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手紙
しおりを挟む......そういえば
「ロイ兄はなんであそこに居たの?最高神なのに......。」
「あぁ、それはね。スイの世界“アース”に人間じゃない者が居るという報告を受けてね調査に行っていたんだよ。」
「っ!?それじゃあ、こんなことしてる場合じゃ!」
もし私のせいでロイ兄に迷惑をかけていたら洒落にならない
最高神であるロイ兄が行ったぐらいだ
そうとうな面倒事だった筈
「そんな思いつめた表情はしなくていいよ。」
「なんで?」
「その正体がスイだったからね。」
.....そっか、うん
なんでなのかは.....一応想像がつく
翼のある人間は人間とは言わないもんね
「じゃあ、何で倒れてたの?」
「それはね、アースに行く時というか他の世界に行く際に少なからずダメージを受けるんだけど、思ったよりも身体へのダメージが酷くてね.....倒れてしまったんだ。」
なんというか
ロイ兄ってどこか抜けてるのかな?
「着いたよ。」
「えっ!」
いろいろ考えている間に着いてしまったらしい
.....でも此処って
「.....草原?」
目の前に広がるのは青々とした草が辺り一面を覆っている草原
草の上を歩くと絨毯のようにふかふかしている
「ロイ兄、此処って異世界に関係あるの?」
「今はただの草原だけど、此処からじゃないと異世界に行けないんだ。」
「それって、どういうこと?」
「....すぐ分かるよ。」
そう言うとロイ兄は手を前にかざして呪文らしき言葉を言う。
すると少し先のところに陣が浮かび上がり巨大な門が現れた。
「.....あんなのどこから?」
「扉の間だよ.....でも、あそこは狭いし扉から何か出てきたときに対処できないから草原に出て扉を取り出さないと後々面倒なことになるんだ。」
「異世界には門をくぐって行くの?」
「そうだよ.....出入り口が穴とかだったら誤って他の世界に行ってしまう可能性が高くなるからね。」
....凄く安全を重視してるんだ
たぶんだけど誤って他の世界に行ってしまうというのは、神様達のことじゃなくて人間とか動物のことだと思う
「ロイ兄って優しいんだね。」
「そんなこと無いさ。」
そう言ったロイ兄の顔は少し寂しそうだった
その影響か
....少し寂しくなった
「異世界に言ったら美里さんにはもう、会えないんだね。」
「そうなるね。」
「学校とかはどうなるの?」
「一応、学校に関しては退学することになる。」
「そっか。」
学校には特に思い入れは無かったから、たいして何も思わない
入学したばっかりだったし友達もいなかったし
ん?退学?
「退学って?」
「安心するといい。もう届けは提出してある。」
いつの間に
ほんとに.......いつ出したの?
「家庭事情でって言ったら縋り......もう一度検討してほしいと言われたけどね。まぁ、受け取ってもらえたよ。」
「.......。」
こういう時、反応に困る。仕事早すぎと言うかなんというか
「じゃあ....美里さんのほうも?」
「あぁ、話はしてある。」
「......何か言ってた?」
本当にいつ話したんだか分からないけど、伝言とかあったらいいな
そう思っているとロイ兄は懐から白い便箋を取り出した
「これを渡してほしいと頼まれた。」
そこには
とても綺麗な文字が綴られていた
___________________________________________
親愛なる妹 翠へ
貴方から何も聞かされなかったことに少し怒っています。
だって言われないと何も分からないでしょ。
せめて相談してほしかった。
翠らしいといえば翠らしいけどね。
それに異世界?
最初、ロイドさんの頭が可笑しくなったのかと思ったわ。
まぁ、翠が決めたことなら何も言わないけど......。
ちなみに家は私が貰うわよ。
日本での拠点にさせてもらうから。
だから
寂しくなったら、いつでも帰ってきていいからね?
あなたは私の大切な妹なんだから
翠、これから先もずっと大好きよ。
貴方の家族・姉である美里より
___________________________________________
......美里さん
「私も大好きだよ。」
その声は
ガサッガサッ.....
不吉な音の中に消えていった
「.......何の音?」
此処には今、私とロイ兄しかいないはず。それに音がだんだんこっちに近づいてきてる。
ロイ兄のほうを見ると、ロイ兄と目が合った。
ロイ兄も気づいてる
互いに頷き辺りを警戒する。
しばらくして音が止まった。
「......もしかして気のせい?」
そう思うほど長い時間警戒しているように感じた
ピー!ピー!
だから鳴き声を聞いたとき
凄く安心した
「.....雛鳥?」
何かの鳥の雛が草から顔を出して鳴き始めた。
白くてモフモフしていて緑色の瞳
可愛い!
「クリウォーンの雛か。」
「クリウォーン?」
「クリスタル、宝石なんかを生み出すことができる鳥だよ。庭園にいるはずなのに、どうしてこんなところに?」
ロイ兄は優しい微笑を浮かべながら雛を抱き上げる。
その瞬間、何かがロイ兄に向かって飛んできた。
「....っ!?危ない!!」
とっさに、ロイ兄を強く押す。押されて体制を崩したロイ兄が私を見て驚いた顔をしたのが見えた。
その瞬間左肩に激しい痛みを感じて、私は意識を失った。
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