑う様にして匂いをずっと探り続ける!…

因みにシルビィの鼻は別に鈍感とかそう言うのでは全く無く、

寧ろマサツグ達より圧倒的に鋭敏で!…


__スンスンッ…スンスンッ……ッ?…


「…!ッ……シルビィは分からない感じか?…」


「ッ!…は、はい……確かにトカゲの匂いはしますが…」


が、それでも分からない様子で困惑しており!…

マサツグとしてもそんなシルビィの様子を見つつ!…

シルビィに分かるかどうかを尋ねて行くと、

シルビィは呼ばれて反応するなり戸惑いながらも返事をし始め!…

その際正直に分からない!と言い出す始末…

あくまでも分かるのはトカゲ臭いと言う事で有り!…

シロとハクの言うと言うのが分からずに居ると、

思わず首を傾げる素振りを!…何か不穏なモノを感じて見せる!…

と、そんなシルビィの返事を聞いた所で!…マサツグも更に疑問を持つが!…


「……ッ…よし、とりあえず行ってみるか…」


「「ッ!!……はいです!!」」


「ッ!…仰せのままに……では……ッ…」


取り敢えず行って見てみない事には分からない!とばかりに…

若干悩みつつもその正体を確かめに!…

シロとハクの指さす方へ向かう事を口にすると、シロとハクはパァッ!と…

明るい表情を浮かべて見せる!…そしてそのマサツグの決断に対して!…

シルビィも了承した様子で頷くと、一応とばかりに警戒をし始め!…

勿論何かしらの罠であるかも知れない訳で!…故に自身の神経を最大限に!…

鋭敏にするよう何か雰囲気を変えて行くと、何処からともなく槍をパッ!と…

その手に握って先行し出す!…


「ッ!?…ちょ!?…シ、シルビィ!?…」


「…ご安心を!…ただの露払いに御座います!…

…また先程の様な愚か者が出て来ないとも限らないので!…」


それはまるで戦闘中の様な殺気を放って見せると、

いつ何処から攻撃を受けても大丈夫な様に周囲を警戒!…

と、そんなシルビィの尋常ではない様子にマサツグも戸惑い!…

別にそこまでしなくても!?と…

動揺を露わにするようポロッと言葉を口にすると、

シルビィは先程の事も有るから!と言い…自らが露払いを買って出る!…

そしてマサツグ達の前に立ってやはり斥候が如く進んで行くと、

マサツグももう一つ戸惑って見せ!…


「ッ!?…そ、そんな大層な!!…

…って、アイツバルの様子にも注意を払わないと!…

まぁ負ける事はないだろうが…

それ以前に放っておく訳には行かんからなぁ…」


何やら明らかに張り切っている様なそんな気概が感じられ!…

とにかくそんなシルビィに戸惑い!…

逆に何か不安も感じてしまう一方、当然バルにも注意を払わなくては行かず!…

因みにそのバルの居る場所とハク達が指し示す方向と言うは若干逆で!…

故にマサツグとしても戸惑う所!…が、自分で言った手前見るしかなく!…

シロ達の後を追いながら視界にバルの捉えられるか?を確認すると、

一方でシロとハクの鼻センサーが本格始動!…


「…スンスンッ…スンスンッ……ッ…

うん!…やっぱりこっちから!!…先生!!」


何度も二人で匂いを嗅いでは方向を探り、

そしてこの時一番後方に居るマサツグへコッチ!と…導くよう声を掛けて行き!…

更には手も振ってアピールをすると、

マサツグもそんな無邪気な二人の様子を見て!…フッと笑いながら返事をする!…

だがその際一方で目的も明確にし始めると、マサツグはシロ達に注意を促し!…

と言うのもそれはバルの姿も見ないといけない!と言うモノで、

目的はクエストの達成にある!と…


「ッ!…あぁ、分かったぁ~!…でも先先行く?…

あくまでもクエストを達成する事が最優先だからなぁ~?…」


「「ッ!…はぁ~い!!」」


あくまでも匂いの原因を探るのは二の次である事を口にして行き!…

するとシロとハクもそれを聞いてハッ!とした様子を…

案の定目的を忘れ掛けていた様なそんな表情を露わにすると、

お互いの顔を見合わせる様な!…若干慌てる素振りを見せる!…

だがそれでもマサツグの方へと向き直すと、次には手を挙げて返事をして行き!…

と、こうして改めて各々は受けたクエストに取り掛かり始め!…


一方では大トカゲを相手に大乱闘!…

もう一方では匂いの原因を探ると言った奇妙な状況になって行くと、

その双方を監督しないといけないマサツグは!…

今日もやれやれ!と言った具合に戸惑い、

慌てながらも困惑し続ける事になるのであった!…

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貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~

楠富 つかさ
ファンタジー
 ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。  そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。 「やばい……これ、動けない……」  怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。 「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」  異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!

ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた

ひまなひと
ファンタジー
主人公がダンジョンに潜り、ステータスを強化し、強くなることを目指す物語である。 今の所、170話近くあります。 (修正していないものは1600です)

ダンジョントランスポーター ~ 現代に現れたダンジョンに潜ったらレベル999の天使に憑依されて運び屋になってしまった

海道一人
ファンタジー
二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。 ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。 そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。 主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。 ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。 それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。 ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

実家にガチャが来たそしてダンジョンが出来た ~スキルを沢山獲得してこの世界で最強になるようです~

仮実谷 望
ファンタジー
とあるサイトを眺めていると隠しリンクを踏んでしまう。主人公はそのサイトでガチャを廻してしまうとサイトからガチャが家に来た。突然の不可思議現象に戸惑うがすぐに納得する。そしてガチャから引いたダンジョンの芽がダンジョンになりダンジョンに入ることになる。

この世界にダンジョンが現れたようです ~チートな武器とスキルと魔法と従魔と仲間達と共に世界最強となる~

仮実谷 望
ファンタジー
主人公の増宮拓朗(ましみやたくろう)は20歳のニートである。 祖父母の家に居候している中、毎日の日課の自宅の蔵の確認を行う過程で謎の黒い穴を見つける。 試にその黒い穴に入ると謎の空間に到達する。 拓朗はその空間がダンジョンだと確信して興奮した。 さっそく蔵にある武器と防具で装備を整えてダンジョンに入ることになるのだが…… 暫くするとこの世界には異変が起きていた。 謎の怪物が現れて人を襲っているなどの目撃例が出ているようだ。 謎の黒い穴に入った若者が行方不明になったなどの事例も出ている。 そのころ拓朗は知ってか知らずか着実にレベルを上げて世界最強の探索者になっていた。 その後モンスターが街に現れるようになったら、狐の仮面を被りモンスターを退治しないといけないと奮起する。 その過程で他にもダンジョンで女子高生と出会いダンジョンの攻略を進め成長していく。 様々な登場人物が織りなす群像劇です。 主人公以外の視点も書くのでそこをご了承ください。 その後、七星家の七星ナナナと虹咲家の虹咲ナナカとの出会いが拓朗を成長させるきっかけになる。 ユキトとの出会いの中、拓朗は成長する。 タクロウは立派なヒーローとして覚醒する。 その後どんな敵が来ようとも敵を押しのける。倒す。そんな無敵のヒーロー稲荷仮面が活躍するヒーロー路線物も描いていきたいです。

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